終末期患者に対する音楽療法の効果:
量的研究のスコーピングレビュー
https://luke.repo.nii.ac.jp/record/2000167/files/SLIU_10_58-65_%E7%B7%8F%E8%AA%AC.pdf
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■AI要約(誤字はご勘弁ください)
内科医たけお氏が、緩和ケア研修会での発表に感銘を受けたことをきっかけに、音楽療法の効果に関する論文を紹介します。紹介されたのは、聖路加国際大学紀要に掲載された「終末期患者に対する音楽療法の効果 - 量的研究のスコーピングレビュー」という論文です。「スコーピングレビュー」とは、特定のテーマに関する文献を網羅的に収集し、その全体像を明らかにする研究手法です。この論文では、痛みスコアなど数値化できるデータを扱う「量的研究」に絞り、世界中の26件の研究を分析しています。
論文の背景として、音楽療法は20世紀半ばから始まり、現在では高齢者、小児、そしてホスピス・緩和ケアといった幅広い領域で実践されています。特に衝撃的なのは、アメリカではホスピスや在宅医療機関の約62.2%が音楽療法を提供しているという事実です。これは日本の現状とは大きく異なり、日本では音楽療法士はまだ国家資格ではなく、保険適用の対象外となっています。
レビューの結果、終末期患者に対する音楽療法には大きく分けて5つの効果があることが示されました。
1. **身体症状の緩和**:特に「痛み」の軽減に効果が見られました。
2. **精神症状の緩和**:不安や抑うつといった精神的な苦痛を和らげます。
3. **他者とのつながり**:音楽を介して、患者と医療者、あるいは家族との間にコミュニケーションが生まれます。
4. **スピリチュアル・ウェルビーイングの向上**:人生の意味や価値を見つめ直すきっかけを与えます。
5. **ストレス・苦痛の解放感**:音楽に没頭することで、つらい現実から一時的に解放される感覚をもたらします。
一方で、この論文は研究の限界点にも触れています。分析対象となった個々の研究は、研究デザインの質にばらつきがあり、質の高いエビデンスとは言えないものも含まれている点が課題です。また、日本の研究自体がまだ少ないという現状もあります。
結論として、たけお氏は、感覚的に「音楽は良いものだ」とわかっていても、それを客観的なデータとして示すことの重要性を強調します。今後、日本でも質の高い研究が増え、音楽療法の有効性がさらに証明されていけば、国家資格化や保険適用への道も開けるのではないかと、その可能性に期待を寄せて締めくくりました。
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- FrequencyUpdated Daily
- PublishedOctober 19, 2025 at 8:53 PM UTC
- Length9 min
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