残間光太郎の"闘うものの歌が聞こえるか"

夢をみんなで共有するノベーション(1636回)

オンライン3Dゲーム機という衝撃のソニーのプレイステーション開発において、リーダー的な役割をされていた久夛良木健の、プロジェクト成功の秘訣に震えました

曰く

"やっぱり損得感情とか、そういうんじゃなくて

夢をみんなで共有したんじゃないですかね

今までの話だとソニーとか東芝だけのように見えますが、実は百社の方たちと一緒にコラボレーションしてる。

社内社外。それからゲーマーの皆さん、本当に皆さんに支えてもらって、このエンターテイメントが、ここまで大きく育ちつつあって。

で、まだまだこれからですと思うので。

私としては、みんなどうもありがとう、というのが今の気持ちです。"

ここから私は思いました

1、オープンイノベーションは大義で握る

2、大義に仲間が集う

3、社会彫刻 

1、オープンイノベーションは大義で握る

オープンイノベーションというと、ベンチャー企業と大企業という構図が思い浮かびますが、もちろん、大企業同士でもオープンイノベーションは沢山ありますが

各々の企業の事情が違うのは、もしかすると、大企業同士の方が、たくさんの関係者がいる分、より複雑かもしれないなあと思います

そんな中、ソニーと東芝が、オンライン3Dゲーム機と、半導体で、タッグを組んだ秘訣は、"夢を共有した"ということに感動しました

オープンイノベーションプロジェクトを沢山経験してきましたが、上手くいくプロジェクトに共通していたのは、お互いの目指す大きな方向性(大義、ビジョン、夢)を共有したものが、多かったと実感があります

例えば、ベンチャーの決裁スピードと、大企業の決裁スピードは、相当な違いがあり、ベンチャー側が待ちきれない、といったような現場での小さな齟齬が積み重なり、破綻に至る、というケースも沢山あるのですが

その中で踏ん張れるのは、そこにいるリーダーの目指すビジョンや大義が、一緒に握れている、ここがとても大きなポイントと思います

今回の大企業同士のオープンイノベーションプロジェクトの成功の鍵も、夢を共有した、そこにあったのかもしれないと思いました

2、大義に仲間が集う

イノベーターリップルモデルによると、誰かのパッションから始まり、そして仲間が出来、そこからたくさんの人たちが幸せになれる大義が生まれる

この構造が今回のプレイステーションプロジェクトでもあったのかもしれないなと思いました

ソニーの久夛良木さんから生まれたパッションが、東芝さんという仲間を生み、そして、そこから、これまでにない3Dリアルタイムゲーム機で、誰もが驚きそして楽しめる大義へ繋がる

この大義に、プレステ開発者のみならず、100社のゲームアプリ会社や、そして、ゲーマーが熱狂した、そんな構造を生み出したのかなあと思いました

3、社会彫刻 

プレイステーションが、生み出した市場は、ある意味、これまでにない仕組みや仕掛けで、新しい世の中にないものを創発したという意味において

ヨーゼフボイスさんのいうところの、社会彫刻を実現したと、いうことなんだろうなあとも思いました

社会彫刻は、なんの変哲もない石から魂を揺さぶる彫刻ができるように、社会に生活する人たちから、社会における新しい価値を創り出す、そしてそれは、誰もができることだ、というように解釈してますが

ハーバード大学の広中教授が言われているように、世の中の人たちは、庭を掃除したり、編み物を編んだり、結婚したり、そんなことは、全て誰もが実施している創造的な活動だというようなことを言われていることと、とても付合すると思います

小さな規模の社会彫刻は、誰もがやってることで、そしてその延長線上に、プレイステーションのような、誰もが知ることになるイノベーションが生まれていることで

全ては人々の最初のパッションから、仲間、そして大義を結びつけながら、繋がっていることなのだろうなあと、そんなことを思いました

ということで一言で言うと

夢をみんなで共有するノベーション

そんなことを思いました^ ^

参考: 新プロジェクトX 異端児たちのゲーム機革命 2025/10/11(土)PM 8:00~PM 8:50 NHK総合・東京  https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-P1124VMJ6R/ep/92Z4W2PGMZ