地の果てで人文科学する

人文科学@地の果て
地の果てで人文科学する

高知大学・人文科学コースの教員による人文学についての雑談です。 毎月0の付く日(10・20・30日)に配信します。 高知大学人文科学コースの考古学担当教員(宮里)が、人文知の活力を構想すべく、個人的にやっています(ご連絡は配信者個人宛にお願いします)。 「地の果て」は、高知県の歴史・地理的環境に対する、すこしエッジを効かせた表現です。 ※参考「高知県は四国の太平洋岸に面し、古代文化のルートであった瀬戸内とは四国山地を挟んで隔離される、いわば文化果てる僻遠の地なのである」(岡本健児編著『日本の古代遺跡39 高知』保育社、1989年、215頁) 番組 Instagram @chinohatejinbun も併せてご覧ください。

  1. 29 AVR.

    #81「レピソード記憶」について渡邊ひとみ先生と話す

    渡邊ひとみ先生(発達心理学)に「レピソード記憶」のことをきいてみました。 レピソード記憶 「アーリック・ナイサーが提示した記憶の概念。特定の出来事に関する記憶のようでありながら、実際には複数の出来事に基づいた典型であったり、反復経験を代表していたりするなど、経験の複数性や多層性に由来していると考えられる記憶を指す。レピソード記憶という概念は、不正事件の捜査で参考人が行った証言の分析結果に基づいて提示された。参考人は、ある会合で交わされた会話を想起するように求められると、故意に虚偽を述べたわけではないものの、証言は不正確であり、発言者や日付の混同がみられたほか、会話の逐語的な再生や骨子の記憶も実際とは異なっていた。しかしナイサーは、参考人の証言が異なる水準の真実を伝えていると考えた。なぜなら、証言は、問題の会合と同時期に生じた複数の出来事に通底する共通テーマを浮かび上がらせていたからである。この場合、繰り返し開かれた会合が複数の出来事に当たり、そこから浮かび上がる不正の存在が共通テーマである。証言は特定の出来事を正確に再生していないにもかかわらず一定の真実を伝えている。そこでナイサーは、記憶には反復(repetition)を代表(represent)する種類のものがあると考え、そのような記憶をレピソード記憶(repisode)と名づけた。この記憶は、特定の出来事についての記憶であるエピソード記憶と対比されている。なおエピソード記憶と対で扱われることの多い意味記憶とレピソード記憶は、前者が一般的な知識であるのに対し、後者は複数の出来事にまたがる共通テーマであるという点で異なる。」(関博紀「レピソード記憶」『知の生態学的転回3 倫理 人類のアフォーダンス』、東京大学出版会、2013年、328頁)

    8 min

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高知大学・人文科学コースの教員による人文学についての雑談です。 毎月0の付く日(10・20・30日)に配信します。 高知大学人文科学コースの考古学担当教員(宮里)が、人文知の活力を構想すべく、個人的にやっています(ご連絡は配信者個人宛にお願いします)。 「地の果て」は、高知県の歴史・地理的環境に対する、すこしエッジを効かせた表現です。 ※参考「高知県は四国の太平洋岸に面し、古代文化のルートであった瀬戸内とは四国山地を挟んで隔離される、いわば文化果てる僻遠の地なのである」(岡本健児編著『日本の古代遺跡39 高知』保育社、1989年、215頁) 番組 Instagram @chinohatejinbun も併せてご覧ください。

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