明けましておめでとうございます。
2カ月ほど番組をお休みしてしまい、申し訳ありませんでした。急に喉の調子が悪くなって、しばらく喉を休めておりました。12月には良くなっていたのですが、録音のスケジュール調整などで年を越してしまいました。突然のことだったので、ご心配をおかけしたことと思います。体調には十分注意していきますので、これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
この間に、嬉しいレビューを頂戴しました。ご紹介します。
「日常的に使っている言葉の一つ一つに、深い意味があることを知ることができ、言語感覚を養うことができます。また、前田さんと江川さんの会話に心がほっこり、癒やされます。無理なくさらっと、聞けて、就職、転職に関係なくても学びになる素敵な番組です」
嬉しいですね。ほんとに励みになります。これからもリラックスしてお聴きいただける番組をつくっていきたいと思いますので、お聞きくださいね。
昨年12月にある大学で、メディア論のなかの一コマにゲスト講師として呼ばれ、話をしてきました。テーマは「AI時代の文章」についてです。きょうは少しその時のお話をしようと思います。
いまは、AIがものを書いてくれる時代なので、自分で書く必要はない、という風潮が醸成されているような気がします。でも、僕はAIが書くものは文章ではないんです。文章の定義って、どういうものだかご存じですか?
文章は「話し手または書き手の思考や感情がほぼ表現し尽くされている一まとまりの言語表現」なんです。
ここで重要なのは、「書き手の思考や感情がほぼ表現し尽くされている」というところなんです。AIは思考も感情も持っていません。文字列として言葉を組み合わせているだけなんです。それは、ネットの中にある僕たちが書いた文章をお手本にして、組み立てているからです。つまり、僕たちが書くもの以上のものは、書けないんです。しかも僕たち自身も「ほぼ表現し尽くされている」ものしか書いていないから、それをいくら学習しても不完全さは、残るということになります。
一方、「文書」は「文字で書き表したもの。書類」なんです。「ビジネス文書」ということばがまさにこれで、そこには思考も感情も必要がありません。議事録のまとめや報告書には、ファクトだけがあればいいので、感情は必要ないんです。これはAIの得意とするところです。つまり、AIが書に書けるものは、文書なんです。文章ではないんです。
就職の例で言えば、エントリーシートに「志望理由」があって、それを元に面接もします。これは文書ではなくて、文章になっていなければならないんです。ところが、ほとんどの人は、文書になっているんです。
思考や感情は「自分そのもの」です。ここが書けないといけないのです。ビジネスでも思考や感情が必要な文章があります。それが企画書です。そこに自分の思いを載せないと、それを読んだ人の感情を揺り動かすことができないからです。
AIがものを書く時代だからこそ、文章が書けないと自分の存在価値も描けないのです。いまは、そういうフェーズに入ってきたということなのだと思うのです
情報
- 番組
- 頻度アップデート:毎週
- 配信日2025年1月13日 2:00 UTC
- 長さ18分
- 制限指定不適切な内容を含まない