ソシオリウム

野村一夫(反省社会学)

人文社会系講義。社会学の復習から社会理論へ。

  1. 1日前

    231知識人論(7)SF映画の古典から

    ZoomWorkplaceによる要約:野村一夫は231回目の「知識人論」の回として、体調不良の近況を共有した後、最近観た映画『2001年宇宙の旅』『2010年』『ミクロの決死圏』『1984』(1956年版)について感想を述べた。『2001年宇宙の旅』ではHAL 9000による監視社会やAIの反乱の描写を、現代のAIやアルゴリズムによる公共圏との関連で考察し、続編『2010年』はB級映画的でローテクだが、ディスカバリー号の行方や政府の秘密指令が原因である点を整理した。『ミクロの決死圏』は人体内部を描いた画期的な作品だと評価し、白黒の『1984』ではジョージ・オーウェルの全体主義が未来SFではなく当時のロンドンの日常の中に現れている点を指摘した。野村一夫はこれらを踏まえ、現在のポピュリズムやネットポピュリズム、アルゴリズム公共圏、デジタル全体主義への知識人の対応をテーマに、ハバマスやジンメルの理論を参照しながら、見識ある市民の育成の重要性を語った。最後に、ヤスパスの戦争責任論やソルジェニーツィンのスターリニズム批判など、今後扱いたいテーマに触れて番組を締めくくった。 「Fantastic Voyage | English Science Fiction Film | Starring Raquel Welch」 https://youtu.be/cZaqE1U0XEE?si=kMfNp0q0CQm2tPPK 「George Orwell's "1984" (1956) Drama/Sci-Fi | Edmond O'Brien, Michael Redgrave」 https://youtu.be/8cN2orF88Jg?si=qns_TzLZ8h0z3i3H

  2. 9月14日

    225知識人論(1)フッサール、ブロック、オーウェルと抵抗のモラル

    ホルヘ・センプルン『人間という仕事』未来社。 #民主的理性 Zoomによる要約 野村一夫はソシオリウム225回目として「知識人論」シリーズの開始を宣言し、国立国会図書館の設立背景や中井正一の役割、図書館の政治的圧力への脆弱性を振り返った。三木清の『読書と人生』から読書のあり方を引用し、読書における「発見」が重要だと強調した。シリーズの第一弾としてホルヘ・センプルンの『人間という仕事 フッサール・ブロック・オーウェルと抵抗のモラル』を紹介し、著者センプルンの経歴と、ファシズム・スターリニズム・戦争下で抵抗したフッサール、ブロック、オーウェルの位置づけを説明した。フッサールの1935年のウィーン講演「ヨーロッパ的人間性の危機と哲学」を中心に、理性の勇敢、民主的理性、ヨーロッパ的精神の再生といったテーマを整理し、当時の歴史的背景(独仏の和解失敗、世界恐慌、計画主義、大衆化、スターリニズムの高揚)を概観した。ブロックの『奇妙な敗北』を通じて、ドレフィス事件以降の現代的反ユダヤ主義の転換、ナチスの大胆不遜な残虐行為が国際的に黙認された構造、そして三人に共通する批判的・民主的理性への信念を指摘した。ハイデッガーのナチスへの協調と大学総長時代の言動を批判的に取り上げ、知識人の抵抗と協調の対比を示した。最後に、次回はマーク・リラの『シュラクサイの誘惑』からハイデッガーを題材に「知識人と政治」について論じる予告を行った。

番組について

人文社会系講義。社会学の復習から社会理論へ。