残間光太郎の"闘うものの歌が聞こえるか"

kotaro zamma

イノベーションで世界をよりよく変えていこう、という闘う人々を応援するチャネルです。スタートアップや大企業、音楽家やアーティストなど、様々なイノベーターのビジョン、考え方、パッションを是非是非、全身で感じてください!

  1. 3時間前

    面白いを一緒に探すノベーション(1978回)

    「途上国から世界に通用するブランドをつくる」理念で、発展途上国の素材や文化、人材に光を当てたものづくりを行うマザーハウス代表の山口絵理子さんが、語っていた言葉に、行動変容を起こすプロジェクトの始め方について、大きな示唆をいただきました。 曰く、 「やっぱベースとしてはなんか日本で売れるものを作ろうとしちゃダメだと思うんですよ。 やっぱり彼らがこの国のベストって何っていうことが大事で。 日本で売れるっていう一つ置いといて、その国の技術とかその国の素材を使うとどんなものが出来上がるかねっていう発想でやってるので 私は彼らの中の面白い何かっていうのを一緒に探したいっていう感じですね。」 ここから私は思いました。 1、彼らのパッションに火をつける 2、最初の仲間になる 3、異分子が世界を変える 1、彼らのパッションに火をつける 地方創生プロジェクトでも、コンサルティングでも、営業でも、精一杯考えた提案をして、「素晴らしいですね」と喜んでいただいたようで その後、なぜか相手の行動変容が起きない。ということは、たくさん経験してきました。 その要因は、もしかしたら、その提案が悪いのではなく、相手のパッションに火をつけられていないからなのかもしれない。そんなことを思わせていただきました。 山口さんは、日本で売れるものを先に考えるのではなく、その国の技術や素材、そして彼らの中にある「面白い」を一緒に探す。と言われています。 それは、人からどんなに良い提案やアイディアをいただいても、自分たちの心の中に、本当にそれをやりたい、やりたくて今からでもすぐに動き出したい、そんな思い、すなわちパッションを喚起しない限り、難しいということなのだと思いました。 それが、まさに、「彼らの中にある面白いを一緒に探す」という意味なのかもなあと思います 彼ら自身にも、自分たちが、そんなに面白いと思えるものは、もともと持っていないことも多い気がします。 それを共に、探すこと。言葉では簡単ですが、それは一朝一夕にはできない。とてつもなく時間がかかり、一緒に生活をして、一緒に悩みを分かち合って、少しずつ信頼が生まれていく中でしか、生まれないことなのかもしれない。 その覚悟があるかどうか、問われている気がしました 2、最初の仲間になる 以前、この私の番組で「最初の仲間ノベーション」という話をしたことを思い出しました。 イノベータというのは、一人で何かを始めても、最初はただの変わった人に見えるだけなのだけれども、そこに最初の仲間が現れて、「それ面白いね、私も一緒にやっていい?」という最初の仲間が現れた瞬間から、変わり者がイノベータになっていくという話でした。 山口さんは、もしかしたら、途上国の皆さんの「最初の仲間」になられたのかもしれないなあと思いました。 自分たちでさえ、気づいていない「面白いこと」を、最初の仲間としての、山口さんが、それってもしかして「すごく面白いことなんじゃない?」と気づいてくれる そこから、自分たちが気づいていなかった「面白いこと」が、実は、自分たちも、「面白いこと」と思っていたことに気づいていく そこから、自分のパッションに火がつき始める。そんなことが起きているのかもしれないなあと、思いました でもそれは、「それって、面白いですよ」と言って、立ち去っていくだけでは、仲間とは言えない 「面白いので、一緒にやらせてください」と、行動を共にしていくことで、初めて、最初の仲間になれる。そういうことなのかと思いました。 3、異分子が世界を変える 安宅和人さんの『「風の谷」という希望――残すに値する未来をつくる』のお話を思い出しました。 安宅さんは、インタビューの中で、外で学び、経験した人が地域に戻ることで、「外の文化を持つ“界面活性型”の異人として大きな力になります。」と語っています。 ずっとその場所にいる人には当たり前すぎて見えないものが、異なる文化や経験を持つ人には見える。しかも、もともとそこに生まれた人なら、地元にパッションを持って、外の文化で学んだことを掛け合わせていくことができる最初の仲間になり得る このお話は、地方からの人口流出が問題なのではなく、むしろ流出させて、そこから外部のノウハウを携えて戻ってくる人を増やす仕組みづくりの大切さを教えていただいたと私は思っています 山口さんは、もちろん、途上国の出身者ではありませんが、最初の仲間になるための覚悟とパッションを持ち合わせておられる方なのだなあと思いました そういうパッション溢れる異分子の方が、最初の仲間として、途上国や地方や、何かの突破口を探しきれていない場所に、覚悟を持って入っていき 入っていった先の方々と一緒になって、パッションの源を探しながら火をつける活動をすることができれば きっと世界がもっと善い方向に変わっていく。そんな希望溢れるお話だなあと思いました。 しかし、それは、生活を共にして、自らの人生を賭けて、その土地の人たちと、真の仲間になる、そんな覚悟の人だからこそができることなのだと、思いました。 一言で言えば 面白いを一緒に探すノベーション そんな話をしています。 参考:カンブリア宮殿 2026年9月17日放送 進化を止めないものづくりの全貌 マザーハウス 代表 山口 絵理子(やまぐち えりこ) https://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/smp/backnumber/2026/0917/ 安宅和人『「風の谷」という希望――残すに値する未来をつくる』英治出版 日経BOOKプラス「安宅和人 『風の谷』の作り方 求心力を高め、コスト構造を見直せ」

    面白いを一緒に探すノベーション(1978回)
  2. 19時間前

    希望は意味にあるノベーション(1977回)

    チェコスロヴァキア民主化運動の象徴的存在で、劇作家から後に大統領となったヴァーツラフ・ハヴェルの言葉に、めちゃめちゃ心を動かされました。 ハヴェルは、共産党政権下で作品の上演を禁じられ、人権や自由を求める活動によって投獄されました。 そして釈放後の1985年から86年、まだ民主化が実現する前、もちろん自分が大統領になることなど分からない時代に、「希望」についてこう語っています。 曰く、 「希望とは、何かが成功する可能性があるから取り組むことではなく、それが善いことだから取り組むことのできる力なのです。 希望は、楽観主義と同じものではありません。 何かがうまくいくという確信ではなく、それがどのような結果になろうとも、そこには意味があるという確信なのです。」 私は、この言葉を、希望の再定義なのではないかと思いました。 希望とは、うまくいくという見通しではなく、結果がどうであれ、そこに意味があると信じて動ける力なのだ、と。 ここから私は思いました。 1、希望は結果ではなく意味にある 2、意味が人を動かす 3、大義が希望の波紋を拡げる 1、希望は結果ではなく意味にある ビジネスでは、もちろん結果が求められますが、特にイノベーションプロジェクトにおいては、結果が果たして思い通りになるのか、そうはならないのか、わからない状態で始めることになることが多いと思います。 では何をよすがに進み始めることができるのか? ハヴェルは、その答えを教えてくれているような気がしました。 ハヴェルは、民主化が実現することや、後に自分が大統領になることが分かっていたから行動していたわけではありません。 投獄まで経験し、それでもなお、結果がどうなるかではなく、自分がやっていることには「意味がある」ということを希望として進んでいくことができたのかもしれない、そんなふうに思いました。 つまり、希望は「きっとうまくいく」という将来の結果の中にあるのではなく、「これはやる意味がある」という今にある。 そんなふうに、ハヴェルは希望そのものを捉え直したのではないかと思います。 経営学者ピーター・ドラッカーは、 「企業の目的について、唯一の有効な定義がある。それは、顧客を創造することである。」 と述べています。 企業は利益そのものだけを目的にするのではなく、顧客や社会に価値を生み出すことで存在する。 もちろん、事業を継続するためには利益が必要です。が、その前に、 「自分たちは、誰に、どんな価値を生み出したいのか」 という意味が大切ということかと思います。 イノベーションプロジェクトにおいても、将来いくら儲かるということはもちろん議論しますが、それはいくら議論しても今の誰にもわからない。 だからこそ、まず、自分たちが実現したい価値が今あるのかどうか?顧客を創造できるのか?から始める。 そこに、イノベーションを始める意味があり、希望が生まれるのではないかと思いました。 2、意味が人を動かす そして、何よりも、その「自分たちは、誰に、どんな価値を生み出したいのか」というプロジェクト推進の意味は、その意味に共感してくれる人を動かすことができると思います。 ハヴェルは、民主化が実現するかどうか分からない時代から、自分がやっていることには、意味があると信じることで行動し続けた。 その姿を見て、その意味に共感する人たちが集まり、やがて希望が生まれ、大きな動きになっていった。 イノベーションプロジェクトでも同じなのかもしれないなと思いました。 「このプロジェクトは何のために存在するのか」 「自分たちは社会にどんな価値を生み出したいのか」 自分自身が、その意味を信じて行動する。 その行動を見て、誰かの心が動く。 そして、その人も行動を始めることで、その意味が、人から人へ伝わっていき、希望として輝き出すのだと思います。 3、大義が希望の波紋を拡げる 私は、ハヴェルのいう「意味」を、私が考えているイノベーターリップルモデルの「大義」と重ねて考えました。 自分がやろうとしてることは、自分だけではなく、社会にとってどんな意味があるのか。 その大義に、心動いた自分自身をぶち込んで、まず行動してみる そして行動することでよりパッションが加速する。 そのパッションに誰かが共感し、仲間になり、その仲間がまた行動する。 一人から始まった大義と希望の小さな波紋が、次の波紋を生み、やがて大きな動きにつながっていく。 もちろん、ビジネスでは結果が必要ですが、将来の結果はどんなに考えてもわからないので、それを考えていたら動けなくなることがある。 だからこそ、その挑戦を最初に動かすものの、根っこにあるものが「意味」であり、私はそれを「大義」と呼びたいと思います。 結果が見えなくても、意味があれば大義が生まれ、希望につながる そして、その希望の波紋が、イノベーションをより大きな動きへ変えていく そんなことを、ハヴェルの言葉から思わせていただきました。 希望は、将来の結果や楽観主義ではなく、今ここに、意味があると実感していること それが挑戦の原動力になる 一言で言えば 希望は意味にあるノベーション そんな話をしています。 参考 ヴァーツラフ・ハヴェル『Disturbing the Peace』181–182頁 ピーター・F・ドラッカー『マネジメント』 ヴァーツラフ・ハヴェル・センター

    希望は意味にあるノベーション(1977回)
  3. 1日前

    創造性が危機を乗り越えるノベーション(1976回)

    経済学者アルバート・O・ハーシュマンさんの言葉と事例に、めちゃめちゃ心を動かされました。 ハーシュマンさんが取り上げた代表例の一つが、東パキスタン、現在のバングラデシュにあったカルナフリ紙パルプ工場です。 周辺に豊富にある竹を原料にする計画でしたが、その竹の供給が危機に陥るという想定外が起きました。 そこで人々は、各地から竹を集める新しい供給網をつくり、より早く成長する竹を研究し、さらに竹以外の原料まで探しました。 曰く、 「創造性は、いつも私たち自身を驚かせる。」 「私たちは、自分たちの創造性をあらかじめ当てにすることはできない。実際にそれが現れるまでは、それを信じることもできない。」 ここから私は思いました。 1、創造性は新規だけではない 2、創造性が想定外を乗り越える 3、修羅場が創造性を育む 1、創造性は新規だけではない 創造性というと、進化論でいう「変異」のように、新しいものを生み出すための力、企業でいえばイノベーションに必要な能力だと思われがちです。 でも、実はそれだけではないということに、改めて気づかせていただきました。 とても大きな役割として思ったのは、突然襲いくる危機を乗り越える力になりうるということです。 天変地異や、技術革新、別業界からの横展開、さらには破壊的ベンチャー企業の登場など、未曾有の企業の危機というのは、突然訪れることがあります。 それらは、決して想定している範囲内から来るだけではなく、まったくの想定外から来るケースがあって、それが最も恐ろしい脅威になるのかもしれないなと思います。 ハーシュマンが取り上げたカルナフリ紙パルプ工場も、思ってもいない事態が突然襲ってきた、ということかと思います。 そんなときに必要となるのは、実は、きっちりかっちりやり切る能力よりも、いかに危機を乗り越えるかというパッションと創意工夫、つまり創造性なのではないかと思いました。 2、創造性が想定外を乗り越える カルナフリ紙パルプ工場で、周辺に豊富にある竹の供給が危機に陥るという想定外が起きたときに、発揮された能力がまさに創造性だと思います。 各地から竹を集める新しい供給網をつくり、より早く成長する竹を研究し、さらに竹以外の原料まで探したといいます。 ある意味、使える手段を総動員して、とにかくこの想定外を乗り越えようとする。 その力は、 ハーシュマンさんが言われている、 「創造性は、いつも私たち自身を驚かせる。」 という言葉の通り、自分たちでさえも、そんなことができるとは誰も思っていなかったことを成し遂げることがある、というエビデンスの一つになると思います。 だからといって、 「私たちは、自分たちの創造性をあらかじめ当てにすることはできない。実際にそれが現れるまでは、それを信じることもできない。」 と言われているように、そのときが来ないと、創造性で乗り切ることができるのかどうかも分からない。 これは、まさにイノベーションプロジェクトと同じだと思います。 真っ暗な闇の中を、一筋の光があると信じて進む。 ある意味、それがイノベーションだと思います。 これは、想定外を乗り切ることと、ほとんど同じことなのかもしれないと思いました。 つまり、創造性を育む取り組みは、新規ビジネス部隊だけでなく、通常業務をやっている人たちにも、培っておく必要があることなのだなあと、改めて思いました。 3、修羅場が創造性を育む 新規ビジネスを立ち上げる中で、創造性を育むことができるし、スキルやマインドセットを磨くこともできると思います。 そういう意味では、イノベーションプロジェクトに携わることで、既存の業務の想定外にも対応できる創造性を培うことはできると思います。 もう一つあると思うのは、修羅場を経験することも、そうなのかもしれないと思いました。 ハーバード・ビジネス・スクールのテレサ・アマビールさんらの研究では、創造性が必要な仕事に取り組む人たちの9,000件以上の日誌を分析しました。 その結果、強い時間的プレッシャーは通常は創造性を下げるのですが、例外として、 「なぜ今これを解決しなければならないのか」が明確で、意味のある緊急性に集中できているときには、強いプレッシャーの中でも創造性が発揮されることがある。 彼女たちは、この状態を「on a mission=使命の中にいる」と表現しています。 象徴的なのが、Apollo 13です。 宇宙船で重大なトラブルが起きたとき、NASAのチームは、限られた時間と限られた材料だけで、空気濾過システムの応急策を生み出しました。 まさに、生死がかかったピンチの中で、創造性が生存のための力になった事例だと思います。 つまり、想定外が起きまくっているときに、どれだけ創造性を発揮して、その難局をクリアしていくことができるか。 それは、創造性を育む上では、イノベーションプロジェクトを推進していくのと同様の効果があるのかもしれないなあと思いました。 まとめると、 ハーバード大学の広中先生が、創造性は誰もが持っている、と言われていましたが、 それを鍛えていく、育んでいく活動というのは、 イノベーションや新規ビジネスをする人たちだけがやればいいということではなく、 既存の柱ビジネスをやっている人たちにも、想定外の事態を乗り越えるためには、培っておかなければならないことである。 そして、それを培うためには、イノベーションスキル・マインドセットを学ぶということも必要であり、 意味のある緊急性と集中がある修羅場では、創造性が引き出される。そんな体験をさせる。 そんなふうに思いました。 ということで一言で言えば、 創造性が危機を乗り越えるノベーション そんな話をしています。 参考 アルバート・O・ハーシュマン 『開発プロジェクトの観察』 ブルッキングス研究所出版、1967年 テレサ・M・アマビール/コンスタンス・N・ハドリー/スティーブン・J・クレイマー 「プレッシャー下の創造性」 『ハーバード・ビジネス・レビュー』、2002年 M・J・キング 「アポロ13号の創造性――制約の中から生まれるイノベーション」 『創造的行動ジャーナル』、1997年

    創造性が危機を乗り越えるノベーション(1976回)
  4. 2日前

    相手がスッキリするまでやるノベーション(1975回)

    任天堂の元社長、岩田聡さんの社員とのコミュニケーション方法に、めちゃめちゃ心を動かされました。 曰く、 「やっぱりみんな納得して働きたいんですよね。ただ、会社がいろんなことを決めたときに、ふつうの社員の人たちはほとんどのケースで、なぜそう決まったのかがわからないんです。単純に、情報がないですから。」 「それで、自分はどうしてこういうことを言ったのかとか、なにがあってこういうことを決めたのかということを、もちろんなにもかもしゃべれるとは限りませんが、その背景をできるだけ説明していくんです。」 「それは、けっきょくは『こういう材料がそろっていたら、君ならどう考える?』ということを訊いているのと同じことなんです。それで、相手が『ぼくでもそうしますね』ということになったら、安心じゃないですか。同じ価値観が共有できていることがわかると、お互いすごくしあわせになるんですよ。」 「わたしが面談でどのくらい時間をかけているかというのは、つまり『相手がすっきりしたらやめている』ということなんです。その意味では、『できるまでやる』。それも決めたんです。」 ここから私は思いました。 1、背景を伝える 2、判断を委ねる 3、時間ではなくスッキリを終了条件にする 1、背景を伝える 社内コミュニケーションには、1on1ミーティングの必要性や、傾聴がとにかく大切というお話を聞きます。 もちろん、とても大切だと思いますが、その中で、自らの意図と背景を伝えるという話は、めちゃくちゃ刺さりました。 特に、上司と部下のような、明らかに力関係が違う場合、とにかく何でもいいから聞くから、と言われてもねぇという気持ちは痛いほどわかります。 その時に、まずは上司から、オープンマインドで、自分が言ってる背景や意図を、忌憚なく伝えることから始めるのは、めちゃくちゃいいなあと思いました。 大体、言葉尻だけが一人歩きすることはよくあることなので、それを1on1で伝えることこそ、大切な意義になると思います。 2、判断を委ねる その上で、自分ならどう判断する?ということを聞くという、ある意味、自分としての判断をきちんと聞くということが、さらに大切な気がしました。 いかに背景や意図を聞いても、なのでよろしく、と言われてしまったら、結局、言われた通りになるしかないのね?という気持ちになってしまうよなあと思います。 情報格差がない中で、初めて対等にコミュニケーションができる状態になってから、傾聴を始めるということなのかなと思いました。 これは、「手続き的公正(Procedural Justice)」という研究にも通じるところがあるように思います。 ロバート・マッカウンは、手続き的公正に関する長年の研究について、 「人は、結果が不利な場合でさえ、その結果に至るプロセスを非常に重視する」 という趣旨を述べています。さらに、その中でも特に重要なのが、Voice、つまり自分の考えを伝える機会があることだとされています。(Annual Reviews⁠) つまり、結論だけではなく、どう決めたのかというプロセスと、自分自身がそこに意見を言えることが大切だということなのかなと思いました。 その上で、もし、自分と同じ判断をするのか?それとも、全く違う判断をするのか、違う判断をするのなら、それがなぜなのか?ということが、本音で話し合えるということなのかなあと思います。 情報格差を極力少なくした上で、対等にコミュニケーションをすることができるか、それがある意味、権力を持っている方の、とても大切なコミュニケーションのやり方かもしれない、と思いました。 3、時間ではなくスッキリを終了条件にする 岩田さんの凄さは、1on1を、時間では終わらせずに、お互いがスッキリしたかどうかを、終了条件にするということです。 会社のマネジメントの中でも、もっとも重要な時間という資源を、その人のためにどれだけ割けるのか?ということは、相手にも、上司が本気で自分に向き合ってくれてるというメッセージになると思います。 そして本当に徹底的にお互いの理解を深めることができる。 これは、今でいう、タイパ、コスパとは、全くの発想だなあと思います。 ゴールは何なのか?ということで考えると、1on1を毎月やってます、がゴールではなく、一人一人に行動変容が起きたかどうか、をみるべきということかと思いました。 イノベーションでも、コンサルティングでも、ゴールは、行動変容を起こすことができるか、ということだとすれば、社内のコミュニケーションにおいても、ゴールはそこにあるということかと思いました。 身内や社員にはついつい、わかってくれてると思いがちな、コミュニケーションかもしれないなと。 近いからこそ、仲間だからこそ、時間ではなく、スッキリにこだわる、それが大切なのかもしれないなあと思いました。 ということで、一言で言えば 相手がスッキリするまでやるノベーション そんな話をしています。 参考 『岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。』 2019年8月7日 電子版発行 version 1.0.0 ほぼ日刊イトイ新聞・編 監修 糸井重里 Robert J. MacCoun “Voice, Control, and Belonging: The Double-Edged Sword of Procedural Fairness” Annual Review of Law and Social Science, 2005

    相手がスッキリするまでやるノベーション(1975回)
  5. 3日前

    生涯のプラットフォームノベーション(1974回)

    LEGOを世界的な存在へと成長させ、「LEGO System in Play」の基礎をつくった二代目オーナー、ゴッドフレッド・カーク・クリスチャンセンさんの言葉に、改めてLEGOの凄さを思い知らされた気がしました。 1955年、クリスチャンセンさんはLEGOについて、こう語っています。 曰く、 「私たちが目指したのは、生涯にわたって価値を持つ玩具をつくることでした。 子どもの想像力に訴えかけ、すべての人間を動かす力である『創造したいという衝動』と『創る喜び』を育む玩具です。」 そして、LEGOのシステムについて、 「シンプルで丈夫でありながら、無限の多様性を生み出せること。」 という考え方を掲げました。 ここから、私は思いました。 1、創造したい衝動 2、シンプルで無限のルール 3、生涯使えるデザイン言語 1、創造したい衝動 実は、私はLEGOで育ったわけではないので、なぜ数ある組み立て玩具の中で、LEGOがこれほどまでに創造性と結びつけて語られるのか、あまりよく分かりませんでした。 でも、クリスチャンセンさんの言葉を知って、これほどまでに愛されている理由が分かった気がしました。 「創造したいという衝動」と「創る喜び」が、すべての人間を動かす力である。 これは、ハーバード大学の広中先生の「誰もが創造者である」という言葉を思い出します。 進化研究には「ニッチ構築」という考え方があります。 生物は環境に適応するだけではなく、自ら環境をつくり変え、その環境がまた自分たちに影響を与えていくという考え方です。 人間も、道具をつくり、家をつくり、都市をつくり、制度をつくり、自分たちが生きる環境そのものを変え続けてきました。 そう考えると、人間は与えられた世界に適応するだけではなく、世界に働きかけ、つくり変えていく存在なのかもしれません。 LEGOは、そんな原始的ともいえる人間の「創造したい」という欲求を、最もプリミティブに発揮できる道具の一つなのではないかと思いました。 2、シンプルで無限のルール イノベーションには、制限があった方が面白いイノベーションが生まれるとよく言われます。 LEGOは、基本的な2×4ブロックをたった6個使うだけでも、組み合わせは9億通り以上になるといいます。 極めてシンプルなのに、無限に広がるルールをつくった。 これが秀逸だと思います。 これは簡単そうに見えて、非常に難しいことだと思います。 シンプルだからこそ、小さな子どもでも容易に使うことができる。 そして、無限の可能性があるからこそ、大人になっても使いたくなる。 何をつくるかを決めすぎないからこそ、使う人が創造性を発揮できる圧倒的な余白がある。 まるでコード進行だけが決まっているジャズのように、その上でどんな即興が生まれるのかを楽しみにしている。 思わず創造性を発揮したくなってしまう。 そんな設計と仕組みづくりが優れているなあと、つくづく思いました。 3、生涯使えるデザイン言語 そして、「生涯にわたって価値を持つ玩具をつくる」という宣言通りの展開をしているところも、本当にすごいと思います。 幼児向けのLEGO DUPLOから始まり、成長すればLEGO CityやLEGO Creator、さらに複雑な機構を創るLEGO Technic、そして大人向けのLEGOへと、創造の世界を広げていくことができます。 しかも、LEGO Systemは基本的な接続の互換性を長く大切にしてきました。 新しいブロックが加われば、昔のブロックまで新しい使い方ができる。 成長するほど、創れる世界が広がっていく。 私は、LEGOは一種の「デザインの言語」なのではないかと思いました。 言語には文字があり、文法があります。 文字や文法そのものは限られています。 しかし、それを組み合わせれば、無限の文章や物語をつくることができる。 LEGOも同じです。 ブロックが単語。 接続のルールが文法。 組み合わせが文章。 そして、完成した作品が物語。 だからLEGOは、完成した世界を子どもに与えるのではなく、自分の世界を創り、表現するための「言語」を渡していると言っていいのではないかと思いました。 人間の中にある「創りたい」という衝動を信じる。 誰でも理解できるシンプルなルールをつくる。 そして、そのルールを使って、一人ひとりが自分の世界を一生涯創り続けられるようにする。 究極のイノベーションとは、まるで言語のように、一度身につければ、一生涯にわたって使い続けることができ、そこから無限に新しいものを生み出していけるものなのかもしれないと思いました。 人が生涯にわたって創り続けられる「言語」をつくる。 そして、その言語を手にした人たちが、つくった側さえ想像していなかったものを創り始める。 一言で言えば、 生涯のプラットフォームノベーション。 そんな話をしています。 参考 ゴッドフレッド・カーク・クリスチャンセン LEGO Group「LEGO System in Play」 LEGO Group「The Stud and Tube Principle」 ケビン・レイランドほか 『Niche Construction: The Neglected Process in Evolution』 Princeton University Press、2003年

    生涯のプラットフォームノベーション(1974回)
  6. 4日前

    民が王ノベーション(1973回)

    ミュージカル『民王』を観て、めちゃめちゃ笑って、そして素晴らしい音楽に感動し、最後には涙していました。さらにプログラムに掲載されていた別所哲也さんの言葉に、めちゃめちゃ心を動かされました。 曰く、 「魅力が満載の作品ですが、『民が王だ』という強いメッセージがあることも大きいと思います。 樟太郎君と僕が演じる翔を通じて、特に若いお客さんに、自分が総理大臣になったつもりでこの国や社会を見ていこうという気持ちになってもらえたら。 思いっきり笑ったあとに、そんな気持ちになったり、『♪民よみな王となれ』というテーマ曲を口ずさんでもらえたりしたら嬉しいですね。」 ここから私は思いました。 1、圧倒的当事者意識 2、責任の分散 3、王として動ける仕組みをつくる 1、圧倒的当事者意識 この言葉を聞いて、私はリクルートで有名な「圧倒的な当事者意識」という言葉を思い出しました。 リクルートでは、長く大切にしてきた価値観の一つとして、「自分はどう考え、何をすべきだと思っているのか」を常に問う姿勢を「圧倒的な当事者意識」と表現しています。 これ、まさに別所さんの言葉と同じだと思いました。 国でも、会社でも、部活でも、サークルでも、バイトでも、その時「自分ならどうするか」。これを、まるで責任者のように自分に問えるかどうかが、自分のためにも、組織のためにも、本当に必要なことだと思います。 組織行動論のモリソンさんとフェルプスさんは、「自ら変化を起こす行動」という考え方を、 「組織にとって有益な変化を起こそうとする、役割を超えた自発的な行動」 として研究されています。 その後の研究では、こうした行動が、組織のイノベーションや業績、変化への適応と関係することも示されています。 つまり、「圧倒的当事者意識」とは、ただ「これは自分の問題だ」と思うことではなく、自分が変える側に立ち、本当に何かを変えにいくこと。 そこまでいって初めて、組織に新しい動きが生まれるのだと思いました。 2、責任の分散 心理学には「責任の分散」という考え方があります。 心理学者のダーリーさんとラタネさんは、 「他の傍観者がいることで、個人が感じる責任感は低下した」 と報告されています。 さらに、人は、 「誰かほかの人が、何かしているはずだ」 と考えることで、自分が動かないことを合理化してしまうことがある、とも言われています。 これはなかなか切実な心理学的課題だなあと思いました。 ではどうすれば、その壁を越えることができるのか? その仕掛けづくりも重要かもしれないとも思いました。 3、王として動ける仕組みをつくる そこで、Adobeの「Kickbox」というイノベーション制度を思い出しました。 これは、社員に「アイデアを出してください」で終わらずに、社員に、アイデアを考え、顧客に試し、検証していくための、初期の実験に使える予算まで渡す、というやり方をされているそうです。 Kickboxを考案したマーク・ランドールさんは、その設計思想について、 「まず、人を信頼することから始めます。」 と語っています。 そしてさらに、 「彼らは、自分のアイデアのCEOなのです。」 と語っています。 つまり、ある意味、小さなアイデアの王となる権限を与えているということになるなあと思いました。 「当事者意識を持とう」では終わらずに、 「先に、当事者として動ける立場と予算を渡してしまう。」 これによって、アイデアを出した者は、実際に自分でやらなければいけなくなってしまう。 つまり、当事者にならないと、これはできない仕組みを作っているということかと思います。 王として、経営者として、意識を保つべし、と言う前に、王として、経営者として、小さく動ける領域と権限を渡してしまう。 素晴らしい仕掛けだなあと改めて思いました。 そんな仕掛けをセットにして作って提供、実装することによって、 一介の社員や民が、王としての当事者意識を持つことができるようになる。 一言で言えば、 民が王ノベーション そんな話をしています。 参考 ミュージカル『民王』公演プログラム 別所哲也さんコメント 株式会社リクルートホールディングス「圧倒的な当事者意識」に関する人材マネジメントの考え方 エリザベス・W・モリソン、コーリー・C・フェルプス 「職場で自ら変化を起こす――組織変革を始めるための役割を超えた行動」 『アカデミー・オブ・マネジメント・ジャーナル』1999年 ジョン・M・ダーリー、ビブ・ラタネ 「緊急時における傍観者の介入――責任の分散」 『パーソナリティと社会心理学ジャーナル』1968年 Adobe コーポレート・コミュニケーションズ 「箱の中で考える――マーク・ランドール氏へのインタビュー」2014年

    民が王ノベーション(1973回)
  7. 5日前

    それでも行くノベーション(1972回)

    スタジオジブリのプロデューサー、鈴木敏夫さんの著書『禅とジブリ』の中の、玄侑宗久(げんゆうそうきゅう)さんの言葉に、めちゃめちゃ心を動かされました。 曰く、 「仏教は物事が起こるメカニズムを『因果』と『縁起』で考えます。 『因果』とは『原因』と『結果』という関係で見る考え方。しかしそれは筋道を付けて納得しているだけで、なぜ起こったのかの説明にはならないのではないか、という見方もあるんですよ。 一方『縁起』は、あらゆる物事の網目のような関係性の中で、思いもよらないことが生起すると考える。この世の複雑さを説明するのに、縁起以上の考え方はないと思うんです。 ジブリ作品はその考えをものすごく取り込んでいるな、と。『何が起こるかわからない。それでも行く』。ああ人生そのものだな、と思いますね。」 ここから私は思いました。 1、因果を求めすぎない 2、縁起を信じて飛び込む 3、何が起きても行く 1、因果を求めすぎない この話は、めちゃめちゃイノベーションの話に通じるなあと思いました。 ロジカルシンキングで、なぜその現象が起こっているのか、因果関係を徹底的に洗い出す。 そしてクリティカルシンキングで、本当にその判断は正しいのか、その因果関係そのものは正しいのか、前提から疑っていく。 さらに、それだけでは説明できないことが必ず出てくるので、ラテラルシンキングを使って、今までとは違う視点から論点を探っていく。 私たちは、そんなことをやっているのかもしれないと思いました。 そしてもう一つ、人間は物語化することによって、複雑な出来事を理解しやすいストーリーにしていきます。 それは、複雑な問題を理解して次の手を打つための、とても優れたやり方だと思います。 でも一方で、人間にわかりやすい形にすることで、本当の本質的な課題が埋もれてしまうこともあり得る。 因果や物語化は、とても重要なやり方ではあるけれど、それに全てを委ねてはいけない。 そんなことを教えていただいた気がしました。 2、縁起を信じて飛び込む 全ての事柄は網の目のように何らかの関係性を持っていて、その関係性の中から、思いもよらない結果が生まれる。 この「縁起」の考え方は、一方で、イノベーションにおけるセレンディピティにも通じる話なのかもしれないなあと思いました。 全ての出来事が、「AだからB」という単純な一対一の因果関係だけでできているのではない。 無数の人や出来事、環境やタイミング、そして偶然の出会いが重なり合って、思いもよらない何かが生まれる。 だからこそ、発明では全く想定していなかった結果から大発見が生まれたり、偶然の出会いから新しいイノベーションが生まれたりするのだと思います。 そういう意味では、イノベーションプロジェクトにおいて、「絶対失敗する」という因果関係からの議論があったとしても、 起業家が自らのパッションで、それでもやってみる。 そこに、とてつもない意味があるのだろうなあと思いました。 縁起を信じるとは、何かが起きるのをただ待つことではない。 何が起こるかわからない関係性の中へ、自分から飛び込んでいく。 そこから、想像もしなかった未来が生まれるのかもしれません。 3、何が起きても行く しかし、縁起の世界では、良いことが起きる可能性もあれば、悪いことが起きる可能性もある。 その時に、どんな行動が取れるかが、最後は試されるのかもしれないと思いました。 『千と千尋の神隠し』では、千尋は、自分がこれからどうなるのか全くわからないまま、異世界に放り込まれます。 両親は豚になり、自分自身も消えそうになり、何をすれば元の世界に戻れるのかもわからない。 そんな中で、ハク、釜爺、リン、カオナシと出会う。 その一つひとつの出会いによって、思いもよらなかった次の道が開かれていく。 まさに、ジブリは縁起の世界なのかもしれないと思いました。 考えてみれば、ジブリの主人公たちは、『風の谷のナウシカ』も、『もののけ姫』も、『天空の城ラピュタ』も、未来がわかったから前へ進むわけではないなあと思います。 何が起きるかわかってから行くのではない。 何が起きるかわからなくても行く。 そして、何が起きても、また前へ行く。 その決断と勇気が、因果だけでは説明できない縁起の世界を味方につけて、前へ進ませてくれるのかもしれないなあと思いました。 何が起こるかわからない。 それでも行く。 その一歩から、次の縁が生まれるのだと思いました。 ということで、一言で言えば、 それでも行くノベーション そんな話をしています。 参考 鈴木敏夫『禅とジブリ』株式会社淡交社、2018年 電子書籍制作:大日本印刷株式会社、2018年7月30日

    それでも行くノベーション(1972回)
  8. 6日前

    熱意ある懐疑ノベーション(1971回)

    Googleから生まれた「ムーンショット・ファクトリー」Xを率いてきたアストロ・テラーさんのTED「失敗を喜ぶことの意外な効果」の言葉に、めちゃめちゃ心を動かされました。 曰く、 「私たちは何かを壊したり、自分が間違っていることを証明しようとして多くの時間を使っています。それが秘訣です。問題の一番難しい部分にまずぶつかり、元気良く鼓舞するんです。『さあ、今日はどうやってプロジェクトを潰そうか?』」 「ここに絶妙なバランスがあります。野放しの楽観をビジョンの推進力としつつ、熱意ある懐疑によって、ビジョンに命と現実性を吹き込んでいます。」 「みんなが壮大でリスクの高いこと、野心的なアイデアに取り組み、問題の一番難しい部分に最初に飛び込むようにさせる唯一の方法は、その道を一番選びやすくすることです。」 「チームは駄目な証拠が見つかり次第、すぐアイデアを捨てますが、それはそのことによって評価されるからです。同僚から喝采されます。上司からハグやハイタッチを受けます。(中略)それによって昇進します。プロジェクトを終わりにしたチームの1人1人がボーナスを受け取ります。」 「ムーンショット・ファクトリーでは、みんな夢を信じています。でも熱意ある懐疑は、限りない楽観の敵ではありません。むしろ最高の相棒なんです。アイデアの中の可能性の鍵を開くのです。私たちは夢見る未来を作り出すことができます。」 私は思いました。 1、夢を信じるからこそ疑う 2、一番難しい問題から潰す 3、懐疑を評価する仕組みをつくる 1、夢を信じるからこそ疑う 普通、夢を信じることと、疑うことは、反対のことのように思います。 でもテラーさんは、「熱意ある懐疑は、限りない楽観の敵ではない。むしろ最高の相棒だ」と言います。 本当に夢を実現したいからこそ、「自分たちは間違っていないか?」「このアイデアが成立しないとしたら、どこなのか?」と徹底的に疑う。 夢を疑っているのではありません。夢を実現するために、自分たちの方法を疑っているのです。 心理学者のダニエル・カーネマンらが研究してきた「確証バイアス」では、人は自分の信念を支持する情報を重視し、反証する情報を軽視しやすいことが知られています。 だからこそ、自分のアイデアが正しい証拠を探すだけではなく、あえて間違っている証拠を探しにいく。 強い楽観と、強い懐疑を同時に持つ。 本当のパッションは、盲信することではない。徹底的に現実解を導くために、批判しまくる。クリティカルシンキングを繰り返す。 そこに、夢を現実へ変える力が生まれるということを改めて教えて頂きました。 2、一番難しい問題から潰す 私はここにファストフェイルの真髄を見た気がしました。 早く失敗することによって、軌道修正を即座にすることができ、そしてゴールにもっとも早く到達できる そんな意味と捉えていましたが、めちゃくちゃ甘かったと思い知らされました 軌道修正をするのではなく、まずは、ぶっ潰すことを最初にやるのであるということかと思います このプロジェクトが、ぶっ潰れるとしたら、何が最も大きな問題となるのか、そこから手をつけるという発想は、恐ろしいほど、勇気がいることだと思います でも。それがファストフェイルの真髄で、どうせ今ぶっつぶれるなら、今が1番という考え方 それこそが、全てにおいて良いことである、論理的にはそうですが、果たしてそれを本当にできるか? 例えば昨日これが最高にいいプロジェクトだと思いますと言って、今日には、辞めることになりましたと言えるか それをやっているということに衝撃を頂きました 3、最高のファストフェイルを賞賛する それを実現する唯一の方法は、そうなった人を評価できるか、そこにかかっていると思います そして、Xは、これをやっているということにまたさらに、衝撃を頂きました つまり、 仲間が喝采する。 上司がハグやハイタッチをする。 昇進につながる。 そして、ボーナスまで出す。 極端なことを言えば、昨日生まれたプロジェクトを、今日潰した人たちを、大絶賛する そんなことが、現実に行われていることに驚嘆しました これは「失敗にご褒美をあげる」という話ではないと思います。 最高のアイディアに、最高のパッションを持って取り組んだチームの、最高のファストフェイルを実現したことを賞賛する、ということかと思います    言葉ではいくらでも言えることですが、プロジェクトを立ち上げるというとは、ヒトモノカネを投入しているということなので それを覆すということは、精神的ダメージも含めて普通であればさまざまな軋轢が生じるということになると思います それをひっくるめて、みんなで大称賛し、そして評価までつけてしまう なんとイノベーティブな仕掛け作りなのだと思おました イノベーションを実現するためにはイノベーティブな仕掛け作りが必要 それをまざまざと見せつけてくれた気がしました ということで、一言で言えば 熱意ある懐疑ノベーション そんな話をしています 参考 アストロ・テラー「失敗を喜ぶことの意外な効果」TED、2016年 https://www.ted.com/talks/astro_teller_the_unexpected_benefit_of_celebrating_failure

    熱意ある懐疑ノベーション(1971回)

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番組について

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