感染症ニュース:感染症・予防接種ナビ

感染症ニュースです。

感染症ニュースです。今回は「感染性胃腸炎」についてです。国立感染症研究所によると、感染性胃腸炎の定点当たり報告数は第43週以降、増加が続いています。都道府県別の報告数が多い順は、福岡県、埼玉県、熊本県です。感染性胃腸炎は、細菌またはウイルスなどの感染性病原体による嘔吐、下痢を主症状とする感染症です。特に冬季は、ノロウイルスが原因とされる集団感染が多く発生しています。 ノロウイルス感染症の主な症状は、吐き気、嘔吐および下痢です。通常は便に血液は混じりません。子どもは嘔吐が多く、嘔吐・下痢は一日数回からひどい時には10回以上の時もあります。感染してから発病するまでの潜伏期間は1~2日で、他の感染症と比較すると短い方です。症状の持続する期間も、数時間~数日と比較的短い期間です。既に他の病気があったり、大きく体力が低下している等がなければ、重症化して長い間入院しなければならないことはまずありません。 大阪府済生会中津病院の安井良則医師によると、12月は、さらに感染性胃腸炎の報告が増えると予想されます。この時期の保育園等では、乳幼児を中心に、ノロウイルスが原因とされる集団感染が発生する可能性もあると注意を呼びかけています。去年はノロウイルス感染症は流行していなかったため、感染者数は、確実に多くなると考えられます。ノロウイルスにアルコール消毒は、効果的ではないため、塩素系の消毒剤でしっかりと消毒することなど、基本的な感染対策を確認し、徹底しましょう。 ノロウイルス感染症にかかった人を看病するときは、嘔吐や下痢が続いて、脱水症状になってしまう可能性があります。できるだけこまめに水分を与えましょう。ごくまれに嘔吐した物を喉に詰めて、窒息することがありますので注意してください。特に小さなお子さんや高齢者の場合、あお向けではなく横を向いて寝かせるようにしましょう。