ヒダテン!ボイスドラマ

飛騨高山を舞台にした珠玉のボイスドラマをお届けします。コミュニティFM Hit's FM(Hida Takayama Tele FM) で放送中の人気ラジオ番組! ヒダテン!のCV声優10名 が入れ替わりパーソナリティを務める「Hit’s Me Up!(ヒッツ・ミー・アップ!)」の中で放送されているボイスドラマです!ボイスドラマを通じて飛騨高山の魅力に触れてみてください! <番組の特徴> ・ 飛騨高山を舞台にしたボイスドラマを多数制作! これまでに100本以上の作品を発表し、地元の魅力を物語として発信 ・ 放送情報   放送局1: Hit's FM(Hida Takayama Tele FM)   放送時間:毎週金曜10:30-11:00/毎週土曜13:30-14:00   放送局2: FMらら(FMラインウェーブ株式会社)   放送時間:毎週金曜13:00-13:30   配信:Spotify、apple(iTune)ミュージック、amazonミュージック、YouTubeミュージック、CastboxなどのPodcastで番組とリンクして配信中! 飛騨高山の美しい風景とアニメ文化をつなぐ、唯一無二のラジオ番組! 「Hit’s Me Up!」を聴けば、新たなエンタメの扉が開きます!

  1. 4日前

    ボイスドラマ「星の降る里/朝日編」

    夕焼けの道の駅を出発し、二人は約19km先の星空を目指した。 秋神川のせせらぎ。 真っ暗な峠道。 足の痛みと、くじけそうになる心。 それでも隣には、出会ったばかりの友達がいた。 星夜が探す「フォーマルハウト」と、朝陽が探す「伊吹麝香草」。 二人が長い夜の果てに見つけたものとは・・・ 【ペルソナ】 ・星夜=せいや(16歳/CV:坂田月菜)=東京・広尾のマンションに住むJK。夏休みを利用して母の実家・久々野へ遊びにきた星空・星座オタクの若干厨二病気味「みなみのうお座」が見たい ・朝陽=あさひ(16歳/CV:蓬坂えりか)=朝日村で生まれ育ったJK。夏休みに自分の住む民家から鈴蘭高原の「星のベンチ」までナイトウォークを計画中。「伊吹麝香草」を採りにいきたい ・星夜のママ=(42歳/CV:山﨑るい)=20歳で久々野を出て東京のヘアデザイナーとして働く 【シーン1/高山線久々野駅ホーム】 ▪️SE:高山線鈍行列車が到着する音 ▪️SE:携帯電話の着信音 「もしもし?あ、おばあちゃん? うん。いま久々野駅。 あ、ちょっとだけ遅くなるかな。 え?うん、ホント。 だ〜いじょうぶだから。心配せんといて。 帰り?ああ、うん。電話するから。 ありがとう。うん、じゃあね』 心配そうな声で、おばあちゃんが電話してくる。 ま、そりゃそうだよね。 夏休みの無謀な計画を、今朝いきなりおばあちゃんに話したんだもん。 私の名前は、朝陽。 16歳。高校生。 朝日町に住んでいて、朝陽。 小さい頃はよくからかわれたけど、いまはすっかりお気に入り。 だって、自分の名前も、朝日町も大好きなんだもん。 1番線に高山行きの下り普通列車が入ってきた。 私はゆっくりと乗り込む。 特急をやり過ごし、上りの列車が入ってくるまでは、しばらく待ち時間。 私は『北天(ほくてん)の星』という本を広げて、読み始める。 こういう、のんびりした時間って大好き。 ▪️SE:ディーゼル列車(キハ)の車内音 【シーン2/高山本線高山行き鈍行列車】 ▪️SE:高山線下り普通列車が到着する音/走り込んでくる音 「はぁっはぁっはぁっ・・・」 美濃太田行き上り普通列車から降りてきた少女。 ってか、私と同じ歳くらい。 向かい側に停まっていた、この車両にすごい勢いで走りこんできた。 そんなに慌てなくても、目の前に停まってるのに。 おっきなスーツケースまで引いて。 列車を乗り間違えたのかしら。 ううん、違う。 ホームのお母さん?に手を振ってる。 列車が動き出すと、少女は振り向いてこちらへ歩いてきた。 「あの、ここ、座っても大丈夫ですか?」 「あ、はい。 どうぞ。空いてますから」 「ありがとうございます〜。よっこらしょっと」 なんか、面白そうな子。 私は本を読むふりをして、ちらちらっと彼女を見る。 すると・・・ 「それ、北天の星?スターアトラス?」 「え?」 びっくりした。 チラ見してたのバレたのかしら。 私は冷静を装って、返事をした。 「この本のこと?」 「あ、うん・・・そうそう。 いや、うちも星座とかガチオタだから」 「すご〜い。 スターアトラスなんて言葉、はじめて聞いた」 「星図のことだよ。ひょっとして星とか好き?」 「星は好き。 今日高山へ行くのも星に関係あるんだ」 「え?なに?なに?」 「あ、そのまえに・・私は朝陽。『朝』の『太陽』って書くの。 16歳、高校生よ。朝陽って呼んでね」 「あ〜ごめんなさい。 うちは、星夜。『星』に『夜』って書くんだ。歳はタメだよ。星夜って呼んで」 「星夜・・・。 かっこいい名前。うらやましいなあ」 「なんで?朝陽の方がいけてるし」 「ありがと」 「で、星に関係することって?」 「うん。『星空ベンチ』」 「”星空ベンチ”!?なにそれ!?」 「去年の11月にできたんだ。 鈴蘭高原ってとこにある、『星を見るためだけのベンチ』」 「え?すごぉい!」 「『バスが停まらない停留所』にあるの」 「やだ、なに?面白〜い!」 「でしょ。 その『星空ベンチ』まで、道の駅から歩いていくことを考えてるの。 ナイトウォーク」 「すごっ。 その道の駅から星空ベンチまではどのくらいあるの?」 「20キロ弱かなあ。 上り坂だから5時間くらいはかかる」 「すごすぎる! でも・・・めっちゃ興味ある!」 「今高山へ向かってるのは、その準備のため」 「どんな準備?」 「山道、夜道を歩くからね。 まずは野生動物対策のアイテム。 熊避けの鈴と爆竹、熊避けスプレー」 「ああ、確かに」 「遠くまで照らすヘッドランプ」 「ヘッドランプ?」 「そ。懐中電灯だと片手が塞がっちゃうでしょ。 行く先と足元を照らす、超強力なライト。 それをゴムバンドで頭に直接巻きつけるの」 「なるほどねー」 「2本バンドだと私みたいなポニーテールや 星夜みたいなツインテールでも髪型崩れにくいから」 「いいねー」 「あとは、簡易的なシュラフと防寒着かな」 「防寒着?高山こんなに暑いのに」 「なに言ってるの。 鈴蘭高原は標高1300メートルよ。 夜の気温は15度以下になるからね」 「そうなんだ。 でも・・・いいなあ・・・」 「え?」 「ねえ、朝陽・・・・うちも一緒に行っちゃだめ?」 「ええ〜っ?」 「うちも、高山にきたらやりたいことがあって」 「なに?」 「見つけたい星があるの」 「星?」 「うん。 フォーマルハウトっていう星」 「フォーマル・・ハウト?」 「夏の終わりの夜遅くから、南の夜空に輝き始める星」 「へえ〜」 「みなみのうお座の一等星だよ。 みなみのうお座って、フォーマルハウト以外はみんな暗い星ばかりなんだ」 「みなみのうお座?初めてきいた。 でもなんでフォーマルハウトが見たいの?」 「あのね・・・フォーマルハウトの別名は、”南の孤独星”。 ひとりだけで輝いてる星」 「ふうん」 「うちみたい」 「どういうこと?」 「うちこう見えて、東京じゃ友だちとか全然いないんだ」 「そうなの・・・?」 「ねえ、朝陽。お願い。 私も『星空ベンチ』へ連れてって!」 「え〜💦ホントに大丈夫? 途中、コンビニも自販機もないんだよ」 「ヘーキ」 「う〜ん・・・ 楽しいことばっかり言っちゃったけど、けっこう危ないよ。 お母さんとか許してくれる?」 「大丈夫。 うちが頼めば、ママ絶対OKだから」 「そっか・・・それなら・・」 なんて言っちゃったけど、大丈夫かなあ・・・ それにこの子、星夜。本気で言ってる? 結局、私と星夜は、市街地で一緒に買い物をした。 シュラフまで買っちゃったけど、本気で行くつもり? 帰りの列車に乗ったのは、夜7時前。 夕陽はもう傾いていた。 『星空ベンチ』ナイトウォークの日程は、聖夜の提案で新月の夜。 星が一番きれいに見えるからだって。確かにそうだ。 久々野駅に着くと、位山の上に宵の明星が輝いていた。 【シーン3/道の駅 ひだ朝日村/ナイトウォーク】 ▪️SE:ヒグラシの声 「星夜〜、こっちこっち」 「朝陽、お待たせ」 「ちゃんとお母さん、許してくれた?」 「うん。 その代わり、スマホのGPS共有させられちゃった。 それに、この前買った充電器だけじゃなくて、 ママのでっかい充電池まで持たされてる。重いのに」 「私もおばあちゃんとGPS共有してきたよ。 位置情報アプリでいつでも居場所を共有してる、ほら」 そう言って、私は朝陽にスマホの画面を見せる。 ダークモードで画面の明るさは最小。 GPS使うとバッテリーの減りが早いから。 よし、ぬかりはない。 「道の駅でよもぎのみたらしだんごか五平餅、食べてからいこうか?」 「わ、やった!食前デザートだね」 午後5時。 道の駅 ひだ朝日村。 建物も駐車場も夕陽がオレンジ色に染めていく。 「よし、いこ!」 「うん! あ、待って。出発の記念写真」 私は自撮り棒で2ショットをパシャ。 ▪️SE:シャッター音 あごピースでポーズをとる2人。 背景は乗鞍岳。 夕陽に照らされてオレンジ色から茜色に変わっていく。 「アーベントロート」のショーが始まっていた。 「めっちゃキレイ。加工いらんやつじゃん」 「ここからしばらくは、民家が続くから大丈夫だよ」 「国道を歩くんだよね」 「そ、秋神ダムまでは361号よ。 車はそこそこ多いから気をつけてね」 私たちは国道を東へ。 少しずつ山沿いの道に入っていく。 「知ってる?この道。別名『ぶり街道』」 「ブリ?なんで?高山って海ないじゃん」 「江戸時代にー、富山で獲

    ボイスドラマ「星の降る里/朝日編」
  2. 8月14日

    ボイスドラマ「星の降る里/久々野編」

    東京では、友達がいなかった。 だから彼女は、暗い星々の中でひとり輝く「南の孤独星」に、自分を重ねていた。 夏休み、飛騨・久々野へ帰省した星夜が、列車の中で出会ったのは、朝日町に暮らす同い年の少女・朝陽。 二人は約19km先の「星空ベンチ」を目指し、夜の山道へ歩き出します・・・ 【ペルソナ】 ・星夜=せいや(16歳/CV:坂田月菜)=東京・広尾のマンションに住むJK。夏休みを利用して母の実家・久々野へ遊びにきた星空・星座オタクの若干厨二病気味「みなみのうお座」が見たい ・朝陽=あさひ(16歳/CV:蓬坂えりか)=朝日村で生まれ育ったJK。夏休みに自分の住む民家から鈴蘭高原の「星のベンチ」までナイトウォークを計画中。「伊吹麝香草」を採りにいきたい ・聖夜のママ=(42歳/CV:山﨑るい)=20歳で久々野を出て東京のヘアデザイナーとして働く 【資料/映画「朝日町の絶景/星空ベンチ」(飛騨あさひ観光協会)】 https://www.hidaasahi.jp/観るスポット/星空ベンチ 【シーン1/高山線で久々野駅】 ▪️SE:高山線普通列車の車内音/シートに腰掛ける2人 「やばっ、充電器忘れたかも💦』 「なに、聖夜?ま〜た忘れ物?」 「ママ、駅にコンビニあるよね?』 「あるわけないでしょ、久々野駅に」 「ええええええ! 充電マジで終わるんだけどー!」 「行く先々でなんかググってばかりいるからでしょ」 「ググってないし!インスタでディグってるだけだし!」 「一緒じゃん」 「一緒じゃない!」 「とにかく、あんたが使ってるような可愛い充電器は、 高山まで戻んないと売ってないから」 「じゃ、ワンチャン行ってくるわ」 「は?ひとりで?」 「あたり前じゃん、うちのこと、いくつだと思ってんの」 「迷子とかなんないでよ」 「だーかーらー、いくつだと思ってんの?」 「16歳と3か月でしょ」 ママがいじわるそうな顔で笑う。 うちは星夜。 漢字で書くと「星」の「夜」。 渋谷区住みの、マジでイケてる女子高生! 夏休みを利用してママの実家・久々野に帰省してきたんだけど・・・ 高山着いてから鈍行への乗り換え時間が、2時間半って・・・ ガチでやばくない?ってか、うちら異世界転生すんの? やるじゃん、久々野・・・ 「星夜、もう久々野着くわよ。準備しなさい。 あら、反対側のホーム、高山行きがもう停まってるわ。 ちょっと。急がないと・・」 「あーいい。いい。 走るのだるいから次でいいわ」 「なに言ってんの。 山手線じゃないんだからね。 これ逃したら、また1時間以上待たないといけないのよ」 「マジ?」 「マジマジ。 だから、扉が開いたら、ダッシュで下りにかけこんで」 結局、うちらが乗ってきた美濃太田行きが久々野に着いたのは3時13分。 下りの高山行きが発車したのは3時14分だった。 誰がこんな時間割組んだんだよ! っとにもう〜 ▪️SE:全力で走っていく足音 【シーン2/高山本線高山行き普通列車】 ▪️SE:ディーゼル列車(キハ)の車内音 「はぁっはぁっはぁっ・・・」 ひっさしぶりの全力疾走。 しかもスーツケースひいてとか、ありえんし。 疲れたわ〜。 お、席あいてんじゃん。 同い年くらいの女の子の横。 ラッキー、座っちゃおっと。 「あの、ここ、座っても大丈夫ですか?」 「あ、はい。 どうぞ。空いてますから」 「ありがとうございます〜。よっこらしょっと」 「うふふ・・・」 久々野から高山までは、たった20分。 池袋から渋谷くらいじゃん。 なのに、1回乗り遅れたら1時間30分待ちってどういうこと〜。 なんてこと考えながら、ふと隣の席を見ると、 窓際の女子が、なにか本を読んでいる。 え・・・それって・・・ 「それ、北天(ほくてん)の星?スターアトラス?」 「え?」 あ、やば・・・つい心の声が口から出ちゃった・・・ 「この本のこと?」 「あ、うん・・・そうそう。 いや、うちも星座とかガチオタだから」 「すご〜い。 スターアトラスなんて言葉、はじめて聞いた」 「星図のことだよ。ひょっとして星とか好き?」 「星は好き。 今日高山へ行くのも星に関係あるんだ」 「え?なに?なに?」 「あ、そのまえに・・私は朝陽。『朝』の『太陽』って書くの。 16歳、高校生よ。朝陽って呼んでね」 「あ〜ごめんなさい。 うちは、星夜。『星』に『夜』って書くんだ。歳はタメだよ。星夜って呼んで」 「星夜・・・。 かっこいい名前。うらやましいなあ」 「なんで?朝陽の方がいけてるし」 「ありがと」 「で、星に関係することって?」 「うん。『星空ベンチ』」 「”星空ベンチ”!?なにそれ!?」 「去年の11月にできたんだ。 鈴蘭高原ってとこにある、『星を見るためだけのベンチ』」 「え?すごぉい!」 「『バスが停まらない停留所』にあるの」 「やだ、なに?面白〜い!」 「でしょ。 その『星空ベンチ』まで、道の駅から歩いていくことを考えてるの。 ナイトウォーク」 「すごっ。 その道の駅から星空ベンチまではどのくらいあるの?」 「20キロ弱かなあ。 上り坂だから5時間くらいはかかる」 「すごすぎる! でも・・・めっちゃ興味ある!」 「今高山へ向かってるのは、その準備のため」 「どんな準備?」 「山道、夜道を歩くからね。 まずは野生動物対策のアイテム。 熊避けの鈴と爆竹、熊避けスプレー」 「ああ、確かに」 「遠くまで照らすヘッドランプ」 「ヘッドランプ?」 「そ。懐中電灯だと片手が塞がっちゃうでしょ。 行く先と足元を照らす、超強力なライト。 それをゴムバンドで頭に直接巻きつけるの」 「なるほどねー」 「2本バンドだと私みたいなポニーテールや 星夜みたいなツインテールでも髪型崩れにくいから」 「いいねー」 「あとは、簡易的なシュラフと防寒着かな」 「防寒着?高山こんなに暑いのに」 「なに言ってるの。 鈴蘭高原は標高1300メートルよ。 夜の気温は15度以下になるからね」 「そうなんだ。 でも・・・いいなあ・・・」 「え?」 「ねえ、朝陽・・・・うちも一緒に行っちゃだめ?」 「ええ〜っ?」 「うちも、高山にきたらやりたいことがあって」 「なに?」 「見つけたい星があるの」 「星?」 「うん。 フォーマルハウトっていう星」 「フォーマル・・ハウト?」 「夏の終わりの夜遅くから、南の夜空に輝き始める星」 「へえ〜」 「みなみのうお座の一等星だよ。 みなみのうお座って、フォーマルハウト以外はみんな暗い星ばかりなんだ」 「みなみのうお座?初めてきいた。 でもなんでフォーマルハウトが見たいの?」 「あのね・・・フォーマルハウトの別名は、”南の孤独星”。 ひとりだけで輝いてる星」 「ふうん」 「うちみたい」 「どういうこと?」 「うちこう見えて、東京じゃ友だちとか全然いないんだ」 「そうなの・・・?」 「ねえ、朝陽。お願い。 私も『星空ベンチ』へ連れてって!」 「え〜💦ホントに大丈夫? 途中、コンビニも自販機もないんだよ」 「ヘーキ」 「う〜ん・・・ 楽しいことばっかり言っちゃったけど、けっこう危ないよ。 お母さんとか許してくれる?」 「大丈夫。 うちが頼めば、ママ絶対OKだから」 「そっか・・・それなら・・」 とは言ったけど、ママホントに許してくれるかなあ・・・ そのあと、うちと朝陽は、市街地でしっかり買い物をした。 なんか、渋谷でショッピングするより何倍も楽しい。 帰りの列車に乗ったのは、夜7時近く。 夕陽がもう沈みかけていた。 結局、『星空ベンチ』ナイトウォークの日程は、うちの提案で新月の夜。 星が一番きれいに見えるから。 ママは最初大反対してたけど、おばあちゃんが推してくれて、 条件付きでOKになった。 久々野駅に着くと、西の稜線に宵の明星が輝いていた。 【シーン3/聖夜の母の実家/久々野町大西地区】 ▪️SE:ヒグラシの声 「じゃ、行ってきま〜す!」 『星空ベンチ』ナイトウォークの日、 うちは待ち合わせの2時間前、午後3時におばあちゃんちを出た。 おばあちゃんちは、久々野町大西。 待ち合わせの道の駅 ひだ朝日村までは8kmくらいあるんだって。 渋谷から品川くらいか。 まあまああるじゃん。 しかもうちの格好は、ギャル寄りのアウトドア? トップスは、メンズサイズの白いグラフィックTシャツ。 それを、ミントグリーンのナイロン製ショートパンツにタックイン。 ボトムスには、UVカットと吸汗速乾を兼ね備えた、漆黒のコンプレッションレギンス。

    ボイスドラマ「星の降る里/久々野編」
  3. 7月24日

    ボイスドラマ「根古石」

    悪夢に苦しむ少女。失われた故郷。そして、姿を消した一匹の猫。 恐ろしくも切ない物語を、ぜひ最後までお楽しみください・・・ 【ペルソナ】※舞台は昭和35年春/荘川村中野から高山市(現在の市街地)へ ・さくら(15歳/岩波あこ)=祖父母と暮らす荘川村中野から高山市の親戚の家へ ・こうめ(15歳/坂田月菜)=高山市内にある旅館の娘。実は密かに金森の血統を守ってきた旧家 ・祖母(71歳/山﨑るい)=荘川村中野から親族の住む新淵へ ・七儺(岩波あこ)=さくらの夢に現れて苦しめる 【プロローグ:出会い】 ◾️SE:村の中の環境音 「さくら・・ 高山へ行っても元気でな。 しっかり勉強してこいよ」 祖母が目を潤ませて私を見送る。 祖父は何も言わず、寂しそうな顔をこちらに向けていた。 昭和35年。 1960年の春。 荘川村中野。 御母衣ダムの建設とともに、住人たちは引っ越しを始めた。 ある者は郡上八幡へ あるものは名古屋へ またあるものは東京へ・・ 荘川や白川村へ残る者はごくわずかだった。 私はさくら。 ここ荘川村中野で、祖父母との3人暮らし。 祖父母は高齢を理由に遠くへは行かず、荘川村に残る決断をした。 今後は新淵にある親戚の家で世話になる。 本来なら私も一緒に新淵へ行くはずだった。 だが今年はちょうど、中学卒業。高校進学の年。 高山にある名門の進学校・神山高校へ行く。 入学試験はこの春。3月。 受験したときは、まさか受かるなんて思ってもみなかった。 何も考えずに受験したので、合格してからは大変。 祖父母は私のために、親戚中へ掛け合った。 結局決まったのは、高山の叔父の家。 県事務所近くの古民家に居候。 通学は自転車。 雪が降ったら大変そう。 そして、今日が入学式。 祖父母が見送る中野のバス停。 祖父は必死で泣くのを我慢してる。 潤んだ瞳を見ていると 嬉しさよりも寂しさが募る。 私にも、心配事がひとつ。 新しい生活のことじゃない。 実は引っ越しが決まってから、サクラの姿が見えなくなっちゃったんだ。 サクラ、っていうのは、うちで飼っている三毛猫。 私と同じ名前。 私が生まれる前からいたから、もうかなりおばあちゃんのはず。 祖父母は、新淵への引っ越しが決まった日、 ”サクラをどうしよう?”ってすごく悩んでた。 聞くでもなく、私に抱かれたサクラは耳をそばだてていたけど・・ え? まさか・・心配かけないために、自分で姿を消したの? 翌日から祖父母と私・3人で、必死にサクラを探しまわる。 でも結局、入学式の今日まで、その姿を目にすることはなかった。 時間になり、遠くからバスがやってくる。 そのとき・・・ ◾️SE:ネコの鳴き声(ニャー) 「さくら?」 振り返ってもなにもない。 祖父も祖母も聞こえていないようだ。 やがて、乗合バスがバス停に到着。 私は後ろ髪を引かれながら、ステップを上がる。 庄川(しょうがわ)のせせらぎが雪解け水を運んでいた。 【シーン1:根古石】 ◾️SE:高山陣屋の環境音 「じいちゃん、ばあちゃんがいつまでも元気でいられますように」 桜山八幡宮。 秋の高山祭の舞台。 神山高校からの帰り道、 私は宮川沿いの参道から、八幡さまへ。 祖父母のことを思って真剣にお祈りした。 私の大切な家族。 見送りのときの顔が頭から離れない。 私は、まるで神様に呼ばれるように、毎日参道脇に自転車を停める。 でも、お参りする理由はそれだけじゃない。 「サクラが無事でいますように」 私が生まれたときから一緒の猫、 サクラのことも、ずうっと心に引っかかっていた。 八幡さまでは本殿に参拝。 そのあとは江名子川(えなこがわ)のほとりへ。 秋葉さまの前で自転車を停め、小さく頭を下げる。 初夏の遊歩道は風が気持ちいい。 安川通(やすがわどおり)から上三之町を通って市役所へ。 中橋を渡れば飛騨県事務所。 ここから叔父さんの家までは自転車で5分もかからない。 このコース、ちょっと遠回りだけど、私のお気に入り。 どうして県事務所の前を通るかというと・・・ 裏手に、『旧陣屋稲荷宮』っていうお稲荷さんがあるの。 そこで、ちょっとかわったものを発見したんだ。 『根古石』。 『根っこ』に『古い』に『石』と書く。 最初はなんなのかわからなかったけど。 先生に聞いたら、とっても悲しい伝説を教えてくれた。 それは江戸時代のお話。   郡代の娘が池のほとりで佇んでいると・・・ 可愛がっていた猫が唸りながら着物の裾をくわえて離さない。 まるでその場から娘を引き離そうとするように。 それを見ていた郡代は、 「畜生の分際で無礼な!」 と、腰にさした刀を脱いて一刀両断。 一太刀で猫の首を撥ねてしまった。 猫の首はそのまま池のほとりの松の木へ。 必死の形相で、そこにいた大蛇に噛みつく。 娘を狙っていた大蛇は、喉を噛まれて息絶えていた。 郡代は自分の早とちりを悔やんで、手厚く供養。 稲荷宮(いなりのみや)を建て、その傍らに大きな石を据えて祀った。 そう。これは、命をかけてお姫様を守った飼い猫の話。 その猫を祀った石が『根古石』。 私はひどく感動した。 だから毎日ここへきて手を合わせている。 忠義ある猫の供養と同時に、 『サクラ、お願い。元気でいて!』 猫の話を聞くと、どうしてもサクラと重なっちゃう。 もしかしてサクラ、 引っ越しする私たちのお荷物にならないように 姿を消したんじゃ・・・ サクラ・・・ 声が聞きたいよ・・サクラ・・・ 【シーン2:悪夢】 ◾️SE:高山陣屋の環境音 「おのれ〜! よくもわしの命を奪ったな〜! 許さんぞ〜!」 「ハッ!」 また、あの夢だ。 このところ、毎晩見る悪夢。 恐ろしいもののけの夢。 大蛇のような体。 頭には大きなツノ。 耳まで裂けた口。 猫のようにギラギラ光る目・・・ 猫・・・!? まさか・・・まさか・・・ サクラ? いや、そんなことはない。 絶対にありえない。 だけど、高山へ来てから、毎日この夢。 どうして・・・? 睡眠不足で勉強にも身が入らない。 明日から期末考査だというのに・・・。 【シーン3:ともだち】 ◾️SE:教室のチャイム(No.261849) 「ねえ、ひょっとして徹夜〜? 目の下のクマ〜 勉強が好きなんだね」 「え・・あ・・・えっと・・・」 「こうめ。 私の名前よ」 「あ・・・こ、こうめさん・・・私は・・」 「さくらさん、でしょ?」 「あ・・・うん」 「よろしくね。 どうやって話しかけようかと思ってたの」 「・・・どうして?」 「あなた、帰るとき、いつも上三之町、通っていくでしょ」 「なんで知ってるの?」 「私の家も、そっちだから」 「そうなんだ」 「上三之町で旅館をやってるの。 江戸時代から続いてる、古〜い旅館」 「へえ〜」 「さくらさんも上三之町に住んでるの?」 「ううん。うちは県事務所からずっと南へ下ったとこ」 「え〜。じゃなんで?」 「あのへんの雰囲気が好きなんだ」 「そうなのね」 初めて言葉を交わしたのに、 私とこうめは旧友のように喋り続けた。 私が荘川出身だということ。 住んでいた村がダムに沈むこと。 私は高山へ来て初めて、自分のことを他人に話した。 こうめも自分のことを、あっけらかんと話してくれる。 こうめの家は、古くからの女系家族らしい。 代々婿養子を迎えて、血筋を絶やさないようにしていた。 「それから・・・これはあまり大きな声で言えないけど」 もったいぶって話しだしたのは・・・ 「実はうち・・・陰陽師の血統なの」 「え・・・陰陽師って・・」   「そう・・・この世の闇と光、陰と陽のバランスを司る存在。 結界を張り、式神を使役し、牙をむく妖魔をあの世へ送り返す。 陰と陽、どちらにも属しながら、その境界を守り抜くのが私たち・陰陽師の宿命よ」 「す・・・すごい・・」 「うちは代々女系家族だって言ったじゃない」 「うん」 「穢れ(けがれ)を浄化する能力は、一族の女性にしか遺伝しないの。 うちがやってる『おもてなしの心』そのものが式神や結界を動かすエネルギー。 代々の女将はそれを仕切っているんだ」 「そ、そうなんだ・・・ でも、どうしてそれを私に話すの」 「ふふ・・・ あなたもう気づいてるんでしょ?」 「え・・・なに?」 「最近、あなたの周りで変なことが起きていること」 「あ・・・」 「さあ、今度はあなたの番よ。私、自分のこと打ち明けたんだから」 「う・・」 「その目

    ボイスドラマ「根古石」
  4. 7月17日

    ボイスドラマ「覚醒」

    80年前の朝日村。 戦争孤児の少女と、正体を隠して生きる少女。 二人の出会いが、現代へ続く「覚醒」の物語を動かし始めます。 飛騨に伝わる八百比丘尼伝説を描いた和風ホラーボイスドラマです・・・ 【プロローグ:出会い】 ◾️SE:村はずれの辻の環境音/〜駆けつける足音 八夜の泣き声「お願いです、通してください。私はただこの村に用があって」 「おまえら!なにしとるんや!」 「なんじゃあ?伽耶! 邪魔するなて」 「大人がよってたかって、女子(おなご)をいじめるとはなにごとや!」 「女子 って、お前も同じくらいの歳やろうに」 そうだ。わしと同じくらい。 十六か十七くらいの女の子が、目の前で泣いている。 「それにいじめとるんやないぞ。 このガキが、村に入ろうとするからじゃ」 「ええやないか。入れてやれば」 「あほか。 ただでさえ、食糧難やっちゅうのに、 これ以上よそもんに食い扶持減らされてたまるか」 「おまえらだって、 名古屋とか大阪から疎開してきた、よそもんだろ」 「うるせえ。 つべこべ言うと、お前も村から叩き出すぞ、伽耶!」 怖い顔して私を睨みつける疎開者たち。 1946年。益田郡(ましたぐん)朝日村。 終戦からまもなく1年が経とうという頃。 朝日には名古屋や大阪から、疎開者がぞくぞくとつめかけた。 なかでも多かったのは引揚兵や復員兵たち。 小さな村はよそものでごった返していた。 ただでさえ平地が少なく、米の収穫量が限られている朝日村。 急激な人口流入は激しい食糧難をもたらした。 配給や耕作地をめぐる諍いも毎日絶えない。 疎開者たちは森を切り拓いて自分たちのために畑と住処(すみか)を作った。 林業に関わっていく者も多い。 彼らはいつも数人で村の辻に立ち、入ってくる者を見張っていた。 「ええか。ガキ。 十(とお)数えるうちに出ていかんと、痛い目を見るぞ! いち!」 「待て! この子はわしが面倒みる。連れてくぞ」 「おいおい。 ガキがガキの面倒みるってか」 「うるさい。 そんなこと言っとってええのか。 今度腹痛(はらいた)になっても薬草を煎じてやらんぞ」 「う・・なんだと・・」 わしは、少女の手をとり、うちへ向かって歩いていく。 疎開者の男は恨めしそうな顔でわしを睨んでいた。 【シーン1:ともだち】 ◾️SE:朝日川のせせらぎ/小さな足音 「ありがとう」 消え入りそうな声で少女が呟く。 「助けてくれて」 「ええんやよ。 わしだって、もともとよそもんやし」 「どういうこと?」 「戦時中はわしも疎開者やったんだて」 「え・・」 「実家は名古屋や。 戦況が悪化した去年の正月。 とうさまとかあさまは、わしをひとりでここ、朝日村へ行かせたんや。 「そうなの・・」 「そのすぐあとで名古屋の大空襲や。 B29が、とうさまとかあさまと家を焼き尽くした」 「そんな!」 「新聞もなんも教えてくれんからな。 わしが知ったのは、5月になってから。 名古屋城が焼け落ちた、ってみんな騒いどった頃や。 ちょうどそのころ、 疎開先のここへとうさまとかあさまのお骨が届いた」 「やだ・・」 「お骨ったって、骨なのかどうかもようわからん。 砂みたいな焦げカスだけや。 その中に手紙がねじこまれとったわ」 「手紙・・?」 「親戚のおじさんからでな。 みんな、家も焼けてしもうたで、帰ってくるな。 お骨はそっちで弔ってくれ、って」 「ひどい・・」 「ああ。でも戦争なんて、そんなもんやろ。 そういうわけでわしは戦災孤児になった」 「そう・・」 「今からいくんは、わしのうちや。 炭焼き小屋だけどな。 杣衆(そましゅう)の面倒みてやるかわりに、住まわせてもろうとるんじゃ」 「面倒・・?」 「うん。わしには薬草の知識があるからな」 「薬草?」 「ああ。よもぎとかクロモジとか。 朝日には掃いて捨てるほどあるじゃろ。 わしが疎開する前、かあさまが薬草のこといろいろ教えてくれてな。 これは食べれる。 これは食べたらあかん。 ゲンノショウコってやつは腹の具合がわるいときに煎じて飲む。 ドクダミは便秘に効く。 ヨモギは風呂に入れて疲れをとれ。 怪我したら、クロモジの葉を粉末にして止血しろ・・・」 「すごい・・」 「なんか感じるものがあったんじゃろなあ。 かあさまは一生懸命わしに知識を詰め込んだわ。 結局、その知識を活かして、 杣衆たちの体調管理と、薬膳料理を作ってやっとるんや」 「素敵なおかあさま・・」 「そうやな。 こうして生きていられるのも、かあさまのおかげやな」 「いいお話・・・ ねえ、おうちはもうすぐ?」 「まだまだ先や。 あと1時間以上は歩くぞ。大丈夫か?」 「平気よ」 「秋神川を上っていくで。 小瀬ヶ洞(おぜがほら)って集落から山の中へ入る」 「あなた、名前は? さっき、伽耶って呼ばれてたけど」 「そう。伽耶。 御伽噺(おとぎばなし)の『とぎ』という字に、有耶無耶(うやむや)の『や』。 まるで御伽噺みたいに、戦争で人生有耶無耶にされとるから。はは。 そうそう。萱(かや)って薬草もあるんだ。 心を穏やかにする作用があってね」 「へえ〜。 ・・・あ、私は八夜。八夜って呼ばれてる。 八つの夜。 でも本名は八百代姫(やおよひめ)」 「八百代姫?お姫様なの!?」 「違うよ。 私の生まれた時代、女の子にはみんな姫ってつけてたの」 「時代って。 私とそんなに変わんないでしょ。 まだ16よ、私」 「そうだね・・・」 「八夜はどこからきたの?」 「小浜」 「小浜ってどこ?」 「若狭よ。遠敷郡(おにゅうぐん)小浜町」 「北国(ほっこく)の方?」 「そう。海がきれいなまちよ」 「海!いいなあ。 戦争が始まる前に、行ったっきり」 「今度、おいでよ」 「うん、いきたい!」 「約束ね」 指切りをする八夜の手はすごく冷たかった。 驚きを気取られないようにして、 私は、秋神川のほとりを足早に歩く。 渓谷に沿ったひたすら一本道。 秋神川には、御嶽山からの雪解け水が激しく流れる。 やがて、見えてきたのは小瀬ヶ洞の集落。 そのまま蜘蛛だ淵を通り過ぎる。 淵は川底が見えないほど、深い闇の中。 私はいつもここを通るとき、目を閉じて通り過ぎる。 蜘蛛の糸に引きずり込まれないように。 集落を抜けて森の中へ入れば、炭焼き小屋までは20分くらい。 森へ入るには、小さな吊り橋を渡らなければならない。 「吊り橋を渡るんだ。すてき」 「ねえ、ついさっき・・・ 1時間くらい前に会ったばっかりなのに、私たち、もうともだちみたいだね」 「ともだち・・・?」 「うん。 私、里にはあんまり行かないから、ともだちなんていないんだ」 「そうなの?」 「さっきはたまたま、久々野に薬草売りにいくところだったの」 「ああ、ごめんね。邪魔しちゃって」 「いい、いい。 だって、ともだちができたんだもん。 お金には換えられないよ」 「ホントに・・私のともだちになってくれるの?」 「やだなあ。もうともだちじゃない」 「ありがとう・・・」 え・・・ 八夜・・泣いてるの? 心配して顔を覗き込もうとすると・・ 「あのね、伽耶」 そう言うと、懐から小さな包みを取り出した。 「これ、あげる」 それは、片手よりも小さな桐の箱。 中からとり出したのは・・ 「干し肉よ」 「干し肉?」 「とっても貴重な干し肉」 「え・・・そんな大事なものなんて、もらえないわ」 「初めてできたともだちにもらってほしいの」 「そんな・・・」 「なにか大きな病にかかったり、大怪我をしたときに食べて」 「くすり?」 「まあ・・・くすりみたいなもの」 そう言って、八夜は私に桐の箱を手渡す。 森の奥深く、木々の向こうに、粗末な炭焼き小屋が見えてきた。 ◾️SE:犬の声 「あ、クコだ」 「クコって?」 「犬よ。 野犬だけど私になついていて、飼ってるみたいなもん」 「犬・・・」 あれ?なんかいつもと違う。 クコは凶暴に吠えたてながら私たちのもとへ走ってくる。 私はとっさに八夜をかばって、前に出た。 「いや・・」 「クコ!どうしたの!? そんなに吠えて。 やめて。 私の大事なおともだちなのよ」 「伽耶・・」 クコは唸り声をあげて私たちに飛びかかる。 私は顔を背けた。 その瞬間・・・ 「あっ!」 手に持っていた桐箱をくわえて、そのまま森の中へ走り去った。 「ああ!」 「クコ!返して!戻ってきなさい!」 「そんな・・そんな・・・」 私は、炭焼き小屋

    ボイスドラマ「覚醒」
  5. 7月10日

    ボイスドラマ「スイートラディッシュ」

    高校では目立たない存在。 だけどネットの世界では、何万人ものファンに愛される人気VTuber。 そんな二つの顔を持つ女子高生・ナヴィが主人公の物語です。 【ペルソナ】※ナヴィはフランス語で「赤かぶ」 ・ナヴィ(17歳JK)=高山市内の高校2年生。陰キャでコミュ症。対人恐怖症。だが裏の顔は・・ ・スウィートラディッシュ=全国的に大人気のVtuber。通称『スイラジ』すべてが謎 ・ジン(17歳)=高山市内の高校2年生。祭り屋台に命をかける祭り男子。だが裏の顔は・・ ・フェニックス=スウィートラディッシュと人気を二分するイケメンVTuber。通称『ホウ』 ・イチゴ(17歳/CV=岩波あこ)=スイラジガチ推しの同級生。別に友達ではない ・ナヴィのママ(CV=山﨑るい)=Vtuberのことはよくわからないけど薄々気づいている 【プロローグ:LIVE配信】 ◾️SE:アニソンのアウトロ〜 「みんな〜!おつラディ〜!スイートラディッシュの”歌ってみたライブ”、最後の曲は 『アイニキテ』でした〜! アンコールのコメントもたくさんありがとう〜! ア〜シの想い、”ラジ部”のみんなに届いたかな?っ。 次の配信は来週! スケジュールはXに載せるから、ちゃんとチェックして待っててね? 遅刻は厳禁だよ〜! 忘れたらおこだからね〜 ハッシュタグはいつもの『スイラジ』〜 そしゃ、バイバイ!」 「あれ・・、いまアタシ、なんてった? あ〜、まいっか」 ◾️SE:LIVE終了の音「ピ」 ア〜シはスイートラディッシュ。 通称”スイラジ”。 みんな知ってる、人気ナンバーワンのアイドルVtuber。 今夜のライブ配信も、10,000人以上のファンが参加してくれた。 バーチャルスタジオをレンタルして、 3曲もうたっちゃったからねー。 スイラジのビジュは、王道のアイドル系。​​ ゆるふわに巻いた高めのツインテール。 赤かぶをモチーフにしたリボン付きの結び目。 ラディッシュのしずくをイメージしたチョーカー。 トップスは赤白のギンガムチェックのビスチェ。 デコルテがきれいに見えるハートネック。 肩口はシースルー素材のパフスリーブ。 ボトムスはボリュームたっぷりの3段フリルミニスカート。 腰の後ろには、赤かぶの葉をイメージしたオーガンジーリボン。 ダンスするたびにひらひらと揺れる。 スイラジは、大手事務所に所属せず、フリーで活動中。 ゲーム実況とかはやらずに、フリートークと歌がメイン。 アイドルVtuberの世界では、イケメンVのフェニックスと人気を二分してる。 ・・・っと あ、あか〜ん。もうこんな時間やん。 勉強やんなきゃ。 明日期末なのに〜 そう。 スイートラディッシュの中の人は、 ア・タ・シ・・現役JKのナヴィ。 市街地の高校に通う二年生なんだ。 仮想世界ではバリバリのアイドル。 1万人の前でも余裕で歌えんのに、リアル出ると・・・ マジ無理。詰む。 だってアタシ、陰キャ、コミュ症なんだも〜ん! 【シーン1:期末1日目】 ◾️SE:教室のチャイム やっぱりだめだったぁ。終わった〜。 英語も歴史も数学も全滅。まじで1ミリも分かんなかった〜。 余裕で赤点だ〜。 期末前日にライブ配信やるなんて・・・ バカじゃん、アタシ。 「ねえ、昨日のスイラジ見た?」 え? 「そうそう、あの最後の・・」 昨日のアタシのライブのこと? 「だよね!言ったよね。 『そしゃ』って」 あ・・・ 「うんうん。やっぱそうじゃない。 スイラジってさ・・」 やばっ。 「高山住み〜!?」 やらかした〜。 やっぱバレてたか〜。 「ひょっとして私たちの周りにいたりして〜? きゃ〜!」 期末1日目終わったあと、みんな教室に残ってだべってる。 ってか、みんな昨日ライブ見てたの? 期末前日に。 でもでも。 どうする? 「ほ〜んとにいるかもよ〜」 さっきからずっとマウントとってるイチゴと・・ 目が合った・・・ え? 一瞬の沈黙。 そして・・・ 「ないない!」 はぁ〜っ。 よかった、アタシ。陰キャで。 と思ったそのとき・・・ 「ちげーよ」 ジン・・・ 「スイラジがこんなとこにいるわけないだろ」 いるけど・・・ 「それに『そしゃ』なんて言ってない。 『そいじゃ』の聞き間違いだよ」 「え〜そうかな〜。 『そしゃ』って言ったじゃん」 うん。言った。たぶん・・・ 「なコトより、明日の試験、いいのかよ。 早く帰らなくても・・」 「あ、やばっ。 帰るわ。 ばいちゃ」 「昭和かよ。ったく。 じゃ、オレも帰るわ。 お前も早く帰れよ、ナヴィ」 「あ・・・うん・・・」 「じゃあな」 アニメの主人公みたく爽やかに、ジンが教室を出ていった。 そういえば、子どもの頃はよくジンと遊んだな・・・ コミュ症のアタシをいつも外に連れ出してくれたジン。 毎日のように遊んでたのに・・・ 中学の門をくぐり、高校に入ると、まったく会話はなくなった。 みんな慌てて帰り、たった一人残った教室。 夕陽がアタシを赤く染めていった。 【シーン3:期末が終わって】 ◾️SE:教室のチャイム 「終わったぁ〜。期末ぅ〜。 おつラディ〜!」 教室のあちこちから『おつラディ』という通称『ラジ語』が飛び交う。 結局、アタシの高2・二学期の期末は、史上最悪の点数で幕を閉じた。 「ねえちょっと、みんな。知ってる?」 アタシに背中を向けたイチゴが、陽キャ一軍界隈のメンツを集める。 なんで、いつもアタシのすぐ横なの? 知らんけど。 「スイラジの中の人・・梨柿(リカ)らしいよ」 ▪️クラス中にどよめきがおこる「ええ〜っ」 リカ、というのはクラスでいっちゃん可愛い、って自分で言ってる女子。 今までも、原宿行ったらスカウトされた、とか、 人気インフルエンサーとつながってる、とか、アピってたっけ。 「この前もリカ、帰るとき『そしゃバイバイ』って言うからさ。 こっちが『えっ?』ってなったら、 『やばいやばい!』ってガチ焦りで帰ってったわ」 ふう〜ん。 ま、いいんじゃない。 これで、誰もアタシに疑惑の目は向けないだろうし。 ん? なことしなくても、そもそも誰もアタシのことなんて気にもしてないか。 へへっ。 ニヤけた顔で黒板の方を向くと、怖〜い顔でジンがアタシを睨んでた。 え?なんで?アタシ、なんか、悪いことした? アタシが悲しそうな顔になると、ジンは無視して教室を出ていく。 なんかアイツ、最近やなやつ。 【シーン4:食卓にて】 ◾️SE:食事中のガヤ 「ちょっと〜、ナヴィ。 食事中にスマホさわんないで」 「え〜。だってママ〜。 この前のライブの再生数、あんまし伸びないんだもん」 「くだらないこと言ってないで、ちゃんと味わって食べなさい。 あげづけの冷や奴と、あげづけの挟み焼きよ。 あんたの大好物でしょ」 「え? やった!いっただきま〜す!」 「はぁ〜。さっきから目の前に置いてあるのに・・・っとにもう」 さっと炙って細かく切ったあげづけに、旬のみょうがをどっさりのせた冷や奴。 醤油ベースの旨味と、みょうがの爽やかさが絶妙。喉越しもう神!って感じ。 あげづけの間に大葉ととろけるチーズを挟んだ、挟み焼き。 トースターでカリッと焼いたこの食感。 もうマジ、やばみ〜! 「あんた、ライバーだかワイパーとか知んないけど、 次のテストで赤点とったら、パソコン没収するからねー」 「え〜〜〜〜!?」 「ったりまえじゃない。 学生の本分は、勉強なのよ、わかってる」 「わかってま〜す」 「じゃ、しっかりやんなさい」 やっぱり、今回の期末で過去最低スコアだったからな〜。 ママもパパも相当ビビってたし。 配信の回数、少し減らそうかな・・・ そんな後ろ向きのことを真剣に考えているとき・・・ ◾️SE:DMの着信音 SNSのDMが届いた。 『よぉ、スイラジ。 最近配信が止まってるやん。 ひょっとして俺にビビり散らかして逃げた説ある?』 フェ、フェニックスぅ〜!? 『そうじゃないなら、 今週末”タイマン・コラボ生配信”で白黒つけようぜ』 この〜! クソイケVが〜 『今週の日曜、21時。 枠はこっちのチャンネル。 内容は”歌とセリフ対決”。 リスナーのリアルタイム投票で勝敗を決める。 言い訳なし。 負けた方は、次回の配信から、ずうっと飛騨弁で雑談すること」 な、なんだとぉ〜!? こいつ、なにか知ってるのか〜! 『ま、スイラジがガチでビビってんなら、そのままバックれてもいいけど?笑 逃げないなら、日曜の夜、画面の裏で待ってる。そしゃ』 くっそ〜。

    ボイスドラマ「スイートラディッシュ」
  6. 7月3日

    ボイスドラマ「クロモジ」(後編:朝日町編)

    飛騨の山々に自生する薬木「クロモジ」。 その爽やかな香りは、人の心をほっと落ち着かせてくれます。 福地山の山中で出会ったひとつの出来事。何気ない日常の中で見失いかけていた想い。そして、誰かを思う気持ち。 自然の恵みと人とのつながりを描いた、心温まる物語・・・ 【ペルソナ】 ・よもぎ(26歳/CV:蓬坂えりか)=カフェ「よもぎ」オーナー。漢方薬剤師。薬草を求めて奥飛騨温泉郷福地温泉の山へ入ったとき道に迷ってしまう→冷静なよもぎは薬草掘り用のスコップを岩にうちつけて、国際基準となっている山の遭難信号のリズムを鳴らす ・シズル=シュウ(38歳/CV:日比野正裕)=東京で働いていたマーケティング会社を辞め、地域おこし協力隊として奥飛騨温泉郷福地温泉に移住。福地温泉を選んだのは元々化石に興味があったから。現在は信飛トレイルの活動に関わり、福地温泉の旅館を手伝いながら平湯のカフェにも集まる 【シーン1:再会/カフェよもぎ】 ◾️SE:カフェの雑踏 「よもぎちゃん、そのヘンテコな置物はなんだい? こないだから気になっとったんやけど」 「これ? 三葉虫のペーパーウェイトよ。レプリカだけど」 「へえ〜 なんか形とか大きさとかアレみたいやな。 あの、ほれ、ゴキ・・」 「やめてよ、マサさん。 これ、オリジナルで作ってもらったのよ。世界でひとつだけのウェイトなのに」 「作ってもらった?だれに?」 「ないしょ」 「おお、おお、すみにおけんな、よもぎちゃんも」 常連客のマサさんが、三葉虫を指差してからかう。 1週間前に、シズルさんが作ってくれた、ちょっぴり歪なペーパーウェィト。 彼が持っている化石で型をとって作ってくれた。 ここは朝日町の薬膳カフェ『よもぎ』。 私はオーナーのよもぎ。 今日もたくさんのお客さんで賑わっている。 ◾️SE:カフェの雑踏〜お客さんの来店を告げるカフェベル 「いらっしゃいませ・・・あ・・ シズルさん・・」 「よもぎさん・・きちゃった・・・ すみません・・連絡もせずにいきなり」 「いえ、そんな・・大歓迎よ」 「おお〜。 王子様の登場やな」 「もう〜。マサさん! こんど言ったらもう漢方の処方してあげないから」 「あはは・・・」 「さ、すわって」 「はい、ありがとうございます」 「まずはこれ、どうぞ」 「あ・・」 「トウキとクロモジの『巡り(めぐり)アロマ茶』よ」 「ああ、この前の・・」 「トウキは冷え性の改善、クロモジは胃腸を整えるの」 「へえ〜」 「クロモジっていうのは、よもぎと並ぶ朝日の至宝。 このお茶は、奥飛騨と朝日のイイトコどり」 「そうなんだ」 「食前茶よ、召しあがって」 「食前茶?」 「そ。ランチ、食べていけるんでしょ」 「うん! ひょっとして薬膳ランチ?」 「そうよ、召しあがって」 「楽しみだな〜」 私がその日、シズルに出したのは、薬膳参鶏湯(サムゲタン)。 レシピはもちろん、この前福地で採取した薬草たち。 トウキの根、ナツメ、クコの実に、もち米を入れてトロトロに煮込む。 臭み消しと香り付けにもクロモジの枝を入れてある。 薬膳参鶏湯、実はあれから毎日準備してたんだ。 シズルさんがいつきてもいいように、って。 我ながら私って、ピュア。ふふ・・ 「すっごく美味しい! 体中がポカポカしてくる」 「そおかぁ、こんところ毎日ランチがサムゲタンだったのは こういうことかぁ」 「マサさん、うるさい。 ヘンなこと言ってると、蜘蛛だ淵へ引きずり込むわよ〜」 「お〜こわ〜。女郎蜘蛛よもぎかぁ」 「もう〜」 「ねえ、よもぎさん」 「なあに?」 「クモダブチってなに?」 「ああ、蜘蛛だ淵? そうねえ・・・ よかったらランチのあと行ってみましょうか」 「あ、はい」 好奇心満開で私たちを見るマサさん。 それを横目に、私たちはお店を出た。 留守番を頼んだおばあちゃんは、何も言わずにニコニコしている。 シズルのSUVで秋神ダムへ。 真上から照りつける太陽は、もう夏の準備を始めていた。 【シーン2:仄暗い水底より/秋神ダム・蜘蛛だ淵】 ◾️SE:ダム周辺のざわめき〜野鳥の鳴き声 「これが秋神ダムかぁ」 「蜘蛛だ淵はあのあたりかな」 「ダムの底?」 「メンテナンスで水抜きするときか、 夏に渇水になるときじゃないと見えないわ」 「水位が下がると見えたりするの?」 「そうねえ。 谷筋(たにすじ)って言って、秋神川の元のルートがうっすらと見えることがあるの」 「見てみたいなあ」 「ひかれるわよ〜」 「どういうこと?」 私はシズルさんに蜘蛛だ淵の伝説を語る。 むか〜しむかし。秋神川の奥深く。 小瀬ヶ洞(おぜがほら)っていう小さな集落があったの。 川の中には、深くて、吸い込まれそうなほど大〜きな淵。 それが『蜘蛛だ淵』。 『蜘蛛だ淵』には、恐ろしいほど大きな蜘蛛のヌシが住んでいた。 ある日、一人の木こりが、淵のそばで一休みしていたとき。 細くて白い糸が、どこからともなく、すうっと伸びてきて、木こりの足首に巻き付いた。 糸の先を見ると、深い深い水底へと繋がっている。 『まずい!』 そう思った木こりは、足首の糸をそっと外して、 すぐそばにあった大きな切り株に巻き付けた。 すると、淵の底から地響きがして、切り株が、根っこごと引き抜かれる。 そのまま凄まじい水しぶきを上げて淵の底へ沈んでいった・・・ おしまい。 「こっわ〜っ」 「そう?」 「え、なんで? だって、それって、恐ろしい化け物だろ、蜘蛛の」 「どうして? 木こりは助かったのよ」 「え・・」 「切り株を水底へ引きずり込んだ蜘蛛のヌシは、すぐに気づいたと思う。 自分が命がけで引っ張ったものが、ただの冷たい切り株だったって。 ヌシはね、人を襲いたかったんじゃないのよ。 深い深い、誰も光を届けてくれない冷たい水の底。 何百年も、たった一人で寂しかったんじゃないかな。 ただ、誰かに触れてほしくて、誰かと繋がりたくて・・・ 精一杯糸を伸ばしただけだったのかも。 だから、だまされたと知った蜘蛛のヌシは、 それから二度と、水面に糸を伸ばすことはなかったの。今、『蜘蛛だ淵』はダムの底に沈んで、もう誰も見ることはできないでしょ。 あの冷たい水の、さらにその底。 誰も来ない暗闇で、ヌシは今でも静かに、誰かを待っているのかもしれない・・・ 「そっか・・・ 伝記や伝説って、そういう見方もあるんだね」 「そうよ。 両面宿儺だってそうじゃない。 日本書紀であんな風に書かれて。 本当は七儺(しちな)っていう鬼や災害から飛騨を守ったのに」 「よもぎさんがそんな風に考えるなんて意外だな」 「そう? 実は私、シズルさんには言ってないけど・・」 「なに?」 「待っている人がいるの・・・いや、いたの。・・・過去形かな」 「え・・」 「シズルさんが以前住んでた東京に」 「そうなんだ・・」 「でも、その人、帰ってくるかどうかも、わかんない」 「どういうこと・・・?」 「繋がってると思ってた糸は・・切れちゃったみたいだから」 「よもぎさん・・・」 「ごめんね、変な話して」 「いや、そうじゃなくて・・・実は私も話があるんだ」 「話・・?」 「私は、来週から東京へ行く」 「え・・東京?」 「東京・丸の内の大手企業にプレゼンしてくるんです。 福利厚生として、朝日のクロモジを使った薬草プログラムと、 信飛トレイルでのリトリートツアーを導入する、ウェルネスビジネス。 起業したばかりの私の会社と東京の大手企業との、公式な提携合意書。 それを手土産にして戻ってくる」 「すごっ」 「契約の手続きやユーザー研修があるからしばらく帰れないけど」 「そうなの・・・」 「待っていてくれませんか?」 「え・・・」 「展開早すぎかもですが・・・」 「そんなことないわ」 「え?」 「じゃあ、東京へ行く前に糸をしばっておかないと」 「よもぎさん・・」 そう言って私は、背中からシズルを抱きしめた。 シズルは何も言わず、胸の前で私の手を優しく包み込む。 秋神ダム・蜘蛛だ淵から伸びる透明な蜘蛛の糸。 それは私たちの心を静かに、しっかりと結んでいった。 【シーン3:帰還/カフェよもぎ】 ◾️SE:カフェのざわめき あれから半月。 たった2週間が1年にも10年にも感じられた。 シズルが東京へ発った日から作り始めた、クロモジの薬草エキス。 乾燥させたクロモジの枝と葉を、ウォッカ

    ボイスドラマ「クロモジ」(後編:朝日町編)
  7. 6月26日

    ボイスドラマ「トウキ」(前編:奥飛騨温泉郷編)

    飛騨の山で受け継がれてきた薬草「トウキ」。 古くから女性の健康を支える薬草として知られ、人々の暮らしとともに歩んできました。 福地山で起きた予期せぬ出来事。山の厳しさと優しさ。そして、人を信じる心。 飛騨の自然と薬草文化を背景に描く感動の物語・・・ 【ペルソナ】 ・シズル=シュウ(38歳/CV:日比野正裕)=東京で働いていたマーケティング会社を辞め、地域おこし協力隊として奥飛騨温泉郷福地温泉に移住。福地温泉を選んだのは元々化石に興味があったから。現在は信飛トレイルの活動に関わり、福地温泉の旅館を手伝いながら平湯のカフェにも集まる ・よもぎ(26歳/CV:蓬坂えりか)=カフェ「よもぎ」オーナー。漢方薬剤師。薬草を求めて奥飛騨温泉郷福地温泉の山へ入ったとき道に迷ってしまう→冷静なよもぎは薬草掘り用のスコップを岩にうちつけて、国際基準となっている山の遭難信号のリズムを鳴らす 【シーン1:遭難信号】 ◾️SE:森の中の野鳥 =スコップを岩に打ち付ける音/「カン!」と1回鳴る 「え? いまの音・・・」 ◾️もう一度スコップを岩に打ち付ける音/「カン!」と1回鳴る 「7、8、9・・・ まさか・・・」 ◾️スコップを岩に打ち付ける音/「カン!」と1回鳴る(以降等間隔で合計6回鳴る) 「1分間に6回・・ 間違いない、救難信号だ」 山岳遭難信号。 これを使うということは、熟練のハイカーか・・ とにかく、音のする方向を見定めよう。 ◾️スコップを岩に打ち付ける音/「カン!」と1回鳴る(合計6回まで) 雨上がりの奥飛騨温泉郷・福地温泉(ふくじおんせん)。 立ち込める霧の彼方から、かすかな遭難信号が響いてくる。 私の名前はシズル。 福地温泉を拠点とする地域おこし協力隊だ。 かつては、東京・丸の内で働くAI分析アナリスト。 その仕事を辞めて、福地に移住してきたのが3年前。 移住の目的は、地域おこし協力隊。 福地温泉の旅館を手伝いながら、奥飛騨温泉郷の魅力を発信している。 もともと子どもの頃から、筋金入りの化石オタクだった。 部屋にはアンモナイトの置物が鎮座している。 福地温泉に移住したのも、日本最古の化石が発見された場所だから。 とはいえ、化石発見エリアの一の谷(いちのたに)へは、立ち入りが厳しく禁じられている。 私は午後から、『福地化石遊歩道』の安全点検をしていた。 ◾️スコップを岩に打ち付ける音/「カン!」と1回鳴る(以降60秒おきに6回鳴る) 「1分間の静寂のあと・・・再度発信」 国際基準通りだ。 あの音・・・ 高く澄んだ、小さな鐘のような音・・・ 岩に打ちつけている・・ でもペグやサバイバルナイフじゃない。 鉄製のハンマー? いや、もっと薄い・・・スコップかな。 なんとか日が暮れる前に見つけてあげないと・・ ◾️スコップを岩に打ち付ける音/「カン!」と1回鳴る(以降60秒おきに6回鳴る) 遊歩道から見て、上の方の斜面。 福地山(ふくじやま)の深い森の奥から音が響いてくる。 1メートル先も見えないような深い霧。 私は音のする方へ、急ぎ足で向かった。 と、霧の中から現れたのは、剥き出しになった石灰岩の岩盤。 音はこの岩に反響している。 そのまま歩くと、すぐに見えてきたのは、登山道の入口。 それは毎日のように歩いている道。 私は一気に坂を駆け上がった。 はあっ、はあっ。 ◾️スコップを岩に打ち付ける音/「カン!」と1回鳴る(以降60秒おきに6回鳴る) 音が徐々に大きく、クリアになってくる。 テンポは・・少し不規則になってきたかな。 疲れてきているんだろう・・・ 急ごう。 と、リズムが乱れ始める。 もう少しだ。がんばれ。 ん? 音が真横になった・・ あそこだ。 あの枯れ沢の斜面。 誤って足を踏み入れたか、滑り落ちたのかも。 私は、登山道から離れた斜面を駆け降りる。 音はどんどん近くなる。よし、そろそろいいだろう。 『おお〜い!聞こえるか〜!』 『こっちよ〜!』 間髪入れずに明るい声が帰ってくる。 女性? 私の頭の中には、自撮り棒を持つ山ガールの姿が浮かんでいた。 【シーン2:発見】 ◾️SE:日が落ちかけた森のざわめき 『ありがとうございます』 ベンチほどの小さな岩。体を斜めにして腰掛ける女性。 この岩に・・打ちつけていたのは・・・ やっぱりスコップだ。 服装はちゃんとした山歩きスタイル。 実用的な防虫ネット付きの帽子。 首元に巻いているのは、パステルグリーンのタオル。 オリーブグリーンのレインウェア。たぶんゴアテックスかな。 泥除けの頑丈なスパッツ。 登山靴の先には湿った黒土がべっとりと付いている。 彼女がレインウェアを脱ぐと、中はチェック柄のトレッキングシャツ。 腕には緑色の腕章。(※福地温泉観光協会の腕章のこと) リュックにはラミネート加工された許可証らしきものがぶら下がっている。 『本当に助かりました』 「驚いたなあ」 『え?どういうこと?』 「第一声を聞いたときは、もっと、こう・・・ ギャルっぽい人かと思って・・」 『なに、その表現? そんな軽い感じに聞こえました?』 「いや、そうじゃないんだけど・・声から、カラフルなウインドブレーカーを着た山ガール、ってのを想像しちゃったんです」 『それ褒め言葉ですか〜?声、勉強して声優にでもなろうかしら』 「あ、ご、ごめんなさい! そ、それより、大丈夫ですか? お怪我とかはありませんか?」 『大丈夫。この格好ですから』 「どうして登山道からはずれちゃったんですか?」 『ごめんなさい。 トウキを探して奥へ入ってったら迷っちゃって』 「トウキ?」 『薬草です。 別名”婦人病の万能薬”』 ああ、そうか。だから・・・ さっきのは薬草採取の許可証か・・ 『ほら。 嗅いでみて』 彼女はリュックから薬草を取り出し、私の顔に近づける。 『セロリに似て、爽やかで強い、独特の香りなの』 「ホントだ・・・ 薬草のこと、詳しいんですね」 『はい。 朝日町で”よもぎ”って薬膳カフェをやってるんです。 よかったら一度いらっしゃいませんか』 「よもぎ・・」 『ええ。 あ、ちなみに私の名前もよもぎ、です』 「そうでしたか・・・ おっと・・・いかん!」 『どうしました?』 「ほら、日が沈んでしまう」 『ほんとだ・・・』 「急ぎましょう」 『はい』 少し申し訳なさそうな顔をして、彼女=よもぎは立ち上がった。 私は、LEDライトのスイッチを入れる。 夕陽が笠ヶ岳(かさがたけ)の向こうへ吸い込まれていく。 グラデーションは一段と濃くなり、シルエットの稜線が闇に浮かび上がっていた。 【シーン3:下山】※この状況ではビバークの方が圧倒的に危険なので夜道を2人で下山します ◾️SE:森の中を歩く足音〜夜の森のざわめき〜フクロウの鳴き声 『すみません、荷物まで持ってもらって』 「いえいえ、薬草なんて軽いから全然!」 『あの・・・ひとつ伺ってもいいですか?』 「はい」 「さっき、どうしてビバークしなかったんですか? ああいうときって、ビバークするものだと思ってました』 「夜の山道を歩くのは危険だから、ですよね」 『ええ』 「実は今日みたいな状況のときは、留まる方が圧倒的にリスクが高いんです」 『そうなんですか?』 「はい。 最初のリスクは『低体温症』。 今日は雨でしたよね。 レインウェアを着てても内側は汗で濡れてる。 奥飛騨の夜はこの時期でもかなり冷えますから」 『なるほど』 「2つ目のリスクは『野生動物』。 このあたりはツキノワグマの生息地ですからね。よもぎさんの持っている薬草の香りが クマを引き寄せます」 『そっか〜』 「さっきの枯れ沢から登山口までは1時間ちょっとの距離。 ここは私が毎日歩いている、ホームグラウンドなんです。 心配しなくても、間違いなく無事に帰れますよ」 『わかりました』 「説教っぽいこといってすみません」 『とんでもない。 あ、もうひとついいですか?』 「どうぞどうぞ」 『まだ、お名前聞いてないなって・・』 「あ〜!そうでした!失礼しました!」 『ふふふ・・』 「シズルです!シズル。ごめんなさい」 『シズルさん・・・いいお名前』 「あ、ありがとうございます」 『奥飛騨温泉郷に住んでいるんですか?』 「はい、そうなんです。 ここ、福地に住んでます」 『福地温泉って確か、日本最古の化石が発見されたんでしたっけ?』 「よくご存知ですね」 「なに

    ボイスドラマ「トウキ」(前編:奥飛騨温泉郷編)
  8. 6月19日

    ボイスドラマ「いつかの弁当」

    マッチングアプリで元上司とブラインドデート!?不器用すぎる大人の恋の物語 【ペルソナ】 ・さくら(CV=29歳:岩波あこ)=静と同じ市民課に務める市職員。彩羽にとっては相談できる唯一の女性 ・彩羽(いろは=18歳/CV:坂田月菜)=高校生のとき東京から高山市街地へ引っ越してきて、卒業後は高山市役所市民課で働く市職員 ・静(しずか=61歳/CV:日比野正裕)=大学新卒以来高山市役所市民課で働く生え抜きの市職員 【プロローグ:市役所の休憩室】 ◾️SE:休憩室のざわめき/お湯を沸かす音など 「いただきま〜す」 「まあ、おいしそうなお弁当」 「あ・・さくらさん・・」 遅い昼食をとろうと休憩室に入ると 新人の彩羽と目が合った。 ちょうどお弁当を食べようとしていたらしい。 「お疲れ様です!」 私はさくら。 高山市役所で働く市民課の戸籍係。 彩羽は住民登録係だから、仕事上はそんなに接触はないんだけど・・ いや。 それは違うわね。 ちょっと前までは接触どころか、 彩羽のおうちでご飯まで食べるような関係だったし。 実は、彼女のお祖父様が、私の元上司。 詳しいことは、前編の『最後の弁当』『最初の弁当』を聴いてね。 「さくらさんもいまからお昼ですか?」 「うん。 遅くなっちゃったけど・・ 彩羽さんも?」 「はい。 朝からずっとバタバタして・・マイナンバーの申請とかいっぱいで」 「それ、こも豆腐?」 「そうです・・」 「ひょっとして・・・部長・・いえ、おじいさまの手料理?」 「はい!」 「すごいわねえ、部長、じゃなくて、おじいさまも」 「部長でいいですよ。 その方があの頃を思い出してワクワクするし」 「ごめんなさい。じゃ、お言葉に甘えて」 「こも豆腐って珍しいんですか?」 「ううん、その逆。 むしろ、高山のソウルフード」 「へえ〜」 「お豆腐を”こも”に包んで、茹でてから出汁で煮込むの」 「”こも”?」 「わらで編んだむしろよ。 ほら、お豆腐の表面にわらの模様があるでしょ」 「うん」 「ほんのり、わらのいい香りもしない?」 「ホントだ〜」 「お祝いごととか、ハレの日に出すお料理なのよ」 「知らなかった〜」 「あ、それと・・飛騨牛のしぐれ煮も」 「そう。私が美味しい!って言ったら、毎日お弁当に入れてくれるの」 「へえ〜」 「汁気をしっかり切ってご飯に乗せてるから、お肉がしっとりして美味しいんだ〜」 「部長って・・・彩羽さんにはホント、優しいのねえ」 「・・さくらさん・・・」 「なあに?」 「あの・・・さくらさんに相談したいことがあるんですけど・・・」 向き直った彩羽が、急に真面目な顔になる。 「今日・・・役所が終わってから少し話せませんか?」 「いいわよ。 じゃあ・・・あそこにする? あの・・なんだっけ・・・名前のない・・カフェ」 「やった。前から行きたかったんだ、あのお店」 彩羽は、私の返事を聞くと、安心したように声を弾ませた。 「抹茶バスクチーズケーキ! 食べたーい!」 【シーン1:名前のないカフェ】 ◾️SE:カフェのガヤ 「どうしたの?彩羽さん 食べないの? チーズケーキ」 「はい。 お腹は減ってるけど・・・おじいちゃんのこと考えると・・」 「え?」 「考えれば考えるほど、胃が痛くなりそう」 ※急に深刻になり身を乗り出す 「部長、どうかしたの?まさか・・どこか悪いとか?」 「いや、実は・・・さくらさんにお願いしたいことがあるんです・・・」 「お願い?」 ※悩んだ末に思い切って 「あの・・・おじいちゃんを止めてください!」 「え?なに?いきなり・・」 「このままだと、マッチングアプリに結婚させられちゃう!」 「ちょっとちょっと。 話がよく見えないわ。 落ち着いてお話して」 「はい・・あ・・ごめんなさい」 「マッチングアプリって?」 「恋人とか結婚相手を探すやつです」 「そんなことは知ってるわ」 「おじいちゃん、私が働き初めてから毎日お弁当作ってくれてるんですけど」 「そうね」 「毎朝、朝市で食材買いに出かけるの」 「まあ」 「で、野菜売ってるおばちゃんと仲良くなって」 「ああ、あのおばちゃん?」 「はい。 それで、おばちゃんから、独り身でいるのは大変だからって」 「え? それで?」 「マッチングアプリに登録しなさいって言われて・・」 「登録しちゃったの?」 ※泣きそうな声で 「はい」 「部長ったら・・・」 「私、こっそりおじいちゃんのスマホのぞいたんですけど」 「だめよ、そんなことしちゃ」 「いいの、おじいちゃん危なっかしいんだから。 アカウントのデータ入力だって、私がしてあげてるもん」 「まあ」 「それが最近『いいね!』を結構もらってて」 「部長って、ビジュ悪くないもんね」 「とうとう『お会いしましょ』ってメッセージまで来ちゃったんです」 「あらまあ・・ でも、いいことじゃない」 「なんで? さくらさんはそれでホントにいいんですか?」 「いいに決まってるわ。 部長、奥さん亡くされてからだいぶ経ってるし」 「それそれ。 おばあちゃんだって許すわけない」 「許すわよ」 「どうしてそんなことわかるんですか?」 「だってあのときは部長、見ていて胸が締め付けられるほど痛々しくて・・ 声もかけられなかったもの」 「だったら、よけいダメでしょ」 「ううん。そんな部長が彩羽さんのおかげで、こんなに明るくなったのよ。今度は自分が幸せになる番じゃない」 「違う。次はさくらさんの番なの!」 「また、わけのわかんないこと言って」 「さくらさん」 「なあに?」 「おじいちゃんのこと、好きじゃないんですか?」 「えっ・・な、なに言ってんの!」 「だって・・だって、おじいちゃん、 このままだと誰かと結婚しちゃうかもしれないのに・・」 「い、いいんじゃない・・?部長にとっても、その方が」 「そんなん、絶対よくない」 「言い切っちゃうのね。 でも、彩羽さん・・ 私は・・・大賛成よ。 だって部長には、幸せになってほしいもの」 「それは幸せなんかじゃないって! もう〜、なんて言えば、わかってもらえるの〜」 「さあさあ、それよりケーキ、食べましょ。 上に乗ったアイス、とけちゃうわよ」 「わかった〜。 もう、やけ食いだぁ。 あ・・・でもさくらさん、ひとつだけ約束して」 「なにを?」 「おじいちゃんがマッチングアプリの相手と会うより前に 一度うちへ来ること」 「いいけど・・・なんで? ご無沙汰だから、部長びっくりするんじゃない」 「おじいちゃんはいいの」 彩羽の主張が、だんだん支離滅裂になってくる。 それでも、困り眉のまま、ケーキを口に運ぶと、 「んま〜い!抹茶とチーズのマッチングが、も最高!」 私は思わず吹き出しそうになる。 若いっていいなあ・・・ 結局、週末に彩羽の家へお邪魔することになったけど。 【シーン2:彩羽の家】 ◾️SE:玄関の扉を開ける音 「いらっしゃい!さくらくん!」 彩羽のおうち。 というより部長のご自宅。 部長自ら満面の笑みで迎えてくれる。 4月にリタイアされてから顔を見るのは初めて。 なんだか、在職してるときより、顔色よくなったんじゃないかしら。 「さあ、今日は私が手料理を振る舞うから、 さくらくんはゆっくりしてってくれ」 「いらっしゃ〜い」 後ろから彩羽がひょっこり顔を出す。 「座って座って、さくらさん」 言われるまま食卓へ腰を下ろすと、私の横に彩羽も座った。 「ねえ、おじいちゃ〜ん。 今日はなに作ってくれるの〜?」 「今日のメインディッシュは飛騨牛の『朴葉味噌焼き』だよ。 さくらくんが来るっていうから 奮発してA5ランクのロースにしたんだ」 「わ、やったぁ」 「ホントはフィレにしようと思ったんだがね、 フィレの旨味が味噌の味に負けてしまうといけないから」 「なんだか部長、すっかりプロのシェフみたいですね」 「いやあ、まだまだ勉強中さ。 そうそう、肉は薄切りのロースだけど、野菜をたっぷり入れるからね。飛騨一本太ネギにしめじ、えのき、まいたけ・・」 「おいしそう」 「おじいちゃん、マッチングアプリのお相手にいいとこ見せたいんでしょ」 「え?」 「なっ、な、なにを言うんだ、いきなり・・」 「いつデートするんだっけ〜?」 「ばっ、ばかなこと言ってないで・・・ さ、さくらさんにお茶でも淹れてあげなさい」 「あ、私やります」 「だめ。さくらさんは座ってて。 お客さんなんだか

    ボイスドラマ「いつかの弁当」

評価とレビュー

5
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4件の評価

番組について

飛騨高山を舞台にした珠玉のボイスドラマをお届けします。コミュニティFM Hit's FM(Hida Takayama Tele FM) で放送中の人気ラジオ番組! ヒダテン!のCV声優10名 が入れ替わりパーソナリティを務める「Hit’s Me Up!(ヒッツ・ミー・アップ!)」の中で放送されているボイスドラマです!ボイスドラマを通じて飛騨高山の魅力に触れてみてください! <番組の特徴> ・ 飛騨高山を舞台にしたボイスドラマを多数制作! これまでに100本以上の作品を発表し、地元の魅力を物語として発信 ・ 放送情報   放送局1: Hit's FM(Hida Takayama Tele FM)   放送時間:毎週金曜10:30-11:00/毎週土曜13:30-14:00   放送局2: FMらら(FMラインウェーブ株式会社)   放送時間:毎週金曜13:00-13:30   配信:Spotify、apple(iTune)ミュージック、amazonミュージック、YouTubeミュージック、CastboxなどのPodcastで番組とリンクして配信中! 飛騨高山の美しい風景とアニメ文化をつなぐ、唯一無二のラジオ番組! 「Hit’s Me Up!」を聴けば、新たなエンタメの扉が開きます!

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