当事者ラジオ 〜生きづらさを語り合う〜

Yutaka Kamioka

「かつては伝える側だった。今は、当事者として語り合いたい。」本番組は、エコロジーオンラインの上岡裕がお届けする、病気や障害、生きづらさを抱える人たちのための「対話の場」です 。 パーソナリティ自身、ソニーミュージックでの音楽宣伝や環境NPO活動を経て、2年前に「感染性心内膜炎」から脳卒中(脳梗塞・脳出血)を発症しました 。失語症や右半身の麻痺という困難に直面する中で出会ったのは、音楽の持つ力と、最新のAI技術によるサポートでした 。 このラジオでは、失語症の当事者としてリハビリを続けながら、同じように社会復帰を目指す仲間や、家族の介護に悩む方々と、等身大の言葉で交流していきます 。

  1. 10月27日

    当事者研究から広がる、表現と新たなつながり(ゲスト:石川航平さん)

    失語症当事者であるゲストの石川航平さんを迎えた「当事者ラジオ」の2回目。今回は、当事者研究を実践・拡大していくための具体的な取り組みや可能性について語り合いました。 当事者が抱えるニーズの多様性を踏まえ、まずは自己理解や心地よい時間について語り合うオープンなワークショップの開催を検討。さらに、就労前段階の当事者や家族が気軽に集える場作りとして、音楽や読書会といった文化活動、イベント(こくフェス)への参加などを提案し合いました。また、片手で演奏するワンハンドミュージックや生成AIを活用した音楽制作・発信など、障害や不自由さがあるからこそ生まれる新たな表現やテクノロジーとの連動についても展望を展開。当事者同士が楽しみながら繋がり、社会へ発信していくことによる回復と可能性の広がりを確かめ合いました。 【オープニング:久しぶりの再会と当事者研究】 上岡:えー、皆さんこんにちは。久しぶりの配信となりました「当事者ラジオ」です!本日はゲストに石川平さんをお迎えしています。石川さん、よろしくお願いします。 石川:よろしくお願いします、石川です。 上岡:石川さんとは先日NHKさんの取材でもご一緒させていただいて、「この先どうやって進めていこうか」なんて話をじっくりしましたよね。今日はその続きとして、もう少しきめ細やかに今後の展望をお話しできればと思っています。 石川:はい、よろしくお願いします。 上岡:私の姉(上岡陽江)も依存症支援の当事者として30年近く活動していて、今回の当事者研究をいろいろな形で応援してくれています。石川さんとしては、これから当事者研究をどんな感じで進めていきたいと考えていますか? 石川:そうですね。自分は入院中から熊谷先生の本を読んでいて、ずっと当事者研究に参加したいと思っていたんです。自己流でやっていた部分を、社会で通用するレベルに引き上げたいですし、一般の方向けにワークショップなどを開いて、当事者研究を広めていきたいですね。 【トーク1:語り合いと当事者のニーズ】 上岡:いいですね。私も10月から東大のワークショップに参加させていただいて、自分自身を客観的に知る楽しさを実感しました。栃木県佐野市で行ったワークショップでも、「好きな色」や「いい気分でいられる瞬間」を語り合うことからスタートしたんですよ。 石川:あ、それすごく良いですね。僕の関わっている当事者グループも全国で50人くらいメンバーがいるんですが、音楽をやリたい人、自分を分析したい人など、ニーズがそれぞれ違うんです。 上岡:なるほど。こちらから答えを一方的に提供するのではなく、「答えは当事者自身の中にある」というスタンスで、各自がテーマを発見できるオープンな場にしたいですね。 【トーク2:音楽・生成AI・表現への挑戦】 上岡:私の場合は仕事復帰のために「生成AIをどう使うか」が大きなテーマになりました。AIを使った音楽制作やイベント企画など、興味があるテーマで分科会を作るのも面白そうです。 石川:発症して2年経って思うんですが、世の中には就労支援サービスはたくさんあるのに、その前段階の「体調は回復してきたけれど、まだ働くまでは至らない人」に向けたサービスってあまり無いんですよね。気軽に家族と立ち寄れる居場所があると嬉しいです。 上岡:本当にそうですね!例えば音楽なら、片手で演奏する「ワンハンドミュージック」や、発症後に音楽の聞こえ方が変わった体験を語り合ったり、生成AIで作詞に挑戦してみたり……。表現の選択肢はたくさんあります。 石川:片手演奏って、手にしか出せない独自の「味わい」や身体性メッセージがあるんですよね。作詞にインスピレーションを入力してAIで音楽を作るのも、ハードルが下がって楽しそうです! 【トーク3:メディア・出版と来年5月の『こくフェス』へ】 上岡:表現といえば、失語症の人にとってはテレビのテロップが2段重なると追えなくなったり、読書が負担になったりしますよね。見やすいメディア表現や当事者向けの本をプロデュースしていくのも、今後の大きなチャレンジになりそうです。 石川:出版に関わってきた身としても、失語症の方向けの本や新しいメディアの形はぜひ形にしてみたいです。 上岡:そして目指す1つの目標として、来年5月に国分寺で開催予定の「こくフェス」があります。オンライン配信と、オフライン(現地)での集まりを上手く組み合わせて、当事者みんなで企画から関わっていけたら最高ですね。 石川:目標があると集まるのも楽しみになりますし、盛り上がりますね! 【エンディング】 上岡:楽しむこと、語り合いを継続していくことが、巡り巡って心と体のリカバリーにつながっていきます。当事者ラジオを通じても、今後どんどん進捗を報告していきますので、石川さん引き続きよろしくお願いします! 石川:はい!こちらこそ、引き続きよろしくお願いします。 上岡:それでは本日のゲストは石川平さんでした。ありがとうございました! 石川:ありがとうございました!

  2. 8月28日

    ロックとエコロジーの情熱から、病と向き合ういまへ

    ゲストに元中学校教員で編集者・ライターの佐川秀文さんを迎え、これまでの歩みや病気との向き合い方について語り合いました。 佐川さんは元々ライターや放送構成の仕事に携わった後、51歳で中学校の理科教員に転身。15年ほど教壇に立ちました。その間、胃がんによる胃の全摘手術を経験し、その後ウェルニッケ脳症や脳梗塞を発症。一時は目や体の平衡感覚に障害が出ましたが、日々の歩行リハビリなどを通して回復に努めています。 パーソナリティの上岡裕も心臓の手術や脳血管障害を経験しており、互いに病気を経験した「当事者」として、リハビリや運動の大切さ、病気を経ての生き方について語りあいました。さらに、若い頃の音楽業界での出会いやエレファントカシマシのプロモーションに関わった思い出など、かつての熱い記憶を振り返りながら、当事者として発信を続けていく意義を分かち合いました。 注)会話中に出てくる「ウエルニッケ脳症」と「ウエルニッケ失語」は脳の病気や症状ですが、「全身性の栄養障害による脳の急性疾患」と「言語を理解する脳の部位の損傷による言葉の障害」という全く違う病気です。

番組について

「かつては伝える側だった。今は、当事者として語り合いたい。」本番組は、エコロジーオンラインの上岡裕がお届けする、病気や障害、生きづらさを抱える人たちのための「対話の場」です 。 パーソナリティ自身、ソニーミュージックでの音楽宣伝や環境NPO活動を経て、2年前に「感染性心内膜炎」から脳卒中(脳梗塞・脳出血)を発症しました 。失語症や右半身の麻痺という困難に直面する中で出会ったのは、音楽の持つ力と、最新のAI技術によるサポートでした 。 このラジオでは、失語症の当事者としてリハビリを続けながら、同じように社会復帰を目指す仲間や、家族の介護に悩む方々と、等身大の言葉で交流していきます 。