アメリカ最高裁の基本的な考え方

東京にある大学のY教授の備忘録

ニュースでよく目にするアメリカの最高裁は、どのようにして憲法や法律を解釈しているのか。アメリカ憲法、行政法、刑事訴訟法や環境法の話を中心に紹介していく試み。学生たちとの対話で出てきた疑問などを扱っていきます。AIを実験的に用いているので、文字や読み方や内容で正確性が落ちるため、修正が必要なところが出てくるでしょう。実験版です。最初は、法学部の学生や院生の対話をもとにしていきます。

  1. 1日前

    国境の壁と第一次トランプ政権

    以下は、『行政機関の憲法学的統制』を抜粋し、分かりやすく書き直したもの。いくつか読み間違いがあります。トランプ「前」政権という説明もありますが、AIのミスです。 アメリカの政治システムにおいて、政府予算を決定する権限、いわゆる「財政権(power of the purse)」は連邦議会が掌握しているというのが基本的理解である。大統領がいかに強力な政策目標を掲げようとも、その実行に必要な資金は議会の承認なくして確保できない。 しかし、もし議会が明確に拒否した予算を、大統領が別の経路を用いて調達できるとすればどうなるであろうか。トランプ前大統領は、メキシコ国境の壁建設という公約を実現するため、議会が予算を否認したにもかかわらず、数十億ドル規模の資金を確保することに成功したのである。 本稿では、トランプ大統領がいかなる法的・政治的手法を用いて議会の壁を乗り越えたのかを検討する。この事例は、アメリカ大統領に与えられた権限の強力さと同時に、その危うさを示す象徴的なケースである。 「国家非常事態」宣言という禁じ手トランプ大統領が最初に打った大胆な一手は、2019年2月15日に「国家非常事態」を宣言したことである。この宣言こそが、議会の承認なしに予算を動かすための核心的手段となった。 この宣言は「国家緊急権限法」を根拠とするものであり、議会が壁建設に必要とされた予算措置を拒否したことへの直接的な対抗措置であった。すなわち、大統領は国家安全保障を名目として非常事態を宣言し、議会のコントロールを迂回する道を開こうとしたのである。

    15分
  2. 5月4日

    Trump v. J.G.G.とA.A.R.P v. Trumpと関連する事件: 1798年の法律vsベネズエラ犯罪組織を巡る「敵性外国人法」

    以下は、「大統領命令の乱発と憲法の危機-アンドリュー・ジャクソン、リンカーンとトランプ大統領、Trump v. J.G.G.とA.A.R.P v. Trumpと関連する事件を中心に-」法律論叢98巻6号(2026)に掲載。また、2025年8月22日「アメリカ最高裁の憲法と法解釈-2025⽇本⼈研究者交流会」発表したもの。拙著『⁠行政機関の憲法学的考察⁠』(日本評論社)も参照のこと。 2025年4月7日 24A931 Trump v. J. G. G. (04/07/2025) 最高裁は、被拘束者が敵性外国人法に基づく「敵国の外国人」に該当しないとの主張について判断を避け、次の2点を判断した。 管轄裁判地(venue)が誤っている。被拘束者は、拘束されている場所の連邦地裁に訴えなければならず、告知と聴聞の機会が与えられるべきである。 1)管轄地が間違っている。2)告知と聴聞の機会を与えるべきである。 「敵性外国人法について触れてない」ってどういうこと? 1)敵性外国人について4月7日の最高裁は触れていないため第5巡回区連邦控訴裁が判断。 そこで、2025年9月1日の第5巡回区控訴裁は、「ある国(ここではベネゼエラ)が自国民に対し、この国(米国)への不法入国を奨励していることは、現代において、武装した組織的な部隊を派遣して米国を占領し、混乱させ、あるいはその他の方法で危害を加えることに相当するものではない。」と判断した。 2)下級裁に対する最高裁の介入

    18分
  3. 4月9日

    3/6暴走する大統領と憲法の危機-リンカーンは独裁者か(大統領命令の乱発と憲法の危機その3/6)

    以下は、「大統領命令の乱発と憲法の危機 ―アンドリュー・ジャクソン、リンカーンと トランプ大統領、Trump v. J.G.G. と A.A.R.P v. Trump と関連する事件を中心に――」法律論叢98巻6号59頁(2026)の一章を簡単にまとめたもの。 歴代の大統領で、同じような合衆国憲法上の権限を行使しながら、人々からの評価が違うのはなぜだろうか? リンカーンは「独裁者」か 現代の危機管理において、指導者の権限はどこまで許容されるのか。合衆国憲法史上、最も高潔とされるエイブラハム・リンカーンは、実は最高裁と激しく対立し、司法判断を拒絶した顔を持っていた。国家分裂の瀬戸際で彼が挑んだ憲法解釈の闘いは、現代の私たちが当然視する「三権の均衡」への挑戦でもあった。 誰が自由を制限できるのか?——憲法の「主語なき」条文 合衆国憲法1条9条2項は、人身保護令状の停止を例外的に認めているが、この条文の文言は受動態で記述されている。停止を命じる「主語(誰が?)」が欠落している。本来、人身の自由を制限する権限は立法府にあるというのが法学上の通説であった。しかし、戦時下の「憲法的真空」において、リンカーンは議会の同意なく大統領権限でこの停止を断行した。これは単なる文法の不備を突いたものではなく、未曾有の国難において国家の生存を優先させた行政による果敢な決断であったと評価されている。

    14分

評価とレビュー

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番組について

ニュースでよく目にするアメリカの最高裁は、どのようにして憲法や法律を解釈しているのか。アメリカ憲法、行政法、刑事訴訟法や環境法の話を中心に紹介していく試み。学生たちとの対話で出てきた疑問などを扱っていきます。AIを実験的に用いているので、文字や読み方や内容で正確性が落ちるため、修正が必要なところが出てくるでしょう。実験版です。最初は、法学部の学生や院生の対話をもとにしていきます。