地方財政の中の人がそこそこ真面目に語るラジオ

ヤット@地方財政の中の人

「地方財政の中の人がそこそこ真面目に語るラジオ」は、地方自治体の財政担当が、 自治体の財政運営に携わるなかで見える社会の動き、くらしに関わる制度の裏側を、5分ほどでお届けする短い番組です。 今日のニュースが少しだけ立体的に見えるような、そんな小さなヒントをお送りします。 「地方財政の中の人がそこそこ真面目に語るnote」をやってます。 https://note.com/ericd

  1. 4日前

    #17 子供が減っても、コストは減らない——少子化時代の教育と地方財政

    第17回:今年(2026年)5月4日、総務省が公表した「こどもの数」は1,329万人。45年連続の減少で、1954年のピーク時(約2,989万人)と比べると半分以下になりました。 「少子化」という言葉には慣れてしまいがちですが、地方財政の現場にいると、この数字がじわじわとさまざまな課題に影響を及ぼしているのを実感します。今回は「教育の場」に絞って、少子化が地方財政に何をもたらしているのかを整理しました。 ▼ 今回話したこと 公立小中学校の約8割が建築後25年以上経過。老朽化による不具合は2021年度だけで全国2万2千件超。学校施設の更新費用は今後30年で数十兆円規模。廃校が増えても「施設が余る」とは単純にいかない理由。体育館の空調設置率はまだ22.7%(2025年5月時点)。普通教室とのギャップが大きい。部活動の地域移行は2026年度から「改革実行期間」へ。ただし指導者の約6割は依然として教員の兼職兼業が支えており、「理解できる」と「実現できる」の間には大きな距離がある。子供の数が減ることと、教育コストが減ることはイコールではない。むしろ財政負担はこれから増えていく局面に入っている。▼ 関連noteこどもの日に、お金の話をします——地方財政×少子化×学校老朽化×部活動地域移行 「地方財政の中の人がそこそこ真面目に語るラジオ」は、地方自治体の財政部門に20年以上勤務する現役職員が、地方財政のリアルを一般向けに発信するPodcastです。

    13分
  2. 5月23日

    #16 火葬炉は足りるか――多死社会のハードを考える

    第16回:今回のテーマは「火葬炉は足りるか――多死社会のハードを考える」です。 日本経済新聞が葬儀の担い手不足(ソフト面)を取り上げましたが、ソフトとハード、どちらが欠けても問題の解決にはなりません。今回はハード面、つまり火葬炉の現状をデータで確認します。 2024年の年間死亡者数は160万人超と過去最多。死亡者数のピークは2040年頃ですが、それで終わりではありません。団塊ジュニア世代が後期高齢期を迎える2060年前後にも再び高水準になる「二段構え」の構造があります。 首都圏では炉1基あたり1日1.57体の処理が必要な水準で、北海道の3.3倍の逼迫度。しかし火葬場の整備には財政・法制度・住民合意という三重の壁があり、1施設200億円・10年がかりというのが現実です。しかも国庫補助は極めて限定的で、基本的に自治体の単独負担です。 地域格差の問題にも触れています。三郷市では市外の火葬料金が市内の13倍。どこに住むかで死後の取り扱いに差が生じる時代が来ています。 note記事はこちら:https://note.com/ericd/n/nd4953c2ccc48 この番組について:地方自治体の財政担当が地方財政の中の人の視点で様々なニュースや話題について、1回5分から10分程度で解説しています。

    13分
  3. 5月17日

    #15 水道料金と老朽化——「上げられない」現実を考える

    第15回:今回は「水道料金と老朽化——『上げられない』現実を考える」というテーマでお話ししました。 日本経済新聞電子版の記事「水道管は4分の1が老朽化 独立採算の公営事業 人口減で苦境に」をきっかけに、水道インフラの現状と、その背後にある財政的な構造問題を掘り下げています。 今回話した主な内容: ・全国の水道管の約23.6%が法定耐用年数(40年)を超過。現在のペースでは全管路の更新に130年以上かかる計算(国土交通省資料) ・水道事業は「独立採算」が原則——道路や公民館のように税金で賄うサービスとは制度の建てつけが異なる ・有収水量は2000年がピーク。人口減少と節水で収入は減る一方、コストは下がらない構造的ジレンマ ・2046年までに全国の96%の事業体で値上げが必要、平均値上げ率は約48%という試算(EYジャパン×水の安全保障戦略機構、2024年) ・長野県松本市は1988年以来36年間据え置き、令和4年度の料金回収率は92.8%まで低下——こうした長期据え置きは多くの自治体で見られる ・下水道・雨水管も同じ構造を抱えていること インフラはタダではありません。誰かが必ずそのコストを負担しています。身近な水道料金の話を入り口に、インフラとお金の問題を一緒に考えていただければ幸いです。 --- 📝 あわせてnoteもどうぞ 水道料金と老朽化——「上げられない」現実を考える https://note.com/ericd/n/nffb432e4cbd9 --- 【参考資料】 ・日本経済新聞「水道管は4分の1が老朽化 独立採算の公営事業 人口減で苦境に」 ・国土交通省「水道広域化推進プラン」関連資料 ・EYジャパン×水の安全保障戦略機構「人口減少時代の水道料金はどうなるのか?(2024年版)」 ・日本経済新聞「水道事業、6割が採算割れ」(2024年1月) ・地方財政白書(総務省) ・地方公営企業年鑑(総務省)

    11分

番組について

「地方財政の中の人がそこそこ真面目に語るラジオ」は、地方自治体の財政担当が、 自治体の財政運営に携わるなかで見える社会の動き、くらしに関わる制度の裏側を、5分ほどでお届けする短い番組です。 今日のニュースが少しだけ立体的に見えるような、そんな小さなヒントをお送りします。 「地方財政の中の人がそこそこ真面目に語るnote」をやってます。 https://note.com/ericd