アワノトモキの「読書の時間」

粟野友樹,星野良太,Work-Teller

「働く人と組織の関係性の編み直し」をテーマに 独自の視点で選んだ本を紹介する番組です。 扱う本は皆さんが知らないものが多くなるかもしれません。 20年以上「人と組織の関係性」を見つめてきたぼくの知見から 今の時代に必要だと思われる本だけを三部構成でご紹介していきます。 【profile】 リクルート/リクナビNEXT「転職成功ノウハウ」、リクルートエージェント「転職成功ガイド」識者 累計約600本以上の記事を監修 https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/profile-tomoki-awano/ 筑波大学→大学院→人材系企業→フリーランスと 20年以上、人と組織の関係性について学習と実践を重ねる。 ◎注目している分野 ・無意識的に社会指標に適応しようとする個人の葛藤 ・現代社会のしがらみから五感を解き放つ自然環境の可能性 ・現場、当事者の主体性に焦点を当てたオルタナティブ教育 ・ブリコラージュ/人が元来持つ適応能力・打開能力の活用 ・ナラティブコミュニケーションによる脱既定路線 ※上記分野のお話が多くなると思います。 ★ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、 こちらまでDMをお寄せください。 https://twitter.com/Tomoki_Awano

  1. 11H AGO

    ep48-1「モモ」「叱る依存が止まらない」/読み返す40代、叱ることと導くこと、秋の夜長に考えたい話

    ・『モモ』(ミヒャエル・エンデ) ・『叱る依存が止まらない』(村中直人さん) こんにちは、ホシノです。今回もまずは近況から。気温がすっと下がって、Tシャツから長袖に切り替わるあの瞬間、ちょっと「美術館に入ったみたい」な空気になりますよね。 そんなモードもあってか、今週はエンデの『モモ』を久々に(初めて?)手に取りました。読み返してみたら、ほぼ初読の気持ちに近いほど覚えておらず…。けれど物語の芯にある時間と物語の力は、いま読むとやたら染みるものでした。 アワノさんの一冊は、村中直人さん『叱る依存が止まらない』。親でも上司でも指導者でも、「叱る場面」ってゼロにはならない。じゃあ、叱っている自分は何を求めているのか? 叱られる側はどう受け取るのか? 40代という教える側の立場に立つと、妙に胸がざわつくテーマです。 「正解を教えてほしい」という欲求と、「叱る=導く」の古い価値観。その間で揺れる僕らのリアルが、会話の中でもあちこちに出てきました。 次回からは、まずホシノの『モモ』から話していきます。 大人になって読み返すとこうなるのか…という驚きも含めて、ゆっくり話していきます。どうぞお楽しみに。

    7 min
  2. OCT 23

    ep47-2 「強いビジネスパーソンを目指して鬱になった僕の弱さ考」井上慎平さん/弱いまま今を生きるには?

    <今回の選書>『強いビジネスパーソンを目指して鬱になった僕の弱さ考』(井上慎平/ダイヤモンド社) どうもホシノです。今回は、NewsPicksパブリッシングの創刊編集長を務めた井上慎平さんの新著『弱さ考』を取り上げます。見せていい弱さ/見せちゃいけない弱さ”の線引きを雑談しつつ、本論へ。 本編では、著者のキーワードをたたき台に議論。 弱さ=自分をコントロールできない/社会のルールに合わせられない状態 強さ=場に合わせて自分を変えられる力 優秀さ=内側の限界を把握し、外部リソースを上手に配分・調整できること――という整理から、強い像への過剰適応がなぜ破綻を招くかを掘ります。 さらに、「バックキャストで最適化」の逆をいくアプローチにも注目。「詩人の目で見る」「戸惑いをそのまま伝える」「仕事以外の依存先を増やす」など、明日から試せる小さなハウをピックアップして、弱さを前提にした働き方の実験計画を語りました。 終盤は、著者が立ち上げたオンライン読書ゼミ「問い読」へも話題が展開。正解のない問いと対話を軸に「学びを体験化」する場で、共同創業者は元『ハーバード・ビジネス・レビュー』編集長の岩佐文夫さん。弱さを社会実装するための一つのフィールドとして位置づけます。 心理と実務を往復しながら、「つよい一択」の働き方を疑い直す回。ぜひお聴きください。

    25 min
  3. OCT 9

    ep46-5「庭の話」宇野常寛さん/半透明の隠れ家とマイノリティの声

    「庭の話」宇野常寛さん どうもホシノです。前回に続き、宇野常寛さんが語る「庭」という概念を深掘りしました。 今回印象的だったのは、就労支援施設「ムジナの庭」の事例。そこでは障害を持つ人々が縫い物やジャム作りなどをしているのですが、職員と利用者の区別がつかないほど自然に共存し、「一人でいても孤立していない」場が生まれているといいます。宇野さんはそれを“半透明性”“開かれた隠れ家”と表現しました。 庭の特徴は「話してもいい、話さなくてもいい」「いてもいいし、いなくてもいい」。学校やSNSのように序列や承認欲求に縛られることなく、作ることを通じて存在を肯定できる場所――それがプラットフォーム資本主義の中で必要だと指摘します。 番組後半では、文フリ参加や出版サークルの営みを例に、「作る動機づけ」と庭的な場の共通点を語り合いました。また、宇野さんが示すマイノリティ視点の重要性、さらには『同感と距離感の練習』や『暇と退屈の倫理学』との対話的な批評にも触れ、多角的な読み解きを展開しています。 概念的でありながら、実在の場所や実践と結びつけることで立ち上がる「庭」のイメージ。マジョリティに埋もれがちな声をどうすくい上げるかという問いとともに、今回の一冊を味わいました。ぜひお聴きください。

    17 min
  4. OCT 2

    ep46-4「庭の話」宇野常寛さん/誰もがお隣にお醤油を借りられるわけじゃないから

    「オルタナティブな庭」宇野常寛さん どうもホシノです。今回の読書の時間では、アワノさんに批評家・宇野常寛さんの「庭」の思想を取り上げてもらいました。オタク文化や自身の経験を背景に「プラットフォーム資本主義の只中でどう生きるか」を問う一冊です。 宇野さんが提案する「庭」とは、SNSの承認やコミュニティの序列に縛られず、個人が生きられるオルタナティブな場所。その条件は4つ①人間以外のものと関わる場、②外部に開かれていること、③人が支配できないこと、④制作に動機づけられること。銭湯・小杉湯や就労支援施設「ムジナの庭」など、現実の場にもその萌芽を見いだせるといいます。 番組内では「ブックオフ」の例を通じて、閉じた論理や序列に縛られない“開かれた場”のあり方を考察。また、「助け合い」や「理想的コミュニティ」の裏で生まれる排除の構造にも触れつつ、資本主義とどう折り合うかを語りました。 資本主義を否定するのではなく、対等な関係を保ちながら個人が安心して存在できる回路=庭をどう持つか。通路のように心を解放するその概念を、河合隼雄さんの「子どもの宇宙」で語られた「秘密」「通路」と響き合わせながら読み解いています。ぜひお聴きください。

    27 min

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「働く人と組織の関係性の編み直し」をテーマに 独自の視点で選んだ本を紹介する番組です。 扱う本は皆さんが知らないものが多くなるかもしれません。 20年以上「人と組織の関係性」を見つめてきたぼくの知見から 今の時代に必要だと思われる本だけを三部構成でご紹介していきます。 【profile】 リクルート/リクナビNEXT「転職成功ノウハウ」、リクルートエージェント「転職成功ガイド」識者 累計約600本以上の記事を監修 https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/profile-tomoki-awano/ 筑波大学→大学院→人材系企業→フリーランスと 20年以上、人と組織の関係性について学習と実践を重ねる。 ◎注目している分野 ・無意識的に社会指標に適応しようとする個人の葛藤 ・現代社会のしがらみから五感を解き放つ自然環境の可能性 ・現場、当事者の主体性に焦点を当てたオルタナティブ教育 ・ブリコラージュ/人が元来持つ適応能力・打開能力の活用 ・ナラティブコミュニケーションによる脱既定路線 ※上記分野のお話が多くなると思います。 ★ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、 こちらまでDMをお寄せください。 https://twitter.com/Tomoki_Awano

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