高千穂さんのご縁です。

RKKラジオ

仏教にまつわる色々なお話を、分かりやすくお話していただく番組です。仏教由来の言葉、豆知識、歴史、迷信、風習、教義、作法などなど。 出演は、熊本市中央区京町にある仏嚴寺の高千穂光正さん。お相手は、丸井純子さん。 お悩み相談もメールで受け付け中!goen@rkk.jp ▼メール goen@rkk.jp ★地上波ではRKKラジオ(熊本)FM91.4    AM1197で、毎週水曜日 午後6時10分から放送中。是非生放送でもお聴きください。

  1. 3 GG FA

    【報恩講(ほうおんこう)】とは

    浄土真宗で最も大切な年中行事が報恩講です。宗祖・親鸞(しんらん)聖人のご命日にちなみ、仏さまのご恩、そして教えを伝えてくださった先人のご恩に「報(むく)いて恩に謝する」法要として営まれます。 🔶日にちと暦を整えます 親鸞聖人のご命日:旧暦11月28日(新暦換算では1月16日)。 本願寺派(西本願寺)では、宗祖のご命日に合わせて御正忌(ごしょうき)報恩講を1月16日前後に厳修します。 真宗大谷派(東本願寺)では、11月21日〜28日に報恩講を営むのが通例です。 旧暦(太陰太陽暦)は月の満ち欠けを基本とするため年日が短く、閏月で季節のずれを調整してきました。明治以降は太陽暦(新暦)へ移行し、法要日程の運用に両派の伝統が残っています。 🔶報恩講のはじまり 第3代本願寺門主・覚如(かくにょ)上人(親鸞聖人の曾孫)が、法要の次第を整えた『報恩講式(ほうおんこうしき)』を撰述。 その子の存覚(ぞんかく)上人が内容を整備・普及に尽力しました。 第8代・蓮如(れんにょ)上人の時代には、全国の寺院・道場へと広く定着していきます。500年以上に及ぶ歴史をもつ行事です。 🔶報恩講で何をするのか お勤め:正信偈(しょうしんげ)などをお唱えします。 ご法話:阿弥陀如来の本願と親鸞聖人のご遺徳に学び、念仏の道を確かめ合います。 趣旨:供養中心ではなく、恩を知り、恩に報いる仏事として、今を生きる私の聞法(もんぽう)の場であることが要点です。 🔶歎異抄の一節を手がかりに 親鸞聖人の言行を伝える『歎異抄(たんにしょう)』には、 「親鸞は、父母の孝養のためとて、一念一度も念仏申したること候はず」 とあります。念仏は誰かのために「してあげる供養」ではなく、阿弥陀如来の働き(本願力)に遇(あ)った私の口からおのずとあふれる称名である、という核心が示されています。生死は無常。だからこそ本願に身をまかせ、今ここで聞法し念仏申す。報恩講は、その原点に立ち返るご縁です。 🔶旧暦と新暦のミニ知識 旧暦(太陰太陽暦)は1か月を約29.5日と数えるため、354日ほどで1年になり、季節とずれます。 ずれを補うため閏月(うるうづき)を置きました。 新暦(太陽暦)移行後、本願寺派は新暦1月、大谷派は新暦11月にそれぞれの慣行で報恩講を営んでいます。 🔶今週のまとめ 報恩講は、親鸞聖人のご命日にちなむ「恩に報いる」法要。 起源は覚如上人の『報恩講式』、整備は存覚上人、全国的な普及は蓮如上人。 趣旨は供養中心ではなく聞法中心。阿弥陀如来の本願に遇い、念仏の道を確かめるご縁です。 暦の違いにより、西本願寺は1月(御正忌報恩講)、東本願寺は11月に営むのが通例です。 来週のテーマは「お釈迦さまのお話」です。どうぞお楽しみに。 お話は、熊本市中央区京町(きょうまち)にある仏嚴寺(ぶつごんじ)の高千穂光正(たかちほ こうしょう)さん。 お相手は丸井純子(まるい じゅんこ)でした。

    9 min
  2. 19 NOV

    【お布施のお話(その二)】 地位・所有・席へのしがみつきは、怒りや不満の芽に

    🔶「お布施(その二)」をやさしく読み解きます 今週は、仏教の実践「布施(ふせ)」を前回につづいて深めます。ことば・人名・仏教用語を正しながら、日常に落とし込める形で整理します。 🔶布施の語源を正します布施はサンスクリット語 dāna(ダーナ) の意訳です。「自分の持ち物・力・心を惜しみなく分かち合い、互いに助け合い喜び合うこと」を指します。なお、日本語の「旦那/檀那(だんな)」は仏教語で、施主・パトロンの意から来ました(関連語:檀家(だんか)・檀越(だんおつ))。浄土真宗では一般に「門徒(もんと)/門信徒」と呼び、「檀家」は用いないのが通例です。 🔶六波羅蜜における布施菩薩の六つの修行 六波羅蜜(ろくはらみつ:布施・持戒・忍辱・精進・禅定・智慧)の第一が布施です。布施は次の三つに大別されます。 財施(ざいせ):金品・物品・時間・労力などを分かち合います。法施(ほうせ):教え・知恵・気づきを分かち合います。無畏施(むいせ):恐れや不安にある人を安心へ導く支え(傾聴・付き添い・安全の提供など)です。いずれも見返りを求めない「贈与の心」が核です。 🔶お金がなくてもできる「無財の七施」財産がなくても今日から実践できる布施が、**無財の七施(むざいのしちせ)**です。 眼施(がんせ):温かなまなざしを向けます。和顔施(わがんせ/和顔悦色施):にこやかな表情で接します。言辞施(ごんじせ):やさしい言葉をかけます。身施(しんせ):体を使って手助けします。心施(しんせ/慈心施 じしんせ):思いやりを向けます。床座施(しょうざせ):席や場所を譲るなど、居場所を提供します。房舎施(ぼうしゃせ):雨宿りの軒を貸す・休ませるなど、憩いの場を与えます。 🔶「床座施」を日常に生かしますバスや電車での席を譲ることは床座施の代表例です。要点は次の三つです。・相手の状況(高齢・妊娠・体調等)に気づく眼施をもつ。・和顔+言辞(やわらかな表情と一言)で申し出る。・断られても気を悪くしない(見返りを求めない)。さらに、職場などで役割やポジションを後進に譲る姿勢も、広い意味での床座施です。執着から一歩離れる修行といえます。 🔶執着から離れるヒント地位・所有・席へのしがみつきは、怒りや不満の芽になります。小さな一歩(席を譲る・順番を譲る・発言枠を譲る)を日々の習慣にすると、心の柔らかさが育ちます。できない日があっても構いません。続けようとする志が、布施のいのちです。 🔶今週のまとめ・布施は dāna の訳で、「惜しみなく分かち合う」実践です。・六波羅蜜の第一で、財施・法施・無畏施の三施を含みます。・無財の七施(眼施・和顔施・言辞施・身施・心施・床座施・房舎施)は、誰でも今日から始められます。・とくに床座施は、席や役割を譲る実践。執着を離れる小さな歩みが、やさしい社会の土台になります。 来週のテーマは「報恩講(ほうおんこう)」のお話です。どうぞお楽しみに。 お話は、熊本市中央区京町(きょうまち)にある仏嚴寺(ぶつごんじ)の高千穂光正(たかちほ こうしょう)さん。お相手は丸井純子(まるい じゅんこ)でした。

    9 min
  3. 12 NOV

    【お布施のお話(その一)】 お金がなくてもできる「無財の七施」

    🔶「お布施(その一)」をやさしく整理します 「お布施=お金や物を渡すこと」と思われがちですが、仏教でいう**布施(ふせ)**はもっと広く深い実践を指します。今週は、用語を正しつつ、日常で生かせる形にまとめます。 🔶布施の本来の意味 布施はサンスクリット語 dāna(ダーナ) の意訳で、「自分の持ち物や能力・心を惜しみなく分かち合い、互いに助け合い喜び合うこと」を意味します。見返りや取引ではなく、純粋な贈与の心が要です。 🔶六波羅蜜と三種の布施 菩薩の修行である**六波羅蜜(ろくはらみつ)**のはじめに置かれるのが布施です。布施には大きく三つあります。 財施(ざいせ):金品・物品・時間・労力を分かち合います。 法施(ほっせ):教えや知恵・気づきを分かち合います(僧侶だけでなく、学んだことをやさしく伝える行為全般を含みます)。 無畏施(むいせ):不安・恐れにある人を安心へ導く支え(傾聴・寄り添い・安全の提供など)。 いずれも「相手の利益(やすらぎ)を願う心」が中心にあります。 🔶布施の心得は「見返りを求めない」 「これをしたから、相手は返してくれるはず」という計算は布施の心から離れます。結果や評価に執着せず、ただ相手のためにおこなう——その自由さが布施のいのちです。 🔶お金がなくてもできる「無財の七施」 財産がなくても実践できる布施として、仏教には無財の七施(むざいのしちせ)が説かれます。 眼施(がんせ):温かいまなざしを向けます。 和顔施(わがんせ)(和顔悦色施):にこやかな表情で接します。 言辞施(ごんじせ):やさしい言葉をかけます。 身施(しんせ):体を使ってできる助けをします(手伝い・介助など)。 心施(しんせ/慈心施 じしんせ):思いやり・祈りなど心からの善意を向けます。 床座施(しょうざせ):席や場所を譲るなど、快適な居場所を提供します。 房舎施(ぼうしゃせ):雨宿りの軒を貸す・玄関先で休ませるなど、憩いの場を与えます。 どれも「今日から・ここで」実践できます。 🔶「和顔愛語(わげんあいご)」を合い言葉に 和顔愛語とは、柔和な顔(和顔)と愛ある言葉(愛語)で人に接すること。対面でもオンラインでも、誹謗や刺々しさが生まれやすい時代だからこそ、表情と言葉に温度を取り戻すことが無畏施にもつながります。 ・まずは深呼吸→和顔→ひと言目をやさしく。 ・相手の事情を慮(おもんぱか)る一拍を置く。 小さな実践が、身の回りの空気を確実に変えます。 🔶今週のまとめ ・布施は贈与の心であり、六波羅蜜の第一。 ・財施・法施・無畏施はいずれも「相手の安楽」を願う実践です。 ・結果を求めずおこなうのが布施のいのち。 ・無財の七施(眼施・和顔施・言辞施・身施・心施・床座施・房舎施)は、誰でも今日から始められます。 ・合い言葉は和顔愛語。顔と言葉から、やさしさを広げましょう。 来週も引き続き、「お布施(その二)」をお届けします。どうぞお楽しみに。 お話は、熊本市中央区京町(きょうまち)にある仏嚴寺(ぶつごんじ)の 高千穂光正(たかちほ こうしょう)さん。 お相手は丸井純子(まるい じゅんこ)でした。

    9 min
  4. 5 NOV

    【お手紙の話】浄土真宗とメディア

    🔶「お手紙(御文章)と本願寺」 浄土真宗の教えが全国へ広がる過程で、大きな役割を果たしたのが「手紙」でした。室町期に本願寺の宗主・蓮如上人(れんにょ しょうにん)が人びとに向けて書き送った文書は、のちに『御文章(ごぶんしょう)』として編纂され、真宗大谷派(東本願寺)では『御文(おふみ)』とも呼ばれます。ここでは、その要点をやさしく整理します。 🔶蓮如上人と『御文章』 ・著者は浄土真宗本願寺派の第八代宗主・蓮如上人です。 ・本願寺派では**『御文章』、真宗大谷派では『御文』と呼びます。 ・門信徒に平易な言葉で教えを伝えるための手紙で、のちに『五帖御文』としてまとめられ、法要やご法話で今も拝読されています。 🔶時代背景(室町時代) ・寛正(かんしょう)の大飢饉や戦乱で、人びとの暮らしは困窮していました。 ・識字率が高くない中でも、朗読・回覧に適した平明な手紙が大きな力を発揮しました。 ・ちょうど宗祖・親鸞(しんらん)聖人の大遠忌(だいおんき)の頃と重なり、教えを正しく広く伝える必要が高まっていました。 🔶『白骨の御文』のエッセンス ・『御文章』で最も知られる一節が「白骨の御文(はっこつのごもん)」です。 ・「朝には紅顔ありて、夕べには白骨となる身なり」と、いのちの無常を示し、  阿弥陀如来(あみだ にょらい)の本願に身をまかせ、「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と念仏して生きる道を勧めます。 ・現在も法要・通夜・ご法話で拝読され、いまを生きる私に向けた言葉として息づいています。 🔶「メディア」としての手紙、そして現代 ・交通・通信が乏しい時代、手紙(文書)は最強のメディアでした。 ・一通の手紙を読み聞かせ・回覧することで、非識字層にも教えが届きました。 ・現代は書籍・新聞・ラジオ・テレビ・インターネットと媒体が移り変わっても、  「誰にでもわかる言葉で、いのちの問題に応答する」という蓮如上人の姿勢は変わりません。 🔶まとめ ・正称は『御文章』(大谷派は『御文』)。著者は蓮如上人(本願寺派 第八代宗主)です。 ・背景には寛正の大飢饉と宗祖大遠忌があり、平明な手紙が教えの全国的な広がりを後押ししました。 ・『白骨の御文』は無常の事実を直視し、阿弥陀如来の本願にまかせる念仏の道を示します。 ・媒体が変わっても、やさしく・正確に伝えることが『御文章』の今日的意義です。 来週のテーマは「お布施(その一)」です。どうぞお楽しみに。 お話は、熊本市中央区京町(きょうまち)にある仏嚴寺(ぶつごんじ)の 高千穂光正(たかちほ こうしょう)さん。 お相手は丸井純子(まるい じゅんこ)でした。

    9 min
  5. 29 OTT

    【旅と本願寺】 鉄道の時代が参拝を変えた

    秋は旅に出たくなる季節です。なかでも京都(きょうと)は、今も昔も人びとを惹きつけます。 観光地としての賑わいの陰には、「寺院参拝」と「鉄道の発展」が織りなした歴史の流れがありました。 今回は、旅の視点から本願寺と京都の関係をたどります。 🔶一生に一度の「本山参り」でした江戸時代、多くの庶民にとって移動手段は“徒歩のみ”でした。藩をまたぐ移動も容易ではなく、本願寺への参拝は「一生に一度」の大行事でした。やっとの思いでたどり着き、本堂の畳に頬ずりして喜んだ——そんな記録が各地に残ります。参拝は、信仰の確かめと人生の節目を刻む「旅」でもありました。 🔶西本願寺(にしほんがんじ)という「目的地」が育てた旅京都にある西本願寺は、天正19年(1591)に現在地・六条堀川(ろくじょう・ほりかわ)へ移転しました。伽藍の中心は御影堂(ごえいどう)と阿弥陀堂(あみだどう)で、唐門(からもん)・飛雲閣(ひうんかく)などの国宝が建ち並びます。平成6年(1994)には「古都京都の文化財」として世界文化遺産に登録されました。“行き先としての魅力”が、遠路はるばるの参拝を後押ししてきました。 🔶鉄道の時代が参拝を変えました明治以降、鉄道が全国に伸び、寺社参拝は「現実的な旅程」になりました。寺院参拝は鉄道会社にとっても重要な旅客需要となり、観光旅行が広がります。本願寺で営まれる大規模法要——たとえば宗祖・親鸞(しんらん)聖人の大遠忌(だいおんき/概ね50年ごと)は、全国からの参拝者を呼び込みました。「歩いて一生に一度」から「列車で計画的に」へ。参拝のかたちは、交通の発達とともに大きく変わりました。 🔶京都の観光基盤と門前の宿が支えました鉄道網の整備は京都への人流を回復・加速させ、観光都市としての基盤づくりを後押ししました。本願寺周辺には、参拝者を受け入れる門前旅館や講中宿(こうじゅうやど)※が発達。今日ではシティホテルから歴史ある旅館まで選択肢が広がり、海外からの旅行者も伝統的な宿に滞在して文化に触れています。「寺を目的に泊まる」という旅のかたちが、今も息づいています。※講中宿=講(信徒の参拝グループ)を受け入れる宿。 🔶数字で見る“いま”の京都(要点)近年の京都は国内外からの旅行者で活気づいています。観光地・宿泊・交通の受け皿が整い、寺院参拝と観光の相乗効果が続いています。かつての「団体参拝の列車旅」から、「個人がネットで計画する旅」へと多様化が進みました。 🔶今週のまとめ旅が容易でなかった時代、本願寺参拝は人生を賭す「一度の旅」でした。鉄道の発展は参拝文化を大きく変え、京都という都市の観光振興にも連動しました。本願寺という確かな目的地が、信仰の道行きと旅の楽しみを結び、今に続く人の往来を育ててきたのです。 来週のテーマは「お手紙のお話」です。どうぞお楽しみに。お話は、熊本市中央区京町にある仏嚴寺(ぶつごんじ)の高千穂光正(たかちほ こうしょう)さん。お相手は丸井純子(まるい じゅんこ)でした。

    9 min
  6. 22 OTT

    【いい日・悪い日】を仏教から見てみると…

    🔶「いい日・悪い日」を仏教から見直します 「今日は吉日?それとも凶日?」——占いに心が揺れることはあります。 仏教、特に浄土真宗の視点では、日を良し悪しで決めつける前に、自分の在り方と他者への配慮を問い直すことが大切だと説かれます。 今回は、仏教説話(ジャータカ)を手がかりに、「いい日・悪い日」をどう受け止め直すかを整理します。 🔶説話で学ぶ「日取り」の落とし穴 都の一家が婚礼当日に占いへ行き、占い師の機嫌を損ねた結果、「今日は不吉、明日にせよ」と言われます。 都側は一方的に延期を決め、田舎の花嫁側は約束を守られないまま、その日のうちに別の縁談で嫁入りしてしまいます。 翌日、都の一家が迎えに行くも時すでに遅し。口論は取っ組み合いにまで発展します。 通りがかった賢者は、「星の動きで事の善し悪しは決まらない。行いそのものが善し悪しを左右する」と諭します。 教訓は明快です。占いに依存し、約束や思いやりを後回しにすれば、良いはずの日も悪い日に変わってしまいます。 🔶浄土真宗の視点—占いよりも「自省と責任」 親鸞聖人は、占いや祈祷に頼り切って判断を委ねる姿を「悲しい人間の性(さが)」として見つめます。 星や暦が私たちの価値や結果を決めるのではありません。決めるのは、今この瞬間の選択とふるまいです。 「よい日かどうか」は外的条件ではなく、他者を尊び、約束を守り、心を尽くす私の姿勢によって育ちます。 不確実な世の中で迷う私を、そのまま見捨てないと誓う阿弥陀さま(摂取不捨)に遇うとき、拠りどころは占いではなく“御恩に報いる実践”へと向きます。 🔶「いい日」に変える具体的な視点 ・約束を最優先にします:相手の準備・時間・期待を尊重することが、日を良いものに変えます。 ・判断の責任を引き受けます:外部の“お告げ”に逃げず、理由と影響を言語化して自分で決めます。 ・相手の都合を織り込みます:自分の事情だけで動かず、関係者の事情を事前に確認し合います。 ・結果ではなく姿勢を整えます:万一、予定外の事態でも、誠実な対応が「悪い日」を「学びの日」に変えます。 🔶今週のまとめ 占いは参考にはなりますが、拠りどころにはできません。 「良い日」は暦が与えるのではなく、約束を守り、他者を思いやり、自ら責任を引き受ける私の行いがつくります。 揺れる心をそのまま抱えつつも、摂取不捨のはたらきに遇い、今日を「よく生きる」実践へと転じていきたいものです。 来週のテーマは「旅と本願寺」です。どうぞお楽しみに。 お話は、熊本市中央区京町にある仏嚴寺の高千穂光正(たかちほ こうしょう)さん。お相手は丸井純子(まるい じゅんこ)でした。

    9 min
  7. 15 OTT

    【仏教SDGs】について 今日からできる“仏教×SDGs”の実践例

    🔶「仏教とSDGs」をやさしく整理します SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年に国連で採択された17の国際目標です。キーワードは「誰一人取り残さない」。貧困・教育・環境・ジェンダーなど、社会の課題を同時に解いていく視点を求めます。仏教にも、同じ方向を指す考え方が息づいています。ここでは浄土真宗の視点から、SDGsと響き合うポイントをまとめます。 🔶SDGsの基本を押さえますSDGsは、国連加盟193か国が合意した“世界共通のものさし”です。目の前の課題だけでなく、その背景・つながり・未来世代まで含めて考えるのが特徴です。行動の理由を問い直し、選択を改善し続ける「学びの循環」が前提になります。 🔶仏教と響き合うポイントを確認します浄土真宗には、阿弥陀さまの救いを表す「摂取不捨(せっしゅふしゃ)」という言葉があります。意味は「一切のいのちを摂め取り、決して見捨てない」。まさに“誰一人取り残さない”に通じます。また、龍谷大学が掲げる行動哲学「自省利他」は、自分の在り方を省みつつ、他者の利益・しあわせをはかる姿勢を示します。自己中心の殻を破り、関係の網の目の中で生き直す視点は、SDGsの基盤とよく重なります。 🔶近江商人の「三方よし」に学びます近江商人は「売り手よし・買い手よし・世間よし」を商いの規範としてきました。取引当事者の満足だけでなく、社会全体の益を同時に実現する発想です。この精神は、仏教の慈悲や「摂取不捨」と相性がよく、現代で言えばSDGsの先駆けといえます。利益の追求を否定するのではなく、「どうすれば社会の益と調和するか」を問い続けることが要になります。 🔶今日からできる“仏教×SDGs”の実践例を挙げます・買い物:価格だけでなく、環境配慮・公平性・作り手の尊厳を意識して選びます。・仕事:自部署の成果が「世間よし」につながる設計かを定期的に振り返ります。・地域:過疎や孤立に目を向け、「取り残されやすい人」への橋渡しを習慣化します。・学び:自分の思い込みを点検し、異なる立場の声を聴く“自省”の時間を持ちます。・お寺:法要や行事を“分かち合いの場”として、食のロス削減やバリアフリーに取り組みます。 🔶今週のまとめSDGsは「誰一人取り残さない」世界への約束であり、仏教の「摂取不捨」や「自省利他」と深く呼応します。近江商人の「三方よし」は、個人・組織・社会の益を同時に実らせる道しるべです。まずは足元から。“私の選択”を少しずつ整えることが、持続可能な社会への確かな一歩になります。 来週のテーマは「いい日・悪い日」です。どうぞお楽しみに。 お話は、熊本市中央区京町にある仏嚴寺の高千穂光正(たかちほ こうしょう)さん。お相手は丸井純子(まるい じゅんこ)でした。

    9 min
  8. 8 OTT

    【仏教とお米】迷信に惑わされずに歩む 一椀のご飯が教えてくれる“いのちのつながり”

    🔶「仏教とお米」に宿る“いのちへの感謝” 秋は実りの季節です。お米をいただくたびに、たくさんの“いのち”のつながりに支えられて生きていることを思い出します。今回は、浄土真宗における「御仏飯(おぶっぱん)」を中心に、お供えの意味や作法、迷信との向き合い方までを整理してご紹介します。 🔶御仏飯の意味を学びます 御仏飯とは、炊きたてのご飯を仏さまにお供えすることです。 「今からいただく食べ物は、私のいのちを生かす尊いご縁です」と確かめ、仏さまの光の中で感謝を表します。 浄土真宗では、亡き人への“施し”というより、今を生きる私が“いのちの事実”に気づくためのご縁として大切にします。 🔶器と置き方を整理します ご飯を盛る器は「仏器(ぶっき)」といいます。 お内仏(仏壇)では、中央の阿弥陀如来、左右の親鸞聖人・蓮如上人の前にお供えします(お家の荘厳により並べ方は異なります)。 量は多すぎる必要はありません。まごころをこめた“ひと椀”で十分です。 🔶正午までに下げます 御仏飯は原則として正午までにお下げします。 これは、釈尊の時代から伝わる「過午不食(昼を過ぎて食さない)」の戒めに由来します。 お下げした御仏飯は、感謝をもって家族でいただきます。供えたものを無駄にせず、“お下がり”としていただく姿勢が大切です。 🔶水と華瓶(けびょう)を整えます コップの水だけを「喉が渇くから」とお供えする考え方は、浄土真宗の趣旨とは少し違います。 仏前には一対の「華瓶(けびょう)」を置き、常緑の「樒(しきみ)」を挿します。 樒は“香りある清らかな水”を象徴し、仏さまへの敬いと感謝の心をあらわします。 🔶“好物のお供え”を考えます 故人の好物を供える気持ちは尊いものです。 ただし、浄土真宗では亡き人はすでに仏さまです。仏前には基本のお供え(御仏飯・華瓶など)を調え、好物は法要後に参列者でいただくなど、“いのちに感謝して分かち合う”形にするとよいです。 🔶避けたい迷信を確認します ご飯に箸を突き立てる、通夜に火を絶やさない“火の番”、葬儀後に塩をまく――これらは地域の俗習・迷信によるところが大きいです。 火気のつけっぱなしは危険ですし、恐れや穢れの観念で亡き人を遠ざける発想は、阿弥陀さまの平等の救いにそぐいません。 “感謝と念仏”を要に、安心・安全を優先した実践に整えましょう。 🔶今日からできる“ひと手順”をまとめます 朝、炊きたてのご飯を小さく盛って仏器に供える。 一礼し、声に出さずとも「いただきます」と心で称える。 正午までにお下げし、感謝をもっていただく。 華瓶の樒を清潔に保ち、仏前を整える。 迷信で不安にならず、念仏と感謝を深める。 🔶今週のまとめ 御仏飯は、私たちが“いのちのご縁”に気づき直すための、毎日の小さな礼拝です。 お供えは仏さまへのお礼であり、同時に自分自身の心を正す実践でもあります。 一椀のご飯から広がるたくさんのつながりに手を合わせ、今日の一日を丁寧にいただきましょう。 来週のテーマは「仏教とSDGs」です。どうぞお楽しみに。 お話は、熊本市中央区京町にある仏嚴寺の高千穂光正(たかちほ こうしょう)さん。 お相手は丸井純子(まるい じゅんこ)でした。

    9 min

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仏教にまつわる色々なお話を、分かりやすくお話していただく番組です。仏教由来の言葉、豆知識、歴史、迷信、風習、教義、作法などなど。 出演は、熊本市中央区京町にある仏嚴寺の高千穂光正さん。お相手は、丸井純子さん。 お悩み相談もメールで受け付け中!goen@rkk.jp ▼メール goen@rkk.jp ★地上波ではRKKラジオ(熊本)FM91.4    AM1197で、毎週水曜日 午後6時10分から放送中。是非生放送でもお聴きください。

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