残間光太郎の"闘うものの歌が聞こえるか"

アンゾフと渡り廊下ノベーション(1638回)

一橋大学大学院経営管理研究科特任教授の名和高司さんからの、新たなビジネスを創発する手法の一つについて、勉強させて頂きました

曰く

"市場と商品を両軸にとり、それぞれを既存と新規に分ける。すると2×2のきわめてシンプルなマトリクスができあがる"

"そして、いきなり多角化を狙うより一コマずらして拡業を目指すことにこそ、このアンゾフのマトリクスの真価がある。"

"しかし、既存の製品や市場を一ボックスずつずらすといっても簡単に答えは出てこない。そこで考え出したのが、3×3のマトリクス[図19]だ。隣のボックスに行く前に、製品・市場を要素分解し、それを再構成するという作業をおこなうボックスを真ん中に置いたのだ。"

"渡り廊下のところで、技術と市場の要素分解をすることによって、マッチングが図れたように、いったん、自分たちが持っているものをよく分解してみると、いきなり応用は利かなくても、次のものに変換しやすくなる。"

ここから私は思いました

1、ずっけーずらし

2、要素分解と再構成、そして抽象化

3、お客様の真の課題との往復運動

1、ずっけーずらし

これこそまさに、ずっけーサービスを実現するための必殺技かもしれないと思いました。ずっけーサービスとは、以前もお話しさせて頂きました、NHKの元プロデューサーの小国士朗さんから教えて頂いた、コアコンピタンスを活かした新しいビジネス創発のお話です

お金もスピードもあるベンチャー企業へ対して、大企業じゃなきゃできないビジネス創発のやり方としては、いかにずっけーポイントを新たに展開していくかが、大切と私は思ってます

アンゾフのマトリクスは、とても有名なフレームワークで、今でも強力な、ずっけー新規ビジネス創発のツールですが、実際に活用するためには、なかなか、マトリクスを横にずらすジャンプが必要と思ってました

そこに、"渡り廊下"という、ずっけーの内容を因数分解する、とてもわかりやすいいプロセスを挟み込むことで、やるべきプロセスが一つとてもわかりやすく理解でき、ずっけーずらしがやりやすくなるなあと、めちゃくちゃ勉強になりました

2、要素分解と再構成、そして抽象化

渡り廊下の機能として、重要なのが、自社のコアコンピタンスの要素分解と再構成というところが、なかなかやらない、かつできないところかなと思い、このツールの素晴らしいところだと思いました

その作業は、オープンイノベーションにおける、自社が譲れないクローズドイノベーションの部分を抽出する作業にも、同じようなことをするなあとも思いました

それは、技術のコアの部分なのか、または、モジュール化した一つ一つの組み合わせなのか、様々な要素分解があるかとおもいます

また、それが、技術以外のたとえば、ソリューションであれば、そのソリューションのコアとなる考え方だったり、独特の課題の捉え方、さらには、もっと抽象化して捉えた時の、提供する価値がなんなのかを、捉え直してみるということが、とても重要だなあとおもいました

3、お客様の真の課題との往復運動

これらの作業を経て、初めて、自社における、ずっけーとは何かの定義づけができるようになると思いました

しかしそれだけでは、ともすると、プロダクトアウト思考になってしまう可能性もあるので、改めてそこから想定されるお客様への真の課題の掘り下げをやっていって

ずっけーポイントと、真の課題の往復運動をしながら、ベストマッチポイントを探っていく、そんな作業になっていくのかなとおもいました

その時にも、渡り廊下で整理した要素を、どう再構築していくのか?ここに、真の課題が果たしてどんな形なので、こんな再構成なのでは?といった進め方なのかなと思いました

ということで、特に既存事業を持っている大企業におけるイノベーションのやり方として

アンゾフ✖️渡り廊下は、めちゃくちゃ使い勝手良いツールになるなあと思いました

一言で言うと

渡り廊下ノベーション

そんなことを思いました^ ^

参考:本:コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法 2018年7月15日 初版第1刷発行 著者 名和高司 発行所  株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワン