ナマケもん戦略研究所 ラジオ

【週刊】ナマケもんマガジン 第8回

(2025-11-09)

週刊「ナマケもんマガジン」は、NOTEで過去1週間で投稿された連載記事の解説とオリジナル音楽を融合した思想系エンターテインメントです。

テーマは“どう勝つか”ではなく“どう続くか”。拡大量と効率至上を超え、Non-Exhaustive Growth(消耗しない成長)を語ります。

後半では『ブラックなホワイト社会』『制度敗戦』などの著作をモチーフに制作した楽曲を公開。

NOTE、Youtube、Spotify、Apple Podcastと連動し、思想・音楽・制度論、経営思想、文化論、社会論など、ジャンルを超えて横断するナマケもんの世界へ。

★ NOTE:https://note.com/orangeman_x

★ Spotify:https://open.spotify.com/show/0j8dq3eGR2MEtDcTzTHiyt?si=HNERZsCVS5CEOB9_l2LMBg

★ Apple Podcast:https://podcasts.apple.com/us/podcast/ナマケもん戦略研究所-ラジオ/id1839105994

★ Youtube 再生リスト:https://www.youtube.com/playlist?list=PL2dBzmu5dVYFRLdl5Nx7sOQ_aGixVoufh

#ナマケもんマガジン #ナマケモノ戦略 #経営思想 #制度創生 #共感の経済 #NonExhaustiveGrowth

Ⅰ.連載記事の解説パート

① 『勝ち残るより、生き残るキャリア』第2章「人気企業の光と影 ― ケース分析」

大手企業の「安定」神話を、制度疲労という視点から剝ぎ取る一章です。就職ランキング上位の業界は成熟と硬直が進み、人気のピークが変化適応力の衰えと同義になる。終身雇用の維持と生産性向上が同時要求となる矛盾、意思決定の鈍重化など、巨人病の兆候を具体例で示します。ラベルではなく文脈を読むこと――キャリアを「選ばれる側」から「選ぶ側」に取り戻す転回が静かに提案されます。制度の反射ではなく、自分の生活リズムと価値に合う働き方を選ぶ勇気を促す内容です。    

② 『「危険な国」メキシコに生きる。』第3章「主要カルテルのプロフィール」

カルテルを「経済・政治・地域社会と結びつく制度」と捉え直し、各組織のビジネスモデル差――物流支配、資金・暴力のスピード、地域経済への浸透――を比較します。彼らは国家の外にあるのではなく統治の空白を埋め、物資配布や祭礼支援を通じて社会的正当性を作り出す。暴力は支配の言語として機能し、非公式な秩序が生活を支える現実が描かれます。治安論を超えた「制度機能不全の影」の分析で、次章の統治へと議論が接続されます。      

③ 『ナマケもん戦略 入門書』第7章「BCGマトリクスとポートフォリオ経営を問い直す」

市場成長率×占有率で資源配分を決める古典を、拡大量前提という思想から再審します。鍵は「Non-Exhaustive Portfolio」――伸びに集中ではなく、疲れない構造の設計。負け犬とされた事業にも関係資本や地域信頼の価値が眠る一方、花形は燃え尽きやすい。成長と休息を往還する「動的均衡型ポートフォリオ」を掲げ、エネルギー消費と持続可能性を新たな軸に据えることで、経営を人間のリズムへと引き戻します。      

④ 『やさしい全体主義』第6章「やさしい全体主義が壊すもの」

正しさと共感が制度化・市場化されると、人々は「正しくある競争」に巻き込まれ、最初に失われるのは他者への寛容です。アルゴリズムが平均的正しさを導き、誰も命令せずとも同方向へと従う「やさしい支配」が完成する。自由は許可制の多様性へと退化し、共感は評価・ランキングの対象となって排除を生む。やさしさの名による不自由――その構造を静かに露わにし、次章で「無理に正しくあろうとしない自由」へ向かう準備を整えます。    

⑤ 『制度敗戦Ⅰ ― 日本的価値観がひらく未来』第2章「金融自由化の衝撃と制度の転換点」

護送船団・メインバンクが支えた相互依存の安定から、金利自由化・外為法改正・資本取引の国際化を経て、市場に晒される経済へ。自由化は資金の奔流を生み、マネーが実体を凌駕するバブルを呼び込む一方で、理念としての企業共同体は「非効率」とされ解体が進む。だが瓦礫の下からは、地域金融や協同組合といった「信頼の経済」が見え始める。制度の終わりは人間の再発見で終わる――敗戦から創生への静かな転回点を描きます。    

Ⅱ.音楽コーナー(Music Section)

『ナマケもんと、いっしょ!』

連載「究極の生存戦略」から生まれた一曲。ファンク系J-POPの軽快なビートに、呼吸がゆっくり整う不思議なグルーヴが宿ります。「Slow is strong, not defeat(遅さこそ生き残る力)」というフレーズが主題で、速さと効率の規範が強まる社会に対し、立ち止まる勇気を温かく差し出す。英語と日本語が自然に混ざる歌詞は「循環のリズムは、いのちのリズム」と響き、戦わない強さ=しなやかな抵抗としての遅さを聴覚化します。日曜の余白にそっと寄り添う、森のポップ哲学。      

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