こころと仕事の相談室|つじもとともみ の Substack Podcast

適応障害・休職相談室|つじもとともみ

3つの国家資格を持つ専門家 公認心理師×作業療法士×精神保健福祉士 SNSで適応障害で休職中の方の悩みを見ると、「大丈夫ですよ」と言って回りたくなるので、このアカウントで、勝手にアンサーすることにしました。 適応障害で休職中の方に、在宅ですぐに始められるオンラインリワークを提供しています。 🍀通院先を変えずに受講できます 🍀休職中のご相談はリンクから 🍀産業医からもご紹介いただいています yururiwork.substack.com

  1. 8月28日

    【適応障害】休職する人は増えている?産業精神保健の研究から考えたこと

    最近、企業の方とお話ししていても、復職支援をしていても、 「適応障害で休職する人が増えている気がする」 という話を聞くことがあります。 私自身も、以前より「適応障害」という診断名を耳にする機会が増えたように感じています。 では、実際のところはどうなのでしょうか。 今回は、産業精神保健の専門誌に掲載された、 「メンタルヘルス不調による長期休職の動向―労働者のうつ病は増加しているのか―」 という論文を読んで、考えたことを書いてみます。 うつ病の長期休職は高水準。でも、明確に増えているわけではない この論文では、これまでの研究や著者らの研究結果をもとに、メンタルヘルス不調による長期休職の動向が整理されています。 その中で興味深かったのが、 うつ病による長期病気休職は高い水準で推移しているものの、明確な増加は示されなかった一方で、適応反応症、いわゆる適応障害を含む「ストレス関連障害」は増加している可能性が示された、 という点です。 メンタルヘルス不調というと、長い間、 「うつ病を予防する」「うつ病になったら治療する」 という考え方が中心だったように思います。 もちろん、うつ病への対応は今もとても重要です。 ただ、適応障害を含むストレス関連障害が増えているのであれば、 「その人にどんな症状が出ているか」だけではなく、 「その人がどんな環境で働いていたのか」「どんなストレスにさらされていたのか」 という視点も、これまで以上に必要になってくると思います。 本人を治療するだけでは足りない 適応障害は、仕事量の増加、異動、昇進、人間関係、上司との関係など、比較的はっきりとしたストレスをきっかけに不調が現れることがあります。 ですから、 休職して、治療を受けて、症状が良くなって、職場に戻る。 それだけでは、十分ではない場合があります。 たとえば、休職中にしっかり休んで体調が回復しても、 復職したら以前と同じ仕事量、同じ人間関係、同じように相談しにくい職場、同じように無理をしないと回らない働き方。 これでは、また同じストレスにさらされる可能性があります。 論文でも、今後の対策として、ストレス関連障害を生じやすい職場環境に着目する必要性が述べられています。 メンタルヘルス不調が起きたとき、 「本人のストレス耐性が低かった」「本人が弱かった」 という話だけで終わらせてはいけないのだと思います。 仕事量は適切だったのか。 相談できる環境はあったのか。 上司とのコミュニケーションはどうだったのか。 役割が曖昧ではなかったか。 人手不足の負担が一部の人に集中していなかったか。 こうした職場側の要因も、一緒に見ていく必要があります。 では、職場を変えれば解決するのか 一方で、 「職場環境が原因なら、会社を辞めればいい」 という単純な話でもありません。 論文では、産業医や精神科主治医による、個人の特性やパーソナリティを踏まえたセルフケア支援と、伴走的な関わりの必要性も指摘されています。 ここも、とても大切だと思いました。 たとえば、 仕事を頼まれると断れない。 人に迷惑をかけたくなくて、全部自分で抱える。 相手の機嫌が悪いと、「自分が何か悪いことをしたのでは」と考えてしまう。 完璧にできないと自分を責める。 困っていても、人に相談できない。 こうした傾向があると、同じ職場環境でもストレスを抱え込みやすくなることがあります。 ただし、これは「性格を直しましょう」という話ではありません。 自分がどんな場面でしんどくなりやすいのかを知る。 疲れたときに、どんなサインが出るのかを知る。 仕事量が多いときは早めに相談する。 断る。 人に頼る。 考え方を少し柔軟にする。 そういう、自分に合った対処の方法を増やしておくことです。 「本人の問題」か「職場の問題」か、二択にしない 今回の論文を読んで、私が一番大事だと思ったのは、 メンタルヘルス不調を、 「本人の問題なのか」「職場の問題なのか」 という二択で考えないことです。 職場側では、ストレスが集中しやすい働き方になっていないかを見直す。 本人側では、自分がどんなストレスを受けやすいのか、どんなときに無理をしやすいのかを知って、対処方法を増やす。 その両方が必要なのだと思います。 特に適応障害で休職した方の場合、 「症状が良くなったから復職する」 だけで終わらせず、 休職することになったストレスは何だったのか。 自分はそのとき、どう対応していたのか。 職場側で変えられることはないのか。 自分側で、次は違う対応ができることはないのか。 ここまで振り返っておくことは、とても大切だと思っています。 ストレスをなくすのではなく、早く気づいて対処する 仕事をしていれば、ストレスを完全になくすことはできません。 忙しくなることもあります。 人間関係で悩むこともあります。 予定外の仕事が入ることもあります。 だから目指すのは、 「二度とストレスを感じない人になること」 ではありません。 ストレスがかかったときに、 以前より少し早く気づく。 以前より少し早く相談する。 以前より少し無理をしない。 そうやって、自分の状態に合わせて対処できることの方が大切です。 今回の論文では、うつ病による長期休職は高い水準で推移している一方で、明確な増加は示されず、適応障害を含むストレス関連障害の増加が示唆されています。 もし、働く人のメンタルヘルス不調の中身が少しずつ変わってきているのであれば、 私たちの支援のあり方も、 「治療して、元気になって、職場に戻る」 だけではなく、 職場環境を見直すことと、 本人が自分に合ったセルフケアを身につけること。 その両方を大切にする方向へ、少しずつ変えていく必要があるのかもしれません。 私は、復職することよりも、そのあと無理をしすぎずに働き続けることの方が大切だと思っています。 今回の論文は、そのことを改めて考えるきっかけになりました。 ――――――――――――――――――――――――― ▼自宅で取り組む「復職準備ワークブック」休職中の復職準備だけでなく、復職後の振り返りや、無理なく働き続けるための再発予防にもお使いいただけます。https://yururiwork.base.shop/items/all ▼オンラインリワークの詳細はこちら(ゆるリワーク) https://yururework.net This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit yururiwork.substack.com

    【適応障害】休職する人は増えている?産業精神保健の研究から考えたこと
  2. 8月27日

    【適応障害・休職】分かっているのに、また悪い方に考えてしまう理由

    * 頭では分かっているのに、また悪い方に考えてしまう * 心理学を学んでも、すぐに変われない理由 * 不安や疲れが強いと、いつもの考え方に戻りやすい * うまくできなかった場面を振り返る * 次に試す行動を一つだけ決める * 小さくても、できたことを記録する * 心理学を学ぶ本当の目的 * 復職準備ワークブックのご案内 「悪い方に考えても仕方がない」 「相手は、そこまで気にしていないかもしれない」 「何でも自分の責任だと思わなくていい」 頭では分かっている。 それなのに、実際に嫌なことが起きると、また悪い方に考えてしまう。 そんな経験はないでしょうか。 認知行動療法の本を読んだり、リワークで心理学を学んだりして、自分の考え方のクセに気づいている方もいらっしゃいます。 それでも、上司から少しそっけない返事をされると、 「何か失敗したかな」 「嫌われたのかもしれない」 「復職しても、うまくやっていけないかもしれない」 と、不安が止まらなくなることがあります。 そして今度は、 「心理学を学んだのに、私は何も変わっていない」 「分かっているのにできない」 と、自分を責めてしまうんですよね。 でも、ここで自分を責める必要はありません。 知ることと、実際に使えることは別です 心理学は、知識として理解しただけで、すぐに使えるようになるものではありません。 例えば、自転車の乗り方を本で読んでも、それだけでは乗れるようになりませんよね。 バランスの取り方やブレーキの使い方を知っていても、実際に乗ってみると、最初はふらつきます。 何度も練習するうちに、少しずつ身体が覚えていきます。 心理学も、それに近いところがあります。 「別の考え方もある」と知っていることと、嫌なことが起きた瞬間に、その考え方を使えることは別です。 特に、不安が強いときや疲れているときは、これまで繰り返してきた考え方に戻りやすくなります。 「私が悪いとは限らない」と考えようとしても、 「でも、やっぱり私が悪かったのかもしれない」 という考えが出てくることもあります。 一度、考え方を整理できたのに、翌日にはまた不安になっていることもあります。 これは、学んだことが無駄だったということではありません。 これまで長く続けてきた考え方や行動が、それだけ強く身についているということです。 「あとから気づく」ことも変化です 長い間、人の顔色を見ながら行動してきた人が、急に人の反応を気にしなくなるわけではありません。 頼まれた仕事をずっと引き受けてきた人が、アサーションを一度学んだからといって、翌日から自然に断れるようになるわけでもありません。 最初は、断れなかったあとに、 「あのとき、本当はどう言えばよかったんだろう」 と振り返るだけでもいいんです。 次は、頼まれた瞬間に、 「また引き受けようとしているな」 と気づけるかもしれません。 その次は、 「少し確認してから、お返事してもいいですか」 と言えるかもしれません。 さらに練習すると、 「今日は別の仕事があるので、明日でもよければ対応できます」 と、自分の状況を伝えられるようになるかもしれません。 以前は全く気づかなかったことに、あとから気づけた。 あとからしか気づけなかったことに、その場で気づけた。 気づくだけだったところから、少し行動を変えられた。 これも、ちゃんとした変化です。 学んだことを日常で使うための3つの方法 1.うまくできなかった場面を、失敗で終わらせない 「また悪い方に考えてしまった」 「また断れなかった」 それだけで終わるのではなく、次のことを振り返ってみます。 * どんな出来事があったのか * そのとき、何と考えたのか * どんな気持ちになったのか * どんな行動を取ったのか これは反省会ではありません。 自分を責めるためではなく、自分がどんな場面で、どのように反応しやすいのかを知るための振り返りです。 2.次に試すことを一つだけ決める 「考え方を変える」 「もっと自分を大切にする」 これでは、具体的に何をすればいいのか分かりにくいですよね。 そこで、実際にできる小さな行動に変えます。 * その場ですぐに返事をせず、少し考える * 不安になったら、事実と自分の想像を分けて書く * 別の見方を一つだけ考える * 一人で考え続けず、その日のうちに誰かに相談する 一度に全部変えようとせず、次に試すことを一つだけ決めます。 3.できたことも記録する 人は、できなかったことにはよく気づきます。 一方で、 「今日は一度立ち止まれた」 「全部は断れなかったけれど、期限の相談はできた」 「不安になったけれど、以前より早く気持ちを切り替えられた」 といった小さな変化は、見落としがちです。 ゼロか100かで考えると、「まだできていない」と感じてしまいます。 でも、少しでも以前と違う反応ができたなら、それも記録しておいてください。 悪い方に考えない人を目指さなくてもいい 心理学を学ぶ目的は、嫌な気持ちにならない人になることではありません。 悪い方に考えることを、完全になくすことでもありません。 嫌なことがあったときに、 「私は今、いつもの考え方に引っ張られているかもしれない」 と気づき、少し立ち止まる。 そして、以前とは違う対応を一つ試してみる。 それを繰り返しながら、自分に合う対処方法を増やしていく。 それが、実際の生活の中で心理学を使うということだと思います。 一度で変えられなくても大丈夫です 頭では分かっているのに、また悪い方に考えてしまう。 そんなときも、 「私は何も変わっていない」 と決めつけないでください。 知ること。 あとから気づくこと。 その場で気づくこと。 一度だけ試してみること。 何度も繰り返し、少しずつ身につけること。 変化には、このような段階があります。 まずは最近、気持ちがしんどくなった場面を一つ振り返り、 「次に同じことが起きたら、何を一つ試してみようか」 と考えてみてください。 私が作成した「復職準備ワークブック」では、認知行動療法などの考え方を取り入れながら、自分の考え方や行動の特徴を振り返り、復職後に向けた対処方法を整理していきます。 頭で理解するだけではなく、自分の出来事について書きながら、繰り返し練習するためのワークブックです。 ▼復職準備ワークブックhttps://yururiwork.base.shop/items/all This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit yururiwork.substack.com

    【適応障害・休職】分かっているのに、また悪い方に考えてしまう理由
  3. 8月19日

    【適応障害・休職】元気になったら復職できる?再休職を防ぐために必要な復職準備

    休職してしばらく経つと、 「心が少し楽になってきた」「体も動くようになってきた」「買い物にも行けるし、友達にも会える」 そんなふうに感じる時期がきます。 そうすると、 「そろそろ復職できるかな」 と思い始める方も多いと思います。 もちろん、ここまで回復してきたことは、とても大切です。 ただ私は、症状が回復することと、復職するための準備ができていることは、同じではないと思っています。 「焦って復職せず、しっかり治してから戻りたい」というお話はよく聞きます。 でも、 「再び同じことを繰り返さないように準備してから戻りたい」 という話は、意外とあまり聞きません。 ここは、復職を考えるときに一度立ち止まって考えてほしいところです。 休職前、どんなふうに働いていましたか 適応障害で休職された方に、 「どんなことが負担になっていたと思いますか」 と聞いてみると、いろいろなお話が出てきます。 たとえば、 仕事を頼まれると断れなかった。 分からないことがあっても、人に聞けなかった。 先輩に遠慮してしまって、声をかけるタイミングを逃していた。 しんどくても「大丈夫です」と言っていた。 後輩にしんどい思いをさせてはいけないと思って、自分が後輩の分まで背負っていた。 仕事はちゃんとやらないといけないと思って、何度も確認して、締め切りよりずっと早く提出していた。 その結果、 「まだ余裕があるんだな」 と思われて、次の仕事を頼まれてしまい、気づいたら仕事量がどんどん増えていた。 こういうことは、ありませんでしたか。 休職の原因は、自分だけにあるわけではありません もちろん、休職の原因がすべて本人の考え方や行動にある、ということではありません。 自分ではコントロールできないほど仕事量が多かった。 残業が続いていた。 パワハラがあった。 人間関係がつらかった。 部署異動があった。 急に役割が変わった。 こうした環境の影響は、とても大きいです。 だから、環境調整が必要なこともあります。 ただ一方で、環境だけを変えれば、すべて解決するとも限りません。 体調が戻っても、行動パターンはそのままかもしれない たとえば、頼まれると何でも引き受けてしまう人がいたとします。 休職して、体調が戻ってきた。 そして復職する。 でも、また仕事を頼まれたときに、以前と同じように全部引き受けてしまったらどうでしょう。 むしろ、 「休んで迷惑をかけたから、今度は断れない」 と、以前より頑張ってしまうこともあるかもしれません。 先輩に質問することが苦手だった人も同じです。 休職したからといって、復職したその日から、何の遠慮もなく質問できるようになるわけではありません。 むしろ、 「仕事ができない人だと思われたくない」 「休んでいた分、自分で何とかしないと」 と考えてしまうこともあります。 症状が良くなることと、これまでの考え方や行動パターンが変わることは、別なんですね。 復職準備は「以前とは違う対応」を増やすこと 復職したあと、また同じようにしんどくならずに働き続けるためには、 自分がどんなときに無理をしやすいのか。 どんなふうに考えやすいのか。 どんな行動を取りやすいのか。 そこに気づいておくことが大切です。 たとえば、 「分からないことを聞いたら、迷惑だと思われる」 という考えに強く縛られていた人がいたとします。 そのまま復職するのと、 「分からないことを確認するのは、仕事では普通のことかもしれない」 という別の考え方も持てるようになってから復職するのとでは、少し違いますよね。 大切なのは、 以前と同じストレスがかかったときに、今度は少し違う対応ができること。 私は、これが復職準備だと思っています。 復職は「元の自分に戻ること」ではない 心が少し楽になった。 体も動くようになった。 それは、とても大切な回復です。 でも復職は、 休職前の自分にそのまま戻ることではない と私は思っています。 今までとは少し違う働き方を考える。 実際に復職して、その働き方を試してみる。 「これは無理があるな」「これは続けられそうだな」 と調整しながら、自分に合う働き方を見つけていく。 そこまでが復職なのではないかな、と思っています。 一度、紙に書き出してみてください この記事を読んで、 「そういえば私は、こういうところで無理をしていたかも」 と思うことがあったら、一つだけでも書き出してみてください。 頭の中だけで考えるよりも、紙に書く方が少し客観的に見やすくなります。 そして、 「次に同じことが起きたら、今度はどうしてみようかな」 と考えてみてください。 たとえば、 頼まれたらすぐ引き受けるのではなく、一度予定を確認する。 分からないことがあったら、5分だけ自分で調べて、それでも分からなければ聞く。 「大丈夫です」と反射的に答える前に、本当に大丈夫か考える。 100点になるまで抱え込まず、一度途中で相談する。 ほんの少し違う対応で構いません。 復職準備ワークブックでも、ここを大切にしています 私が作った「復職準備ワークブック」では、全11講座を通して、 自分のストレスサインに気づくこと。 考え方のクセを振り返ること。 考え方を少し柔軟にすること。 人との関わり方や伝え方を見直すこと。 休職に至った要因を整理すること。 そして、復職後にどう対処するかを考えること。 こうしたことに順番に取り組めるようにしています。 ワークを進めていくと、 「私は、こういうときに無理をしやすいんだな」 「こういう考え方になると、しんどくなりやすいんだな」 「次は、こういう対応をしてみてもいいかもしれない」 ということが、少しずつ見えてきます。 復職のゴールは、会社に戻ることだけではありません。 戻ったあとに、 無理をしすぎず、自分の状態を見ながら、働き続けられること。 そのために、 「元気になったから復職する」 だけではなく、 「次に同じようなストレスがかかったときに、今度は少し違う対応ができそうか」 というところまで、一度考えてみてほしいと思っています。 復職準備ワークブックについては、こちらからご覧いただけます。 ▼復職準備ワークブックhttps://yururiwork.base.shop/items/all サンプル版は、公式LINEで「ワークブックサンプル」と入力するとダウンロードできます。 This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit yururiwork.substack.com

    【適応障害・休職】元気になったら復職できる?再休職を防ぐために必要な復職準備
  4. 8月18日

    「職場から見放された」と不安になる人

    休職したばかりの頃は、 「ゆっくり休んでね」「仕事のことは気にしなくて大丈夫」「元気になったら、また戻ってきてね」 そんな言葉を、上司や先輩、同僚からかけてもらうことがあります。 でも、休職して1か月、2か月と経ってくると、少しずつ連絡が減ってくる。 最初は丁寧だった上司からの返信も、 「承知しました」 だけになったり。 以前は連絡をくれていた先輩からも、何も来なくなったり。 そうなると、 「もう迷惑だと思われているのかな」「もう戻ってきてほしくないのかな」「このまま忘れられてしまうんじゃないかな」 と、不安になることがあります。 休職中の方から、こうした気持ちはよく聞きます。 休職が長くなると、職場との距離が気になってくる 休職したばかりの頃は、 「とにかく仕事から離れたい」「会社のことを考えたくない」 というくらい、心も体も疲れていることがあります。 ところが、少しずつ元気になってくると、今度は職場のことが気になり始めます。 「自分の仕事は、今誰がやっているんだろう」「自分がいなくても、普通に仕事は回っているんだろうな」「みんなは働いているのに、自分だけ止まっている気がする」 そんなことを考えるようになります。 仕事をしているときには、毎日顔を合わせる人がいて、自分の担当する仕事があって、誰かに頼られたり、相談したりすることもあります。 休職すると、そうした職場とのつながりが一度に薄くなります。 だから、連絡が減ると、 「見放された」 ように感じてしまうこともあるのだと思います。 「連絡が減った」と「見放された」は同じではありません ここで、少しだけ立ち止まって考えてみてほしいことがあります。 「職場からの連絡が減った」 これは、実際に起きていることかもしれません。 でも、 「連絡が減ったから、自分は見放された」 というところまで、本当に分かっているでしょうか。 もしかすると、 「休職中だから、仕事のことを思い出させない方がいいかな」 と配慮しているのかもしれません。 「体調を聞きたいけれど、何度も連絡すると負担かな」 と思っている人もいるかもしれません。 上司であれば、必要な手続きの連絡だけにしていることもあるでしょう。 もちろん、本当のところは相手に聞かなければ分かりません。 「絶対に嫌われていない」「みんな待ってくれている」 と決めつけることもできません。 ただ、 「上司からの返信が短かった」「先輩から連絡が来なくなった」 ということと、 「私は迷惑をかけている」「もう戻る場所がない」 ということは、少し分けて考えてみてもいいと思います。 不安が強いときほど、分からない部分を悪い方に想像してしまうことがあります。 そんなときは、 「今、本当に分かっていることは何だろう」 と一度考えてみてください。 不安だからといって、復職を急がない そして、もう一つ大切なことがあります。 職場との距離ができることが不安になると、 「早く復職しないと」 と思ってしまうことがあります。 「これ以上休んだら忘れられてしまう」「自分の居場所がなくなる」「長く休むほど戻りにくくなる」 そんな気持ちから、復職を急ぎたくなる方もいます。 でも、 職場とのつながりがなくなることへの不安と、 実際に仕事を続けられるくらい回復しているかどうかは、別の話です。 復職を考えるときは、 上司の返信が優しいかどうかや、先輩から連絡が来ているかどうかではなく、 生活リズムが整っているか。 日中に活動できるようになっているか。 ある程度活動しても、翌日に大きく疲れが残らないか。 仕事に近い負荷にも少しずつ耐えられるようになっているか。 そうした自分自身の状態を見ながら考えていく必要があります。 復職準備には段階があり、休養だけでなく、生活リズムや体力、ストレスへの対処などを少しずつ整えていくことが大切です。 会社が自分なしで回っていることに、寂しくなることもある 休職していると、 「自分がいなくても会社は普通に回っているんだな」 と気づくことがあります。 少し寂しいですよね。 でも、会社というのは、誰かが休んだときにも仕事が回るようにしておく必要があります。 自分が休んでいる間に誰かが仕事を引き継いでいることと、 自分がそこで働いてきた意味がなかったことは、同じではありません。 今は職場に任せて、自分の回復に時間を使う。 それも休職中の大切な役割だと思います。 「戻ること」よりも、そのあと働き続けること 復職するときに大切なのは、 以前とまったく同じ自分に戻ることではありません。 今度は、どうすれば無理をしすぎずに働けるのか。 どんなときに自分はしんどくなりやすいのか。 調子を崩し始めたときに、どんなサインが出るのか。 そのとき、誰に相談するのか。 そうした準備をしておくことの方が大切だと、私は思っています。 復職のゴールは、会社に戻ることではありません。 戻ったあとに、自分の状態を把握しながら働き続けることです。 職場からの連絡が減って、 「見放されたのかな」 と不安になったときは、 まず、その不安があることをそのまま受け止めてください。 そのうえで、 「実際に分かっていることは何だろう」 「私は、分からない部分をどんなふうに想像しているんだろう」 と少しだけ分けて考えてみてください。 職場の反応を何度も確かめることよりも、 今は、自分がもう一度働ける状態に戻っていくことに時間を使っていいのだと思います。 焦らず、今の自分に必要な時間を使ってくださいね。 自宅で復職準備に取り組みたい方向けに、「復職準備ワークブック」を作っています。 休職中の過ごし方、ストレスサイン、ストレスへの対処、考え方のクセ、人とのコミュニケーション、休職に至った要因の振り返り、再発予防まで、順番に取り組める内容にしています。 「何から復職準備を始めたらいいか分からない」という方は、参考にしていただければと思います。 This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit yururiwork.substack.com

    「職場から見放された」と不安になる人
  5. 8月17日

    【仕事に行きたくない】|見逃してほしくないストレスサイン

    お盆休みが終わって、 「仕事に行くのがしんどい」「もう行きたくないな」 そんなふうに感じている方も多いかもしれません。 長い休みのあとに仕事へ戻るとき、気持ちが重くなること自体は、それほど珍しいことではありません。 ただ、少し気にしてほしいのは、その気持ちと一緒に、心や体にどんな変化が出ているかです。 たとえば、 眠れない。動悸がする。食欲が落ちている。仕事のことばかり考えてしまう。休日なのに何をしても楽しめない。イライラが増える。朝、身体が動かない。 こうした変化が出ているなら、単に「仕事に行きたくないだけ」と片づけない方がいいかもしれません。 ワークブックでも、ストレス反応は「心理的反応」「身体的反応」「行動的反応」の3つに分けて整理しています。 ストレスサインは「落ち込む」だけではない 「ストレスが溜まっている」と聞くと、 気分が落ち込む。うつっぽくなる。やる気がなくなる。 そんな状態を想像する方が多いと思います。 でも、実際にはもっといろいろな形でサインが出ます。 気持ちや考えに出るサインなら、 不安が強くなる。イライラしやすくなる。集中できない。仕事のことが頭から離れない。同じことを何度も考えてしまう。 身体に出るサインなら、 眠れない。途中で目が覚める。頭痛がする。動悸がする。胃が痛い。疲れが取れない。 行動に出るサインなら、 人に会いたくなくなる。外に出るのが面倒になる。お酒や甘いものが増える。スマホばかり見てしまう。仕事のミスが増える。朝起きられなくなる。 こんな変化があります。 大切なのは、どれが正解かではありません。 ストレスサインの出方は、人によってかなり違います。 「私は眠れなくなる」「私は頭痛が出る」「私は人に会いたくなくなる」 というように、自分に出やすいサインを知っておくことが大事です。 「まだ大丈夫」が続いていないか 仕事をしていると、 「これくらい普通」「みんなも大変だし」「まだ会社には行けているから大丈夫」 と思ってしまうことがあります。 でも、会社に行けているからといって、余裕があるとは限りません。 毎日かなり無理をしながら、それでも仕事に行っている方もいます。 ワークブックでは、ストレス反応を「警告期」「抵抗期」「疲弊期」という段階で整理しています。 最初は、 少し疲れやすい。イライラする。眠りが浅い。 くらいだったものが、 疲れが取れない。集中できない。眠れない。 という状態に変わり、 さらに無理を続けると、 朝起きられない。仕事に行けない。何もする気になれない。 といった状態になることがあります。 だから、限界になってから気づくのではなく、 「最近、少し変だな」 という段階で気づくことが大切です。 休みの日は元気なのに、仕事だけしんどい 「休みの日は出かけられるのに、仕事のことを考えるとしんどい」 という方もいます。 そうすると、 「本当にしんどいのかな」「ただ甘えているだけじゃないか」 と自分を責めてしまうことがあります。 でも、休日と仕事では負荷が違います。 仕事には、 決まった時間に行く。人と関わる。集中する。判断する。予定外のことに対応する。自分のペースだけでは進められない。 といった負荷があります。 なので、 「遊びには行けるのに仕事に行けない」 ということだけで、その人の状態を判断することはできません。 自分の「黄色信号」を決めておく 私は、自分のストレスサインを知るときに、 軽いサイン注意サイン危険サイン に分けて考えることをおすすめしています。 ワークブックでも、「黄色信号」を決めておくことを大切にしています。 たとえば、 「頭痛が3日続いたら、予定を減らす」「夜中に何度も目が覚める日が続いたら、仕事量を相談する」「朝起きられなくなってきたら、主治医に相談する」 というように、 サインが出たときに何をするかまで決めておくと、対処しやすくなります。 ストレスそのものをなくすことはできません。 でも、 「自分はどんなときにしんどくなりやすいのか」「どんなサインが出るのか」「そのとき何をするのか」 を知っておくことはできます。 「甘えてるだけ」で終わらせない 仕事に行きたくない。 その気持ち自体は、誰にでもあります。 でも、 動悸がする。眠れない。涙が出る。仕事のことが頭から離れない。何も楽しめない。 こうした状態が続いているなら、 「自分が甘えているだけ」 で終わらせないでください。 もしかすると、それはストレスがかなり溜まっているサインかもしれません。 まずは、 「最近の自分、いつもと違うところはないかな」 と一度振り返ってみてください。 大切なのは、赤信号になるまで頑張ることではなく、黄色信号の段階で気づいて、少し早めに対処することだと思います。 This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit yururiwork.substack.com

    【仕事に行きたくない】|見逃してほしくないストレスサイン
  6. 8月7日

    【適応障害・休職】復職が不安…やってはいけない3つの対処法と正しい向き合い方

    「体調はかなり良くなってきた。でも、復職することを考えると怖い」 休職中の方から、よく聞く言葉です。 「また体調を崩したらどうしよう」「仕事についていけるかな」「職場の人にどう思われるだろう」「以前のように働ける気がしない」 家では普通に過ごせるようになったのに、復職のことを考えた途端に不安になる。 すると、 「こんなに不安なのだから、まだ復職できないのでは?」 と思ってしまうことがあります。 でも、私は「不安がある=復職できない」とは考えていません。 むしろ注意したいのは、復職への不安をなくそうとして行っていることが、かえって不安を強くしてしまうことがあるということです。 復職が不安なのは自然なこと 一度、仕事を続けることが難しくなるほど体調を崩し、職場から離れています。 そこへもう一度戻るのですから、不安になるのは不思議なことではありません。 特に、休職前に職場の人間関係で悩んでいたり、仕事量が多すぎたり、失敗した経験が強く残っていたりすると、復職が近づくにつれて当時のことを思い出すこともあります。 ですから、 「不安がなくなったら復職しよう」 と考えたくなるのですが、ここに少し落とし穴があります。 「不安がなくなるまで待つ」と、不安が強くなることがある 復職への不安の多くは、まだ起きていないことに対する不安です。 「上司とうまく話せるかな」「8時間働けるかな」「仕事についていけるかな」「また休職したらどうしよう」 もちろん、復職前に考えておくことは大切です。 でも、家で何度考えても答えが出ないこともあります。 そして、考えれば考えるほど、 「やっぱり無理かもしれない」 という結論に近づいてしまうことがあります。 復職の不安に対して必要なのは、不安をゼロにしてから動くことではありません。 ある程度の不安を抱えながら、少しずつ「働くこと」に近い経験をしていくことです。 復職への不安を強くしやすい3つの行動 一つ目は、ずっと考え続けることです。 「復職したらどうなるだろう」「また失敗したらどうしよう」 何度も頭の中でシミュレーションする。 準備をしているように感じますが、答えの出ないことを繰り返し考えているだけなら、不安を大きくしてしまうことがあります。 二つ目は、復職につながることを避け続けることです。 会社からのメールを見ない。職場の近くへ行かない。復職面談について考えない。生活リズムを整えることも先延ばしにする。 避ければ、その瞬間は楽になります。 でも、「避けたら不安が下がった」という経験が続くと、ますます復職に関係することが怖くなることがあります。 三つ目は、その反対に、不安を無視して一気に戻ろうとすることです。 「もう大丈夫」「復職してしまえば何とかなる」「気合いで乗り切ろう」 これもおすすめできません。 不安や疲労のサインを無視して復職すると、休職前と同じ働き方に戻ってしまう可能性があります。 大切なのは、避け続けることでも、無理やり乗り越えることでもありません。 不安があっても「できた」を増やしていく まずは、 「私は今、復職することが不安なんだな」 と、そのまま認めてみてください。 そして、不安について考え続けるのではなく、今できることに目を向けます。 朝、決まった時間に起きる。 着替えて外へ出る。 午前中から活動する。 図書館やカフェなど、自宅以外の場所で一定時間過ごしてみる。 パソコンを使って仕事に近い作業をしてみる。 通勤する時間帯に電車に乗ってみる。 こうした経験を少しずつ重ねていきます。 すると、 「朝から動けた」「2時間なら集中できた」「電車に乗っても大丈夫だった」「疲れたけれど、休んだら翌日には回復した」 という事実が増えてきます。 この**「実際にできた」という経験**が、復職への不安を小さくしていきます。 復職への自信は、頭の中だけでは作りにくい 私は復職支援をしていて、復職への自信は「考えて作るもの」ではないと思っています。 「大丈夫」「きっと働ける」 と自分に言い聞かせても、心のどこかで、 「でも、本当に?」 と思ってしまうことがあります。 それよりも、 「やってみたら、案外できた」 という経験を積み重ねる。 すると、 「不安はある。でも、案外できるかもしれない」 という感覚が生まれてきます。 復職前には、この感覚がとても大切です。 だから、復職前にリワークを利用してほしい ここまで読んで、 「でも、それを一人でやるのは難しい」 と思った方もいるかもしれません。 そのために、私はリワークという選択肢を知ってほしいと思っています。 リワークは、単に休職中の時間を過ごす場所ではありません。 生活リズムを整える。一定時間活動する。仕事に近い課題に取り組む。自分がどのくらい活動すると疲れるのかを知る。休職に至った要因を振り返る。ストレスへの対処方法を練習する。再休職を防ぐための準備をする。 つまり、職場に戻る前に「働く練習」をする場所です。 長期間仕事から離れていた人が、ある日突然8時間勤務に戻る。 それが怖いのは当然だと思います。 休職と復職の間に、少しずつ仕事に近づいていく期間があっていいのです。 リワークは「状態が悪い人だけ」が利用するものではありません 「私はそこまで重症ではないから、リワークまでは必要ない」 と思う方もいます。 でも、むしろ体調がある程度回復して、「そろそろ復職を考えよう」という時期だからこそできる準備があります。 何ができるようになっているのか。 何がまだ難しいのか。 どんな場面で疲れやすいのか。 どんなストレスが再休職につながりやすいのか。 同じような状況になったとき、今度はどう対処するのか。 こうしたことを確認してから職場へ戻る。 リワークの目的は、単に「復職すること」ではありません。 復職したあと、働き続けられる状態を作ることです。 復職の不安は、ゼロにしなくていい 「復職が怖い」「また休職したらどうしよう」「本当に働けるのか分からない」 そんな不安があっても大丈夫です。 目指したいのは、 「まったく不安ではない」 という状態ではなく、 「不安はあるけれど、準備してきたからやってみよう」 と思える状態です。 そして、その準備を一人でする必要はありません。 医療機関のリワーク、地域の復職支援、民間のリワーク、オンラインのリワークなど、さまざまな選択肢があります。 自分に合った支援を利用しながら、少しずつ「できた」を増やしていってください。 復職のゴールは、会社に戻ることではありません。 戻ったあと、自分の状態を把握し、無理をしすぎず、働き続けられること。 復職することが不安な方ほど、そのための準備としてリワークを活用してほしいと思っています。 This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit yururiwork.substack.com

  7. 8月6日

    復職後、毎日疲れる…|再休職を防ぐために大切な「セルフモニタリング」

    「復職してから、毎日ヘトヘトです。」 「帰ったら何もできなくて、ベッドに直行です。」 適応障害で休職し、復職された方から、このようなご相談をいただくことがあります。 「こんなに疲れるということは、復職が早すぎたのでしょうか。」 「また休職してしまうのではないか。」 そんな不安になる方も少なくありません。 でも、まずお伝えしたいことがあります。 復職後に疲れること自体は、とても自然なことです。 復職後は疲れて当たり前 久しぶりの仕事です。 通勤だけでも体力を使います。 職場では、人と話したり、周囲に気を配ったり、集中したりと、想像以上に脳も体もエネルギーを使っています。 たとえ職場の方が温かく迎えてくださったとしても、復職初期は疲れやすいものです。 ですから、「疲れる=復職が失敗だった」と考える必要はありません。 まずは、「疲れるのは普通なんだ」と受け止めてあげてください。 疲れを再休職につなげないために ただ、疲れることが悪いわけではありませんが、その疲れを放置してしまうのはおすすめできません。 私がおすすめしているのは、セルフモニタリングです。 セルフモニタリングとは、自分の状態を客観的に観察することです。 自分の疲れ方や活動との関係が分かるようになると、自分で活動量を調整しやすくなり、症状の悪化や再休職の予防につながります。 活動と疲れを記録してみる 難しい記録は必要ありません。 翌日の朝や昼休みに、簡単に振り返るだけで十分です。 例えば、次のようなことを書き留めてみてください。 * どんな仕事をしたか * どれくらいの時間取り組んだか * 誰と仕事をしたか * 印象に残る出来事はあったか * 疲労度(10点満点) 疲労度を点数化しておくと、あとから見返したときに変化が分かりやすくなります。 疲れと活動の関係が見えてくる 2〜3週間ほど続けてみると、自分なりのパターンが見えてきます。 例えば、 「資料作成が続く日は集中しすぎて疲れやすい。」 「初対面の人と過ごす時間が長い日は緊張する。」 「この人と仕事をすると、いつも疲れが強い。」 そんなことに気づけるようになります。 そうすると、 「次は途中で休憩を入れよう。」 「この人と話す前には深呼吸をしておこう。」 「相手の考えと自分の考えを分けて受け止めよう。」 というように、具体的な対策が立てられるようになります。 また、 * 電話対応が続いた日 * 会議が長かった日 * 静かな部屋で仕事をした日 * 人の出入りが多い場所で仕事をした日 など、どんな環境だったのかも一緒に記録すると、自分に合う働き方がより見えてきます。 「心地よかった時間」も記録してみよう 疲れたことだけではなく、心地よかった時間もぜひ記録してください。 例えば、 * 一人で集中して仕事ができた * 信頼している先輩と話して安心した * 静かな場所で落ち着いて仕事ができた * 「ありがとう」と言われて嬉しかった こうした出来事も、自分にとって大切な情報です。 「どんな環境なら安心して働けるのか。」 「どんな仕事なら力を発揮しやすいのか。」 そんなことも見えてきます。 パターンが分かれば対策できる 例えば、 会議の日は疲れやすい。 午後になると集中力が落ちる。 電話対応が続く日は消耗しやすい。 逆に、 資料作成は落ち着いて取り組める。 少人数で話すほうが安心できる。 こうした自分の特徴が分かると、 「今日は会議が多いから帰宅後は予定を入れない。」 「昼休みは静かな場所で過ごそう。」 「仕事量について上司に相談してみよう。」 というように、疲れる前に対策を考えられるようになります。 こんな疲れ方には注意してください 一方で、次のような状態が続く場合は注意が必要です。 * 朝起きても疲れが取れない * 休日は寝て終わってしまう * 週を追うごとに疲れが強くなっている * イライラや涙が増えてきた * 「会社に行きたくない」と考える時間が増えてきた このようなときは、一人で抱え込まず、主治医や会社、支援者に相談してください。 復職は「自分を知る時間」 復職後の目標は、疲れない人になることではありません。 どんな仕事をすると疲れやすいのか。 どんな環境なら安心できるのか。 どんな人と一緒だと力を発揮しやすいのか。 自分自身を知ることが、長く働き続けるための第一歩です。 活動と疲れの関係を簡単に記録するところから始めてみてくださいね。 This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit yururiwork.substack.com

    復職後、毎日疲れる…|再休職を防ぐために大切な「セルフモニタリング」
  8. 8月5日

    【適応障害で休職中】職場で「先輩に話しかけるのが怖い」を乗り越えた方法

    復職後、わからないことがあっても、職場の先輩に声をかけられず、一人で抱え込んでしまうことがあります。 「忙しそうだから、今は聞かないほうがいいかもしれない」 「こんなこともわからないのかと思われそう」 「質問したら、迷惑をかけるかもしれない」 そう考えているうちに、聞くタイミングを逃し、仕事が進まなくなってしまう。さらに、「やっぱり自分は仕事ができない」と自信をなくしてしまう。 今回は、実際に復職されたクライエントさんが、認知行動療法の「行動実験」を使って、職場の先輩に声をかけられた事例をご紹介します。 個人が特定されないよう、内容は一部変更しています。 先輩に質問できず、一人で抱え込んでいた その方は、以前から職場で質問することが苦手でした。 わからないことがあっても、 「質問したら迷惑をかける」 「こんなこともわからないのかと思われる」 と考え、なかなか声をかけられませんでした。 本当は聞いたほうが早いことでも、自分だけで何とかしようとしてしまう。結果として仕事がうまく進まず、さらに自信をなくす。 このような状況が繰り返されていました。 オンラインリワークの最終回では、認知行動療法のおさらいとして、実際に職場で起きていた「先輩に質問できない」という場面を取り上げました。 考え方を見直すだけでは、元に戻ることがある 認知行動療法では、 「嫌われているのではないか」 「迷惑に思われるに違いない」 といった、自分を苦しくさせている考えを見直していきます。 その考えをそのまま事実として受け取るのではなく、 「本当にそうだろうか」 「別の見方はないだろうか」 と検討し直します。 この作業を通して、その方も、 「もしかすると、自分がそう思い込んでいるだけかもしれない」 と気づくことができました。 これは、とても大切な変化です。 ただし、新しい考え方を見つけても、実際の職場に戻ると、 「やっぱり迷惑かもしれない」 「やっぱり嫌な顔をされるかもしれない」 と、元の考えに戻ってしまうことがあります。 頭の中で考えを見直すだけでは、「本当に大丈夫なのか」という確信を持ちにくいからです。 そこで行うのが、行動実験です。 行動実験とは 行動実験は、自分の考えや予測が本当に正しいのかを、実際の行動を通して確かめる方法です。 たとえば、 「先輩に質問したら、迷惑そうにされる」 と考えている場合、その予測が本当に起こるのかを、小さな行動で確かめます。 手順は次のとおりです。 * 確かめたい考えや予測を書く * 実際にどうなると思うかを具体的に予測する * その予測を確かめられる行動を、小さく試す * 予測と実際の結果を比べ、わかったことを書く 大切なのは、無理に大きな行動をすることではありません。 いきなり何でも質問できるようになる必要はありません。 「わからないことを一つだけ聞く」 「比較的忙しくなさそうな時間に声をかける」 「まずは確認という形で聞いてみる」 このように、小さく試します。 実際に先輩へ声をかけてみた結果 その方は、実際に職場で先輩へ声をかけました。 すると、先輩は普通に教えてくれただけでなく、 「わからなかったら聞いてね」 と声をかけてくれたそうです。 その方が予測していた、 「迷惑そうな顔をされる」 「こんなこともわからないのかと思われる」 ということは、実際には起こりませんでした。 もちろん、一度の経験だけで、長年の思い込みがすべて変わるわけではありません。 それでも、 「思っていたことと違った」 という経験が一つ増えることには、大きな意味があります。 自信は、頭の中だけでは作れない 私は、自信は頭の中だけで作られるものではないと思っています。 「大丈夫だと思おう」 「もっと前向きに考えよう」 と自分に言い聞かせても、確信を持てないことがあります。 一方で、 「やってみたら、案外大丈夫だった」 「思っていたほど嫌な反応ではなかった」 「普通に対応してもらえた」 という経験は、自分の中に事実として残ります。 この事実が少しずつ積み重なることで、次の行動が取りやすくなります。 復職への自信も同じです。 自信がついてから行動するのではなく、小さく行動してみることで、自信が育っていきます。 「事実」なのか「まだ確かめていない予測」なのか 「きっと嫌われる」 「どうせ無理だ」 「失敗するに違いない」 このような考えが浮かんだときは、次のように考えてみてください。 これは事実だろうか。 それとも、まだ確かめていない予測だろうか。 予測であることに気づいたら、その予測を確かめられる小さな行動を考えます。 たとえば、 「朝、自分から挨拶してみる」 「質問を一つだけしてみる」 「完成前に途中経過を見てもらう」 「困っていることを短く伝えてみる」 などです。 行動実験は、無理に自分を変える方法ではありません。 自分が信じている予測を、現実の中で確かめる方法です。 復職準備では、考え方と行動の両方が必要 認知再構成によって、新しい考え方を見つけることは大切です。 ただ、その新しい考えを自分のものにするためには、実際に行動して確かめることが必要です。 This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit yururiwork.substack.com

    【適応障害で休職中】職場で「先輩に話しかけるのが怖い」を乗り越えた方法

番組について

3つの国家資格を持つ専門家 公認心理師×作業療法士×精神保健福祉士 SNSで適応障害で休職中の方の悩みを見ると、「大丈夫ですよ」と言って回りたくなるので、このアカウントで、勝手にアンサーすることにしました。 適応障害で休職中の方に、在宅ですぐに始められるオンラインリワークを提供しています。 🍀通院先を変えずに受講できます 🍀休職中のご相談はリンクから 🍀産業医からもご紹介いただいています yururiwork.substack.com

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