中村寿理の優しい漢方入門

ブヘサ中村固腸堂

石川県で明治初期から続く漢方薬店『ブヘサ中村固腸堂(なかむらこちょうどう)』の6代目店主・中村寿理が地元MROラジオで20年送り続けている番組【寿理のやさしい漢方入門】で放送されたアーカイブを、毎週月曜日の放送翌日に更新していきますので、是非ご視聴ください! 「漢方をもっと身近に!」「生活に役立つ東洋医学の知恵」をテーマにこれからも配信していきます。 中村寿理/薬剤師、国際中医専門員、不妊カウンセラー 石川県で薬剤師として初めて不妊カウンセラーを取得。店頭ではPMS、妊活、更年期などの婦人科のご相談をはじめ、子どもからお年寄りまで幅広いご相談に対応しています。 身体のお悩み、漢方相談についてはHP、各種SNSにてお問い合わせください。

  1. 3日前

    メンタル安定から梅雨の不調まで!知られざる「豆」のすごい力/2026年7月6日MROラジオ放送分

    最近の研究で、豆をよく食べる人はうつ病の発症率が低いことが分かっています。 豆に含まれる食物繊維が腸内で発酵して「短鎖脂肪酸」を作り出し、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌を促すなど、メンタルの安定やストレス軽減に深く関わっているためです。海藻やキノコなどの水溶性食物繊維と一緒に、五目煮豆やサラダなどで日常的に摂り入れるのがおすすめです。 漢方薬でも豆は重宝されています。例えば「白扁豆(はくへんず)」という生薬は、胃腸を元気にして余分な湿気を取り除き、梅雨時や夏場のバテ、頭痛、体の重だるさを改善します。水分代謝が悪く体に水が溜まりやすいタイプには、利水作用のある小豆(あずき茶など)や、熱と水分を調節する緑豆(もやしや春雨)が適しています。 また、豆には冷めると増える「レジスタントスターチ(難消化性デンプン)」が豊富に含まれています。これは胃や小腸で消化されずに大腸まで届き、善玉菌のエサとなって腸内環境を劇的に改善します。お弁当などの冷めたご飯やポテトサラダなども同様の働きがあり、血糖値の上昇を抑え、便通を整えるメリットがあります。 ただし、豆は消化に時間がかかりガスが発生しやすいため、胃腸が弱い方や過敏性腸症候群の方は注意が必要です。豆腐や味噌などの加工品を選んだり、生姜やネギ、クミンなどのスパイスを組み合わせて胃腸を温め、消化を助ける工夫をすると良いでしょう。豆の力を日々の食卓に上手に取り入れ、心と体のバランスを整えましょう。

    8分
  2. 6月29日

    脳の疲労と過緊張に!ストレスに打ち勝つ「西洋人参・シベリア人参」/2026年6月29日MROラジオ放送分

    東洋医学では、エネルギー不足とエネルギーの停滞(気の滞り)は同時に起こることがあります。体力がなく疲れ切っているのに、気力だけで動いているような「全身過緊張状態」の人が現代には多く見られます。このタイプは、疲れているのに頭が休まらない、眠れない、元気がないのにイライラする、胃腸が弱いのにストレスで食べてしまうといった矛盾した状態に陥りがちです。まさに、高速回転して頭から煙が出ているような状態と言えます。 このような脳の疲労や過緊張を和らげるのに役立つのが、生薬(漢方薬の材料)である「人参」です。人参といえば滋養強壮の高麗人参や、血流を良くする田七人参が有名ですが、ストレスケアには「西洋人参」と「シベリア人参」が適しています。西洋人参には鎮静作用があり、体にこもった熱を取るため、頭がのぼせて眠れない時などに有効です。一方、シベリア人参は環境への適応能力を高める働きがあり、宇宙飛行士が過酷なストレス環境下で用いたことでも知られています。 漢方薬は、これらの生薬を複数組み合わせて作られます。緊張や動悸、イライラなど、症状や体質に合わせて専門家に選んでもらうことが大切です。しかし、漢方薬そのものに頼る前に、まずは漢方の考え方を知り、食事や生活習慣を見直す「養生」の視点を持つことが基本となります。 気力だけで無理をして体が壊れてしまう前に、自分の体質を知り、予防や調整の手段として漢方を上手く取り入れて、心身のバランスを整えていきましょう。

    6分
  3. 6月22日

    真面目な人ほど要注意!喉のつかえやお腹の張り、PMSのイライラ、胸の張り、これらすべて「気滞」が原因/2026年6月22日MROラジオ放送分

    東洋医学では、体のエネルギー(気)は量が足りているだけでなく、全身をきれいに巡っていることが健康の条件だと考えます。ストレスや緊張によって体の調整システムが固まり、エネルギーの流れが滞ってしまった状態を「気滞(きたい)」と呼びます。 気が滞ると、自律神経の乱れから胃腸や食道の筋肉が緊張し、お腹の張り、胸のつかえ、喉の異物感、げっぷなどの症状が現れやすくなります。また、生理前に胸が張る、イライラするといった月経前症候群(PMS)もこの気滞が原因です。漢方薬には、こうした戦闘態勢になって過緊張状態の体をリラックスさせ、交感神経と副交感神経のバランスを整えたり、ホルモンバランスの乱れを同時にサポートしたりする優れた処方がいくつもあります。 この気滞になりやすいのは、真面目で責任感が強い人、気を遣い我慢しやすい人、デスクワーク中心で運動不足の人などです。気が上(頭部)に滞ることで、頭痛や不眠、肩こり、めまい、さらには就寝中の歯ぎしり(食いしばり)なども起こりやすくなります。 日々の対策として、下半身を動かす適度な運動で上に上がった気を下ろし、上下のバランスを取ることが大切です。また、食いしばり対策として耳周りや頭皮のマッサージを行い、あえて硬いものを噛んで脳の血流を促すのも効果的です。薬膳の視点からは、梅干しや酢の物などの「酸味」、皮の部分に薬効がある「柑橘類」、シソやセロリといった香りの強い「香味野菜」を毎日の食事に取り入れることで、気の巡りをスムーズにすることができます。

    7分
  4. 6月15日

    病気じゃないのにつらい。。内臓の弱りも気虚が原因!肺・心・腎から見極める「気虚」のサイン/2026年6月15日MROラジオ放送分

    東洋医学は、「病気ではないが日常生活に支障が出る」といった慢性的な不調や未病のケアを非常に得意としています。特に日本人に多いのが、体のエネルギーが不足している「気虚(ききょ)」という体質です。 一口にエネルギー不足と言っても、弱っている臓器によって現れる症状は異なります。 例えば「肺」のエネルギーが不足する「肺気虚」では、息切れや浅い呼吸だけでなく、皮膚や粘膜のバリア機能が低下し、風邪を引きやすくなったり鼻血が出やすくなったりします。「心(心臓)」の力が落ちる 「心気虚」では、動悸や不安感、不眠などが現れます。また、「腎」が弱る「腎気虚」は、耳鳴り、夜間頻尿、物忘れといった老化現象や、子供の発育遅れとして表れます。なお、「肝(肝臓)」はエネルギーよりも血液量に左右されるため、血が不足することで筋肉のつりや目の疲れ、生理トラブルなどが引き起こされます。 東洋医学の優れた点は、「木ではなく森を診る」ように、臓器同士の繋がりを重視して総合的にアプローチすることです。例えば、風邪を引きやすい「肺」の弱りに対しては、親子関係にある「胃腸」の機能を高めることで、間接的に肺を強化し、免疫力を底上げするという手法をとります。一人ひとりの体質や症状に合わせて、細かく調整できるのが漢方の強みです。 気虚体質の人は、もともと持っているエネルギーが少ないため、体を冷やすことは厳禁です。下がった体温を戻すために貴重なエネルギーが消耗されてしまうため、なるべく体温以上のものを口にするなど、体を冷やさない生活習慣が何よりの養生となります。

    7分
  5. 6月8日

    運動やサウナが逆効果になる人も。汗っかきで疲れやすい体質への処方箋/2026年6月8日MROラジオ放送分

    東洋医学では、汗をかきすぎてぐったりする、のぼせやすく長風呂ができないといった症状を、エネルギー不足である「気虚(ききょ)」タイプの特徴と考えます。 適度な汗は体温調節やデトックスに有効ですが、気虚タイプの場合、発汗によって水分や電解質が失われ、体を冷やすためのエネルギーを過剰に消費することで「エネルギー切れ」を起こしてしまいます。このタイプはタンパク質不足で筋肉量が少ない傾向があり、毛穴を引き締める力も弱いため、少し動いただけで必要以上に汗が漏れ出てしまう「汗っかき」が多いのも特徴です。 東洋医学では体質を、汗をかいてスッキリする「実証」と、ぐったりしてしまう「虚証」に分けます。余分な水分が溜まっている実証の人は汗をかくことで体調が整いますが、虚証の人はこれからの暑い時期、過剰な発汗による夏バテに注意が必要です。 また、入浴も血圧変動や体温調節などで体力を大きく消耗する行為になります。自律神経の調整力やエネルギー代謝が低い気虚タイプが長風呂をすると、体がしんどくなってしまいます。熱すぎるお湯や空腹時を避け、半身浴を取り入れるなどの工夫が大切です。 検査で明らかな異常がないのに疲れやすい、虚弱体質でつらさが周囲に伝わりにくいといった不調の改善こそ、漢方が最も得意とする分野です。体質に合わせた漢方薬でエネルギーと血液を補うことで、疲れにくく、ゆっくりお風呂を楽しめる健やかな体へと変わっていきます。

    7分
  6. 6月1日

    なぜ疲れやすく痩せにくい?エネルギー不足を招く「胃腸とタンパク質」の落とし穴/2026年6月1日MROラジオ放送分

    漢方では症状よりも「人」をみて体質を重視します。 例えば、「あまり食べていないのに太る(または太れない)」「運動が苦手で筋肉がつきにくい」「胃腸が弱く疲れやすい」といった特徴に当てはまる方は、エネルギーが不足した「気虚(ききょ)」タイプである可能性が高いと言えます。 このタイプは、栄養学的に言い換えると「タンパク質不足」の状態です。水とタンパク質からできている人間の体において、タンパク質は髪や筋肉、内臓、ホルモン、そして消化酵素にいたるまで、あらゆる組織の原材料になります。そのため、タンパク質が不足すると消化酵素が十分に作られず、腸の動きも鈍くなって便秘などを引き起こします。つまり、タンパク質を摂取するための消化力が足りないため、ますますエネルギー不足に陥るという悪循環が生まれてしまうのです。 特に注意したいのが、朝食の摂り方です。朝にタンパク質が不足すると、体は自分の筋肉を分解してエネルギーに変えようとするため、さらに痩せにくく太りやすい体質になってしまいます。ご飯と味噌汁といったメニューだけでなく、卵や納豆などを意識して加えることが重要です。 タンパク質は「体重1kgあたり1g(体重50kgなら50g)」が日々の目安となりますが、40歳を超えると消化吸収率は40%にまで低下すると言われています。いくら大量に摂取しても、腸内環境を乱したり、そもそも消化吸収できなかったりすれば意味がありません。 このように「タンパク質を摂りたくても胃がもたれる」「食べたものを効率よく吸収できない」という場合に役立つのが、胃腸の働きを高める「健脾剤(けんぴざい)」などの漢方薬です。胃腸の消化吸収力を正常にサポートすることで、「食べられる、吸収できる、エネルギーに変わる、元気になる」という良い循環が生まれます。五臓の中心である胃腸を元気にすることが、疲れや老化を防ぎ、健康的な体をつくる土台となるのです。

    7分
  7. 5月25日

    かんしゃく・おねしょと腸の意外な関係:漢方で整える子供の体質/2026年5月25日MROラジオ放送分

    腸は栄養の吸収や排泄だけでなく、血流の改善、免疫力の向上、ホルモン合成、さらには脳との連絡といった多岐にわたる役割を担っています 。 東洋医学の視点で見ると、子供はエネルギーに満ち溢れている反面、消化器系や呼吸器系が未発達で弱く、抵抗力が十分ではありません 。 子供の悩みとして多い「癇(かん)が強い」状態や「夜泣き」には、実は胃腸の弱さが背景にあるケースが多く見られます 。物事に過敏で癇癪を起こしやすい体質の子には、気を静める漢方薬とともに胃腸を強化することで、精神の安定を促します 。また、眠りに必要なホルモン生成も胃腸の働きに左右されるため、睡眠の質を改善するためにも虚弱体質の克服が重要です 。 「夜尿症(おねしょ)」についても同様で、寝ている間の尿量を調節する抗利尿ホルモンの分泌不足が関わっています 。このホルモン分泌に関係の深い「腎(じん)」の強化に加え、それを支える消化器系を整えるアプローチが有効です 。特に冷えに弱い傾向があるため、アイスや氷入りの飲み物を控えるといった「お腹を冷やさない」生活習慣が改善への第一歩となります 。 さらに、腸内環境の乱れはアトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルやアレルギー、風邪をひきやすいといった免疫の問題、将来的な貧血のリスクにも繋がります 。子供の胃腸虚弱は日常生活に支障がないレベルだと見過ごされがちですが、幼いうちから正しい食養生や生活習慣に取り組むことで、健やかな成長の土台を築くことができます 。

    7分
  8. 5月18日

    血液の質は「腸」で決まる!健康を支える「増やして流す」新習慣/2026年5月18日MROラジオ放送分

    健康維持において「血液をきれいにして流れをよくすること(瘀血/オケツの改善)」は非常に重要ですが、そのためには腸内環境の改善が不可欠です 。 東洋医学では数千年前から「血液は腸で作られる」と考えられてきましたが、近年の医学でも腸が血液生成に深く関わることが明らかになっています 。 血流改善と聞くと「ドロドロの血液を流す」イメージが強いですが、実際には「血液そのものが不足している」ケースも少なくありません 。特に日本人は胃腸が弱い方が多く、病院の検査で異常がなくても、血液を十分に作れない「隠れ貧血」の状態にある女性が多く見受けられます 。血液を増やし、その上で流すというステップが必要であり、胃腸の働きを高めて血液を作り出せる体に整えることが、慢性的な疲れや生理トラブル、メンタルの安定に繋がります 。 また、腸は体内に栄養を取り込む際の「関門」としての役割も担っています 。消化管は外と繋がっており、必要なものと有毒なものを見分けていますが、腸の粘膜の状態が悪いと、血液は未消化物や毒素まで全身に運んでしまいます 。これが体調不良やアレルギー、冷え性の原因となるため、血液をきれいに保つためには正常な腸の働きが欠かせません 。 東洋医学では胃腸を「五臓の中心」と捉えます 。漢方薬を用いて腸内環境や粘膜の状態を整えることで、吸収・排泄・解毒のすべてが正常化し、はじめて質の良いきれいな血液が全身を巡るようになります 。 一見関係のないような症状であっても、胃腸から根本的にケアをすることが、健康を維持する上での大きな秘訣となります 。

    7分

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番組について

石川県で明治初期から続く漢方薬店『ブヘサ中村固腸堂(なかむらこちょうどう)』の6代目店主・中村寿理が地元MROラジオで20年送り続けている番組【寿理のやさしい漢方入門】で放送されたアーカイブを、毎週月曜日の放送翌日に更新していきますので、是非ご視聴ください! 「漢方をもっと身近に!」「生活に役立つ東洋医学の知恵」をテーマにこれからも配信していきます。 中村寿理/薬剤師、国際中医専門員、不妊カウンセラー 石川県で薬剤師として初めて不妊カウンセラーを取得。店頭ではPMS、妊活、更年期などの婦人科のご相談をはじめ、子どもからお年寄りまで幅広いご相談に対応しています。 身体のお悩み、漢方相談についてはHP、各種SNSにてお問い合わせください。

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