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EP#110 「ご拝受ください」。一見正しそうだけど、これが大きな間違いなんです!

スポーツ選手には筋肉が必要です。大谷選手もそうですよね。ところが、筋肉はつければいいというものではないんです。パフォーマンスを出すためにきちんと使いこなせるものでないと、かえって体を痛める原因になってしまう。実は、ことばも同じで、使いこなせないと、とんでもないミスを犯すことにもなりかねないんです。 業績シートをメールで送って来た人が、最後に「宜しくご拝受ください」って書いてきた例があります。ええ??って、我が目を疑ったことがあります。 「拝受」は、受け取った側がその返事のときに使うもので、送る側が使うものではないんです。「拝受」の「拝」は、本来「ひざまずいてぬかずく礼」「組んだ両手を挙げて上体を曲げる礼」のことです。だから、敬意表すべき人に関わる自分の動作や行為の前につけて謙譲の意を表すことです。つまり「謹んで」という意味なんです。だから「宜しくご拝受ください」というのは、「ご」が尊敬語で「拝受」が謙譲語というふうにねじれているのです。 「拝受」ということばを知っていても、どういう場面で使うのかがわからないと言葉が機能しないし、常識を疑われてしまいます。業績シートにどんないいことが書かれていても、素直にキャリアを認めてもらえないリスクを抱えてしまいます。 冒頭に言ったように、使いこなせない筋肉をいくら身にまとっても仕方がありません。言葉も使いこなせて、はじめて、言葉として機能します。 ◇◇◇就活する方の悩みや採用側の悩みなどがありましたら、「ことばランド」番組概要欄の「お便りフォーム」からお送りください。番組の感想などもお書きいただけると嬉しいです。 ↓ ↓ ↓ https://forms.gle/Qbhg8cHCUtym2nRu8 また、ApplePodcastやSpotifyでお聴きの方は、評価やレビューを書いていただけると嬉しいです。皆さんの評価で多くの人にお聴きいただけるようになります。どうぞ宜しくお願いします。 未來交創・前田HP https://kotoba-design.jp/ 江川HP https://www.midori-egawa.com/