CROSSROADS|学び×福祉×政治

高野たかひろ

学び、福祉、政治——それぞれの視点が交差する場所「クロスロード」。この番組では、元TBSアナウンサー、東京都議会議員 社会福祉士 高野たかひろが日々のニュースの奥にある社会の構造や、見えにくい課題に光を当てながら、誰にでもわかる言葉でひも解いていきます。 制度や仕組みの話だけでなく、その先にある「人の暮らし」や「想い」にも焦点を当て、発見・理解・共感へとつなげます。 難しそうに見える社会の話を、少し身近に、少しやさしく。インクルーシブな社会を考えるきっかけとなるラジオです。

  1. 3日前

    #107 「バリアフリートイレがあっても、使えない ― 介助用ベッドと『見える化』を考える」

    「バリアフリートイレがある」だけで、本当に誰もが安心して外出できるのでしょうか。 車いすで入れる広さがあっても、横になっておむつ交換や着替え、自己導尿などを行うための「介助用ベッド」がなければ、利用できない人たちがいます。 東京都では現在、公共施設への介助用ベッドの設置を進めるとともに、既存施設でも導入しやすい「移動式介助用ベッド」への支援も始まっています。 一方で、設置されていても「どこにあるのか分からない」「トイレの入口を見ても介助用ベッドの有無が分からない」といった課題も残っています。 今回のCROSSROADSでは、 ・介助用ベッドとは何か
・東京のバリアフリートイレ整備の現状
・東京都が進めている介助用ベッドへの支援
・固定式だけでなく移動式を広げる意味
・「だれでも東京」などによる情報発信
・ピクトグラムで設備を分かりやすく伝える必要性 についてお話しします。 私はこれまで都議会でも、介助用ベッドの設置拡大や、既存施設での移動式ベッドの活用を求めてきました。 次に必要なのは、 「設置する」だけではなく、
「必要な人が、すぐ見つけられる」こと。 トイレは、単なる設備ではありません。 外出すること。
学校へ行くこと。
買い物や旅行を楽しむこと。 社会参加そのものを支える大切なインフラです。 今回は、バリアフリートイレから、誰もが外出しやすい東京について考えます。

    #107 「バリアフリートイレがあっても、使えない ― 介助用ベッドと『見える化』を考える」
  2. 4日前

    #106 「働きたいのに、ヘルパーが使えない」

    【CROSSROADS #106】 「働きたいのに、ヘルパーが使えない ― 重度障害者の就労を阻む“制度の壁”」 重度の障害があり、日常生活ではヘルパーの介助を受けている人がいます。 食事、トイレ、移動、姿勢調整、たんの吸引――。 生活するために必要な介助です。 ところが、「働きたい」と思ったとき、その支援をそのまま職場で利用できるとは限りません。 通常の重度訪問介護では、通勤や勤務中などの経済活動は原則として対象外。 その壁を補うために「重度障害者等就労支援特別事業」が設けられていますが、実施するかどうかは自治体によって異なります。 さらに、公務員など公務部門で働く場合には、この特別事業の対象外となるという別の壁もあります。 今回のきっかけとなったのは、TBS「報道特集」が伝えた、重度障害のある女性とその家族の姿です。 滋賀県教育委員会で働くことになった女性は、介助の問題を抱えながら就労を続けています。 一方、自治体の制度を利用し、職場にヘルパーが入りながら働いている人もいます。 「介助が必要だから働けない」のか。 それとも、 「働くために必要な介助を社会が用意できていないから、働きにくい」のか。 今回は、 ・重度訪問介護と「就労」の関係
・重度障害者等就労支援特別事業とは何か
・全国でどのくらい利用されているのか
・自治体による地域差
・なぜ公務員は対象外なのか
・企業側の合理的配慮と福祉制度の役割分担
・ヘルパーの新たな活躍の場につながる可能性 などを、一つひとつ整理します。 働くことだけが、その人の幸せではありません。 しかし、「働きたい」と希望する人が、障害そのものではなく制度を理由に選択肢を狭められているとすれば、そこには考えるべき課題があります。 本人が望む社会参加や働き方をどう支えるのか。 重度障害者の就労と、ヘルパー利用をめぐる制度について考えます。 【参考・ネタ元】
TBS NEWS DIG/報道特集
「『就職して社会に貢献したい』重度障がい者の社会参加はばむ制度の壁、葛藤する女性とその家族」
YouTube公開:2025年12月21日

    #106 「働きたいのに、ヘルパーが使えない」
  3. 5日前

    #105 「家族を支える子どもを、誰が支えるのか ― ヤングケアラーの現実」

    今回のテーマは、ヤングケアラー。 家族の介護や家事、きょうだいの世話などを日常的に担い、自分の学びや睡眠、友人関係、進路にまで影響を受けている子どもや若者がいます。 けれど本人にとっては、それがずっと続いてきた「普通の生活」であることも少なくありません。 「家族だからやるのが当たり前」
「自分がやらなければ」 そう思っているからこそ、周囲から見えにくく、本人からも助けを求めにくい。 今回は、東京都が公表している実際の支援事例をもとに、ヤングケアラーの生活や支援につながるまでの過程を紹介します。 さらに、2024年の法改正、ヤングケアラー・コーディネーター、東京都の相談支援や家事支援など、現在の取り組みについても解説。 大切なのは、相談窓口をつくることだけではありません。 「この子が背負っている負担そのものを、どう減らすのか」 本人だけではなく、家族全体を社会で支える視点が必要です。 家族を大切にすることと、子どもが過度な責任を背負うことは違う。 家族を支えている子どもに、
「頑張っているね」だけで終わらせず、 「あなたのことも支える大人がいるよ」 と伝えられる社会をどうつくるのか。 一緒に考えます。 令和8年 こども白書

    #105 「家族を支える子どもを、誰が支えるのか ― ヤングケアラーの現実」
  4. 9月16日

    #104 「障害のある人は、どこで働くのか」

    障害のある人の「働く場所」には、どんな選択肢があるのでしょうか。 今回は、就労継続支援A型・B型の違いから、日本の障害者雇用の現状まで、できるだけわかりやすく整理します。 A型とB型の大きな違いは、雇用契約の有無です。 A型は雇用契約を結び、最低賃金など労働法制の対象となる一方、B型は雇用契約を結ばず、生産活動などを通じて工賃を受け取ります。 また、B型事業所は「知的障害のある人の場所」など、障害種別ごとに制度上分かれているわけではありません。 知的障害、精神障害、身体障害など、さまざまな人が利用しており、事業所ごとに得意とする支援や仕事内容にも違いがあります。 さらに今回は、一般企業における障害者雇用にも目を向けます。 2026年7月から、民間企業の法定雇用率は2.7%となりました。 障害者雇用は増えていますが、重要なのは「何人雇ったか」だけではありません。 その人がどんな仕事をしているのか。
必要な合理的配慮は受けられているのか。
そして、本人がその働き方を選べているのか。 B型から一般就労につながったケースや、支援を受けながら自分のペースで働き続けるケースも紹介しながら、 「障害があるから働けない」のではなく、
「今ある働き方が、その人に合っていないだけではないか」 という視点から考えます。 A型、B型、一般就労。 大切なのは、どこで働くかを序列で考えることではなく、一人ひとりが自分に合った働き方を選び、力を発揮できること。 障害のある人の「働く」を、一緒に考えます。

    #104 「障害のある人は、どこで働くのか」
  5. 9月14日

    #102 「見えない、聞こえない。その先にある“孤立”をどう防ぐか ― 盲ろう者支援を考える」

    皆さんは、「盲ろう」という言葉を聞いたことがありますか? 盲ろう者とは、視覚と聴覚の両方に障害がある方々です。ただ、その見え方や聞こえ方、コミュニケーションの方法、必要な支援は一人ひとり異なります。 今回、このテーマを取り上げるきっかけになったのは、東京都への団体要望ヒアリングでした。 そこで、盲ろう者が直面する「移動」「コミュニケーション」「情報取得」の難しさ、触手話や指点字といった多様なコミュニケーション方法、そして社会参加を支える通訳・介助者の重要性について、改めて学ぶ機会をいただきました。 東京都には盲ろう者支援センターがあり、相談支援や生活・コミュニケーション訓練、ICT活用支援、通訳・介助者の養成・派遣などが行われています。 一方で、支援制度そのものを知らず、必要な支援につながっていない人がいる可能性があります。 さらに、通訳・介助者の高齢化や若い支援者の不足、養成事業を継続していくための財政的な課題、行政のデジタル化によって新たに取り残される人が生まれる可能性もあります。 今回のCROSSROADSでは、 「支援につながっていない人を、どう見つけるのか」 「支える人を、どう次の世代につなぐのか」 「デジタル化が進んでも、誰も取り残さない行政サービスをどうつくるのか」 という視点から、東京都がこれから取り組むべきことを考えます。 大切なのは、盲ろう者を「助けてもらう人」としてだけ捉えないこと。 働くことも、学ぶことも、友人と会うことも、旅行や文化、スポーツを楽しむこともできる。 必要なのは、本人を社会に合わせることではなく、誰もが参加できる社会の環境を整えることです。 「支援がないから孤立する人をつくらない。そして、支援があることさえ知らずに孤立する人をつくらない。」 まずは、盲ろうを知ることから。 そこから東京が何を変えられるのか、一緒に考えます。 全盲ろう者友の会 盲ろう者支援センター事業

    #102 「見えない、聞こえない。その先にある“孤立”をどう防ぐか ― 盲ろう者支援を考える」

番組について

学び、福祉、政治——それぞれの視点が交差する場所「クロスロード」。この番組では、元TBSアナウンサー、東京都議会議員 社会福祉士 高野たかひろが日々のニュースの奥にある社会の構造や、見えにくい課題に光を当てながら、誰にでもわかる言葉でひも解いていきます。 制度や仕組みの話だけでなく、その先にある「人の暮らし」や「想い」にも焦点を当て、発見・理解・共感へとつなげます。 難しそうに見える社会の話を、少し身近に、少しやさしく。インクルーシブな社会を考えるきっかけとなるラジオです。