Backstage M3

M3 Sports Therapy

M3 Sports Therapyでのセッションの中ではあまり話していない健康のこと、エクササイズの考え方と背景について。 少しでも伝わっていればいいなという気持ちで発信しています。

  1. 9月6日

    ep.64~気功の話

    1. 「気」の正体は「電子」 テレビのびっくり人間や漫画の世界にあるような「気功」に昔からロマンを感じていたことが、学びの原点です。 東洋医学で語られる「気」とは、現代の科学的な言葉に置き換えるなら「気 = 電子」と捉えてほぼ間違いありません。 姿勢が崩れて猫背になると、体の中に血液が通りにくい場所ができ、細胞に酸素が行き届かなくなってエネルギーが生産できなくなります。すなわち、「血流が滞り、酸素や電子が不足している状態」こそが、東洋医学でいう「邪気が溜まっている状態」なのです。 2. 運動の本質は「気がいい体」を作ることただがむしゃらに動くのではなく、体全体の血液循環を促し、使えていない眠った関節や筋肉にまで酸素と電子をしっかりと行き渡らせること。これこそが、コンディショニングによって「気がいい体(=血流が良く、エネルギーに満ちた体)」を作るということです。 3. 呼吸の哲学と「惰性」を「光(イメージ)」に変える技術西洋の呼吸法は骨格や生理作用といった「構造」をベースにしますが、東洋の呼吸法には数々の流派や「哲学」が存在します。 私たちは普段、多くの時間を「惰性(無意識)」で呼吸して生きていますが、そこには成長がありません。呼吸を意識的に行い、体に酸素が満ちていく様子をしっかりと「イメージ(光)」すること。この呼吸の意識化こそが、自律神経を整え、生活に心地よいリズムをもたらすスイッチになります。 4. 科学が証明した「イメージの力」と「炎症が減る」驚きの効果イメージの重要性を示す2つの興味深いデータが語られます。 フリースローの実験:実際にシュート練習をしなくても、イメージトレーニングを行うだけで、実際に動かしたときと同じ「筋肉の電気パターン」が脳から発生します。バル・イラン大学の研究:脳科学や心理学のアプローチにおいて、「自分の痛む患部に意識(イメージ)を向けるだけで、局所の炎症が減る」という驚きの事実が明らかになっています。解剖学などの正しい構造の知識を学ぶことは、自分の体がどう動いているのかを「より細部までくっきりとイメージする力」を養うために不可欠であり、イメージが鮮明になるからこそ、トレーニングや治療の効果も劇的に高まるのです

  2. 9月2日

    ep.63~知っててやらないのは知らないのと同じ

    1. 必要に迫られないからこそ楽しい「大人の学び」ごく稀にセッションへ来られるスペイン語圏のクライアントと少しでもコミュニケーションを取りたいという想いから、10年ほど温めていたスペイン語学習をスタートしました。 学生時代のように強制されて学ぶのではなく、自分の意志で好きなことだけを学べるのが「大人の特権」であり、だからこそ壁にぶつかってもプロセスそのものを楽しむことができます。 2. 妥協しない自己投資と「4,000円の暗記アプリ」単語やフレーズを暗記するため、400円と4,000円のアプリ(デジタルのフラッシュカード)のどちらを購入するか悩んだ末、あえて高い4,000円のアプリを選びました。 その背景には、学生時代の優秀な友人から言われた「本当に大事なことには妥協せずお金を払った方がいい。それがモチベーションになり、結果的に自分を助ける」という言葉がありました。あえて投資をすることで、自分に「必ず習得する」という覚悟と高いモチベーションを与えることができます。 3. 暗記も筋トレも、本質は「泥臭い反復(量)」現代は「効率的なやり方(質)」ばかりが求められる世界ですが、一流のスポーツ選手が口を揃えるように、最後は「圧倒的な量と地道な基礎の繰り返し」がすべてです。 これはパーソナルトレーニングでも全く同じです。股関節や足首の動かし方を頭(理屈)で理解できても、体がその動きに慣れるまで何度も繰り返さなければ、決して自分のものにはなりません。暗記と筋トレが脳や体に強いる精神的な負荷は、完全に一致しています。 4. 感情は理屈(ロジック)を凌駕する深夜2〜3時に遠距離の彼女から「会いたい」と言われ、始発(合理的で楽な方法)を待てずに原付を走らせて会いに行った友人のエピソードが語られます。 人間は論理だけでは動かず、感情があるからこそ困難を困難と思わずに夢中になれます。「走るべき、筋トレすべき」という義務感(理屈)だけでは続きませんが、「楽しい」「心地よい」という純粋な感情が伴えば、どんな地道な努力も自然と続けられるようになります。5. 「タイパ(タイムパフォーマンス)」を求めてはいけない、本当に大切なことデジタルツールはタイパに優れていますが、記憶の定着や脳への刺激においては「紙のカード」に手で書く方が効果が高いというデータもあります。 大切なプロポーズを1.2倍速で効率よく伝える人がいないように、自分を高める学びや、人に気持ちを伝えるときまでタイパを優先すべきではありません。あえて時間をかけて、ゆっくり丁寧に心を込めて取り組む「一見、非効率的な時間」の中にこそ、本質的な学びと人間らしい豊かさが宿ります。

  3. 8月31日

    ep.62~摂りすぎもリスクなタンパク質

    世間の「とにかくタンパク質をたくさん摂りましょう」というプロテインブームや糖質制限トレンドに対し、個人の消化吸収能力(胃腸のキャパシティ)を無視した過剰摂取がもたらす深刻な健康リスクについて警鐘を鳴らしているエピソードです 1. 体内に貯蔵できない「アミノ酸プール」の限界タンパク質は脂肪のように体内に大量に貯蔵しておくことができず、一時的にアミノ酸をストックしておく「アミノ酸プール」と呼ばれる仕組みに依存しています。 しかし、このプールに蓄えられる量には非常に厳しい上限(キャパシティ)があります。そのため、一度に大量のタンパク質を摂取しても体内で有効に利用されることはなく、毎食こまめにバランスよく摂取することが基本となります。 2. 分解プロセスがもたらす胃腸への過酷な負担お肉やお魚などのタンパク質は巨大な分子の塊であり、体が吸収するためには最小単位である「アミノ酸のつぶつぶ」にまでバラバラにする必要があります。 この消化・分解プロセスは胃腸にとって非常に膨大なエネルギーを消費する重労働です。個人の処理能力を超えた量が胃に送られると、消化しきれなかったタンパク質は未消化のまま腸へ送られてしまいます。 3. 未消化タンパク質が腸内で「ゴミ」に変わる3大リスクうまく処理されず腸にたどり着いた未消化のタンパク質は、体内において単なる「ゴミ(異物)」として扱われ、以下の深刻な不調を引き起こします。 腸内環境の悪化と腐敗:悪玉菌の格好のエサとなり、腸内で腐敗が進みます。インドールやスカトール、アンモニアといった有害物質が次々と発生し、環境を急激に悪化させます。リーキーガット症候群:有害物質によって腸の粘膜が荒らされ、腸の壁に微細な隙間(穴)が開いてしまいます。そこから未消化の物質や有害物質が血管内へと直接漏れ出します。慢性炎症とアレルギーの誘発:血液中に漏れ出た異物を排除しようと免疫システムが過剰に作動し、全身で「慢性炎症(ぼや)」が起こります。これが頭痛、関節痛、アトピー、花粉症、ひどい生理痛など、現代人を悩ませる様々な不調の本質的な原因になります。食材の多様性(バラエティ):「鶏胸肉だけ」のように偏るのを避け、お肉、お魚、大豆などの植物性タンパク質をバランスよく日替わりで取り入れる。徹底して「よく噛む」:口の中で細かく砕き、唾液に含まれる消化酵素と混ぜ合わせることで、胃腸の負担を最小限に抑えます。リラックスした「良い感情」で食べる:イライラや義務感で食べると自律神経(交感神経)が緊張して胃腸の血流が下がり、消化能力が低下します。心地よく楽しんで食べることが、消化吸収をスムーズにするための絶対的なルールです4. 胃腸を守り、正しく代謝させるためのアプローチタンパク質を安全に代謝し、健康な体を維持するためには、単なる数値計算の食事制限を捨て、以下の実践を行う必要があります。

  4. 8月31日

    ep.61~血液検査の結果見てますか?

    基準値に一喜一憂していませんか? 血液検査から読み解く「タンパク質代謝」の真実と流行に流されない健康管理 普段の健康診断や病院で何気なく受けている血液検査ですが、その結果用紙をどのように見ていますか。 日本人は検査を受けることが好きですが、その一方で「A判定だった」「基準値より高かった、低かった」という結果の評価だけを見て、肝心な中身をあまり理解していない方が非常に多いです。数値の「意味」を理解し、自分の体で起きていることに関心を持つための、血液検査の捉え方とタンパク質の本質をお話しします。 1. 基準値の中に収まっていれば本当に「健康」なのか?血液検査の結果がすべてA判定であっても、なぜか体調が優れないという方はたくさんいらっしゃいます。 血液検査で把握できるのは、体全体のほんの一部に過ぎません。そのため、盲目的に「基準値を満たすこと」だけを目指して一喜一憂する必要はないのです。大切なのは、その結果が出た原因を、自分自身の食事や生活習慣、運動習慣と照らし合わせて見比べることです。 基準値から外れている項目があるならば、それは「なぜその数値が出ているのか」を自分自身で問い直し、根本的な原因を見つけるためのヒントになります。 2. メディアが煽る「タンパク質中心の食事」に潜む落とし穴テレビやネットの特集で「とにかくタンパク質をたくさん摂る食事法が健康や美容に良い」ともてはやされています。 確かに、これまでの生活でタンパク質が極端に不足していた人が意識して摂るようになり、「爪が割れにくくなった」「髪がしっかりしてきた」という劇的な効果を感じるケースは本当によくあります。しかし、ただタンパク質ばかりを過剰に食べれば良いかというと、人間の体はそこまで単純ではありません。 他の栄養素がなければ意味がありません タンパク質が体の中で正しく合成され、筋肉や肌、爪、臓器、ホルモンとして働くためには、ビタミンやミネラルといった「コファクター(補酵素)」の存在が不可欠です。タンパク質だけをたくさん摂っても、それらがないと体に働きません。消化吸収には膨大なエネルギーが必要です ブロック肉などのタンパク質を大量に胃の中に流し込んでも、それをアミノ酸にまでバラバラにするためには、大量の消化酵素と胃腸のパワーが必要です。実は消化吸収そのものが、体にとっては非常に負担の大きい大仕事なのです。慢性的な疲労感、気力が湧かない些細なことでのイライラ、気分が落ち込みやすい夜に眠れない、食欲が湧かない風邪を引きやすい、傷が治りにくい、体がむくみやすい総タンパク(TP / Total Protein)アルブミン3. 体内で24時間行われている「合成と分解」の驚異のリサイクルタンパク質は体に溜め込むことができないため、毎日、毎食こまめに摂取する必要があります。 体重1kgあたり約1gが目安とされるため、体重60kgの人であれば1日約60gが基準となります。しかし、私たちの体内では、毎日食事から摂る何倍もの量(1日約200g〜300g)のタンパク質が、常に「合成」と「分解」を繰り返してリサイクルされているのです。 この合成と分解のバランス(タンパク質代謝)がうまく回らなくなると、体は様々な深刻なアラートを出し始めます。 4. 血液検査で自分の「タンパク質状態」を確認するポイント自分が食べたタンパク質が正しく消化吸収され、体に材料としてどれくらい血液中に残っているかを確認できる代表的な項目が、以下の2つです。これらの項目をじっくり見ることで、目に見えない自分の体内の栄養状態や、生活習慣のリアルな結果を客観的に把握することができます。 5. 体のデータは3ヶ月から1年で変わっていきます食事や生活習慣を見直したからといって、明日の数値が劇的に変わるわけではありません。 人間の体の中身や数値は、およそ「3ヶ月、半年、1年」というスパンでなだらかに変化していきます。 目先の基準値に囚われて焦るのではなく、中長期的に過去のデータと比較しながら、体質が変わっていくプロセスそのものを楽しむのが最も健やかなアプローチです

  5. 8月16日

    ep.60~介護の話

    ポッドキャスト『Backstage M3』エピソード60「介護の話」の概要です。 今回は、いつか誰もが直面する「介護」や「老化」というテーマを軸に、健康寿命を延ばすための運動の価値、行動することの重要性、そして健康が持つ社会的・利他的な影響力について 1. 平均寿命と健康寿命の「10年のギャップ」と介護の原因お盆のお墓参りで墓石に刻まれた享年を眺めた経験から、現代の多くの人が80代で亡くなっていることに触れられています。統計的にも、平均寿命と健康寿命の間には約10年の差(介護が必要となる不健康な期間)があるとされています。介護が必要になる主な原因には男女差があり、男性は「脳卒中や心筋梗塞などの血管系」、女性は「膝の痛みや骨折から認知症に繋がるような運動器系(筋骨格系)」の問題が多い いずれに対しても、運動は予防や改善において極めて大きな役割を果たします。 2. 「知っているけど、やっていない」を崩すスモールステップ 多くの人は、健康のために何が必要か(甘いものを控える、運動するなど)を頭では知っていますが、行動に移せていません。例えば「走ってください」と言うと「走れない」と拒絶されがちですが、信号が変わりそうな時の小走りなど、日常のわずかな場面では誰でも走っています。まずは「10秒だけ走って50秒歩く」といったインターバル(小さなステップ)から始め、少しずつ負荷(12秒、30秒…)を増やしていくことで、体は確実に適応し成長します。高校野球の「残り850日」というカウントダウンの中で「明日急に上手くなるわけではない、1日1日の努力が成長を決める」と指導された経験を引き合いに、快適な場所(コンフォートゾーン)から少しだけ抜け出す「ストレッチゾーン」での努力の重要性が語られています。 3. 「悪くなった角度」で生活習慣を良くしていく健康習慣を改善しようと、ある日突然生活をガラリと変えると、ダイエットと同じように激しい反動(揺り戻し)が起きてしまいます。変化を理性でコントロールしながら、「体が悪くなっていったのと同じようななだらかな角度」で少しずつ良くしていくことこそが、体に無理のない自然なアプローチです。そのために、自分の生活習慣を「新しく始めるもの」「やめるもの」「増やすもの」「減らすもの」の4つに客観的に分類・明確化することが推奨されています。 4. 年齢を重ねるほど高まる「健康の資産価値」(70代の挑戦)10歩走ることの価値は、10代〜30代の若者にとっては当たり前ですが、80代・90代になって同じことができる場合、その価値や周囲に与える影響力は計り知れません。70代半ばでヒップホップダンスに挑戦し、メディアや自治体で話題となって同世代に運動の刺激を与えているクライアントの例が紹介されています。プロが運動指導をする以上に、「同年代が元気に動いている姿」を見せることの方が圧倒的にインパクトがあり、高齢になって動けることの「資産価値」の高さを示しています。 5. 健康は自分だけの問題ではない(ギバーの視点)自分が介護をされる側になれば周囲に申し訳なさを感じ、逆に親や身内が介護状態になれば、自分の時間も大きく制限されます。つまり、健康問題は自分一人だけのものではなく、周囲と共有し、お互いに支え合うべきものです。自分の知識や健康を自分の中だけに留める(テイカー)のではなく、周囲に分け与え循環させる(ギバー)ことの大切さが、40代半ばを迎えた話者自身の人生観の変化と共に語られています。 エピソードの締めくくりとして、高校時代から心に残り、今や座右の銘になりつつある言葉として、「知ったら、やる。やらない限りは、知らないのと一緒である」

  6. 8月13日 ·  ボーナス

    ep.59~自分に合うか、合わないかチェック方法

    『Backstage M3』エピソード59「自分に合うか合わないか、チェック方法」の概要です。 今回は、自分に「合うもの・合わないもの」を体が教えてくれる簡単なチェック方法や、感情が体に与える影響、そしてエクササイズにおける「苦手な動き(短所)の克服」がもたらす真の価値について。 1. 体は嘘をつかない。自分に「合う・合わない」を調べる簡単テスト メガネのレンズカラーが体に与える影響(自分に合わない色や浴びすぎている光によって交感神経が優位になり緊張状態になる)の話から、色や食べ物、さらには過去の記憶など、自分にとってプラスになるものとマイナスになるものが存在すると説明されています。これを客観的に見極める方法として「前屈テスト」や「O-リングテスト」が紹介されています。例えば、通常の前屈をした後に、嫌いな食べ物(ミニトマトなど)を手に持ったり口に含んだり、あるいは想像するだけでも、体が防御モード(戦闘モード)に入り、一気に筋肉が緊張して前屈の可動域が狭くなったり、指の力が抜けたりします。このように、色(様々なカラーのレンズをかける等)や食べ物に対して、体は嘘をつかずに反応を示します。 2. 「嫌いなものを無理して食べる」ことの精神的・身体的デメリット 給食のミニトマトを無理やり食べさせられたニュースを例に挙げ、「健康に良いから」という理屈だけで嫌いなものを無理に食べ続けると、食事のたびに感情がマイナスになり、かえって精神的・身体的に悪影響を及ぼすと語されています。ただし、水のように生命維持にどうしても必要なものは、マインドチェンジをして認識(マインド)を変えるアプローチも必要になります。 3. エクササイズにおける「苦手な動き」とオセロの法則エクササイズでも同様に、その人にとって「苦手な動き」を想像するだけで、体はシャットダウンして可動域や筋力が低下します。リハビリやトレーニングでは、怪我をした時と同じ動きなど、脳が防御反応を起こしてしまう動きに対して「動かしても大丈夫だよ」と安全に繰り返し体験させ、脳のロックを解除(克服)していくことが重要です。これを克服できると、オセロがひっくり返るように不安が一気に自信へと変わり、動きがスムーズになります。 4. 「短所の克服」がもたらす怪我の予防と人間的成長得意なこと(長所)ばかりを伸ばすのではなく、使えていないところや苦手な動き(短所)を克服することこそが、根本的な怪我の予防に繋がると述べています。これは人間の成長にも共通しており、あえて苦手なことにも挑戦して克服していくプロセスこそが、体と人生における大きな学びになる。 どうぞご視聴ください。

  7. 8月13日 ·  ボーナス

    ep.58~「エクササイズ:セラピー?」M3はどっちなの?

    『Backstage M3』エピソード58「エクササイズ:セラピー?」の概要です。 今回は、M3でのアプローチに対する誤解の解消から、トレーニングとセラピーの使い分け、そして専門職としての役割の違いやプロによる客観的評価の重要性について 1. 口コミから生まれる「きついトレーニングをする場所」という誤解 M3では、重い負荷を持ち上げるような一般的な筋力トレーニングではなく、使えていない部位を補強するための負荷は低いけれど複雑性の高いエクササイズを重視しています。 普段動かさない方向に体を動かすため、「神経的にきつい」というのが本質です。しかし、セッションを受けたクライアントが「疲れた、きつかった」と口コミをすることで、周囲(特にお年寄りなど)に「あそこはハードな筋トレをする場所だ」と誤解され敬遠されてしまう悩みについて触れています。 実際にはマニュアルはなく、50代には50代の、80代には80代の体に合わせた最適なメニューを組み立てて提供しています。 2. 「トレーニング」と「セラピー」の使い分け 弱い筋肉を活性化させるためのアプローチを「トレーニング」、過剰に使われすぎている筋肉の働きを抑えるアプローチを「セラピー」と定義し、その人に必要なタイミングで使い分けています。筋肉をただ増やしすぎても良くなく、 「鍛えるか、あるいは緩めるか」のどちらが適切なのかを見極める運動療法としての視点が解説されています。 3. アスレチックトレーナー(AT)と他の専門職の違い 世間一般では「スポーツトレーナー」と一括りにされがちですが、実際には治療家、カイロプラクター、マッサージセラピスト、理学療法士など細かく分類されます。その中で話者が学んできた「アスレチックトレーニング」は、運動指導と治療の両方の要素を持ち、オールマイティに対応できるのが強みです。 アスリート向けというイメージが強いですが、負荷や複雑さを調整すれば一般の方や高齢者の体の問題にも自信を持って十分に対応できると説明されています。 4. 過去の常識は未来の非常識:プロの客観的評価の価値 体に関するアプローチは失敗が許されないからこそ、主観だけでなくプロによる客観的な評価を受けることが重要です。 かつて1980年代に「奇跡の粉」ともてはやされたアスベストが、現在では発がん性のリスクから建築で使用されなくなったように、 医学や健康の常識は数十年でコロコロと変わります。だからこそ、今の時代に合わせた適切なアプローチを常に正しく認識しているプロの意見を参考にしてほしい

  8. 8月7日

    ep.57~エクササイズの質

    ポッドキャスト『Backstage M3』エピソード57「エクササイズの質」の概要です。今回は、地味なエクササイズを継続する意味や、すぐに結果を求めることの落とし穴、そして患部だけでなく「周りからアプローチする」ことの重要性について語られています。 1. 進歩に合わせて変化するメニューと「個別性」 M3では単に筋肉を大きくするだけでなく、その人が苦手とする地味で複雑な動きのエクササイズを処方します。宿題を実践して感覚を掴めると、メニューは次の段階へとコロコロ変わっていきます。そのため「今までのエクササイズは続けた方がいいのか?」という質問をよく受けますが、毎日続けるべきか、週2回にするか、あるいは一旦お休みするかは、その人の体の個性や状態によって全く異なります。 2. パーソナルトレーニングの醍醐味と「深く掘る」プロセス マニュアル通りに全員へ同じメニューを提示するのは簡単ですが、その特定の人にしか合わない「ドンピシャなアプローチ」を処方することこそがパーソナルトレーニングの本質です。体づくりは井戸掘りや温泉と同じで、本質的な改善という深い場所にたどり着くためには、一見地味に見える「下準備(深く掘る作業)」の時期が必ず必要になります。 3. 患部ではなく「周りから攻める」全体性(足部ワークショップの例) 専門性が高まるほど「患部(点)」だけにとらわれがちですが、体はすべて繋がっています。例えば足首を捻挫した際、痛む足首ばかりを治療するのではなく、患部をかばうことで機能が乱れてしまった周囲の部位を整えていく方が、結果的に足首自体の自己治癒力(血液循環や老廃物の排出)を高めることに繋がります。 4. 焦らずゆっくり、長期的な視点を持つ 良くなってほしい一心で急激に大きな変化を与えてしまうと、体がついていけず反動(揺り戻し)が起きることがあります。目先の結果だけに囚われて焦るのではなく、長期的な視点を持って「時には待つ」ことも含め、ゆっくり丁寧に自分の体と向き合うことが、失敗のない確実な変化を生み出します

番組について

M3 Sports Therapyでのセッションの中ではあまり話していない健康のこと、エクササイズの考え方と背景について。 少しでも伝わっていればいいなという気持ちで発信しています。