就職・転職の扉をひらく「ことばランド」

EP#105 エントリーシートにディープなプライベートを書いてはいけない

100回を超えたポッドキャストことばランドは、今回からシーズン2に入ります。オープニングも変わりました。「ことばで未来の扉をひらく」をコンセプトに、ことばから就職や転職、人事を考えていきます。 シーズン1では、ことばの変遷などを眺めながら、その時代や社会のなかで生きていることばなどについて、ちょっとした蘊蓄や感想などをお伝えしてきました。いわば、ことばの教養についてのお話でした。今回から、実際の生活に役に立つ実用的なことばを取り上げていこうと思っています。 先日、100回を記念して、スタッフ3人で小籠包を食べにいきました。そのときに、「もう少し、実践で役立つものにしてもいいかな」という話をしたんです。そうしたら、その2日後に知り合いから「エントリーシートが書けないで困っているという方がいるから相談に乗ってもらえないか」という話がきました。嘘みたいな話なんですが、時々そういう偶然が訪れることがあるんですねえ。だったら、いま就職活動とか転職を考えている人向けにお話ししようかな、と思い立ったわけです。 実は、10万部超の『マジ文章書けないんだけど』(大和書房)は、エントリーシートの書き方をベースに、自分が伝えるべきことを文章にする、つまり自己プレゼンテーションのつくり方の本でした。 新聞社にいたころは、校閲採用の担当もしていました。1人ないしは、2、3人の採用に、100人を超える応募があって、その全てのエントリーシートを、部長の僕と部長代理の二人がそれぞれ読んで、書類選考するんです。朝から別室に缶詰めになって3日ほどかかる作業です。その結果を突き合わせると、評価が大体一致するんです。 そんな経験も踏まえて、エントリーシートの書き方や面接対応などについて、ことばから考えていきたいと思います。ということで、今回はエントリーシート(ES)に絶対書いてはいけないことについて、お話しします。 長所や短所などを各欄があると思うんです。そこに「これまでで一番辛かったことは何か」という欄があったとします。就活生だと大体「浪人してしまった」「部活で失敗してしまった」という内容が多いんです。ところが、絶対書いてはいけないのは、面接担当が質問できないような内容です。 たとえば、付き合っていた人からDVを受けたというような、あまりにもプライベートに踏み込みすぎる内容についてです。面接で何を聞けばいいのか、面接委員も戸惑ってしまいます。 警察は呼んだのかとか、その後どうなったのかなどなど、不安が頭をよぎりますが、これは就職での面接とは趣旨が異なります。 やはり、プライベートに踏み込みすぎるエピソードは、避けておくべきだと思うのです。 ◇◇ 就活する方の悩みや採用側の悩みなどがありましたら、「ことばランド」番組概要欄の「お便りフォーム」からお送りください。番組の感想などもお書きいただけると嬉しいです。 また、ApplePodcastやSpotifyでお聴きの方は、評価やレビューを書いていただけると嬉しいです。皆さんの評価で多くの人にお聴きいただけるようになります。どうぞ宜しくお願いします。 ◇◇◇ 『伝わる文章がすぐ書ける 接続詞のコツ』(前田安正著、すばる舎)が好評発売中です。 また、『注意ワード・ポイントを押さえれば文章