ナマケもん戦略研究所 ラジオ

【週刊】ナマケもんマガジン 第9回

(2025-11-16)

週刊「ナマケもんマガジン」は、NOTEで過去1週間で投稿された連載記事の解説とオリジナル音楽を融合した思想系エンターテインメントです。

テーマは“どう勝つか”ではなく“どう続くか”。拡大量と効率至上を超え、Non-Exhaustive Growth(消耗しない成長)を語ります。

後半では『ブラックなホワイト社会』『制度敗戦』などの著作をモチーフに制作した楽曲を公開。

NOTE、Youtube、Spotify、Apple Podcastと連動し、思想・音楽・制度論、経営思想、文化論、社会論など、ジャンルを超えて横断するナマケもんの世界へ。

★ NOTE:https://note.com/orangeman_x

★ Spotify:https://open.spotify.com/show/0j8dq3eGR2MEtDcTzTHiyt?si=HNERZsCVS5CEOB9_l2LMBg

★ Apple Podcast:https://podcasts.apple.com/us/podcast/ナマケもん戦略研究所-ラジオ/id1839105994

★ Youtube 再生リスト:https://www.youtube.com/playlist?list=PL2dBzmu5dVYFRLdl5Nx7sOQ_aGixVoufh

#ナマケもんマガジン #ナマケモノ戦略 #経営思想 #制度創生 #共感の経済 #NonExhaustiveGrowth

Ⅰ.連載記事の解説パート

① 『勝ち残るより、生き残るキャリア』第3章「絶滅の巨人 ― 巨人化がもたらす必然的な没落」

巨人化は勝利の証ではなく制度疲労の起点であり、拡大量が現場感度を鈍らせ、株主中心の圧力が長期の物語を浸食します。かつて温かみや地域性を育んだブランドも、拡大の過程で均質化が進み、社会の多様性を奪う逆説に陥ります。短期の利益は物語と信頼の毀損を伴い、やがて“巨人の物語”は“消耗の物語”へ反転します。若者が人気企業の光に惹かれる時こそ、衰退の影を見抜く知恵が要る——“巨人にならない勇気”が持続の条件であり、個の物語を編む選択そのものが生存戦略なのだと示します。        

② 『「危険な国」メキシコに生きる。』第4章「政治・制度・汚職の構造」

本章は治安を“制度”として読み解く視角を提示します。短期任期と再選禁止が政策の連続性を断ち、政権交代ごとの全面人事刷新が行政の記憶を失わせる。結果として空白期にカルテルが再編成の余地を得、地方警察の脆弱さや経済的誘因が“癒着”を常態化させます。ここで重要なのは、権力乱用を防ぐ理念が過度に強化されると実行責任が拡散し、制度の隙間が拡がるという皮肉です。供給側の摘発だけでは不十分で、次章で予告される“需要構造”へ視野を広げることが、静かな安全保障となることを示唆します。      

③ 『ナマケもん戦略 入門書』第8章「戦略論の再定義 ― 意味で選ばれる企業へ」

“どう勝つか”から“どう続くか”へ——本章は戦略の語義を反転させます。規模の追求は利益の希薄化を招き、シェアの拡大は価格競争への従属を強める。だからこそ、拡大を目的化しない“消耗しない成長”で最適点にとどまる知性が要ります。取引条件から物語共有へ、DealsからStoriesへと軸足を移し、信頼を資本化することで、数値化されたアジリティでは届かない柔らかい強さを獲得する。余白や冗長性を“耐性の資本”と見なす視点は、経営と生き方をつなぐ羅針盤です。最後に掲げられる“意味で選ばれる企業”は、価格や速度を超えた選好の再設計を宣言します。            

④ 『やさしい全体主義』第7章「抵抗のための視点 ― 支配の作動原理を見抜く」

“やさしい支配”は善意と正しさの衣をまとうため外部から見えにくい。だからこそ、正しさの供給源や同調圧力の経路を可視化し、内面化された監視をほどく“意識化”が第一歩になります。制度・業界・アルゴリズムが設計する“正しさ”の回路を読み替え、意図的に情報環境へ異物を挿入する実践は、日常に根ざした静かな抵抗です。制度に従う勇気ではなく、制度を見抜く知性へ——小さな逸脱と立ち止まりが理念を守り直す力となり、自己検閲の鎖を解く。支配の作動原理を掴むこと自体が、自由を回復する最短路であると説きます。    

⑤ 『制度敗戦 Ⅰ ― 日本的価値観がひらく未来』第3章「ドイツの選択と比較視点」

同じ外圧の時代を通過しながら、日本は金融自由化の波に制度を解体しつつ順応し、ドイツは労使協調の制度を“防波堤”として保持しました。共同決定や産業別協約は賃金と生産性の協調を促し、マクロ安定の装置として機能する。自由化は必要でも“制度を壊す自由化”ではなく“制度を守る自由化”を選び、長期投資と中間層の厚みを支えました。問いは、どの圧力を受け入れ、どの制度を維持するか。制度を社会的インフラ=社会的資本として再評価する視座が、日本の再構築に向けた実践的な手掛かりとなります。    

Ⅱ.音楽コーナー(Music Section)

『Black and White』(Funk ver.)

ファンクの切れ味を借りて、“正しさの暴力”に小さく抗う一曲です。ブラスのアクセントとタイトなベースが推進力を作り、冒頭の“You are enough, just as you are”が存在価値を取り戻す合図になります。評価やスコアに追い立てられる日常の呼吸を回復させるのは、怒りではなく“しなやかな自由”のグルーヴ。白と黒の反転をモチーフに、制度の倒錯を軽やかに裏返す。ナマケもんSONGSの定番として映像とも親和し、耳と身体のレベルで“制度に振り回されない柔らかい強さ”を響かせます。      

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