アートとは何かを問い続けた末に「アートをやめる」と告げ、デュシャンはチェスへ、さらにルーレットなどのギャンブルへと越境します(理論上勝てるという“デュシャン流必勝法”は、無限資金が前提という皮肉付き)。資金調達のため自作の「モンテカルロ債券」を発行し実際に売れますが、投資家への利回りを支払えず頓挫、企ては焦げ付きます。次は発明家として回転視覚装置「ロトレリーフ」を科学見本市に出展—500部作って売れたのはわずか2部、在庫と赤字だけが残りました。それでも彼はペギー・グッゲンハイムらに助言するディーラーとして価格形成の裏側を熟知し、作品の価値と市場価格のねじれに嫌気を募らせていきます。本エピソードは、アートの外側で続いた一連の実験が、デュシャンとって何を意味していたのかを考察していきます。
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- FrequencyUpdated Weekly
- PublishedSeptember 28, 2025 at 10:00 PM UTC
- Length24 min
- RatingClean