内科医たけおの『心身健康ラジオ』

《1164》産後うつを見逃さないために…

「知っておきたい妊娠中・産後のこころの変化」

大阪府妊産婦こころの相談センター

https://www.ninsanpu-cocoro.com/pdf/flyer_leaflet.pdf

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■AI要約(誤字はご勘弁ください)

内科医たけお氏が、10月10日の「世界メンタルヘルスデー」にちなんで、妊産婦のメンタルヘルスについて解説します。今回は、大阪府の妊産婦こころの相談センターが作成したパンフレット「知っておきたい妊娠中や産後のこころの変化」を基に話を進めました。

### 産後うつは決して珍しくない

まず知っておきたいのは、「産後うつ」は決して特別なことではないという事実です。データによると7人から10人に1人が経験するとされており、非常に身近な問題です。

### 妊娠・出産は心身に大きな変化をもたらす

妊娠・出産は幸せなイメージがありますが、実際は人生の中でも大きな変化を伴う時期です。ストレス尺度を測る研究でも、妊娠・出産は非常に高いストレス値を示すライフイベントとされています。

生活は劇的に変化します。夫婦2人の生活から、24時間365日休みなく続く赤ちゃん中心の生活へと移行します。夜中の授乳やおむつ替えで睡眠は細切れになり、自分のペースでお風呂に入ったり、ゆっくりお茶を飲んだりする時間さえなくなります。こうした環境の変化が、心に大きな負担をかけることがあります。

### 「マタニティブルー」と「産後うつ」の違い

妊娠中や産後に起こる心の不調には、主に「マタニティブルー」と「産後うつ」があります。

* **マタニティブルー**

* **時期:** 妊娠中や、出産後2〜3日後から見られることが多い。

* **症状:** わけもなくイライラしたり、気分の浮き沈みが激しくなったり、やる気が出なくなったりする。

* **経過:** 一過性のもので、多くは時間経過とともに自然に改善します。

* **産後うつ**

* **時期:** 出産後1〜3週間ごろに症状が現れることが多い。

* **症状:** 「赤ちゃんを可愛いと思えない」「突然涙が止まらなくなる」といった気分の落ち込みに加え、「死にたい」「消えてしまいたい」といった深刻な考え(希死念慮)に至ることもあります。

* **対応:** 専門家による治療が必要な病気です。まずは赤ちゃんのお世話を他の人に任せ、本人がゆっくり休養することが最も重要です。

### 産後うつのサインと対処法

以下のような状態が続く場合は注意が必要です。

* ささいなことで不安になり、ドキドキする

* 食欲がない

* 過剰に神経質になる

* イライラして、言葉や態度がトゲトゲしくなる

* 誰かがそばにいないと強い不安や恐怖を感じる

* 身の回りのことができなくなる

産後うつは、もともと元気だった人でもなる可能性があり、誰にでも起こりうる病気です。もし不調を感じたら、決して一人で抱え込まないでください。

1. **周りに相談する:** 家族や友人に気持ちを打ち明けるだけでも、心は楽になります。

2. **サポートを頼る:** 育児は一人でするものではありません。家族や公的なサービスなど、周りの力を借りましょう。「助けを求めること」は、育児の第一歩です。

3. **休養を最優先する:** まずはご自身の心と体を休ませることが回復への近道です。

産後うつは見逃されやすいですが、早期に発見し、専門家につなげることが非常に重要です。この機会に、ご自身や周りの大切な人のために、正しい知識を持っておきましょう。