気候とアートのダイアローグ

#4-2〔後半〕「POW Japan(Protect Our Winters Japan)」髙田翔太郎さん(大町市・白馬エリア)

『気候とアートのダイアローグ』は、アートを通して気候危機や社会問題に対して活動している、長野県のアーティストや実践者たちにインタビューする番組です。

今回も前回に続いて、「アート」という“くくり”を広げ、環境保護運動というかたちで気候変動に対する取り組みをすでに実践している、「スノーレジャー」という文化に注目します。

インタビューしたのは、長野県の白馬エリアでスキーやスノーボードを地球温暖化から守る活動をしている環境保護団体、一般社団法人POW Japanの事務局長・髙田翔太郎さんです。

「地球温暖化によって雪が解けてしまっては、スキーやスノーボードができなくなる」という危機感のもと、アメリカのプロスノーボーダーが発起人となり2007年にPOWを設立。

POW Japanはその日本でのチームとして2019年にスタートし、白馬村を中心に全国のスキー場などで、一般のスキーヤーやスノーボーダーに対して、そしてスキー場や行政に対して、さまざまな活動を続けています。

今回は、一般のスキーヤーやスノーボーダーが気候危機に対して何ができるのか、またPOW Japanの今後の取り組みについても、さらにうかがっていました。 

►髙田翔太郎さん

北海道出身、長野県大町市在住。学生時代からパタゴニアに勤務し、30代で退職した後にサステナブルな生活のヒントを求めてニュージーランドやタスマニアを旅する。帰国後にPOW Japanの立ち上げにかかわり、現在は事務局長を務める。スノーボードとサーフィンを趣味としながら、農のある暮らしやセルフビルドも実践。ファーマーズマーケット「白馬オーガニックマーケット」にも携わっています。

►一般社団法人Protect Our Winters Japan(POW Japan)

アメリカのプロスノーボーダー、ジェレミー・ジョーンズさんが立ち上げたPOWの日本での団体。地球温暖化からスキーやスノーボードを楽しむ冬を守ることを目的に、「行動する仲間たちを増やす」「私たちの遊び場”スノータウン”のサステナブル化を促す」「国の脱炭素化に向けて、市民の立場から変化を起こす」を柱に活動しています。

https://protectourwinters.jp/

https://www.instagram.com/protectourwintersjapan/

►信州アーツ・クライメート・キャンプとは…

文化芸術の視点から気候変動や地球環境の課題を見つめ、信州・長野県で行われているさまざまな取り組みを知り、取り組んでいる人に学び、ともに考え、変化していく、コモンスペースをつくっていこうというプロジェクトです。

https://note.com/artsclimate_camp

https://www.instagram.com/shinshu_artsclimate_camp/

►INFOTMATION

・SUSTAINABLE RESORT ALLIANCE

POW Japanが2023年からスタートさせたプラットフォーム。スキー場と、スキーヤーやスノーボーダーが、ともに脱炭素化とサステナブル化を実現するためのネットワークの構築を目指す。

https://protectourwinters.jp/sustainableresort/

・WWOOF

World Wide Opportunities on Organic Farmsの略で、有機農家が食事・宿泊場所・知識・経験を、参加者が「労働」を提供し、お金をやり取りしない人的交流を実践する仕組み。会員制で、日本はWWOOFジャパンが窓口になっている。

https://www.wwoofjapan.com/home/

・小松吾郎

長野県大町市在住のプロスノーボーダー、POW Japan代表理事。

・エネルギー基本計画

国が定めるエネルギー政策の基本方針で、少なくとも3年ごとに点検される。直近の計画は2021年に閣議決定され、安全性、エネルギーの安定供給、経済効率性の向上、環境への適合を重視している。

https://www.meti.go.jp/press/2021/10/20211022005/20211022005.html

※『気候とアートのダイアローグ』は、信州アーツカウンシルと信州大学人文学部の共同プロジェクト、「信州アーツ・クライメート・キャンプ」のポッドキャストです(制作:八燿堂)