ヘンリー理想駆動ラジオ

Henry, Inc.

株式会社ヘンリーのプロダクト開発・運営の様子をお届けするポッドキャストです。

  1. 4日前

    実装は自由に、仕様は固定する──Kotlin Fest 2026登壇者に聞く、AI時代のテスト戦略(バックエンドエンジニア ogawanさん)

    ヘンリー理想駆動ラジオは株式会社ヘンリーの開発運営の様子をお届けするポッドキャストです。ハッシュタグは #理想駆動ラジオ です。今回はバックエンドエンジニアの小川昌吾(ogawan)さんにお話を伺いました。 複雑なものを、解きほぐしてモデルにする――。2026年1月にヘンリーへ入社したogawanは、医事(レセコン)領域のバックエンドエンジニアとして、労災保険の短期給付対応などの機能開発を担っています。 ガスや上下水道の遠隔監視制御システムを手がけたSIer時代、toG向けサービス、マネーフォワードのワークフロー基盤。「気づいたら複雑な領域をやり続けていた」というキャリアの土台には、T字型ER手法の佐藤正美先生から学んだモデリングの考え方があります。 人がモデリングで「何を作るべきか」を整理し、実装はAIに任せる。自分のレビューの癖をAIに集めさせて言語化し、テストは内部構造ではなくAPIレベルの業務シナリオで守る。11月のKotlin Fest 2026での登壇を控えたogawanさんに、AIコーディング時代の複雑なドメインとの向き合い方と、「その時々で一番いいと思ったことをやりきる」働き方に迫りました。 これまでの経歴 00:01:40 東京・三鷹出身、30歳ごろに結婚を機に愛知へ、愛知県民歴は約10年最初の10年はSIerで、社会インフラの遠隔監視制御システムやWebサービスを開発名古屋に移って2年ほどでtoG向けサービスの会社に転職し、約5年在籍マネーフォワード名古屋開発拠点の立ち上げ期に入社し、3年ほどワークフロー基盤を開発ヘンリーとの出会い 00:04:15 もっと英語を使う環境になってきたことを機に、次の職場を検討他社のサーバーサイドKotlinを知りたくて、Kotlinをバックエンドで使う会社に絞って探したサーバーサイドKotlinのミートアップを運営していた同僚を通じてヘンリーを知った2026年1月1日にヘンリー入社社会インフラ・toG領域を歩んできた理由 00:05:25 SIerを選んだ理由は「家から近いところで働きたい」だけだった常駐先が、たまたまガスや上下水道の遠隔監視制御システムの現場だった当時の愛知の転職市場は製造業の社内SEが王道で、Web系の会社は10社ほどしかなかったテレビ局のシステム子会社を受けたこともあったが、途中で中途採用の方針が変わり破談にAWSで7,000ドル請求事件 00:10:06 個人のAWSアカウントでサーバーレス構成を勉強中、動いたので2〜3日放置S3とLambdaのイベントが無限ループし、気づけば約7,000ドルの請求にゼロの数を何度も見直し、ご飯も喉を通らないほどのショック最終的には請求を免除してもらえたヘンリーでの担当業務 00:12:51 病院の会計を扱う医事領域で、機能の開発と運用を担当入社後は労災保険の短期給付(1年半未満)対応を担当し、8月に全医療機関向けにリリース既存の他社製品にある機能に追いつく役割を主に担う複雑なドメインとの向き合い方 00:14:15 前職のワークフロー基盤も、ルールが複雑なシステムだった国が定める診療報酬制度は、文章の段階から複雑複雑なものをどう解きほぐし、どうモデル化するかという点は共通しているSIer時代にT字型ER手法の佐藤正美先生から学んだ教えを今も守っている「もの」と「イベント」を分けて抽出し、つなげていくモデリングチームでのモデリングとAIとの役割分担 00:16:58 労災の受付時に「労災っぽい」状態で置いておきたい、ケガの大きさで点数が何倍になる、といったルールを一つずつ明らかにするモデリングはAIを使わず、チームでFigJamなどを使って共通認識をつくる人が「何を作るべきか」「Henryで何ができていないか」を整理し、詳細の調査とIssueへの肉付けはAIに任せる実装はほぼAIに任せきり意図どおりにできているかを判断するため、機能要件は自分の頭に入れておく自分の知識をAIで外に出す 00:20:07 AIにコードを書かせ始めて1年半〜2年AIにPRをレビューさせると、毎回同じ指摘が返ってくることに疲れた自分がレビュアーとして指摘してきた内容をAIに集めさせて、抽象化した感覚で判断していたことを言語化し、知識として外に保存するきっかけにKotlin Fest 2026の登壇内容 00:21:56 登壇タイトルは「AIコーディング時代のKotlin・Kotest──ユニットテストからAPIレベルの仕様固定化テストへ」内部構造は何度でも書き換えたいので、そこに依存するテストはトークンの無駄になるUIを通さず、APIレベルで業務シナリオに沿ってテストする業務ドメインの観点では、正常系より異常系のほうがはるかに重要Kotestを使い、BDDの形で業務の言葉を使ってテストを書くAIでテストケースはいくらでも増やせるからこそ、本当に守るべきものを絞り込むコードを書く以外のAI活用 00:29:41 国がPDFで出している診療報酬の資料を、AIが読める形にデジタル化実装前に「これをやると返戻になる」といったリスクをAIが調べてくれる制度の資料とAIの組み合わせは、コードを書く以外の場面でとても便利趣味・休日の過ごし方 00:30:51 休日は2人の子どもと過ごす愛知は車社会で、静岡・岐阜・三重くらいなら気軽に県をまたいで出かけるおすすめはレゴランド、家族が年間パスポートを持っていて頻繁に通っていた趣味はゲームと漫画5〜6年前に家を建てたときに書斎をつくり、モニター4台やスピーカーを置いている同僚からは「株のトレードでもしてるんですか」と言われる、コクピットのような部屋ヘンリーの人・カルチャーと一緒に働きたい人 00:36:38 全員がシニアで大人、自律的に動く人が集まっていて働きやすい細かく指示するのは好きではなく、本人がやりたいようにやるのが一番だと考えている(自爆しない範囲で)前職でジュニアを育てていた頃も「自分で課題を見つけて、仕事を増やせるようになってね」と伝えていた自分で課題を見つけて動ける人と働きたいogawanの「理想駆動」 00:40:21 SIer時代の上司から「あなたがいいと思うことをやればいい」と育てられ、今もそれが軸技術に全振りでも、周りを見てほどよい塩梅にしてもいいその時々でいろいろな尺度から一番いいと思ったことを選び、やりきること

  2. 10月13日

    入社半年、何もない新規プロダクトを動かす──Henry Gateの足場づくりと勝手に改善する文化(EMR部 丸山しんぺいさん)

    ヘンリー理想駆動ラジオは株式会社ヘンリーの開発運営の様子をお届けするポッドキャストです。ハッシュタグは #理想駆動ラジオ です。今回はEMR部エンジニアの丸山しんぺいさんにお話を伺いました。 理想を「到達点」ではなく「出発点」に置く――。2026年4月にヘンリーへ入社したしんぺいさんは、EMR部で電子カルテとレセコンをつなぐコスト連携の仕組みづくりを入社直後から担当しました。2〜3か月でこの難所を進めたあと、ヘンリーとして初となる、Henry本体以外の新規プロダクト「Henry Gate」へ。病院が入院の打診を受けてから受け入れるまでの業務のDXに取り組んでいます。 「コードしかない」状態から実行環境やCIを整え、プロダクトとして出せる状態まで一気に引き上げたしんぺいさん。誰もが勝手に改善して誰にも止められない文化、守る人と攻める人が自然に補い合うチームのバランス、Slackで「分からない」を言い続けたワーキングアウトラウドについて話してくれました。 ビジネスと開発の距離、開発スピードとデプロイのあいだのズレといった次の課題にも触れながら、AI時代に人が担う価値と、「フェイク野郎」のいない質実剛健な組織で働く楽しさに迫りました。 エンジニア・しんぺいさんの自己紹介 00:00:48 2026年4月にヘンリー入社、在籍約半年EMR部(電子カルテ)に配属、電子カルテとその周辺システムの開発を担当現在は入院受け入れまでの業務をDXする新規プロダクトを担当前職は教育事業で学校向けSaaSの開発に従事ハンドルネーム「猫型蓄音機」の由来 00:02:10 本名で活動していなかった頃のブログ名がもとになったハンドルネームネット用とリアルの「人格のマージ」で晋平と同一人格に元ネタはドラえもん、猫好きとレトロなかわいさから命名文学部出身、専攻は文学ではなく哲学入社直後の担当業務とHenry Gateへの異動 00:04:49 Henryの電子カルテ(オーダー)とレセコン(会計)をつなぐコスト連携を担当オーダー開発チームがコストを気にせず作れるようにする役割AIコーディングの本格普及で開発スピードが一気に上がった時期と重なる1on1で「緊急性の高いところがあればやりたい」と伝え、上長と一緒に次の課題を探したゼロからのHenry Gate立て直し 00:11:54 入社時は「コードしかない」状態、ステージングも動いていなかった「1か月で導入したい」という状況から足場づくりに着手実行環境・CI・テストの質を整え、プロダクトとして出せる状態へサバイバルモードのほうが生き生きできる、相性のいい仕事ヘンリー開発の面白さと「勝手に改善する」文化 00:13:48 気になった人が勝手に改善し、理不尽に止められることがない人数が増えても自主的な改善が続く、いい文化何もないところから一人で足場を組める素地がある守りと攻めのバランスが取れた組織 00:15:39 「エンジニア風林火山」のように、異なるタイプのエンジニアがそろう医療ドメインで守るべきところを守るのが得意な人と、思い切りよく攻められる人役割を割り振られなくても、チームとして自然にバランスが取れている根っこにあるのはお互いの信頼関係、個性をフルに発揮できる環境組織に馴染むために意識したこと 00:21:44 ワーキングアウトラウド:今やっていること・困りごと・分からないことをSlackで発信最初の1〜2か月は「分からない、教えて」を物怖じせずに発信日報で「分かったこと/まだ分からないこと/仮説」まで言語化フルリモートだからこそ、文字で考えを知ってもらうことを重視ヘンリーの課題として感じていること 00:24:31 ビジネスと開発の距離:エンジニアが病院の現場に行く文化は今年度に大きく広がった一方、導入支援やCSなど社内メンバーの困りごとへの理解はまだ深められる新規事業の小さなチームで、ビジネスと開発が一緒に動く事例をつくりたい開発スピードとデプロイのズレ:大きな単位のデプロイで切り戻しが難しくなっている事業のボトルネックは「機能不足」から「サービス提供」へ移りつつあるAIはサービス提供をどこまで加速できるか 00:31:21 作ることは加速したが、それを価値に変えるのはまだ人の役割FDEのように、顧客のワークフローを深く理解して価値の在りかを見定める仕事HenryでもAI機能が増える中、病院ごとに異なる書類フォーマットなど、AIの「ゆらぎ」が活きる領域がある顧客をよく知る人間が、AIを各現場に合う形でつなぐことが鍵趣味・休日の過ごし方 00:35:10 中学生でギターを始めて以来、ずっと音楽を続けている最近サンプラーを購入バンドや女性ボーカルとの音楽ユニットで活動、作曲・録音・ミックスまで担当島村楽器の店頭BGMに2度選ばれ、Spotify公式プレイリストにも掲載中学2年生の息子さんもDTMで音楽制作、音楽・仕事・家族で毎日がいっぱいヘンリーの人・カルチャーと一緒に働きたい人 00:41:13 「質実剛健」の言葉どおり、口がうまいだけの「フェイク野郎」がいない中身の伴った人しかいないことが居心地のよさにつながっているもっとアピールしてもいいほど、成果を誇らない人が多いしんぺいさんの「理想駆動」 00:43:51 高校時代の夢は「世界平和」、本質的には今も変わらない理想を到達点に置くと、理想との差ばかりが見えて心が折れる理想を出発点に置けば、間違った方向に進まず「フェイク野郎」にもならずに済む理想から湧くエネルギーで行動する、「理想駆動」ならぬ「理想起点」

  3. 6月23日

    テクニカルサポートで終わらない──ヘンリーが目指す「開発が前提のCRE」とAI活用(CRE部 まゆぞーさん)

    ヘンリー理想駆動ラジオは株式会社ヘンリーの開発運営の様子をお届けするポッドキャストです。ハッシュタグは #理想駆動ラジオ です。今回はCRE部のまゆぞーさんにお話を伺いました。 顧客が電子カルテを安定して使い続けられる状態をつくる――。ヘンリーのCRE部で利用支援チームのリーダーを務めるまゆぞーさん(杉本麻由香さん)は、2025年12月に入社。前職から通算7年目を迎えるCREのベテランとして、問い合わせ対応からバグ修正、外部システム連携、レセプトデータ移行までを横断的に担い、開発チームがプロダクト開発に集中できる土台を支えています。テクニカルサポート寄りだった前職とは異なり、ヘンリーのCREは「開発が前提」。仕様書のないローカルアプリをRustで刷新し、病院ごとに異なるネットワーク環境と格闘しながら稼働にこぎ着けるなど、医療ドメインの複雑性とミッションクリティカルな緊張感に日々向き合っています。検査結果の見え方ひとつが医師の判断根拠になる――そんな重さを実感しながらも、コードを触ることへの怖さをAIの力で乗り越え、できることを広げてきました。前職のテクニカルサポートで鍛えた「言語化」の力を武器に、AI時代のCREとして新たな挑戦を楽しむまゆぞーさん。「明るく爽やか前向きに」というヘンリーの心得に背中を押されながら、自分が立ち戻れる場所としての理想駆動を語ってもらいました。 CRE・まゆぞーさんの自己紹介とこれまでの経歴 00:00:23 2025年12月にヘンリー入社、製品本部のCRE(カスタマーリライアビリティエンジニアリング)部に所属前職でも5年以上CREを経験し、CREを名乗って7年目現在は利用支援チームのリーダーを担当ヘンリー入社のきっかけ 00:01:04 前職でCREマネージャーとして上がっていくキャリアに疑問が芽生え、別の挑戦を考え始めた元々医療業界に少し関わった経験があり興味を持っていた友人のエージェント経由で「CREはまだないが本当におすすめ」と紹介され入社利用支援チームでの担当業務 00:02:33 契約済みの顧客がサービスを利用開始・継続できるよう横断的に支援問い合わせ対応、バグ修正、外部システム連携の仕様調査・開発を担当利用開始のための設定作業のディレクションやレセプトデータの移行を主導開発チームがプロダクト開発に集中できる土台をつくる役割ローカルアプリのRust刷新と苦労 00:04:46 ヘンリーと外部システムをつなぐ常駐型デスクトップアプリ「ローカルアプリ」をRustで刷新古いアプリで仕様書がなく、動きを見ながら作り直す難しさ病院ごとにネットワーク環境が大きく異なり、現場で動かすと不具合が多発曲折を経て、ようやく稼働軌道に乗せたヘンリー開発の難しさとおもしろさ 00:07:14 電子カルテ・レセコンは国や地方の制度、医療機関ごとの運用に強く依存し「なぜこうなるか分からない」場面が多いモダンな作りで分かりやすい一方、医療業界の実運用を知らないと理解しづらい理解するほど腹落ちし、知るほどに面白い領域だと実感複雑性への向き合い方と変更機能の罠 00:08:49 分からないことは医療職経験者や導入部メンバー・エキスパートに運用を聞いて吸収データの紐づけ変更が算定に影響するため、画面から簡単に変更できない箇所が多い編集機能は一見シンプルでも他データへの挙動や会計影響が絡み、慎重な見通しが必要医療情報を扱う緊張感とやりがい 00:12:30 検査連携の問い合わせを多く担当、検査結果の値の見え方ひとつが医師の判断根拠になる医療情報は診断・治療・患者の予後にも影響するため、正しく扱う緊張感を持つ一方で、システム連携で医療従事者の仕事がやりやすくなり患者に還元される点に大きなやりがいCREとは何か――一般とヘンリーの違い 00:15:09 CREは2016年にGoogleが提唱した「顧客の課題をエンジニアリングで解決する役割」日本では定義が各社バラバラで、テクニカルサポート寄りから開発もするものまで様々ヘンリーのCREは「開発が前提」で、導入から保守改善まで顧客が安定して成果を出せる状態をつくることをミッションに、仕組み化まで担うCREの体制(3チーム構成)00:19:00 利用支援チーム:契約済み顧客がスムーズに利用開始・継続できるよう今必要なことに向かう導入改善チーム:差し込みを避け開発に専念し、半年〜1年後を見据えて設定画面や自動化ツールを開発こまいの解決し隊:1〜2週間の短期で直せる要望を拾い、既存顧客の信頼性を保つ外部システム連携開発の難しさ 00:24:16 最大の難所はベンダーとの調整実機がないとテストできず、実機のある病院まで行き2日かけて検証することもファイル連携が多くAPI連携が少ないため、仕様書どおりでも思わぬ不具合が出やすい新組織立ち上げの葛藤と機能引き渡しの課題 00:26:16 CREは立ち上がって間もなく、将来のための開発と今に向けた開発の両立に試行錯誤合宿で方針を決めても翌日ひっくり返るほどの議論を経て、現在の形に着地開発チームから機能を引き渡されてキャッチアップする流れのルールはまだ確立途上シニアメンバーが多く自発的な議論が活発、課長の主導で安定へコードを触る怖さとAIによる変化 00:32:35 エンジニア経験が長くなく、前職ではプロダクトコードに触れることを怖がって避けていたヘンリーのCREは開発前提のため向き合う必要があった入社時に渡されたAIツールで調査がはかどり、コード理解が進んで怖さが軽減AIを使いこなすコツと必要な「言語化」の力 00:34:59 影響範囲調査や問い合わせ調査が大幅に高速化し、開発に踏み出せたのはAIのおかげ曖昧な指示では違うものができるため、言語化を徹底することが重要精度・運用が絡むコンテキストはAIに丸投げできず、説明してからコーディングさせる前職のテクニカルサポートで培った「人間に分かりにくいものを書かない」言語化力が活きているヘンリーのカルチャーと一緒に働きたい人 00:44:34 顧客や社会のためにと自然に口にできる「熱い人」が多い「お客さん主語」で語れる当たり前の空気が安心につながった心得「明るく爽やか前向きに」に共感、難しさの中でも挫折せず取り組める前向きな人と働きたいまゆぞーさんの「理想駆動」 00:47:24 「こうだったらいいな」を描き続け、実現のステップに落とし込んで実行すること医療従事者が働きやすい環境をつくり、地域により良い循環を生みたいという思いCREとしてヘンリーをもっと使いやすい電子カルテにし、効率化を進めていく忙しさで理想を見失いそうなとき、立ち止まって立ち戻れる場所こそが理想駆動

  4. 6月9日

    臨床とレセコン、二つの複雑性──ヘンリーの医療ドメイン開発のリアル(医事会計部 ryugenさん)

    ヘンリー理想駆動ラジオは株式会社ヘンリーの開発運営の様子をお届けするポッドキャストです。ハッシュタグは #理想駆動ラジオ です。今回は医事会計部エンジニアのryugenさんにお話を伺いました。 医療の「お金」を支えるコードを書く――。ヘンリーの医事会計部でレセコン領域のエンジニアを務めるryugenさんは、2025年11月に入社。エピックオーナーとして、数年前から社内で待望されていた保険請求まわりの大型機能追加を2026年1月のキックオフから牽引しています。 薬学部で薬剤師免許を取得しながら、医療情報学研究室で機械学習を用いた症状抽出の研究に出会いプログラミングの道へ。前職フューチャーのヘルスケア事業部で巨大なウォーターフォール開発を経験したryugenさんは、2,000ページ・5キロにもなる診療報酬点数表「青本」が2年に一度改定されるレセコン領域の凄まじい複雑性と、医療事故や病院収益に直結するミッションクリティカルなテストの難しさに、AIと人の目を組み合わせながら向き合い続けています。 「未活用のデータを活かして医療全体にガツンと貢献したい」という志を胸に、自立したスペシャリストが集うヘンリーで非線形な成長を目指す――そんなryugenさんの理想駆動な働き方に迫りました。 エンジニア・ryugenさんの自己紹介とこれまでの経歴 00:00:22 * 2025年11月にヘンリー入社、在籍約半年 * 医事会計部でレセコン領域のエンジニア兼エピックオーナーを担当 * 前職フューチャー株式会社のヘルスケア事業部でITコンサル(実態はSI型のシステム開発)を新卒から経験 * 薬学部出身で薬剤師免許を取得、医療情報学研究室で機械学習を用い患者ブログから症状を抽出・分類する研究に取り組む ITの道を選んだ理由 00:02:04 * 研究を通じて、未活用データの活用で医療に貢献する価値の大きさを実感 * 現場で患者と向き合う道も悩んだが、別アプローチで医療全体に大きく貢献したいと考えた ヘンリーでの担当業務とエピックオーナーという役割 00:03:58 * ディスカバリーからデリバリーまでをリードする、POとエンジニアリングの中間に立つハブ的役割 * 全職種からの相談・意思決定を担い、ビジネスサイドとのコミュニケーションも必要 ヘンリー開発のおもしろさと前職経験の活用 00:07:53 * 開発・デリバリーのサイクルが速く、数年〜半年単位だった前職との違いに驚き * 「何を作るか」を自分たちの意思で理想駆動的に決められる点に魅力 * いらないものは作らない判断がしやすい * 巨大ウォーターフォールでの逆算思考やステップバイステップの進め方が今に生きている 入社半年での成果 00:10:22 * 保険請求機能の追加や履歴機能の追加プロジェクトを担当 * ふわっとした状態から逆算的に膨大な仕様を噛み砕き、リリースして形になる瞬間に手応え 医療ドメインの複雑さ 00:13:40 * 臨床領域と医事会計領域の大きく二つに分かれる * 臨床は診療科・薬・処置のパターンが膨大で登場するアクターも多い * ガイドラインや治療法がころころ変わり、医師ごとに記載スタイルも異なる(ドイツ語/日本語など) レセコン(医事会計)領域の難しさ 00:15:40 * 点数計算・負担金の割り振り・帳票フォーマットが国のルールでかっちり決まっている * 診療報酬点数表「青本」は約2,000ページ・5キロで2年に一度改定 * 改定文書は日本語表記で解釈の余地が大きく、法律文書の解釈に近い性質 * マスターのパターンが人間の脳に収まりきらないほど膨大 複雑なドメインとの向き合い方 00:20:42 * AIでの噛み砕きや機械的な抽出も試すが、最終的には人の目で見て腹落ちさせることが一番 * 100カラムを超えるマスターが何種類もあり、自分で解釈して覚える必要がある * 元が複雑すぎてAIだけでは理解しきれず、ロングコンテキスト問題が中心課題 AI開発とテストの難しさ 00:25:30 * 自然言語の文書をそのまま渡しても開発はできず、ロジックへの言語化・噛み砕きが鍵 * マスターの値や組み合わせ条件まで書き込めばAI開発は可能だが、そこまで噛み砕くのが鬼門 * 「何を作りたいか」の意思を込める工程は人間でないと難しい * 医療事故や病院収益に直結するためテストはミッションクリティカル、一方でパターンが膨大で塩梅が難しい スピードと複雑性の両立という課題 00:27:53 * スタートアップとして機能を素早く出す期待値と、複雑な既存システムとの両立が最大の難題 * 過去は問題なかったロジックが、別ジャンルの医療機関ではバグや負債になりうる * レグレッションさせずに組み込むため見た目以上に時間がかかる * 品質担保にはテストと、変更容易性の高い実装・設計が大切 趣味・休日の過ごし方 00:30:31 * アウトドア・山歩きや、汽水のアクアリウムをこじんまり育てるのが趣味 * 大学時代のキックボクシングを経て、文化も動きもユニークなカポエイラを練習中 * ターミナル設定(ドットファイル)を手入れする「盆栽」的いじりが好き * 軸は「楽しく新しいこと・珍しいことをやってみたい」 ヘンリーの人・カルチャーと一緒に働きたい人 00:34:47 * 自立したシニア人材が多く、技術・ドメイン・ビジネス各領域のスペシャリストが揃う * フラットで理想駆動に進める文化、会社目標に掲げる「ノーベル平和賞」に惹かれて入社 * 強い夢・執着・こだわりを持つ人と働きたい(医療を変えたい人や特定技術への強い思いを持つ人) ryugenさんの「理想駆動」 00:38:51 * 社会に何をもたらしたいかを起点に、医療全体に大きな価値を与え変えるプロダクトを生み出すこと * 機能追加を積み上げるだけでなく、非線形・爆発的に理想へ近づいていきたい

  5. 5月11日

    課題から人を巻き込むVPoE──ヘンリーの組織倍増フェーズとAI活用で価値3倍へ(VPoE 山口さん)

    ヘンリー理想駆動ラジオは株式会社ヘンリーの開発運営の様子をお届けするポッドキャストです。ハッシュタグは #理想駆動ラジオ です。今回は4月からヘンリーのVPoEに就任した山口さんにお話を伺いました。 開発組織が倍増していくフェーズに、エンジニアリングの「横」を整える――。2023年10月にバックエンドエンジニア兼プロジェクトマネージャーとしてヘンリーに入社した山口さんは、ICとマネジメントを行き来するキャリアを経て、2026年4月にVPoEへと就任しました。担当するのはQA・ドメインエキスパート・カスタマーサクセスという、開発チームの不確実性を下げるために横串で関わる3チームのマネジメント。現状の事業と未来の事業から「解くべき課題」を見つけ、優先度の高いものからアプローチしていく――そんなVPoEとしての歩みを語っていただきました。属人化を解消し、AIの活用で組織全体の生み出す価値を3倍に。コードを書くマネジメントの像と、ヘンリーならではの「事業と組織のあいだ」を見据えた働き方に迫りました。 VPoE就任の経緯と体制変更の狙い 00:01:31 2023年10月入社、ICとマネジメントを行き来するキャリアストレッチな事業目標達成のためチーム数を2〜3倍にする必要性横串で動くチームを正式に組織化し、開発の不確実性を下げる役割戸田氏(VPoT)兼務だったVPoEを引き継ぐ形での就任担当領域とVPoEとして取り組んでいること 00:05:27 QA・ドメインエキスパート・カスタマーサクセスの3チームをマネジメント現状と未来の事業から解くべき課題を見つけ優先度順にアプローチ最終目標は顧客への機能提供のボトルネックをなくすことドメインエキスパートを営業プロセスから外す意思決定 00:08:08 開発に専念してもらうため営業プロセスから段階的に離脱これまでの評価情報をAIで形式化・仕組み化して再現性を担保営業側も同じ課題感を持ち、合意の上で進められたAIがあったからこそ実現できた、形式化コストの低減QA組織の立ち上げとリードとの目標すり合わせ 00:17:30 各チームに点在していたQAを1つのチームに集約(2月頃)リーダーと未来のQA像をすり合わせる動き医療現場経験者をQAとして採用、教育的投資が必要な特殊性短期間で当初の目論見より前倒しで成長してくれる嬉しい誤算開発チームが「QAは前段から並走する人」と捉えてくれている文化一般的なVPoE像との違い 00:24:20 開発チームのメンタルモデルを変える動きはほぼ不要な組織組織間(営業と開発など)のレバレッジが効く課題に向き合える立ち位置課題を見て、解決のために誰かの協力を仰ぎに行くアプローチVPoEになって変わったこと 00:27:46 営業・導入プロセスの生の情報の流入量が圧倒的に増加一メンバー視点では見えなかった構造が見えるようになった「話せば分かる」場面の多さと、ニュアンスの解像度向上方針検討とドキュメンテーションに費やす時間が増加Cowork等のAIツールで情報のストックと整理が効率化メンバーとの距離感とプレイングマネジメント 00:34:55 開発エンジニアと直接話す機会は減ったが、横串の人々経由で状況把握AIによってVPoEでもプレイングが可能になった時代の潮流元チームのメンバーから月1の1on1を継続してもらえている感謝難しかった意思決定とリスク観測 00:38:30 ドメインエキスパートを営業プロセスから外す判断はビクビクしながら半年〜1年後に火を噴く可能性をゼロにはできない前提での合意形成電子カルテ事業特有の、導入プロセスまで半年かかる難しさ組織の課題と今後取り組みたいこと 00:41:32 QA・ドメインエキスパート・カスタマーサクセスのシナジー創出顧客のプロダクト利用情報をAI活用で引き出せる状況づくり属人化を許容してきた領域を、AI活用で納得感ある形で形式化依存していた側の不安をコントロールしながら進める難しさ山口さんの「理想駆動」 00:45:59 組織が生み出す価値の比率をAI活用で今の3倍以上にすること人を増やさずとも出せる価値を倍増できる時代の可能性コードを書く前段・後段も含めた全体プロセスの効率化

  6. 3月19日

    入社半年で組織を動かす──ヘンリーの電子カルテ×AI開発と「許可より謝罪」(EMR部 warabiさん)

    ヘンリー理想駆動ラジオは株式会社ヘンリーの開発運営の様子をお届けするポッドキャストです。ハッシュタグは #理想駆動ラジオ です。今回はEMR部エンジニアのwarabiさんにお話を伺いました。 医療現場を変えるコードを書く――。ヘンリーのEMR部でソフトウェアエンジニアを務めるwarabiさんは、2025年8月に入社し、わずか半年でフロントエンドの横軸改善組織やAIワーキンググループを次々と立ち上げてきました。 注射の実施管理や薬剤管理といった医療安全に直結する機能の新規開発に取り組みながら、ESLintの10倍高速化やClaude Codeを活用した開発自動化など、開発基盤の改善にも精力的に動くwarabiさん。医療ドメイン未経験のもどかしさを抱えつつも、「誰もブロックしていないなら動き出す」という信条で組織に変化を生み出し続けています。 入社半年のエンジニアが語る、医療×AIの開発現場のリアルと、自ら理想の職場をつくるという働き方に迫りました。 ソフトウェアエンジニア・warabiさんの自己紹介 00:00:18 2025年8月にヘンリー入社、在籍約半年フロントエンド領域を中心に担当最近はAIの力を借りながらバックエンドにも領域を拡大 担当プロジェクトと開発の面白さ 00:01:31 注射の実施管理機能の新規開発(医療安全に直結する待望の機能)ドメインエキスパートを交えたチーム開発の面白さと難しさ 医療ドメイン理解の課題 00:06:22 医療未経験ゆえに勘どころが働かないもどかしさロードマップの優先順位への納得感を自分なりに持ちたい思い言われたとおりにやるのではなく、理解して進めたいという姿勢 フロントエンド横軸組織の立ち上げ 00:10:18 入社時に感じた「改善活動が回っていない」ギャップがきっかけ有志の仲間とウィークリーミーティングを設置しゲリラ的に発足ESLintのバージョン更新・設定見直しでLintコマンドを10倍高速化成果を褒めたたえ合い「改善はいいことだ」という文化を根付かせる工夫 AIワーキンググループの発足と成果 00:21:51 2026年1月、Claude Codeをもっと業務に活かしたいという思いで立ち上げチケット番号を伝えるだけでAIが実装計画を立てるゴールを設定人間の開発フローをそのままフローチャート化しスキルに落とし込む設計手探りで作った設計が他社事例と似た形に収束するおもしろさ取り組みをまとめたブログ記事が連続でバズり注目を集める 趣味・休日の過ごし方 00:31:22 カメラで東京の観光名所を撮り歩く(明治神宮の自然に感動)最近はぽこポケにハマり中Claude Codeを使った趣味開発(3Dアバター配信ツールの自作など) ヘンリーの人・カルチャーと一緒に働きたい人 00:39:24 エンジニアも含め医療業界を変えようという志を持つ人が多い自分なりに考えて提案する熱量の高さを日々感じる新しい取り組みを自ら始められる、ブレーキをかけない人と働きたい warabiさんの「理想駆動」 00:42:39 新しい取り組みを自分から進め、理想の働ける職場を自らつくること「許可より謝罪」の精神で、誰もブロックしていないなら動き出す warabiさんのブログ Claude Codeで開発を全自動化する - Orchestrator型Skillの設計と実践 Claude Code Skillsのチーム展開で気づいたSkill管理の課題と対策

  7. 3月4日

    医療業界15年の経験を携えスタートアップへ― ―ヘンリーでプロダクトマネージャー尾渡さんが描く理想の電子カルテ

    医療従事者の業務を効率化し、より良い医療体験を実現する――。 同社の製品本部でプロダクトマネージャーを務める尾渡(おわたり)さんは、医療IT業界で15年の経験を積み、2025年4月にヘンリーへ入社されました。 日立グループで電子カルテ開発に携わり、富士フイルムで医療AI企画を担当してきた尾渡さんは、なぜヘンリーを選んだのか。そして、スタートアップの開発現場でどのような挑戦に向き合っているのでしょうか。 医療ITのベテランが語る、開発の理想と現実、そしてヘンリーという組織で働く意味について掘り下げました。 プロダクトマネージャー・尾渡さんの自己紹介 00:00:15 日立グループで中小規模病院向け電子カルテの開発富士フイルムグループで医療AIの企画職2025年4月にヘンリー入社ヘンリーに入社した理由 00:03:43 医療従事者の業務効率化への思い電子カルテにまだやりようがあるという確信カジュアル面談での「実直に仕事に向き合う」印象 ヘンリーでの役割と担当プロジェクト 00:05:54 検体検査機能のバージョンアップ(エピックオーナー)小さな改善を積み重ねる「小迷解決チーム」の活動 機能開発における意思決定のアプローチ 00:08:31 お客様へのヒアリングと仮説検証社内ドメインエキスパートの知見の活用「機能ありき」ではなく「課題ありき」の設計思想 ヘンリーのプロダクトマネージャーに求められるもの 00:29:17 変化に柔軟であること仮説を素早く立て高速で検証できること医療業界未経験でも活躍できる可能性 ヘンリーのカルチャーと組織の特徴 00:35:14 学習意欲が高く穏やかな人が多いフルリモートでも顔出し文化で対面に近いコミュニケーション縦割りの課題と、お互いを助け合うワンチームの姿 尾渡さんの「燃える理想」 00:40:57 医療従事者に「仕事が楽になった」と感じてもらえるプロダクトをつくることお客様の声を開発メンバーに届けられる組織へ

番組について

株式会社ヘンリーのプロダクト開発・運営の様子をお届けするポッドキャストです。

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