残間光太郎の"闘うものの歌が聞こえるか"

ひらめきを起こしてもしてらうために仕掛けるノベーション(1611回)

国宝の李相日りそうひむ監督の、エチュードという、撮影に入る前に俳優が台本なしで役になりきる手法を実施する理由に、感動しました

曰く

"もちろん、最終的な俳優のひらめきっていうのは、すごく大事で。

まあ、もっと言うと、そのひらめきをこう待つ、ひらめきを起こしてもらうために、こっちはプロセスをばーっと仕掛けるわけ。

なんかそういったことをさ、繊細にこう役者の様子を見ながら、仕掛けるというか、積重ねてかないと。

ただもうこれ撮ります。これ撮ります。これ撮りますってやってたら、なんかあんまり意味がないっていうか。"

ここから私は思いました

1、マネージャーの役割

2、メンターの役割

3、プロセスのイノベーションを起こす

1、マネージャーの役割

李監督が映画のリーダー的な存在だとすれば、一般企業においては、いわばマネージャー的な役割なのかもしれないと思いました

そしてそのマネージャーに必要とされるのは、場を作って新しいアイディアをだせ、ではなく、新しいアイディアが出るような仕掛けづくりを、プロセスをしっかり設計して実施することなんだと改めて思いました

とかく、アイディアコンテストやろうとか、WGやろうとかに終始しがちですが、実はそこからアイディアを出すまでのプロセスのところに、新たな仕掛けを入れていかないと、アイディアは出にくいし、それがマネージャーの大きな役割なのだとも思わせて頂きました

2、メンターの役割

また同様に、外部のメンターやファシリテーターをお願いするときにも、このプロセスを重視して、その中から新しいアイディアが出てくるのをサポートするところは少ない気がします

さらにありがちなのは、どこかの型を持ってきて、その型にはめるようなやり方をして、メンタリングみたいな形で言われるところがありますが

李さんが言われるように、繊細に役者の様子を見ながら、フレーム自体ややり方をどんどん変えていかなければ、すぐに陳腐化してしまうということを思いました

3、プロセスのイノベーションを起こす

そういう意味では大切なのは、プロセス自体に目を向けて、そこをその会社や風土にあったものにしていく、プロセス自体のイノベーションを起こすことが重要かと思います

とかく、イノベーションのビジネスコンテストや、フレームワークが決まると、活動はどんどん活発化するのですが、目的と手段が逆転して、いつの間にかそのフレームワークを守るために、何が必要なのだ、どうするみたいな議論が出ることもあるかと思います

イノベーションが起きるプロセスの設計は、すぐに陳腐化してしまうという前提で、プロセス自体をイノベーティブなものとしてアップデートしていく必要があるということかと思いました

ということで

李さんのエチュードという新たな手法のように、どんなプロセスのイノベーションがありうるのか?それを探し続けると言うことが大切だと思いました

一言で言えば

ひらめきを起こしてもしてらうために仕掛けるノベーション

そんな話をしてきます^ ^

参考:NHK スイッチインタビュー 妻夫木聡✕李相日EP1 映画「国宝」の監督が語る演出術 2025/9/19  https://www.nhk.jp/p/switch-int/ts/K7Y4X59JG7/episode/te/E5ZMNZYQ3Z/

動画で見たい方はこちら

https://youtu.be/pA4q3ce8eq8