楽しいラジオ「ドングリFM」

1226 ドングリFMの新しいファッションブランド

私事で恐縮ですが、新卒からずっと勤務していた面白法人カヤックを退職しました。

今までお世話になったみなさま本当にありがとうございました。

特に面白法人カヤックの社員の方々にはちゃんと連絡ができずに申し訳ございません。

この記事が少しでもWebに関わる人や転職しようと考えている方のためになれば幸いです。

※以下の発言は個人的なもので、カヤックとは関係ありません。

またカヤックを貶めるような発言はいっさいしていないつもりです。もしあればそれは僕の文章力です。

ごめんなさい。問題ありましたらご連絡ください。カヤックのことは今でも大好きです。

■カヤックとの出会い

カヤックとの出会いは大学時代でした。いつものように友人と高田馬場で二郎を食べた帰りにブックオフに行った時のことです。何気なく購入した雑誌のWebデザインノートに変な会社が紹介されていました。

「サンクチュアリの作者が会社案内の表紙を書いているから、きっといい会社だよ。」と友人に言われたことを今でも覚えています。それがカヤックとの出会いでした。

■入社1年目

最初にお伝えさせていただくと、僕は本当にダメ社員です。

プロモーションやブランディングなどを担当するために最初は広報としての配属でした。

カヤックの広報部は新卒で募集していない部署なので、新卒として稀有な広報担当でした。

ほとんどの企業の場合、新卒で入社してすぐは多くの場合は上司のアシスタント的なポジションになります。僕の場合、これが驚くほど苦手でした。

「あの資料できた?」と聞かれても「あ、ごめんなさいやってません。」を繰り返す。何度も怒られました。そして怒られながら依頼された資料を嫌々やっても、精度の低いものしかできずに、また怒られる。

今考えれば、本当にあのような状態では、ぶん殴られても不思議ではありません。

■解雇通告

「君は仕事というものがそもそも向いていない。地元に帰ってアルバイトでもしてた方が向いてるからさっさと辞めた方がいい。」

入社して2ヶ月後の試用期間終了と同時に解雇宣告を受けました。当たり前です。言われた仕事を全くやっていなかったので。

いや自分ではやってるつもりでしたが、上司に頼まれたことは何もできていませんでした。

成果は全くでていなかったにも関わらず、面白いことを実行できる根拠のない自信だけは持っていました。なので「あと2ヶ月待って下さい。2ヶ月後には成果をだします!」と言って解雇の危機をどうにか回避しました。

しかし2ヶ月後、再び解雇通知宣告を受けました。

解雇通知の時に、やなさんにこう言われました。

「君がいてもいなくてもどっちでもいい。会社からすると君の給料ぐらいどうってことない。君がいなくてもカヤックは十分面白い。これからもそうだよ。」

一瞬頭の中が真っ白になりました。正直、ものすごくショックでした。「どっちでもいい」って一体どういうことなんだろう。ブルーハーツがたしかそんな曲を歌っていた気がします。ヒロトにお願いすれば、やなさんに蹴りをいれてくれるのでしょうか。

本当にいま思えばなんで入社させてもらえたのか不思議なぐらい、仕事のできないダメ社員でした。

当時、試用期間を延長し続けていた正社員でもないアルバイト以下の存在だったので、自分の給料はすずめの涙で税金やらなんやらを引くとほとんどありませんでした。

大学時代の友人たちや会社の同期がボーナスでiPad買っただの、飲みにいくだの言っている中、ぼくは毎日パスタとカップラーメンをひたすら食べていました。カードのリボ払いでカップラーメンを買ったのはこの時が最初で最後です

当時の僕は正直いうとカヤックなんて大嫌いでした。

■3度目の解雇宣告

そんなある日、3度目の解雇宣告がありました

解雇宣告される直前に、やなさんが「採用で面白い会社っていうブランドをつくりたい」という話をしているのを小耳に挟んだことを思い出しました。そこで最終解雇宣告の前に人事部への異動願いをだしました。背水の陣、これでダメならもう諦めて辞めよう。そう考えていました。

人事に行きたかった理由は他にもあります。僕の面接をしてくれた人事部の部長の元で働いてみたかったんです。人事部長は当時何をやってもダメな僕の話をいつも誠実に聞いてくれる。「仕事できるようになってから意見言え」とか言わずに。そんな部長といつか一緒に仕事がしてみたいとずっと思ってました。

■人事部に配属された話

配属先の人事部の上司は、現状の課題や目的のみ共有してもらい、後は勝手にしてくれというスタンスでした。毎日なにしてようが特に何も言われませんでした。その時に企画からディレクションまで一貫して担当させていただいた採用企画が卒制採用です。

これはカヤックに入って初めての自分の企画でした。

その当時、美大、芸大界隈に影響力をもっていた友人2人にブログなど拡散のお願いしました。友人に依頼するのは気が引けましたが、ここまでくるとなりふり構っていられませんでした。2人ともありがたいことにブログに書いていただけました。

そこからたくさんの流入がありました。本当に嬉しかったので実名でお礼させてください。なつみ、しおたん本当にありがとうございました

この採用企画はテレビや新聞などのメディアにもとりあげられ、社内の評判も上々でした。卒制採用に関してエゴサーチをしていたときに、ポジティブな反応ばかりで感動して一人でPCを見ながら泣いていました。初めて自分が認められた気がしました。

やっと歯車が回り始めました。

入社して9ヶ月後のことです。

■次はどこの会社にいくのか

タイトルにも記載した通りリクルートに転職しました。昨年末より勤務してます。

リクルートは分社化していろいろありますが、僕が在籍しているのはリクルートホールディングスという本体機能を持った場所です。東京駅直結サウスタワーの40階にて働いているのでお近くに来られる際はランチでもいきましょう。

■やめた報告をやなさんにした話

進路先が確定した時に、真っ先にお世話になった、社長のやなさんに報告にいきました。

そこでやなさんに、こんな事を言われました。

「なつめぐがいなくなってカヤックはちょっと変わった。

1つはバズらせる力。

これからカヤック人事部はバズらせることができなくなってくるからそこは考えないといけない。

2つめはワクワク

「普通の仕事は全くできないけど、いつか何かやってくれるんじゃないか。

9回裏で負けててももしかしたらサヨナラホームラン打つんじゃないか。」そんなワクワクがゼロではないけど少なくなった。

3つめは寂しい。

社長は孤高で自分の判断が正しいのか正直わかんない時もある。でもどんな時でもなつめぐは「それ面白いですね!やりましょう!」って近くでいって進めてくれる。あれはすごく嬉しかった。なつめぐがいなくなって、面白法人カヤックからこの3つがなくなった。」

この話を聞いていた時、すごくすごくうれしくて泣きそうでした。

「会社にとってどうでもいい存在。」と言われていた僕が、3年間でちょっとは足跡を残すことができましたのではと実感することができました。

その昔「どうでもいい」と言われた存在は「ワクワクさせる存在」にちょっとだけなれました。

■リクルートについて

現在リクルートホールディングスで勤務していますが、部署の人達や、上司の人も素敵な人ばかりでさっそく毎日楽しく働いています。ここまで書いておいて手のひら返して申し訳ないんですが、カヤック以上に楽しいです。

相変わらず、言われたことをしっかり、きっちりやる力がしょぼいので、毎日できなくて悲しい思いをしていますが、リクルートのマネジメントにうまくのっかってもっともっと面白いことができるように、せっかく入社したので「夏目が入社してリクルートがなんか変わった」と言われるようにがんばります