アワノトモキの「読書の時間」

粟野友樹,星野良太,Work-Teller

「働く人と組織の関係性の編み直し」をテーマに 独自の視点で選んだ本を紹介する番組です。 扱う本は皆さんが知らないものが多くなるかもしれません。 20年以上「人と組織の関係性」を見つめてきたぼくの知見から 今の時代に必要だと思われる本だけを三部構成でご紹介していきます。 【profile】 リクルート/リクナビNEXT「転職成功ノウハウ」、リクルートエージェント「転職成功ガイド」識者 累計約600本以上の記事を監修 https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/profile-tomoki-awano/ 筑波大学→大学院→人材系企業→フリーランスと 20年以上、人と組織の関係性について学習と実践を重ねる。 ◎注目している分野 ・無意識的に社会指標に適応しようとする個人の葛藤 ・現代社会のしがらみから五感を解き放つ自然環境の可能性 ・現場、当事者の主体性に焦点を当てたオルタナティブ教育 ・ブリコラージュ/人が元来持つ適応能力・打開能力の活用 ・ナラティブコミュニケーションによる脱既定路線 ※上記分野のお話が多くなると思います。 ★ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、 こちらまでDMをお寄せください。 https://twitter.com/Tomoki_Awano

  1. 6日前

    ep49-4「生きる言葉」(俵万智さん)/「この味がいいね」と君が言ったから、七月六日は…じゃないかもしれない?

    ・『生きる言葉』(俵万智) こんにちは、ホシノです。今回からはホシノの選書、歌人・俵万智さんの『生きる言葉』についてお話しします。新潮社のPR誌『波』での特集や、文フリ仲間との会話をきっかけに手に取った一冊。SNS時代における言葉の重みの変化や、書き言葉と話し言葉のねじれなど、現代の「言葉」を取り巻く環境を俵さんの視点で綴ったエッセイ集です 。 今回話題に上がったのは、「言葉は世界の『目印』に過ぎない」という考え方 。谷川俊太郎さんの「言葉と世界は一対一で対応していない」という指摘を紹介しながら、言葉の限界を知った上で、それでも「目印」として言葉を尽くす姿勢について語り合いました 。また、名作「サラダ記念日」の日付が実はフィクションで、音の響き(リズム)を優先して決められていたという衝撃(?)の事実も 。ラップにも通じる韻やリズムへのこだわりに、プロの凄みを感じます 。 短歌とエッセイがセットで味わえる、入門書としてもおすすめの一冊。次回は、俵さんがSNSで見せた「遊び心」について触れていきます。どうぞお楽しみに。

    20分
  2. 1月19日

    ep49-3「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」(佐藤航陽さん)/うまく回る組織の「5つの要素」と、ヒエラルキーの正体

    ・『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』(佐藤航陽) こんにちは、ホシノです。前回に続き、アワノさんの選書『お金2.0』を掘り下げます。今回は「お金」そのものから視点を広げ、「持続的にうまく回る組織・経済システム」の共通点について話しました。 著者の佐藤さんが挙げるその条件は5つ。「インセンティブ」「リアルタイム」「不確実性」「ヒエラルキー」「コミュニケーション」。特に議論が弾んだのは、4つ目の「ヒエラルキー」です。近年はフラットな組織(ティール組織など)や「ソーシャルグッド」な活動が理想とされる傾向にありますが、現実的に長く続いている組織には、競争や序列が可視化されていることが多いのではないか? アワノさんは自身の経験や、自然界(ライオンの群れ)のルールと照らし合わせながら、その冷静な指摘に納得感を覚えたようです。 「組織やシステムには寿命がある」という前提や、その寿命を延ばすための「共同幻想(理念)」の役割についても触れました。理想論だけでなく、現実的な生存戦略として組織をどう設計するか。ドライな分析が心地よい回です。次回からはホシノの選書、俵万智さんの『生きる言葉』へ移ります。どうぞお楽しみに。

    12分
  3. 1月12日

    ep49-2「お金2.0 新しい経済のルールと生き方」(佐藤航陽さん)/経済は「自然」の一部である、という視点

    ・『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』(佐藤航陽さん) こんにちは、ホシノです。今回はアワノさんの選書、『お金2.0』を掘り下げていきます。著者の佐藤航陽さんに対し、実は「お金の亡者では?」「なんとなく怪しい」と勝手な食わず嫌いをしていたというアワノさん。しかし、動画で見る佐藤さんの語り口は驚くほど淡々としていました。世帯年収100万円台から資産150億円へ。その経験を経てもなお、彼がお金を「ハサミやPCと同じただのツール」と断じ、冷静に向き合う姿勢に、アワノさんの偏見はガラガラと崩れ去ったそうです。 本編で議論になったのは「経済は自然の一部である」という視点。自然界に淘汰や格差(2:6:2の法則など)があるように、経済における格差もまた物理現象に過ぎない。資本主義が良い悪いではなく、自然の摂理としてそこにあるもの。そう捉えると、無理に抗うのではなく、雨が降るのと同じように経済の動きを受け入れられるようになるのかもしれません。 「お金に感情を乗せてはいけない」。持たざる者だったからこそ抱いていたルサンチマン(恨みや妬み)を手放し、フラットに経済を見つめるためのヒントが詰まった回です。

    18分
  4. 1月5日

    ep49-1「お金2.0」「生きる言葉」/文フリ後の余韻と、食わず嫌いをやめる時

    ・『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』(佐藤航陽)・『生きる言葉』(俵万智) こんにちは、ホシノです。今回は11月に行われた「文学フリマ東京」の振り返りからスタートです。来場者数1万8000人という熱気の中、アワノさんはSNSやラジオ越しの「思わぬ出会い」に感動し、ホシノは2回目の出店を経て「もっと新しいことを仕掛けたい」という欲求がふつふつと湧いてきました。祭りのあとの心地よい疲れと、次への情熱が入り混じるオープニングトークです。 今回アワノさんが選んだのは、佐藤航陽さんの『お金2.0』。2017年の話題作ですが、著者に勝手に抱いていた「食わず嫌い」なイメージが、ある対談動画をきっかけにガラリと変わったとのこと。「お金とは何か」を今あらためて問い直します。 一方ホシノは、俵万智さんの『生きる言葉』。文フリの仲間と話題に出た「俳句と短歌の違い(心情を詠むか否か)」という視点や、新潮社の雑誌(?)『波』での出会いがきっかけです。エッセイという補助線があることで、短歌の情景がより鮮やかに、インスタントに味わえる魅力について話しました。 経済のルールと、心の言葉。かなり距離の遠い2冊ですが、次回からはまずアワノさんの『お金2.0』から掘り下げていきます。どうぞお楽しみに。

    11分
  5. 2025/12/18

    ep48-5「叱る依存が止まらない」(村中直人さん)/叱る快感と従順な相手、跳び箱と限界突破

    ・『叱る依存が止まらない』(村中直人さん) こんにちは、ホシノです。今回も引き続き『叱る依存が止まらない』をテーマに、アワノさんと深掘りしていきます。前回は「叱る=脳にとっての報酬」という話が出ましたが、今回はそこからさらに、叱る快感の裏側や、叱られる側のメカニズムまで踏み込みました。 まず話題に上がったのは、「叱る快感を味わわせてくれる従順な相手」について。この構造があるから、いじめはなくならないし、SNSの叩きも消えない。そこから「叱るカフェ」構想まで飛躍していきます。若手っぽいできそうに見える部下役を選べたり、叱り方をフィードバックしてもらえたり…。半分冗談、半分リアル。笑いながら話しているのに、妙に現実味があるのが怖いところです。 後半は一転してまじめモードに。ホシノが小学生時代の跳び箱エピソードを振り返りながら、「厳しく詰められた経験が、自分の限界を超えるスイッチになったことがある」という話を共有。ここから、 厳しい指導が有効に見えるのはなぜか 本来は別アプローチでも到達できた可能性 外から見るとハラスメントでも、当人の主体性があるかで意味が変わる スポーツや芸術の世界での「理不尽を選びに行く」構造 といったテーマにぐっと話が広がります。 そして「叱られて伸びる」という思い込みが、実は自分の成功体験の偶然から来ているだけかもしれない、という指摘も。その一方で、叱る側は叱る側で、自己効力感や即効性に頼ってしまいがちで、結果として反省が遅れやすい。そんな人間の弱さも共有されました。

    19分
  6. 2025/12/11

    ep48-4「叱る依存が止まらない」(村中直人さん)/叱ることはなぜ気持ちいいのか、そしてなぜやめられないのか

    ・『叱る依存が止まらない』(村中直人さん) こんにちは、ホシノです。今回からは、アワノさんの選書『叱る依存が止まらない』に入っていきます。タイトルだけで胸がざわつく方、多いんじゃないでしょうか。僕自身、家庭で子どもに声色を変えてしまう瞬間があったりして、冒頭からちょっと反省モードで話が始まっています。 アワノさんがこの本を選んだ背景には、今年の夏に経験したパワハラ的な場面があったとのこと。「なぜ人は叱るのか?」そこに強い関心を持ち、関連する本をいくつも読みあさった中で、この一冊がいちばん腑に落ちたそうです。 今回のキーワードは大きく3つ。①叱るとは何なのか(定義)相手を変えたい気持ち、権力の非対称、ネガティブ感情。この3つが揃うと「叱る」になる、という整理がまず興味深い。 ②叱ることは実は「脳にとって快感SNSの炎上や不倫叩きも同じ構造。正しい側に立って相手を処罰すると、脳が報酬を感じてしまう。だからやめられない。クセになる。これは聞いていて、ちょっとゾッとするところでもあります。 ③叱るは「即効性が高い」けれど、学びにはつながらない子どもも部下も、その場では動きを止めてくれる。でもそれは「逃げる/戦う」の反応であって、理解や内省ではない。だから長期的な行動変容には結びつかない。この話は、親としても研修講師としても刺さるポイントでした。 叱ることが完全に悪ではなく、命の危険など「緊急時のブレーキ」としては必要。でもそれ以外の場面では、依存として扱うべき側面がある。そんな導入回になりました。 次回は、この仕組みを踏まえて「じゃあどうすればいいのか?」をガッツリ議論していきます。どうぞお楽しみに。

    18分
  7. 2025/12/04

    ep48-3「モモ」(ミヒャエル・エンデ)/フィクションが描く「時間と聞くの知恵」

    ・『モモ』(ミヒャエル・エンデ) こんにちは、ホシノです。今回も引き続き『モモ』について。アワノさんと雑談しつつ、本の広がり方やメッセージ性についてだいぶ深めていきました。 まず驚くのは、『モモ』の世界規模の読まれ方。50年経っても国境を越えて読まれ続ける理由は、やっぱり普遍性があるからなんでしょうか。時間泥棒の話も、雑談が失われていく社会の話も、まるで現代そのまま。近代統一のテーマなんでしょうね。会話の中では「消費社会」「都市化」「家族の変化」みたいな背景にも触れつつ、モモが象徴する聞くという行為の価値が、なぜ昔から必要とされてきたのかを考えました。 今回のポイントは2つ。 ① フィクションだから言えることがある。時間泥棒とお人形のエピソード、子どもたちの空想遊び、都市の変化…社会批評をそのまま書くより、物語に落とし込んだ方が伝わる。『One Piece』や詩、戦後文学の話まで広がりつつ、ストーリーが人を動かす理由を改めて確認しました。 ② モモは聞く天才だが、本人は自覚していない。モモが人の話を聞くことで、町の人の本質や創造性が引き出されていく。でも本人はそれを「スキル」とは思っていない。ただ、相手に時間を渡すだけ。そのシンプルさが、現代の傾聴とは少し違う形で響く理由なのかもしれない。しかも途中でモモ自身が迷ったり弱ったりする描写もあり、そこでまた心をつかまれました。 話の終盤では、「これは大人のほうが効く本だね」「研修の教材にもなるんじゃ?」なんて話にまで伸びていき、気づけば『モモ』をいろんな角度から再発見する回に。 次回は、いよいよアワノさんの一冊『叱る依存が止まらない』(村中直人さん)へ。「叱る」「導く」「正解を求める心」――こちらも現代性ど真ん中のテーマです。どうぞお楽しみに。

    21分
  8. 2025/11/27

    ep48-2「モモ」(ミヒャエル・エンデ)/聞く力と時間の関係、物語が残してきたもの

    ・『モモ』(ミヒャエル・エンデ) こんにちは、ホシノです。今回はアワノさんに聞いてもらいながら、エンデ『モモ』の話をもう少し。 読み返してみると、「こんなに巧く作られていたんだ…」と驚くほど構成もキャラクターも練られていて、どこか村上春樹作品の空気とつながるような物語感も感じました。 大きなテーマはもちろん「時間」なのですが、それ以外にも気づくものがあった気がします。効率化や生産性ばかりを追いかけて、いつの間にか自分の時間を失っていく。そんな現代の光景にそのまま重なる描写が多くて、50年前の物語とは思えないほど普遍的です。 今回、特に面白かったのは「モモの特技」。彼女は料理が上手いわけでも、面白い話をするわけでもない。ただ聞くそれだけで町の人が次々と訪ねてきて、話すうちに本来の自分が戻ってきたり、仲直りができたり、創作意欲が湧いたりする。物語のなかで語られる 「人のために時間を使う」 という行為と、聞くという行為がだんだんと結びついていきます。 カウンセリングの理論や、いま語られる「傾聴」の文脈とはまた違う、もっと素朴で、もっと人間的な庶民の知として描かれる聞く力。その原石のような感じが、モモという存在の魅力にもつながっているのかなと話しました。 後半では、「聞くことは幸せなのか?」「相手に本音を引き出すとはどういうことか」など、現代のコミュニケーションに置き換えて考えられるポイントもいくつか登場します。次回は、この「聞く」というテーマをもう少し派生させて、お互いの経験や理論を交えつつ話していきます。どうぞお楽しみに。

    16分

番組について

「働く人と組織の関係性の編み直し」をテーマに 独自の視点で選んだ本を紹介する番組です。 扱う本は皆さんが知らないものが多くなるかもしれません。 20年以上「人と組織の関係性」を見つめてきたぼくの知見から 今の時代に必要だと思われる本だけを三部構成でご紹介していきます。 【profile】 リクルート/リクナビNEXT「転職成功ノウハウ」、リクルートエージェント「転職成功ガイド」識者 累計約600本以上の記事を監修 https://next.rikunabi.com/tenshokuknowhow/profile-tomoki-awano/ 筑波大学→大学院→人材系企業→フリーランスと 20年以上、人と組織の関係性について学習と実践を重ねる。 ◎注目している分野 ・無意識的に社会指標に適応しようとする個人の葛藤 ・現代社会のしがらみから五感を解き放つ自然環境の可能性 ・現場、当事者の主体性に焦点を当てたオルタナティブ教育 ・ブリコラージュ/人が元来持つ適応能力・打開能力の活用 ・ナラティブコミュニケーションによる脱既定路線 ※上記分野のお話が多くなると思います。 ★ご質問、扱う本のリクエストなどがありましたら、 こちらまでDMをお寄せください。 https://twitter.com/Tomoki_Awano