高浜電工ボイスドラマ「明日の灯り(あしたのあかり)」(タカハマデンコーズ)

ボイスドラマ「ホワイトハッカー〜高浜に住むJKはなんと国家の秘密機関に所属するホワイトハッカーだった件」

地元・高浜の高校に通う女子高生ユニカ。だが、その正体は国家直轄の極秘機関に所属する"ホワイトハッカー"だった──。家ではお気楽な母・エレナと、無口で不器用なシステムエンジニアの父・ベイスと平和に暮らすユニカだが、ある日突如、ハッカー集団からの脅迫メッセージが届く。国家機密が危機にさらされる中、彼女が頼ったのは、誰よりも近くにいた“冴えない父”だった。父と娘の知られざる共闘が、今はじまる!テーマは「家族と信頼」「日常と非日常の交錯」耳で聴くセキュリティ・ドラマ、ここに爆誕!

【ボイスドラマ「ホワイトハッカー」】

【ペルソナ】

・ユニカ(娘/15歳)・・・地元高浜の高校に通うJK。実は中学生のときにスカウトされて国家的なサイバーアライアンスに所属し、クライアントを多数かかえるホワイトハッカー。企業のセキュリティホールの修復や外部の攻撃からシステムを守っているがその事実は誰も知らない。

・エレナ(ママ/35歳)・・・娘のユニカとは友達同士のような関係の能天気お気楽ママ

・ベイス(パパ/45歳)・・・高浜電工装置制御部所属。取引先の産業用ロボット・セラミックス製造ラインの自動制御、さらには街のインフラを支える機械設備関連の自動制御を担当するシステムエンジニア

<シーン1/ホワイトハッカー>

▪️朝の小鳥のさえずり/食卓の音

「ユーニカー、今度の週末、夢の国に遊び行かなーい?」

「え〜、ママまたぁ?先月行ったばっかりじゃん」

「てかもう一ヶ月以上間(あいだ)があいてるのよ。

そんな毎日毎日、おうちでゲームばかりしてないでさあ」

「アタシ学校ちゃんと行ってるもん。引きこもってなんかないし」

「どーしたらいいのー、この夢の国ロス」

ロス、って。そんな死語・・

ママとアタシは年が20個しか離れてないから、ほとんど姉妹みたいな感じ。

「そのゲーム、そんなに面白いならママにもやらせて」

おっと・・

このゲーム、ただのシミュレーションゲームじゃないんだなー。

アタシの名前はユニカ。15歳。

地元・高浜の高校に通う一年生。

というのは表の顔で、実は!

大きな声では言えないけど、アタシはホワイトハッカー。

政府直轄の極秘機関「国家サイバー防衛機構/アライアンス」に所属してるの。

ホワイトハッカー。知ってるよね。

サイバー攻撃から企業や組織を守る、正義のハッカーだよ。

国家レベルのサイバーテロから日本を守る最後の砦、って言われてる。

アタシ、幼稚園行く前からパパに教えてもらって、いっつもプログラミングしてたんだ。

そしたら中学卒業するときに、いきなりスカウトされて。

えっ?給料?そこ?

ま、好きなゲームを大人買いできるくらいはあるかな。

でもって、

このオンラインゲーム『クロノス・レガシー』はね、アタシが開発したシミュレーター。

実在のサイバー空間をモデルにした、防衛シミュレーターよ。

ゲームやってるように見えるけど、現実のセキュリティホールやハッカーの動向を分析してツブしてるんだ。

ゲーム内で敵を倒せば、現実の悪質なハッカーを追跡・無力化する。

プロセスと同期して現実世界のセキュリティ強化につながるのー。

「よっしゃぁ!ステージクリア!

次はスタックオーバーフローを起こすトラップだぁ」

「なんか、チョー難しそうなゲームねえ。

ママには無理っぽい」

「ママ、今日パパは?」

「あら、まだ寝てるの〜。ユニカ、ちょっと起こしてきて」

「え〜。めんどくさ〜」

「なんかいま大きな開発にかかわってるって・・疲れてるのよ」

「ふうん。ま、どーでもいいけど」

「それより、夢の国は〜?」

アタシのパパは、高浜電工の装置制御部ってとこで働いてる。

前に『どんなお仕事?』って聞いたときは、

セキュリティの関係で言えない、って言ってた。

な〜んか、感じわる〜。

んなこと言って、どうせ、たいしたことしてないんでしょ。

いっつもドジでどんくさいパパなんだから。

ハッキングして調べてやろうかと思ったけど、

ファイアウォール破れなかったんだよね。

「パパ〜!ご飯だよ〜!降りてきなさ〜い!」

「めんどくさがらずに起こしてきてあげて」

「だる〜」

▪️部屋の階段をスリッパで降りてくる音

「ふわぁ〜おはよう」

「あなた、おはよう」

「ん〜?なんだユニカ、またゲームか」

「るっさいなあ。

いま取り込み中。

う〜ん、ダメだ。

指定のアイテムを使ったら、キャラクターが座標空間から消失しちゃう!

このバグ、どうしても突破できない!

進行できないじゃん・・・」

「バグ・・・?」

「パパはだまってて」

「2人とも、難しい話はそこまで。パン、焼けたわよ」

この案件、なんとか夜までに片付けないと。

うん。大丈夫。アタシはレベチのホワイトハッカー。

プログラミングの天才、ユニカなんだから。

学校でも行ってアタマ切り替えるか。

眠くなりそうな授業聞いてれば、ASMRみたく気分転換にもなるしね。

リトリート、リトリート。

<シーン2/午後・放課後>

▪️扉を開ける音

「ただいまぁ」

「おかえり〜、早かったのね。今日部活は?」

「休んだ。早く帰ってゲームの続きしなくちゃ」

「あの、難しそうなゲーム?」

「うん。しばらく部屋にこもるから」

「夕食のときはちゃんと降りてきなさいよ」

「は〜い」

部屋へ入ると、机の上に一枚のメモ。

パパからだ。

そこに書かれていたのは、

『スタックポインタが不正なメモリアドレスを参照している』

というひとことと、簡単なコード。

え?

パパ、『クロノス・レガシー』にログインしたの?どやって?

オンラインゲームの体(てい)をしてるけど、

プログラミングできないとID作れないようになってるのに。

あそっか、パパ。高浜電工でそっち系のお仕事だったっけ。

ま、いいや。でもこのコード・・・

オブジェクトを生成した時に、メモリ空間の再配置がうまくいってなかったってこと?

パパのメモを参考にして、ポインタの参照先をチェック。

コードを入力すると・・・

▪️キーボードを入力する音

あ、エラーメッセージが消えた。

スタックが正常に処理されてる。

そっか、バッファオーバーフローの問題だったんだ。

やばかった〜。

もし今日中に処理できなかったら、国家機密が漏洩しちゃうとこだったし。

そ、これは国のインフラへの不正アクセスをブロックするコマンド。

やるじゃん、パパ。

やるじゃん、高浜電工。

<シーン3/翌日の朝>

▪️朝の雑踏

「じゃ、ちょっと早いけど、会社行くよ」

「パパいってらっしゃい、夕食は食べれるの?」

「どうかな、ママの美味しいご飯は食べたいんだけど・・」

「会社でなんかあったの?」

「ん、ちょっとな・・」

「なあに?」

「コンプライアンスがあるから家族でも言えないよ」

「またぁ?

いいじゃん、私だってプログラマ・・あ、じゃなくて、ゲーマーなんだから」

「そうか。じゃあ、ゲームで言うと・・・

突然、アイテムが消えたり、書き換えられちゃう、みたいな感じかな。しかも、相手はラスボス」

「え〜、それ、やばいじゃん」

「だから・・行ってくるよ。ユニカも学校送れないようにな」

「いってらっしゃ〜い」

「いってら〜」

▪️扉が閉まる音「ガチャン」

「ユニカ、あなたも早く準備しなさい」

「はあい」

<シーン4/学校の教室>

▪️学校のチャイム〜教室の雑踏

はあ〜っ。だめだ。全然授業に集中できん。

パパの言ってたトラブルって、製造ラインのことだよね。

多分、取引先の。

自動制御システムに不正アクセスされたんだ、きっと。

なんてこと考えてるうちに、午前の授業が終わり、お弁当の時間。

▪️LINEのようなメール