ヒダテン!ボイスドラマ

飛騨高山を舞台にした珠玉のボイスドラマをお届けします。コミュニティFM Hit's FM(Hida Takayama Tele FM) で放送中の人気ラジオ番組! ヒダテン!のCV声優10名 が入れ替わりパーソナリティを務める「Hit’s Me Up!(ヒッツ・ミー・アップ!)」の中で放送されているボイスドラマです!ボイスドラマを通じて飛騨高山の魅力に触れてみてください! <番組の特徴> ・ 飛騨高山を舞台にしたボイスドラマを多数制作! これまでに100本以上の作品を発表し、地元の魅力を物語として発信 ・ 放送情報   放送局1: Hit's FM(Hida Takayama Tele FM)   放送時間:毎週金曜10:30-11:00/毎週土曜13:30-14:00   放送局2: FMらら(FMラインウェーブ株式会社)   放送時間:毎週金曜13:00-13:30   配信:Spotify、apple(iTune)ミュージック、amazonミュージック、YouTubeミュージック、CastboxなどのPodcastで番組とリンクして配信中! 飛騨高山の美しい風景とアニメ文化をつなぐ、唯一無二のラジオ番組! 「Hit’s Me Up!」を聴けば、新たなエンタメの扉が開きます!

  1. ボイスドラマ「NAGACHIKA後編」

    3日前

    ボイスドラマ「NAGACHIKA後編」

    もし、本能寺の変で織田信忠が生き延びていたら――。 女子高生・知花と戦国武将・金森長近の魂が入れ替わったことで、歴史は大きく動き始める。 燃え盛る二条御所。死を覚悟した信忠と長則。その運命を変えようとするのは、“歴史を知る”ただひとりの少女だった・・・ 【ペルソナ】 ・金森長近(ながちか/59歳=本能寺の変の時点での年齢/CV:日比野正裕)=知花と入れ替わる ・金森知花(ちか/17歳/CV:坂田月菜)=高山市街地の高校2年生。レキジョで剣道部 ・金森長則(のりピー/19歳=本能寺の変の時の年齢・享年/CV:日比野正裕)=長近の第一子 ・織田信乃(しの/17歳/CV:坂田月菜)=知花の親友。少しだけわがまま 【プロローグ:1582年/京都・二条御所「本能寺の変」】 ◾️SE:襖を開く音 『なに! 明智光秀が謀反だと!?』 『信長様は自害? まことか、まことの話か!』 『嫡男(ちゃくなん)の信忠(のぶただ)様は? ・・・逃れて、二条御所へ?』 『行くぞ!長則(ながのり)! 二条御所じゃ!なんとしても信忠様(わかどの)をお守りせねば!』 ◾️SE:燃え盛る炎の音 『遅かったか! おのれ!光秀!御所に火を放つとは!正気の沙汰か!』『ええい!放せ!長則!止めるでない!』『信忠様〜! この長近めがすぐに参りまするぞ〜っ!』 ◾️SE:炎の轟音 【シーン1:1582年/二条御所/入れ替わった長近】 ◾️SE:燃え盛る炎の音 「ハッ! え?え?え?なにこれ?なにこれ?あっつつつつつぅ!やだ!ここはどこ〜!?」      「父上、いかがなされました? お気を確かに!」 「父上? なに言ってんの? あんた誰?」 「ご乱心めされましたか? 金森長近が第一子、長則をお忘れですか」 「金森長近・長則〜? いやいやいやいや、わけわからんし。 ってかなにコレ!? 火事じゃん!火事!119番しなくちゃ!」 「明智軍の所業にござろう。 そう言ったのは父上ですぞ」 「明智? 明智光秀? てことは、まさか、本能寺の変? てここ、京都ってこと〜!?」 「本能寺ではござらん。 二条御所でござる」 「二条御所? てことは織田信忠〜?」 「信忠様がまだこの中におられます! 父上はさっき、火の中へ飛び込もうとされたではないですか」 う〜ん。 わけわかんないながらも、なんか見えてきたぞ〜。 ううううううう、レキジョの血が騒ぐ。 本能寺の変、といえば、1582年。 明智光秀が起こした日本史上最大のクーデター。 「敵は本能寺にあり」 本能寺にいた織田信長を不意打ちして、自害に追い込んだ。 確か、信長の第一子・信忠も二条御所へ追い込んで自害させたはず。 信長はすでに、家督を信忠に譲っていたから、 信忠が正式な織田家当主だったもんね。 いや、信忠だけじゃないわ。 この長則もここで・・ 「父上!」 「あ、うん、ごめんごめん」 「父上が行かぬのなら、某(それがし)が火の中へ参ります!」 「待って待って待って!  スト〜ップ! のりピー、いったん落ち着いて」 「のりぴー?」 「今突っ込んだら、あんたの生存ルート消滅確定だから!」 「なにをおっしゃっているのか、よくわかりませぬが・・・ 武士(もののふ)が主君に殉じるのは誉れにございましょう!」 「だ〜からダメだって! アタシだってそれなりのレキジョなんだから! 信じなさい」 「れきじょ?」 「いい、ようく聞いて。 織田信忠、ってか信忠様?が自害しちゃったら、 織田家は跡目争いでガタガタになるの。 結局あの『サル』に全部持っていかれちゃうんだから!」 「さ、猿・・・? 羽柴殿のことですか?」 「そうよ! 秀吉! 昔から三英傑の中で一番好きくないし。 えらそうに大河とか出ちゃってさ。 なことはどーでもいいけど、ようく考えるのよ、のりピー」 「は、はあ・・・」 「このままだと、明智の軍勢によって信忠様は自害させられちゃうでしょ」 「それは・・・口惜しいですが・・」 「でも、今ならまだ明智の包囲網には穴があるはず!」 「穴・・・? 二条御所は完全に囲まれておりますぞ!」 「甘〜い! あ、ちょっと古いか・・ いい?令和のレキジョをなめないでよ。 ここ、二条御所の隣は公家(くげ)のお屋敷でしょ?」 「確かに・・」 「あそこの壁を壊して逃げ込むルートがあるはず! 公家の屋敷なら、明智軍もすぐには手を出せないから」 「なんと・・・公家(くげ)の屋敷を通り抜けると!? しかし、そのような不作法、信忠様が許されるかどうか・・・」 「なこと言ってる場合じゃないでしょ。 公家の屋敷からみんなで変装して脱出するのよ! 忠臣蔵的な感じ?」 「忠臣蔵とは・・・?」 「いや、なんでもない。 とにかく、アタシが信忠様を説得する。 のりピーは、亡くなった兵士たちの具足を貸りてきて。 脱出用の替え玉にするよ!」 「替え玉・・・なるほど! 承知つかまつった! 父上、本気で信忠様を救うおつもりなのですな!」 「ったり前じゃん! アタシがここにいるってのも、必ずなんか理由があるんだから! もっぺん言うけど、レキジョをなめんじゃないよ!」(※見栄を切る) 「御意!」 「あっ、そうだ。 のりピー、木刀とか持ってない? こう見えてアタシ、剣道三段なんだ」 「なにをおっしゃっているのですか、父上。ご自身をよくご覧くだされ」 「え?」 そう言って、自分の体を見渡すと、鎧から下がっているのは・・・なんと真剣! 鞘から抜くと・・・ ズシリと重い・・・ ふん。 空(くう)に向かって一閃する・・・ 「これは・・・いい!」 「そりゃあ、そうでしょう。 天下の名刀・正宗(まさむね)ですから」 くぅ〜っ!とうらぶでも、正宗の4振は、抜けてるからねー。 思わず身震いする。 でもこれがホントの・・・武者震いだ! 「では、父上・・」 「うん・・・ いくぞ!のりピー!」 ◾️SE:轟々と燃える炎の音と2人の力強い足音「ガシャッ!ガシャッ!」 【シーン2:1582年/二条御所から逃れた信忠と長則・長近】 ◾️SE:ししおどしの音 「なんとか、無事に二条御所から逃(のが)れたけど ここからが大事だからね」 目の前に、織田信忠と金森長則が座る。 うっわー、こんなシチュエーションが体験できるなんて。 生きててよかったぁ〜! あ〜あ、スマホがあればなあ・・・この画(え)、ぜ〜ったい、バズるのに。 「信忠様。 この度は勝手なことをして申し訳ありませんでした。 世の中ではいま、信忠様は自害されたことになっております。 それを理解したうえで、このあと歴史がどうなるか伝えるから。 よ〜く、聞いてね。 まず、信長様に手をかけた明智光秀。 あやつは、もうすぐサルに制圧されるから。 あ、サル・・羽柴秀吉ね。 そのあとは清洲会議。 結局、秀吉が推した三法師(さんぼうし)がポスト信長になっていくの。まだ3歳なのにねー。 え? ん、そうよ。信忠様のお子さん。 傀儡よ、傀儡。 実権は秀吉が握って、その力を借りて天下を統一するってわけ。 ん?あれ? なんか、あんまし興味ない感じ?」 そうかぁ・・・ 二条御所でアタシたちが助けたとき、信忠はもう自刃を覚悟していた。 長則も信忠に殉じようと思ってたんだ。 替え玉を使ったから、すでに2人は、歴史上から消えている。 名前もなく、ただ生き残ることは『屈辱』でしかないんだ。 アタシ、とんでもないことしちゃったのかなあ・・・ ううん。いや、違う。 戦とか名誉とか、そんなんホントにくだらない。 生きることの方が、そんなものよりよっぽど大切だ。 アタシは絶対に間違ってなんかいない! まだ火の手が収まらない二条御所。 そのはるか向こうには赤く燃える本能寺。 ぼう〜っとそれを見ながら、魂が抜けたような信忠。 仕方ないわね。 尊敬する父・信長が、信頼していた光秀に自刃させられたんだもん。 生きる気力もない、ってか。 もう〜。仕方がないなあ。 「おい、長則!のりピー!」 「あ・・は、はい!父上」 「この状況で、信忠様があのようになるのは仕方がない。 だが、お前までそんな呆けていてどうするの?」 「はっ」 「実はアタシに少し考えがあるんだ」 「と申しますと・・・」 「飛騨の国、って知ってる?」 「はい、三木自綱(みつき よりつな)の領地でござるな」 「3年後にアタシ、ってか、金森長近は、その三木を討つ」 「え?」 「飛騨に城下町を築くんだ」 「それは、遠見(とおみ)、

    18分
  2. ボイスドラマ「NAGACHIKA/前編」

    5月15日

    ボイスドラマ「NAGACHIKA/前編」

    本能寺の変。 燃え盛る二条御所で、織田信忠を救おうとしていた戦国武将・金森長近。 しかし次に目を覚ますと、そこは2026年の高山の高校だった。 歴史好き女子高生・知花の体に入った長近は、現代の“歴史”と向き合うことになる。 飛騨高山を築いた名将・金森長近。その知られざる想いを描く、「ヒダテン!」歴史ファンタジー作品! 【ペルソナ】 ・金森知花(ちか/17歳/CV:坂田月菜)=高山市街地の高校2年生。レキジョで剣道部 ・織田信乃(しの/17歳/CV:坂田月菜)=知花の親友。少しだけわがまま ・金森長近(ながちか/59歳=本能寺の変の時点での年齢/CV:日比野正裕)=知花と入れ替わる ・明智光宏(あけち先生/55歳=本能寺の変の光秀の年齢/CV:日比野正裕)=実は生徒思いの教師 【プロローグ:1582年/京都・二条御所「本能寺の変」】 ◾️SE:襖を開く音 『なに! 明智光秀が謀反だと!?』 『信長様は自害? まことか、まことの話か!』 『嫡男(ちゃくなん)の信忠(のぶただ)様は? ・・・逃れて、二条御所へ?』 『行くぞ!長則(ながのり)! 二条御所じゃ!なんとしても信忠様をお守りせねば!』 ◾️SE:燃え盛る炎の音 『遅かったか! おのれ!光秀!御所に火を放つとは!正気の沙汰か!』『ええい!放せ!長則!止めるでない!』『信忠様〜! この長近めがすぐに参りまするぞ〜っ!』 ◾️SE:炎の轟音 【シーン1:2026年/高山市街地の高等学校】 ◾️SE:学校のチャイム 「ハッ! ど、どこじゃ?ここは!」 ◾️SE:教室の扉を開ける音 「はーい、席についてー。 歴史の授業、始めるぞー」 「信忠!信忠様は!?」 「ちょっとぉ、知花。 大丈夫? 寝ぼけてんの? 明智先生、こっち見てるよ」 「明智!明智だと!?」 「しっ。だまって」 「じゃあ、先週の続きなー。 織田信長の天下取りまでやったから・・・」 「こやつ、上様を呼び捨てに!」 「だから、静かにして、って」(※ここ、小声で) 「う、うむ。わかった。して、お主は?」(※ここも、小声で) 「もう〜、なに言ってんの。 信乃でしょ、シノ」(※ここ、小声で) 「シノどの。 すまぬ。ときに、ここは、どこじゃ?」(※ここも、小声で) 「ま〜た、歴史のゲーム? それ放課後にして」(※ここ、小声で) これは、どういうことだ。 わしはつい先ほどまで二条御所にいたはず。そうだ、信忠様をお助せんと火の中へ・・・ だが、ここは?どこだ? 「ということで、教科書128ページ。 ここ試験に出るからなー。 比叡山延暦寺の焼き討ち。1571年の衝撃的な事件だ」 「なに!?」 「もっと声落として」(※ここ、小声で) 「こ、心得た」(※ここ、小声で) 「信長は仏罰も恐れず、山を丸ごと焼き払った。 まあ、今で言う『サイコパス』だな」 「信乃どの、さいこぱすとは何ものじゃ?」(※ここ、小声で) 「和訳すると、ってこと?えっと・・狂人、とか、人でなし、ってことかな」(※ここ、小声で) 「なんだと!(※椅子から立ち上がる) この無礼者!」 「ちょ、知花!」(※小声で叫ぶ) 「ん?どうした?金森。 なんだまた の血が騒ぐのか?」 「明智どの、よいか。よく聞くがよい。 わしもあのとき軍勢にいたからな。 あのとき、延暦寺は武装した僧兵(そうへい)の集団だった。 上様は、 『味方にならなくとも良いが、せめて中立を守れ。 さもなくば山を焼き払う』 と何度も警告していたのじゃ。 それを無視し続けたのは延暦寺の方であろう」 「まあ、そんなことはわかっとる。 オレも歴史の教師だぞ。 じゃあ聞くがな、金森。 どうして信長は、僧だけでなく、 山にいた女子供まで切り捨てた?」 「う・・それは・・・」 わしとて、好き好んでそんな行為をするものか。 だが、あのとき、上様に逆らえる者などこの世にはいなかった。 「なんとか、女子供だけでも逃してやりたかった・・」(※苦悶の言い方) 「あ、それ、テレビで見た」 「しかもな、オレが許せんと思うのは、 信長がそれを家来にやらせた、ということだ。 自らは手をくださず、明智光秀と羽柴秀吉に命じた。 これを卑怯と言わずしてなんとする」 「う・・うう・・・」 返す言葉もない。 思い出さぬようにしておったのだが・・・ わが人生の”汚点”と言ってもいいのやもしれぬ。 この奇妙な世界で、明智という名を持つ者に ここまでやり込められるとは・・・ 無念なり。 【シーン2:2026年/高山城址】 ◾️SE:高山城址の雑踏 「いいか、みんな。 せっかく社会見学に来たのだから、 なにかを学んで帰るんだぞ」 わしが、このあやかしの世界に来てから はや一月(ひとつき)の月日が流れた。 いまごろ二条御所はどうなっておろうか・・信忠様は? 長則は無事にお守りいたしておるのか・・ 心配でたまらぬ・・ 「知花、ま〜た、ぼ〜っとして。 高山城址(たかやまじょうし)だよ。 前から来たい、って言ってたじゃない」 「高山城址・・・?」 「珍しいねえ。 レキジョの知花が知らないなんて」 「高山城を築いたのは、みんなもよく知ってる金森長近だ」 「え・・・そうなのか」 「天正13年。1585年。 長近は、 三木自綱(みつき よりつな)を滅ぼして飛騨の領主となった」 「天正13年・・・だと。 本能寺よりわずか3年で・・」 「それを命じたのは、秀吉だ」 「ひ・・・秀吉どのが? ということは、つまり・・・」 「その3年後に高山城の築城が始まり、完成までに16年を要している」 「では・・・なぜ、いまその城がないのか」 「ま、改易とかいろいろあって 高山城は、元禄8年に取り壊された、ということだ。 この城址(しろあと)を見て、何か感じるものはないか?」 「あはれなり」 いったい、なにがあったというのか。 わしは、苔むした城址を眺めながら、心に寒い風が吹くのを感じていた。 【シーン3:2026年/体育祭・騎馬戦】 ◾️SE:騎馬戦の賑わい 「ぬかったぁ! 敵の術中にまんまとハマるとは!」 まさか、このあやかしの世界にも『合戦』があるとは思いもしなかった。 『体育祭』という戦の中の『騎馬戦』というものらしい。 しかも信乃どのの推薦により、我が軍、1組の大将はこのわし。 総大将は、明智殿である。 徹底的に策を練り、戦に臨む。 ふむ。敵の兜を奪えば、勝ち戦となるのだな。 首をとるということか。わかりやすい。 心得た。 なにより戦場での振る舞いは、わしに利があるはずじゃ。 ◾️SE:ホイッスルの音 笛の音とともに戦は始まった。 しかし、敵の2組はひたすら猪突猛進。 これは・・・いかなる戦術か。 考え過ぎてつい油断したのが、失敗であった。 敵の突進をかわそうと転進を命じた際、馬は大きくよろめく。 いかん! このままでは馬が潰れ、わしの足が地についてしまう! わしは咄嗟に、崩れゆく馬の背を己の体幹で支えた。 馬である信乃たちの肩に全ての荷重を預けて強引に体勢を戻す。 その瞬間。 わしの足首に、激痛が走った。 うっ・・・ 落馬こそ免れたものの、これでは・・・ 戦を指揮する大将が、初手(しょて)で負傷するとは・・ 長近、一生の不覚なり! 「知花!大丈夫!?」 「なんの、これしき!心配無用じゃ」 「金森、見せてみろ」 「大したことではない」 「うむ・・・そうか。 よし。 残念だが、棄権しよう」 「なんだと?」 「体育祭の本文は、戦いに”勝つ”ことではない」 「なに・・」 「生徒の体を守ること。決して傷つけないこと。 それが、総大将であるオレの仕事だ」 「うむ・・・ 理(ことわり)だな。 そうか・・・ 明智殿がわれらのこと、慮(おもんばか)る気持ちはよくわかった。 だが、貴殿も武士(もののふ)であれば理解できよう。 大将が敵に背を向けるなど、あってはならぬこと。 頼む。明智殿。 武士(ぶし)の情けだ。 わしの体はなにひとつ問題はないのだ」 「先生、あたしたちからもお願いします! 知花は剣道部のエースなんだし。 自分のことはよくわかってるはずです。 続けさせてください!」 十兵衛、いや、明智殿は、わしの目をしばし見つめたのち、口を開いた。 「わかった・・・そこまで言うなら・・・ だが、約束だ。 決して無理はしないこと。 もし、少しでも難しいと思ったら棄権するぞ」 「御意。 かたじけない、明智殿」 「知花、よかったね」 「ああ、恩にきるぞ」 「よ〜し、いくぞ! 川中島だぁ」 「

    17分
  3. ボイスドラマ「たまゆら」

    5月8日

    ボイスドラマ「たまゆら」

    一瞬の出会いが、未来をつくる。 1986年と2026年をつなぐ、酒と記憶の物語。 酒蔵に漂う香り、受け継がれる技、そして想い。 母から娘へ、そして時を超えて紡がれる物語。 万葉の歌に詠まれた「たまゆら」―― それは一瞬でありながら、永遠に残る記憶。 飛騨高山の歴史とともに描く、切なくも温かなタイムリープの物語です・・・ 【ペルソナ】 ・依羅伽/瑛里菜(えりか=母:25歳/えりな=娘:25歳/CV:山﨑るい)=市街地で老舗の酒蔵の女性杜氏。1986年と2026年に母娘として同時に存在する。母娘2代とも新しいお酒を開発してきた。新酒は90周年に向けて発売予定。名前は「大吟醸たまゆら」 ・静流(しずる/30歳/CV:日比野正裕)=上宝村在住。市制50周年の1986年に市街地へ 【プロローグ:万葉集】 ◾️SE:万葉の詠み方で(少し節をつけて) 『玉響昨夕見物今朝可戀物』 たまゆらに きのふのゆふべ みしものを けふのあしたに こふべきものか 【シーン1:1986年11月/依羅伽(市制50周年の賑わい)】 ◾️SE:町の賑わい(あちらこちらで「おめでとう!」の声) 『50周年、おめでとうございます!』 「ありがとうございます! よろしければ、できたばかりの新酒、試飲してください」 『へえ〜、なんていう銘柄なんですか?』 「実はまだ決めてないんです。 仮にたとえるなら・・・”たまゆら”かな・・・」 『”たまゆら”・・・いい名前だ』 「あ、よかったら中でどうぞ」 『はい、じゃあ・・・お言葉に甘えて』 高山市全体が祝賀ムードに包まれた1986年11月。 高山市制50周年を祝うムードが町中に漂っていた。 私の名前は、依羅伽。 上三之町で・・というか、古い町並で・・・ ああ、どうしても言い慣れないなあ、”古い町並”・・・ 保存地区の選定からもう何年も経つのに・・ そう、うちはその古い町並に300年以上続く酒蔵。 昔からのお客さんは『加賀屋』と呼ぶ。 私は、『女将』として切り盛りしている。 まだまだ女人禁制がはびこる世界。 うちの蔵でも少し前まで『仕込み部屋』に女性は入(はい)れなかった。 私が女将になってから、強引にルールを変えたんだ。 何十年ぶりかで世に出す新酒。 市制50周年に間に合うように仕込んできたけど、 私に言わせると、『完成』はまだちょっと先かな。 まずは、このめでたい景気の中で試飲していただくことにした。 最初のお客さんは、リュックを背負った青年。 DCブランドっぽいトレーナーに、ケミカルウォッシュのジーンズ。 地元の人・・じゃないかも・・・ 『いただきます・・・』 店の奥で青年の声がする。 私は和らぎ水(やわらぎみず)を取りに水場へ。 戻ってみると、店内に青年の姿はなかった。 あら、もうお出かけ? お水はいらないのかしら。 結構アルコール度数高いお酒だったんだけど。 町並の喧騒が木戸越しに聞こえてくる。 うちは角打ちをしていないから、 店の中は静まり返っていた。 【シーン2:2026年5月/瑛里菜】 ◾️SE:店内にたくさんの外国人(雑踏) 「Have a nice trip in Hida! またのお越しを、お待ちしとります!」 『セ・ボン(C'est bon)!』(合成音声) おっと! フランス語やったか! ま、いいや。 私の名前は、瑛里菜。 古い町並に340年以上続く酒蔵で、杜氏として働く。 幼い頃から亡き母・依羅伽に付いて、蔵人(くらびと)として学んできた。 杜氏になったのは今年、25歳の誕生日。 それだけじゃない。 母が亡くなってからは『若女将』としても、店を切り盛りしている。 そうそう。だから毎日忙しいのよ。 さっきまで大賑わいだった試飲カウンターも片付けないと・・・ あれ? まだ誰かいる? 目を瞑ってお酒を飲んで・・・って ん? あんなおっきな蛇の目猪口(じゃのめちょこ)、うちにあったか? 「あ〜、すっごく美味しい。 ・・・あれ?」 「こんにちは・・」 「女将さん? ・・なんか・・・さっきと雰囲気変わりました?」 「え・・? どういうことですか?」 「さっきまで割烹着、着てませんでした?」 「割烹着? そんなもん、着ませんよ」 「なんで?だって・・・ あれ?なんかお店の中もナウいし・・」 「ナウい?」 「こんなカウンターとか、自動販売機なんてありましたっけ?」 「自動販売機?」 「ほら、そこの・・」 「試飲用のコイン投入口ですけど・・」 「なに・・?それ・・・」 「ちょっとすみません、その・・・ お猪口みせてもらえます?」 「あ・・はい・・・」 「この蛇の目猪口・・・ 小さい頃に見たことあるような・・・」 「小さい頃・・・?」 「ちょ〜っと失礼・・」 「あ・・・ それ・・飲みかけですけど・・・」 この味・・・ まろやかなのに芳醇・・でも・・・ ガツンとくる辛口・・・ そしてこの香り・・・ 記憶のどこかに残っているような・・・ 「あの・・・」 「あ、ごめんなさい! 私ったらつい・・」 「いえ、全然いいんですけど・・・」 「よかったらもう一杯飲まれますか。 いまならまだ氷室の限定大吟醸がありますよ」 「ああ、結構です。 それより、もう行かなきゃ・・・」 そう言って、彼は逃げるように店を出ていった。 なんか、青い顔してたけど、大丈夫かしら・・・ 私は手のひらの、蛇の目猪口をそっと見つめる。 分厚くて武骨な、でもどこか温かみのある古い猪口。 猪口を手にしたまま、仕込み蔵へ。 ひんやりとした静寂の中。 ここで私は新しい吟醸酒を仕込んでいる。というか開発中。 高山市制90周年に向けた、記念の大吟醸だ。 あと一歩。 何かが足りない。 美味しいけど、味が綺麗すぎるんだよなあ・・・ 櫂(かい)入れをしながら、猪口を顔に近づける。 うっすらと残る芳醇な香り。 これって・・ 亡き母が以前嗅がせてくれたあの香りに似ている・・ さっき一口飲んだときも、水の透明感みたいなキレを感じたし・・・ 「・・まさかね」 呟きは、酒蔵の重厚な梁に吸い込まれていった。 【シーン3:2026年5月/酒蔵】 ◾️SE:扉を強く開ける音 「すっ、すみませんっ!」 息を切らしてお店に駆け込んできたのはさっきの青年。 出ていってから、10分も経っていない。 「誰か、いませんか!」 私は、いそいそと仕込み蔵からお店へ。 「あ、あなたはさっきの・・」 「はい、この酒蔵の女将で杜氏。瑛里菜と申します。 どうかしましたか?」 「あの、町が・・ヘンなんです!」 「町が・・ヘン?」 「はい、だって・・・ さんまち通りが、外人さんでいっぱいになってて・・ すごい数だし・・・」 「ああ、外国人ね。 まあ・・・今日は週末だしね」 「みんな、テレビがついたトランシーバーを持ってる」 「トランシーバー・・・? それって・・・・・スマホじゃない?」 「それにもっと・・もっと・・・大変なのは・・・」 「はあ・・」 「電柱も電線もなくなっちゃっている!」 「あ、そこ? そういえば気づかなかったわ」 「しかも、秋なのになんかあったかい」 「秋じゃなくて春でしょ」 「なに言ってんですか。 いまは秋でしょ。11月。 市制50周年であんなに賑わってんじゃないですか?」 「5月だけど」 「え!? ちょっと待って・・・ 頭が混乱して思考が追いつかない」 「仕込み水、飲みますか?」 「あ、ありがとうございます」 彼は水を一気に飲み干すと、私の目の前に顔を近づけた。 「教えてください」 「あ、はい・・なんでしょう」 「今日は何年ですか?」 「え・・」 「昭和何年?」 「昭和? いやいやいや、令和でしょ。 令和8年」 「令和ってなんですか?」 「なんですかって・・・ 昭和、平成、令和の令和じゃない」 「え・・・」 (※2人同時に) 「頭痛くなってきた」「頭痛くなってきた」 「ひょっとしてだけど・・・ まさかとは思うけど・・・ あなた、タイムトラベルしてきたとか言わないよね?」 「ははは・・そんなばかな・・ だったら君は未来人? ここはバック・トゥ・ザ・フューチャーの世界ですか」 「じゃあ今年は何年なの?」 「1986年。昭和61年」 いや〜。 アニメの世界じゃ、異世界と時間軸の話が溢れてるけど・・・ 大丈夫か、この人・・・ ってか、まさかホントにタイムトラベラーなのか・・・ 「ここって高山市ですよね?」 「そうよ。 あなた、一体どこの世界線から来たの?名前は?」 「ぼ、僕の名前は、静流と言います。 家は吉城郡上宝村(よしきぐん かみたからむら)。 高山市の市制50周年のイベン

    21分
  4. ボイスドラマ「スワロウテイル」

    5月1日

    ボイスドラマ「スワロウテイル」

    飛騨・上宝に眠る“失われた財宝”を巡る、ひとりの女性トレジャーハンター。その名は朱羽。またの名は”スワロウテイル”。 父から託された地図、ギフチョウの痣、そして戦国時代に消えた黄金・・・点と点だった記憶がつながるとき、運命が大きく動き出す。 考古学とロマン、史実と伝説が交差するヒダテン!史上、最もスケールの大きな冒険譚・・・ 【ペルソナ】 ・朱羽(CV=小椋美織)=あげは(27歳)=神岡鉱山で働いていた父の遺志を継いだ正体不明のトレジャーハンター。 通称は「スワロウテイル」。右肩にギフチョウのような痣がある ・静流(CV=日比野正裕)=シズル(29歳)=上宝出身の考古学者。地元の伝説伝承を調べ保護活動を続けている。朱羽にはいつも先を越されるため異常に警戒し嫌悪している ・鉄兵(CV=日比野正裕)=てっぺい(故人享年38歳)=朱羽の父。生活のために神岡鉱山で閉山まで働く。一生をかけて江馬氏の財宝を探していた 【プロローグ:神岡鉱山2001年】 ◾️SE:鉱山のガヤ〜遠くでドリルが岩を削る音、鉱石を運ぶトロッコのガタゴトという音 『朱羽、ようく聞くんだ』 2001年の春。 パパが、私の目を見て語りかける。 巨大な神岡の鉱山。 5歳の私にとって坑道は、地下深く広がる迷宮のように見えた。 パパの作業服は、鉱泥(こうでい)で赤黒く汚れている。 『神岡鉱山はあと2か月で閉山になる』 「うん」 『でもな、パパはついに見つけたんだ』 「え?なに?」 『宝の場所だよ』 「ホント?」 『ああ、本当さ。 パパ、いつも言ってるだろ。 ”上宝は宝の郷(さと)だ”、って』 「上宝っておうちのとこ?」 『ああ、そうだよ。 神岡と上宝はね、つながってるんだ』 「ふうん」 『宝の場所を書いた地図は朱羽に預けるから』 「どうして?」 『朱羽がいないと地図は完成しないんだよ』 「わかんない」 『それに・・・もしもパパがいなくなっても大丈夫なように』 「パパいなくなっちゃうの? そんなのイヤ! 朱羽、ひとりになるのは絶対にやだ!」 『心配しなくてもいい。パパはいなくならないから』 「約束だよ」 『ああ、約束だ。 朱羽もパパと約束してくれ。 今からこの地図の説明をするから、ようく聞くんだ』 パパは、9つに折った地図を開く。 大きな地図。 両手を広げたよりもおっきい。 『地図がなくてもわかるように頭の中に入れなさい。 閉山するまで。あと2か月の間に』 「うん。わかった」 『ようし、いい子だ。 こっちへおいで』 これが、パパと交わした最後の言葉だった。 その日の夜。 全層(ぜんそう)雪崩。 いわゆる『春の雪崩』が 池ノ山(いけのやま)の飯場(はんば)を直撃。 夜食を食べていたパパは、なす術(すべ)もなかった。 「パパのうそつき」 ひとりぼっちになった私は どれほどパパを憎んだか・・・ だけど、パパとの約束を忘れることはなかった。 【シーン1:パパの遺志】 ◾️SE:キャンパスの大教室 「先生、その見解には地質学的な視点が欠けていませんか?  神岡の池ノ山(いけのやま)周辺は、当時から地表に鉱石が現れていたはずです。 江馬氏が密かにその一部を掌握していたとしたら? 公的な記録に残さず、 『隠し銀』として運用していた可能性は否定できないはずです!」 「それはあくまで仮説だ。 物証がない以上、考古学としては認められないよ」 「物証がないのは、探し方が間違っているからです」 「君のシミュレーションは面白いが、『単なる願望』に過ぎない。 考古学とは、出土した遺物から歴史を組み立てる学問なんだ。 宝探しじゃないんだよ」 15年後。 私は東京の大学で考古学の教授とやり合っている。 互いに顔もわからない大教室の一番前と後ろ。 岐阜県から招かれた客員教授・静流。 フィールドは私の故郷、上宝だという。 あ〜。私、ダメなタイプだ、これ。 「今日の授業はここまで。 また、議論を戦わせよう」 ふん。 やなこった。 そんなことしている時間なんてない。 15年前。 パパがいなくなったあと、 私をひきとったのは、市街地に住む画商。 高齢の夫婦だった。 養父はかつて神岡鉱山で働いていたという。 子どものいなかった老夫婦は 私を小学校から中学、高校までいかせてくれた。 卒業後はアルバイトで学費を稼ぎながら、東京の大学へ。 学ぶのは、考古学。日本中世史。地質学・地理学。 最新の科学的発掘方法から、古文書の読み解き。 地形図の読解まで、必要な知識を貪欲に学んだ。 講義のない日は、登山のサークルでフィールドワークを鍛える。 バイクの免許も取った。 そして、文化財保護法。 「調査名目」で正当に掘るための手続きや、発見した際の権利関係を学ぶ。 大学生活の途中で、養父母は揃って天に召された。 身寄りのない2人だったから、見送りは私ひとり。 二度目の喪主には涙もなかった。 またひとりぼっちになったけど、 今度は、お店と知識が残っている。 私一人が暮らすには十分なお金も。 大学卒業と同時に、私は高山へ帰郷。 画商の看板はそのままに、 美術品を整理してバイクを購入した。 そして・・・ いつも持ち歩いているパパの地図。 大学の4年間じっくり研究した。 地図の中に隠されていたのは5つの財宝。 飛騨銀の錫杖(しゃくじょう)。 蒔絵(まきえ)の香箱(こうばこ)。 銘刀「高原長光」(たかはら ながみつ)。 ギフチョウを模した銅製の香炉(こうろ)。 そして、黄金の軍扇。 ひとつひとつ説明すると時間が足りないので、詳細は省略。 財宝を推理したのは、パパ。 あの日、私に話してくれた内容は、全部覚えている。 では、どうやって場所を解き明かすか? ヒントは、パパが地図に書き込んでいた印。 最初インクの滲みだと思ってた。だけど、拡大してよく見ると、それは蝶の形。 『春の女神』ギフチョウだった。(※7:40) そう! 神岡鉱山はかつてギフチョウの生息地。 愛好家の間じゃ、神岡ブランドのギフチョウは特別な存在。(※7:51) まさか、「ギフチョウの吸蜜(きゅうみつ)ポイント」? 推理は的中。 印はカンアオイの群生地だった。 ギフチョウの幼虫にとって唯一の餌。食草だ。 さらに上宝の断層と地質を分析。 自然な空洞と人工の坑道が、もっとも接近する地点を特定した。 あとはひたすら古文書を読み解く。 大学で学んだ中世史の知識から、江馬氏の敗走ルートを再構成。 「敵に奪われない道=人が通れない難所」をバイクと登山技術で踏破。 卒業してからここまでくるのに5年間かかった。 【シーン2:スワロウテイル】 ◾️SE:バイクの走り去る音 『オーマイガー! 』 『またしても、スワロウテイルか』 『今までに何度やられたか!』 先生、ありがと。 教授が地団駄を踏む様子が目に浮かぶ。 私は41号線をフルスロットルで駆け抜ける。 バックパックの中には『江馬氏の軍扇(ぐんせん)』。 黄金の龍をあしらった七曜紋(しちようもん)が描かれている。 私の名は朱羽。 またの名を”スワロウテイル”。 違法スレスレの悪名高いトレジャーハンターと言われている。 ふん。 なんとでも言えばいい。 私はパパが探し続けた江馬氏の財宝を手に入れたいだけ。 それが私の生きる目的だから。 かつて栄華をほしいままにした江馬氏の財宝。 探していた江馬氏の五宝(ごほう)は、軍扇でコンプリートした。 あとは、パパと私の悲願。 江馬氏の埋蔵金だけ。 だけど、腑に落ちない。 古物商だけでなく、 考古学者や郷土史家たちまで、今になって動き出したのはなぜ? 考えられる原因は3つ。 1つ目は、神岡鉱山閉山から20年以上が経過したこと。 当時の未公開資料や「旧坑道図」が一部デジタル化・公開されている。 2つ目は、上宝の山間部で集中豪雨による土砂崩れが発生したこと。 「江馬氏の家紋が入った漆器の破片」が土砂から発見された。 そして3つ目は、私が手に入れた『五宝』の情報。(※11:00) それが闇のマーケットに流れたこと。 誰が情報を流した? きっとあいつだ。 考古学者の静流。 いつも仕事の邪魔をする研究者。 静流が私をおびきだすために仕組んだに違いない。 先を越される前に急がないと。 【シーン3:奥飛騨温泉郷平湯/隠し湯】 ◾️SE:温泉の環境音 「お邪魔します・・・あ・・ これは失礼」 奥飛騨温泉郷・平湯の露天風呂。 しまった・・ 混浴だってこと、忘れていた。 まあ・

    20分
  5. ボイスドラマ「八百比丘尼の初恋」

    4月24日

    ボイスドラマ「八百比丘尼の初恋」

    漢方薬剤師・よもぎと医学生・楸、そして離島出身の医大生・沙羅。 美しい風景の中で紡がれる、切なくも温かな物語・・・ ・よもぎ(29歳/CV:蓬坂えりか)=カフェ「よもぎ」オーナー。漢方薬剤師。楸と出会う ・楸=シュウ(22歳/CV:日比野正裕)=歴史好きな医学生。御岳町の旧家出身。医学を学び、医者を目指す。歴史・伝承・伝説が好きなのは母の影響 ・沙羅(22歳/CV:小椋美織)=楸と同じ大学に通う医大生。友達以上恋人未満。医師のいない九州の離島の出身。卒業後は楸と一緒に離島に戻りたいと思っている 【シーン1:美女峠の展望広場】 ◾️SE:美女峠の野鳥のさえずり 「むか〜し、むかし。 南に見える山々のずっと奥、秋神川が深く淀む『龍宮淵』のお話。 川のほとりに住む長者には、1人の娘がいました。 ある晩、長者がどこかから土産をもらってきます。 それは龍宮淵から持ち帰った『人魚の肉』。 娘にはこう言い聞かせます。 『これは禁断の肉。絶対に口にしてはならん』 そう言われれば、よけい気になるのが人情というもの。 娘は、いたずら心でひとかけら、口に入れてしまいました。 最初ほんの一口のつもりだったのが、 あまりの美味さについつい食が進みます。 気がつくと、全部食べてしまっていました。 すると・・・」 「不老不死になったんだよね」 ttt 「そ。これが八百比丘尼伝説のさわり。 あとは、楸も知ってるでしょ」 「うん。八百比丘尼伝説は日本全国にあるから。 不老不死になった八百比丘尼は全国へ旅に出た」 「ご名答。 娘は尼さんになって、諸国を行脚」 「で、ここ美女峠にも立ち寄った」 「うん。 行く先々で病人の世話をして、癒していたらしいわ」 「なんか、よもぎさんとかぶるなあ」 「冗談。 知ってる? 八百比丘尼って、息を呑むほど美しかったそうよ」 「それもかぶる」 「からかわないで」 「ほんとにそう思うんだけどな・・・」 「八百比丘尼は行く先々に椿を植えた。 ここにもあるでしょ。 彼女が杖で突いたところから生えてきた・・・」 「ああ、さっきの・・」 「厳しい冬を越えても青々とした葉を保ち、真っ白な花を咲かせる椿。 不老不死の象徴ね」 「椿も薬草なのかな」 「とっても優れた薬草よ。 椿の花を乾燥させた『山茶花(さんさか)』。 止血とか消炎の作用があるの。 八百比丘尼は、そうやって人々を癒してたんじゃないかしら」 「ますますよもぎさんだ」 「私、そんなに年はとってないわよ」 「はは・・ ねえ、よもぎさん」 「なあに?」 「もう一度『龍宮淵』へ行ってみませんか?」 「もう一度?」 「うん。 八百比丘尼の話、思い浮かべながら、覗いてみたい」 「ひかれちゃうわよ」 「竜宮城へ? できるもんなら、行ってみたいよ」 ほんの少し距離をとりながら、こちらを見て楸が笑う。 あらためて紹介するけど、楸は東京の医大へ通う大学生。 春休みを利用して御嵩の実家からバイクで高山へ。 もう4月になっちゃったけど、戻らなくていいのかな・・ なんとなく、聞きそびれてしまった。 楸は毎日のように、夕方薬膳カフェまで迎えにくる。 そのままバイクにタンデムしてツーリング。 今日は美女峠。 ・・の展望広場。 龍宮橋へ行くならあたりが暗くなる前に出なきゃ。 ◾️SE:バイクのエキゾースト〜遠ざかっていく 【シーン2:山王祭】 ◾️SE:山王祭の賑わい 「すごいな・・・言葉にならない」 春の高山祭。山王祭。 楸は今まで一度も見たことがないそうだ。 御嵩に住んでるのに。 最終的に、祭を見てから東京へ帰る、ということになった。 楸はバイクを宿泊しているホテルへ停め、2人で歩いて古い町並へ。 温暖化の影響で、桜は落下盛ん。 春風が吹くたびに舞い上がる、淡い花びら。そのなかを、絢爛豪華な屋台が曳かれていく。 金箔と漆黒、そして深紅の幕を纏った屋台。 「まるで・・・異世界に迷い込んだようだ」 「もしかしたら、エルフにも会えるかも」 「え?」 嬉しそうに、楸が私を見つめる。 やがて始まったのは、からくりの奉納。 童子が一瞬にして翁へ変わる『三番叟(さんばそう)』。 美女の打掛が荒ぶる獅子に変わる『石橋台(しゃっきょうたい)』。 そして、壺の中から龍神が飛び出す『龍神台(りゅうじんたい)』 楸は呆然と屋台を見上げる。 「この世のものとは思えない・・・」 「 のからくりは一時上演禁止になったのよ」 「え・・どうして?」 「あの美女の人形、見たでしょ」 「うん・・」 「あまりにも妖艶で、なまめかしくて、風紀を乱すからって」 「そんな・・」 「100年くらい屋台蔵に安置されて、復活したのは昭和59年」 「じゃあ、この時代の僕たちはラッキーだったんだ」 「あら。あなたも魅入られちゃった?」 「いや・・そうじゃなくて・・・」 「別に否定しなくてもいいじゃない」 「ただ、すごいなあって・・・」 楸って、感受性が高いのね。 でも高山祭は屋台だけじゃないのよ。 総勢数百人!という祭行列・御巡幸(ごじゅんこう)。 日枝神社を出発して祭礼区域を巡っていく。 獅子舞に雅楽、闘鶏楽(とうけいらく)に裃姿(かみしもすがた)の警固。 誰かが言ってたけど、見るも鮮やか、聞くも雅。 楸が言う通り、祭の2日間、高山は異世界になる。 「こんなにすごいなんて・・・ どうして今まで来なかったんだろう」 「でしょ。 だから私だって、もっともっといろんな人に知ってほしい」 「ようし・・毎年来るぞ」 「ってか、春だけじゃなくて、秋もあるからね」 「もちろん来ます!」 「じゃあ、その前に夜祭り(よまつり)ね」 「夜祭り・・?」 「灯りがともった屋台は、昼間と全然違うから」 「ああ・・そうなんだ」 結局、私たちは、夜祭りが終わるまで、高山を楽しんだ。 屋台から曳き別れの歌「高い山」が流れる。 「ねえ、よもぎさん、このあと・・・」 「あ、よかったら、行ってみたいとこがあるんだけど・・・」 「え・・どこ・・・?」 「内緒」 「え〜」 少し、いじわるだったかな。 不安そうな表情の楸を横目に、安川通りから宮川沿いを歩く。 「初めてよもぎさんと会ったのもこのあたりだよね?」 「そうね」 「なんだか、お腹すいちゃったな・・」 「でしょ」 「え?」 不思議そうな顔をする楸に笑顔を返して、歩き続ける。 楸は私のあと、少しだけ距離をおいて歩く。 あ・・さっきより、距離、縮まったかも。 私たちは、行人橋(ぎょうじんはし)を渡る。 祭の喧騒がだんだん小さくなっていった。 【シーン3:熊の涙】 ◾️SE:居酒屋の雑踏 「乾杯」 「乾杯」 市街地の居酒屋。 実はこっそり、予約しておいたんだ。 席だけでなく、お酒も・・・ 「熊の涙? 変わった名前のお酒だね」 「まずは飲んでみて」 「うん・・」(※日本酒を呑む) 「どう?」 「わ・・ すごい・・・なんていうか・・・ まろやか・・・? 優しい味」 「朝日町のお酒なの」 「え・・」 「氷中貯蔵(ひょうちゅうちょぞう)。 冬の間にお酒を搾って、氷の中で熟成させるの。 標高1,300メートル、秋神温泉の氷。 熊も涙を流すほどの冷たさ。 そんな厳しい寒さに耐えて、じっくり蓄えた旨味よ」 「だから”熊の涙”・・」 「ホントにホントに限定酒だから。 貴重なお酒。 市街地で飲めるところは限られてるの」 「そうなんだ・・」 「ふふ、驚いた?  実は私、日本酒には目がないんだ」 「意外・・・ 漢方薬剤師さんだから、お酒なんて飲まないのかと思ってた」 「なに言ってるの。 お酒は『百薬の長』って言うじゃない? 適度なアルコールは血行を良くして、緊張を緩和してくれるのよ。 立派な養生なんだから」 「確かに・・」 「いつか自分の名前が入ったラベルを出すのが夢なの。 飲むだけで心も体も整うような、とっておきの日本酒・・・」 「楽しみだなあ。大吟醸『よもぎ』ってか・・ 一番最初に飲ませてよ」 初めて2人で飲むお酒。 『熊の涙』予約してよかった。 グラス越しに楸の顔を見る。 さっきよりさらに、距離が縮まったかな・・・ 【シーン4:駅前のホテル】 ◾️SE:高山駅前の雑踏 「今日はありがとう」 「こちらこそ」 「泊まるとこ、ホントに大丈夫?」 「うん。 市街地の友達のとこ、泊めてもらうことになってるから」 「気をつけてね」 楸が宿泊している駅前のホテル。 居酒屋からでも、2人で歩いたらあっという間だ。 ホテ

    19分
  6. ボイスドラマ「さくら」

    4月17日

    ボイスドラマ「さくら」

    戦国の世。すべてを失った母が、ただひとつ残された願いを桜に託したとき——その祈りは、命を越えて形となった。 これは、荘川に実在する桜にまつわる、ひとつの“はじまり”の物語。 感動のボイスドラマ「さくら」をぜひお聴きください。 【ペルソナ】 ・咲耶(19歳/CV:岩波あこ)=400年以上前、戦国時代末期に荘川で生きた女性。村へ逃げてきた落武者の手にかかり、夫と娘・さくらを失う ・さくら(5歳/CV:岩波あこ)=咲耶の娘。落武者の手にかかり命を落とす。咲耶が鎮魂のために光輪寺に植えた桜の精となって再び現れる ・住職(60歳/CV:日比野正裕)=光輪寺の住職。咲耶に桜の植樹を勧める 【プロローグ/寒村の落武者】 ■SE/小鳥のさえずりと吹き荒ぶ風の音 「ばかやろう! 侍なんてみんな、この世から消えちまえ〜!」 叫びながら、あとからあとから熱いものが込み上げてくる。 わしの名は咲耶(サクヤ)。 武田の軍勢が飛騨へ攻め込んでくるだのなんだのって。 小さなこの荘川村まで、そんな噂は入ってきていた。 わしは、ここ荘川で生まれ、荘川で育った。 板葺き屋根の粗末な小屋に住み、 庄川(しょうがわ)のほとりで畑を耕す。 祝言を挙げたのは14の春。 娘ももうけて、親子3人、貧しくとも幸せな毎日だった。 贅沢は言わない。 このままソバやヒエ、アワを育てて倹(つま)しく生きていければ・・ ただ、そう思っていただけなのに・・・ ある日突然、 夫は三木自綱(みつき よりつな)の家来どもに駆り出された。 こんな貧しい村の百姓まで、戦になると連れていきよるんか。 ソバ蒔きが終わってひと月。 ソバ刈りがすむまで待ってくれろと頼んだけど。 侍なんて、わしらのことは虫ケラやと思うとる。 逆らったら、その場で叩っ斬られるだけや。 黙って従うしかなかった。 結局・・・ 戦に出かけた翌日。 帰ってきたのは、傷だらけの骸(むくろ)。 それも軒先まで運んでくれたのは、結(ゆい)の衆やさ。 夫が倒れていたあたりは、 ソバの白帆(しらほ)が、真っ赤に染まっていたんじゃと。 わしは三日三晩泣き明かした。 信玄とか、信長とか、どうでもいい。 誰が勝とうが、誰が負けようが、そんなもん、知ったことじゃねえ。 戦をやるようなやつはみんなクソじゃ。 侍なんて、みんな、くたばっちまえ。 天に向かって叫ぶわしに、一人娘のさくらが寄り添う。 だが、不幸はそれだけではなかった。 白川郷の内ヶ島に攻め入った三木の侍たち。 返り討ちにあい、 敗れた残党が荘川村に流れてきた。 村は次々に焼かれ、あちこちで悲鳴が上がる。 わしは小屋の中でさくらを抱いて震えていたが・・・ ◾️小屋の扉を乱暴に開く音 手負いの侍が、荒々しく扉を開け、土足で踏み込んできた。 わしの腕の中には目を瞑ったさくら。 侍は、さくらの手に握られたヒエとアワを見つけて 手を伸ばしてくる。 さくらが避(よ)けると、怒った侍は引っ張って引きずり出す。 「いやぁ!」 侍を振りほどこうとするさくら。 侍はさらに怒り、こっちへ逃げようとするさくらを うしろから斬りつけた。 「さくら!」 さくらの持っていたヒエとアワをひったくると 侍は小屋を出ていった。 わしは、腕の中で動かないさくらの名を呼び続ける。 だが、地獄はこれで終わらない。 侍は小屋に火をつけた。 あっという間に燃え広がっていく。 ああ、もうこれですべて終わるんだな・・・ わしはさくらを抱いたまま、目を閉じた。 【シーン1/光輪寺】 ■SE/小鳥のさえずり 「目が覚めたかな」 ここは・・・ 彼岸・・じゃない・・・ 光輪寺・・・ わしは・・・なんで生きているんだ? 「結の衆がおまえさんを火の中から救い出したんじゃ」 「火の中・・・ はっ! さくら、さくらは!?」 住職は申し訳なさそうな顔で、首を横に振った。 「残念なことを」 「そんな! そんなぁ!」 「主殿(ぬしどの)と幼子(おさなご)のためにも、おまえは生きねばならん」 住職の言葉は、なにも響かなかった。 わしの目の前にはもう、浄土への道しか見えない。夫とさくらの待つ浄土へ。 もう一度会うために行かないと。 【シーン2/ひこばえ】 ■SE/小鳥のさえずり 誰とも会わず、なにも語らぬ日々。 日がな一日、本堂に置かれた小さな木片を眺める。 そこには夫とさくらの名前が書かれてあるらしい。 字が読めぬわしには、墨の汚れにしか見えないが。 そんな姿を見かねて住職がわしに手渡したのは・・・ 「桜のひこばえじゃ」 訝しがるわしに・・ 「これを境内に植えなさい」 わしが住職に返そうとすると・・ 「ひこばえは亡きさくらの依り代」 「え・・・」 「この芽をさくらだと思って、毎日声をかけてやりなさい」 「さくら・・・」 「やがて葉が青々と繁(しげ)るまで。 そのあとも、花がこぼれるほどに咲くまで。 お前がこの木を慈しむことが、一番の供養になるんや。 さくらは、桜の木となってお前をずっと見守っていくんやから」 わしは、住職に言われるまま、小さなひこばえを境内に植えた。 毎日その前に腰を降ろして、一日中声をかける。 「さくら、ごめんよ。 おまえを一人にして」 「さくら、お父(とう)にはもう会えたか。 伝えてくれや。お母(かあ)もすぐそっち行くから」 「さくら、寒くないか。 荘川の春は本当に遅いなあ」 「さくら、喉は乾いとらんか。 待っとれよ、井戸から水を汲んでくるで」 住職の言った通り、ひこばえはみるみる背が高くなる。 それはまるで、亡きさくらが成長していくように・・・ 【シーン3/さくら】 ■SE/小鳥のさえずり(ウグイス) あれから2年。 気がつけば、桜のひこばえは、 あの日のさくらと同じくらいの背丈になっていた。 わしは、ありし日のさくらを思い出しながら、いつものように声をかける。 「大きくなったなあ、さくら」 そう言って、細い枝を撫で、目を閉じたとき・・・ 「おかあ・・」 「え・・」 わしは目を開いた。 そこには・・・ うっすらと、光の中に溶け込むような、淡い桜色のもや。 声だけは確かに・・・ 「おかあ」 「さくら!」 そのあとは・・・もう言葉にならない。 震える手をその頬に伸ばす。 だが指先は、ふわりとすり抜ける。 まるで温かな春の風に触れたかのように。 「おかあ、ごめんなさい」 「なんで・・・ 悪いのは、全部お母だ」 「ううん」 もやは首を横に振ったように見える。 そこには確かに愛しい娘の笑顔があった。 「お母の顔、毎日見てた。 お母の声、毎日聞いてた。 私を呼んでくれたのは、お母だ」 「ほおか。ほおか」 言葉などなくとも、この手で触れられぬとも、そこにさくらがいるだけでいい。 さくらは、本当に帰ってきてくれたのだ。 ただただ、このまま消えずに、ここにいてほしい。 この逢瀬は、わしとさくらだけの秘密。 迷ったが、住職にも伝えなかった。 心の中で手を合わせ、感謝しながら。 その夜、わしは木の下で眠った。 荘川村にも桜の咲く季節。 (それでも)寒さなど、微塵も感じなかった。 【シーン4/成長】 ■SE/小鳥のさえずり さくらは毎日、淡いもやのまま私の前に現れた。 輪郭は、日に日にはっきりとしてくる。 木の成長とともに、背もどんどん伸びていく。 さらに5年が過ぎ、また遅い春がやってきた。 「お母、私もうすぐ12になる」 「もう立派な大人やなあ」 「今年はお母にいいもん見せられるから」 「いいもん?」 「うん。いくよ」 そう言って、さくらは、桜の枝にそっと息を吹きかける。 すると、固く閉じていた蕾が、一斉にほころび始めた。 「私、きれいでしょ」 「ああ。ああ」 「お母、ありがとう」 淡い薄紅色の花びらが空を埋め尽くす、圧倒的な風景。 同時に花びらははっきりと輪郭を描き、美しい少女の姿になった。 「さくら!」 「お母が私を笑顔にしてくれたから」 「さくらがわしを笑顔にしてくれたんや」 「お母、いつまでも元気でいて。 いつまでも笑っていて」 降り注ぐ花びらの中で、手を取り合うことはできずとも、 魂を深く抱きしめる。 わしの頬を伝うのは、もう悲しみではなかった。 【シーン5/時の流れの中で】 ■SE/小鳥のさえずり さくらの背はいつしか、わしを追い越していった。 傍らに立つは、いまや村の誰よりも美しい。 輝くような乙女の姿。 その髪は庄川の流れのようにしなやか。 纏う衣(ころも)は花

    20分
  7. ボイスドラマ「水原勇気になりたくて」

    4月10日

    ボイスドラマ「水原勇気になりたくて」

    アンダースローのサウスポー、そして・・・ ピッチャーは女性! 背番号のないエースが、 仲間とともにマウンドへ・・・ 【ペルソナ】 ・結葵(ゆうき=16歳/CV:未定)=高山市街地の高校1年生。リトルリーグではピッチャーで4番。内気で他人からあまり良い印象はなくいつも仲間はずれ。幼い頃に見た漫画の水原勇気が憧れ ・珠望(たまみ=16歳/CV:未定)=高山市街地の高校1年生。マネージャーとして入部。リトルリーグではキャッチャー。結月の実力をみんなに知ってほしいと思っている ・さくら(教師=24歳/CV:岩波あこ)=高山市内の小学校教師 ・稀武(けん=16歳/CV:日比野正裕)=城山高校野球部のキャプテンでキャッチャー 【プロローグ:小学校1年生】 ◾️SE:始業チャイムの音〜教室のざわめき 『みなさ〜ん。 大人になったらなりたいコトやヒトについて教えてくださ〜い』 小学校に入学した春。 最初の授業で先生が私たち一年生に尋ねた。 『ショウタくんはメジャーリーグの野球選手?』『モモちゃんはユーチューバー?・・じゃなくてVチューバー?』 『ユウキちゃんは・・・?』 私は、消え入りそうな小さな声で呟く。 「水原・・勇気・・」 『え?だれ・・・?ミズハラ・・ユウキ? だあれ、それ?・・野球選手?先生ちょっとしらないなあ』 わかってもらえなくていいんだ。 誰も知らなくなっていい。 だけど私には最高のヒーロー・・ううん、ヒロインなんだもん。 水原勇気! 最高にかっこいいんだから! [シーン1:城山高校1年生】 ◾️SE:入学式のイメージ あれから9年。 私は高校へ入学した。 「城山高校野球部へようこそ! いやあ嬉しいなあ! マネージャーが2人も入ってくれて!」 「ちょっとぉ! マネージャーになんてなる気はありません。 この子、ユウキはピッチャーで4番。 アタシはキャッチャー!」 親友の珠望がバッグからキャッチャーミットを取り出して 目の前に差し出す。 私のバッグもひったくり、ソリッドタイプのグラブを見せる。 「うそ!? なんで? おまえらオンナだろ?」 「それがどうしたのぉ! この時代にその言葉口にする?」 「いや、いくら新設校で全員一年生だからって、野球部にオンナは・・」 「なに?女性をばかにしてるの?」 「珠望、もうやめようよ。 やっぱ無理だって」 「ダメよ!あきらめちゃ! あんたの居場所はマウンドでしょ」 「でも・・・」 「別に喧嘩する気はないけどさ・・学生野球連盟・・学野連のルールでも男子しか認められてないんだよ」 「言われなくてもわかってる」 「ソフトボールに転向すればいいじゃねえか」 「野球とソフトボールじゃ、ラグビーとアメラグくらい違うわ」 「それに高校野球は軟球とちゃうぞ。硬球だぞ」 「クラブチームで硬球投げてきてんだよ」 「なら女子高校野球だってあるだろう。 高山にはないけど、越境すれば県内にはあるはずだ。 うまくいけば、マドンナジャパンだって目指せるんじゃないか。 まだ一年生なんだから」 「そんなんアタシたちが目指してるゴールじゃない」 「なんだよ、それって」 「甲子園で優勝して、プロからドラフト一位で指名される」 「あ〜はっはっはっ! なに言ってんだか。 学野連でさえ、男子生徒に限る、って言ってるのに、 プロ野球なんて・・」 「”医学上男子でないものを認めない” ってこと? そんな条項は1991年に撤廃されてんだよ。 もっと勉強しろよ」 「なんだと!」 「珠望、もうやめて・・・」 「よし。じゃあ、実力で勝負するか?」 「なに?」 「一打席勝負。 もしバットが結葵の球に当たったら入部はあきらめる」 「頭おかしいんじゃねえか。 当たったら・・・って」 「事実だからしょうがないだろ」 「大した自信だな。 じゃあ、もしもオレがヒットかホームランなら 2人ともマネージャーになってもらうからな」 「わかった」 「珠望・・・」 「心配ないよ、結葵。 いつも通り投げればいいだけ」 珠望はにっこり笑ってウィンクした。 わかってる。 珠望は私の投手としての才能を信じ切ってるんだ。 それに、私の夢も・・・ 結局、私はマウンドに立つことになった。 勧誘活動が終わる夕方。 誰もいないグラウンドに 野球部の入部希望者が集まってきた。 珠望と言い合っていたのは、キャッチャーの稀武。 入学したときから新設野球部のキャプテンに決まっているらしい・・ なぜなら・・・ 稀武は中学時代、軟式でも硬式でも打ちまくっていた強打者だった。 野球推薦入学だから、誰もが認める野球部主将。 高身長で、飛距離もありそうだ。 [シーン2:城山高校グラウンド】 ◾️SE:夕方のイメージ グラウンドの使用については・・ ”毎日練習しないと感覚がなまる” そう言って、稀武が顧問に直訴したらしい。 珠望がレガースをつけて、ホームベースの後ろに立った。 稀武は笑いながらマウンドの私を見ている。 野球部の入部希望者は初日でまだ6人。 内外野に散らばっていく彼らに向かって、 「内野はいらねえよ。 どうせ、フェンス越えるんだからな。 どっちか審判やってくれ」 とまた笑う。 それを見ながら、 ニヤリと笑って珠望はマスクをはめた。 ◾️SE:投球をミットで受ける音 私が投球練習を始めると、少しだけ周りがざわつく。 「アンダースローのサウスポーか。 面白いけど、まあおっせえな。 ハエがとまりそうだぜ」 内外野のポジションもすっかりリラックスムード。 スマホ撮ってるメンバーもいる。 だけど、私の球を受ける珠望は自信満々だ。 キャッチャーマスク越しに上がった口角が見える。 あの表情を見ると私も落ち着く。 稀武が打席に入る。 左打者なんだ。 主審役の内野手が右手を上げた。 「プレイボール!」 打席で構える稀武。 珠望がサインを出す。 外角低めのシュート。 小さくうなづいてセットポジションに。 低いフォームから地面を擦るように腕を振って・・ 第1球。 ◾️SE:投球音 見送り。 「ストライーイク!」 「シュートか。なるほどね。 いいコースには決められるんだな。 だけどこの球速じゃあなあ・・・」 第2球目。 珠望のサイン通りに。 セットポジションから・・・ 左打者の内角をえぐるスライダー! ◾️SE:投球音 思わずのけぞり、尻餅をつく稀武。 「ストライーイク!」 審判の右手が上がる。 「うそだろ! 当たりそうだったぜ」 と言いながら、体の泥をはらって、打席に入り直した。 「まあいい。 しょうがねえな。本気出すか」 そう言って、バッターボックスの一番後ろに立つ。 珠望は”うん””うん”と首を縦に振る。 ”次で決める”という合図だ。 3球目。 全力投球。 思いっきり腕を振って・・・ 内角高めのストレート。 ◾️SE:投球音と風切音 空振り。 マウンドまで聞こえてくる風切音。 「え? な、なんだいまの・・」 珠望は立ち上がって、審判に球を渡す。 「あれ、ストレートか!?」 マスクをはずした珠望に向かって、稀武が詰め寄った。 「そうよ。見てわかんない?」 「・・ホップしたぜ! 浮き上がったじゃねえか!」 「これが結葵の球よ。 簡単に打てる球じゃないでしょ」 「簡単に、どころか こんなん、打てるやついるんかよ!」 外野にいた野手がマウンドに駆け寄ってきた。 みんな、私に向かって手をさしだす。 「よろしくな」「よろしく」 呆然としていた稀武もそれを見て、ゆっくりとマウンドへ。 「わかったよ。 おまえのすごさ。 このオレが打てねえってことは、 他に誰が打てるんだ・・・」 「ありがとう」 「認めるよ。おれの負けだ」 「じゃあ、私、約束通りマネージャーになってあげるから」 「え?そんな約束してなかったじゃん・・」 「女子の選手は2人もいらないでしょ。 それにキャッチャーはあんただし」 「おまえ、最初から・・」 「マネージャーって大事な仕事なのよ。 たった一人の女子野球部員の面倒はアタシが責任持ってみるから」 珠望・・・ 確かにこれって珠望のプランだけど・・ 珠望だって、ホントはキャッチャーやりたいはずなのに・・ 「結葵、大変なのはこれからだからね。 私たちの目標は、もっともっと大きいんだから!」 対戦のあと、みんなでグラウンドを整備して、家路につく。 バックネットに落ちる夕陽がまぶしかった。 [シーン3:背番号のないエース】 ◾️SE:夕方のイメージ 新設校城山高校の野球部は私を入れて9人と

    21分
  8. ボイスドラマ「最初の弁当」

    4月3日

    ボイスドラマ「最初の弁当」

    突然すべてを失い、高山へやってきた少女・彩羽。不器用な祖父が作る“ちょっと変なお弁当”に戸惑いながらも、少しずつ気づいていく「本当の気持ち」。 そして迎えた卒業の日。 彼女が祖父に贈ったのは――“最初の弁当”。 『最後の弁当』のアンサーとなる、もうひとつの物語・・・ 【ペルソナ】 ・彩羽(いろは=16歳〜18歳/CV:坂田月菜)=東京から高山市街地へ引っ越してきた高校1年生。 ・静(しずか=58歳〜61歳/CV:日比野正裕)=大学新卒以来高山市役所市民課で働く生え抜きの市職員 ・さくら(CV:岩波あこ)=静と同じ市民課に務める市職員。マイペースで仕事をするさくらを静はいつも厳しく叱責していた。彩羽にとっては相談できる唯一の女性 【プロローグ:総合病院/ER病棟】 ◾️SE:廊下を走ってくる足音 「はぁっ」「はぁっ」「はぁっ」 ◾️SE:病室の音 「ママ!パパ!」「返事してよ!」 私の世界の中心。 大切な二人が、ある日突然、いなくなった。 高校入学前の春休み。 涙を流す暇さえないまま、慌ただしいお別れ。 誰もいなくなった家の中に、親族が集まった。 『かわいそうに』『力になるからね』 みんなそう言って憐れみの表情を向けてくる。 私はうなづくことさえできない。 そのあとは声をひそめて話し合い。 どこかで誰かがささやく。 『誰がひきとるの』『うちは無理だから』『うちだって』 最初小さかった声はだんだん大きくなって、頭の中に響いてくる。 私はイヤホンをして、LINEを開く。 ママと私のトークルーム。 最後のメッセージは、 『彩羽、卒業おめでとう』・・とハートマーク。 私の名前は彩羽。 中学を卒業して高校に入学する直前だった。 おじちゃんたちはベランダに出てタバコを吸ってる。 パパもママも吸わなかったから、灰皿ないんだけどなぁ。 家の中ではおばちゃんたちが、身振り手振りを交えて話し合ってる。 イヤホンをしてても聞こえるくらい、声のボリュームが上がっていく。 『養護施設しかないんじゃない』 え・・ それって・・・ 知らない子たちと一緒に暮らすんだよね。 高校はどうなるの・・・ おうちは・・・? 不安で胸が押しつぶされそうになる。 そのとき・・・ 「この子は私が、高山へ連れて帰る!」 大きな声がリビングに響き渡った。 ざわざわしてた室内がシ〜ンとなる。 私は左耳のイヤホンをはずし、横目で声の方を見る。 高山のおじいちゃんだ・・・ なんか目をウルウルさせて、親戚のおじちゃんたちを睨んでる。 おじいちゃんは、ゆっくりと私の方へ歩いてきて・・ 「もちろん、無理にとは言わないが」 「彩羽、私と一緒にくるか?高山へ」 と、小さな声で話しかけてきた。 後ろでは、親戚のおじちゃんおばちゃんたちが睨んでいる。 私は怖くて、下を向いたままうなづいた。 すると、 ”無理する必要はないんだぞ” ”おじいちゃんに気を遣うことない” ”1回しか里帰りしたことないんじゃ、まったく知らないとこと同じだ” いろんな声が飛んでくる。 私はまたイヤホンをして、 「荷造りしてくる」 自分の部屋へ戻っていった。 【シーン1:古い町並にて】 ◾️SE:古い街角の雑踏 「さあ、ここが古い町並だよ。 小さい頃、夏休みに一緒に歩いただろう。 覚えてる?」 おじいちゃんが優しい声で話しかけてくる。 私は親族会議のあと、そのまま高山へ。 古い町並は、10年ぶりくらいかな。  あのときは、パパとママに両手を引かれてた。 3人でおじいちゃんおばあちゃんについてったっけ。 私は小さくうなづく。 ちゃんと覚えてるよ。 10年前と変わってないよね。 「疲れてないかい?彩羽」 おじいちゃんは心配そうに尋ねてきた。 少し距離をとって歩き、話すときだけちょっと近づく。 全然疲れてはないけど、お腹がすいてマジやばいかも・・・ コンビニってさっき通ったっけ。 「おじいちゃん・・」 「ん?どうしたんだい?」 「お腹すいちゃったから・・ コンビニ行っていい?」 「おお、ごめんごめん! そういや、おじいちゃんもお腹すいてきたわ。 コンビニより、ラーメンでも食べにいこか?」 「高山ラーメン?」 「ああ、そうだ」 「やった・・」 のぞみの中でTikTok流し見した。 高山グルメは全部保存済み。 そのなかで高山ラーメンが一番、推しだったんだ。 インスタでスイーツ界隈も把握しよう。 でも、これからは、ご飯って、どうするんだろう・・・ 【シーン2:高校生活】 ◾️SE:扉を閉める音 「おじいちゃん、行ってきます」 朝7時半。 私は自転車で家を出る。 ピンクのフレーム。 前からほしかった、すっごく可愛いEバイク。 引っ越しした次の日に おじいちゃんがプレゼントしてくれた。 そういえば、 おじいちゃん、市役所に勤めてるんだって。 私は部活が終わるとそのまま市役所へ。 おじいちゃんと待ち合わせて、 一緒に外食を食べてから家へ帰る。 東京では毎日コンビニの夕食だったから フツーに嬉しいかも・・ 高山って観光地だから、おいしいものいっぱいなんだもん。 みたらし団子。 漬物ステーキ。 飛騨牛バーガー。 鶏ちゃん丼(どんぶり)。 夕ご飯のあとは、スイーツのお店へ。 プリン専門店とか、和菓子屋さんとか、ジェラートのお店とか。 どれも美味しすぎて、決められない。 だけど、あ〜、体重計に乗るのが怖い。 こ〜んなに、グルメ満載の生活だけど、 ひとつだけ食の悩みがあるんだ。 それが・・お弁当。 おじいちゃんが作ってくれるお弁当は、 こう・・なんていうか・・・ すごくシュール。 基本は、白いご飯の上におっきな梅干し。 おかずはゆで卵のことが多いけど・・・ たまに生卵がかけてあって・・ 半熟のTKG?っぽくなってる。 この前はちょっと驚いた。 午前最後の授業中に、 後ろの席の子が「なんかヘンな匂いがする」って。 匂いの元をたどったら、なんと私のお弁当。 白いご飯の上に、お刺身がのってて、お醤油が垂らしてあった。 多分これ、海鮮丼? ・・・だったやつ。 友だちは「ひどいね〜」とか言うんだけど、 私は、おじいちゃんの顔が浮かんできて・・ おかしくっておかしくって、笑いが止まんなくなっちゃった。 みんなは「お腹こわすよ〜」とか言うし。 仕方なく、用務員さんにお願いして、焼却炉に捨てさせてもらった。 とはいえ、友だちからおかずを分けてもらうのはちょっと・・・ だから購買でパンを買ってる。 人気の飛騨牛カレーパンは毎日争奪戦。 引っ越した日、おじいちゃん私に言ったんだよね。 『私は典型的な昭和男子だから。家事はあまりしたことがないんだ』 だけど、彩羽の弁当だけは私が作るから』・・・って。 感謝感謝。 でも・・・いつか言わなきゃね。 これ以上は無理しなくてもいいよ・・ 【シーン3:文芸部の朝バフ】 ◾️SE:小鳥のさえずり〜トーストの焼ける音〜ドリップコーヒーを煎れる音 「彩羽〜、朝ごはんだよ〜」 朝5時。 おじいちゃんがトーストを焼き、コーヒーを煎れる。 文芸部が朝活をスタートさせてから毎日この時間。 おじいちゃんはそれに付き合って朝4時起き。 朝食を用意してくれる。 年をとると朝早く目が覚めちゃうんだよ・・・ って言ってたけど、本当かなぁ。 少し焦げたトーストにバターをたっぷり塗って口に入れる。 急いでるときは、コーヒーで流し込んじゃう。 私、本当はご飯と味噌汁派なんだけど・・・ おじいちゃんが眠そうな目をこすりながら焼いてくれる、 焦げ気味のトースト。美味しいんだよなぁ。 そういえば昨日、先生に、 おじいちゃんのスマホの番号聞かれたけど、 なんだろう・・・ ちょっとだけ不安かも。 【シーン4:アプデした弁当】 ◾️SE:教室の雑踏〜おおっという小さな感嘆の声 お弁当箱の蓋を開けた瞬間、教室中がざわめいた。 みんな私の”お弁当ガチャ”に期待してたんだけど 中身は初めての”アタリ”。 なんと『あずき菜の”混ぜごはん”と タラの芽の”ごま和え”』。 あずき菜の塩気と滋味(じみ)がじっくりと染み込んだお米。 タラの芽の水分を吸い込んで、ようく馴染んだごま和え。 まるで、食べる時間を考えて作ったような・・・ え・・・? これ・・・ ホントにおじいちゃんが作ったの・・・? それからのお弁当は、アプデがもう半端ない。 おかずも一品でなく、どんどん増えていく。 朴葉味噌を具にしたおにぎり。 赤かぶを細かく刻んで入

    22分

評価とレビュー

5
5段階評価中
4件の評価

番組について

飛騨高山を舞台にした珠玉のボイスドラマをお届けします。コミュニティFM Hit's FM(Hida Takayama Tele FM) で放送中の人気ラジオ番組! ヒダテン!のCV声優10名 が入れ替わりパーソナリティを務める「Hit’s Me Up!(ヒッツ・ミー・アップ!)」の中で放送されているボイスドラマです!ボイスドラマを通じて飛騨高山の魅力に触れてみてください! <番組の特徴> ・ 飛騨高山を舞台にしたボイスドラマを多数制作! これまでに100本以上の作品を発表し、地元の魅力を物語として発信 ・ 放送情報   放送局1: Hit's FM(Hida Takayama Tele FM)   放送時間:毎週金曜10:30-11:00/毎週土曜13:30-14:00   放送局2: FMらら(FMラインウェーブ株式会社)   放送時間:毎週金曜13:00-13:30   配信:Spotify、apple(iTune)ミュージック、amazonミュージック、YouTubeミュージック、CastboxなどのPodcastで番組とリンクして配信中! 飛騨高山の美しい風景とアニメ文化をつなぐ、唯一無二のラジオ番組! 「Hit’s Me Up!」を聴けば、新たなエンタメの扉が開きます!

ボイスドラマ「Hits Me Up!」の他の作品

その他のおすすめ