目木 丈晴|マーケと営業をつなぐISラジオー Podcast

目木 丈晴|マーケと営業をつなぐIS

BtoBマーケティングと営業の分断をなくし、リード獲得から商談・受注・継続までの売上プロセスを設計しています。 BtoB企業が売上を伸ばすために必要な、マーケティング・インサイドセールス・営業のつなぎ方を、実務目線でお届けします。 リード獲得、ナーチャリング、架電、商談化、営業プロセス設計、ウェビナー活用、失注フォロー、受注後の継続まで、売上を“点”ではなく“線”で設計するための考え方を発信していきます。 fusionvalue.substack.com

  1. 2日前

    小さいチームの分断は「担当者の頭の中」で起きている

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「マーケもISも営業も、2〜3人で回しているんです」。 最近、こうした声をいただくことが増えました。 なかには、コンテンツを作って、架電して、商談まで一人でこなしている方もいらっしゃると思います。 毎日フル回転なのに、なぜか成果が積み上がっていかない。 そんなもどかしさを感じていないでしょうか。 今回は、小さいチームでIS・マーケ・営業をどう回すかについて、私の考えをお伝えします。 少人数の現場で起きている「見えない分断」の正体と、それをKPI設計・情報設計・プロセス設計の3つの視点で解消する方法です。 これまで多くのBtoB企業の営業プロセスに関わってきて感じるのは、少人数の会社が苦しくなる原因は、人手不足そのものではないということです。 人が足りないことよりも、限られた時間の中で情報がこぼれ落ちていることのほうが、はるかに大きな損失になっています。 そしてこの損失は、仕組みで防ぐことができます。 読み終えるころには、「全部を頑張る」のではなく「どこに力を使うか」がはっきりし、今の人数のままでも商談につながる流れを作るイメージが持てるはずです。 自社の体制を思い浮かべながら、ぜひ最後まで読んでみてください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 小さいチームは「つなぎ目」を仕組みにする 先に結論をお伝えします。 小さいチームがやるべきなのは、「全部を少しずつやる」ことではありません。 やらないことを決めて、そのかわり「つなぎ目」だけは仕組みにすることです。 このメルマガでは、マーケ・IS・営業の分断が売上を止める、という話を繰り返しお伝えしてきました。 部門が分かれているから情報が途切れ、KPIがバラバラだから部分最適になってしまう、という構造です。 では、少人数で全部門を兼務していれば分断は起きないのでしょうか。 私の答えは「いいえ」です。 小さいチームでも分断は起きます。 ただしそれは、部門と部門の間ではなく、「担当者の頭の中」で起きているのです。 小さいチームで起きている「見えない分断」 毎日フル回転なのに成果が積み上がらない たとえば、営業担当が2人いて、1人はマーケと営業を兼務している。 社長自身も商談に出ている。 そんな体制の会社を想像してみてください。 午前中にメルマガを書き、午後にリードへ架電し、夕方に商談へ出て、夜に提案書を作る。 まさにフル回転です。 ところが、こうした会社のお話を伺っていくと、次のようなことが起きています。 ウェビナーを開催して、参加者のリストはある。 でも、架電できたのは2週間後。 その間に、相手の温度感はすっかり下がってしまっている。 架電のときに「今期は予算がないけれど、来期は検討したい」と聞いていた。 けれど、その情報は担当者の頭の中にしかなく、3か月後には誰も覚えていない。 そして、私が一番もったいないと感じるのが、商談がうまくいかなかったケースです。 マーケもISも商談も同じ担当者がやっているのに、うまくいかなかった要因がマーケの訴求にもISのトークにも反映されていないのです。 役割を替えるたびに文脈がリセットされている 何が起きているのかというと、1人の担当者が「マーケの自分」「ISの自分」「営業の自分」を、ばらばらに切り替えて動いてしまっているのです。 役割を替えるたびに、前の役割のときの文脈を自分でリセットしてしまう。 組織としては分かれていなくても、時間軸の上で分業が起きていて、そのつなぎ目で情報が落ちている。 これが、小さいチーム特有の分断だと私は考えています。 なぜ分断が起きるのか|3つの設計で分解する では、なぜこのような状態になるのでしょうか。 このメルマガで繰り返し使っている3つの軸、KPI設計・情報設計・プロセス設計で分解してみます。 KPI設計【追う数字が多すぎる】 小さいチームほど、大きな会社の真似をして、数字を全部追おうとしがちです。 リード数、MQL数、架電数、接続率、アポ取得数、商談数、受注率。 これを少人数で全部管理しようとすると、数字の集計だけで半日がつぶれてしまいます。 しかも、それぞれの数字を上げるための施策がバラバラに走り、結局どれも中途半端になってしまいます。 私は、小さいチームは追う数字を3つまでに絞るのが良いと考えています。 おすすめは、「有効商談数」を軸に置き、その前後を含めた「今月接点を持った見込み顧客の数」「有効商談数」「受注数」の3つです。 ポイントは、部門ごとのKPIを作らないことです。 人数が少ないのにマーケのKPIとISのKPIを分けてしまうと、自分で自分の中に分断を作ることになります。 最初から「売上につながる1本の線」として数字を見られること。 これは、実は大きな組織にはない、小さいチームならではの強みです。 情報設計【文脈が頭の中にしかない】 先ほどの「来期は検討したい」という話を思い出してください。 小さいチームにとって、ここが一番大きな損失につながるポイントです。 大きな組織であれば、ISから営業へトスアップするときに、情報を渡すためのルールを作ります。 けれど小さいチームは、渡す相手がいないので記録しないのです。 「自分が覚えているから大丈夫」。 そう思っていても、3か月後にはもう覚えていません。 そこで私がおすすめしているのが、「未来の自分へのトスアップ」という考え方です。 1人で回していても、次にその顧客に触れるのは、別の日の自分であり、別の役割をしている自分です。 だからこそ、他人に渡すつもりで記録します。 記録する項目は、多くなくて構いません。 最低限、次の5つです。 ▼未来の自分へのトスアップ|記録する5項目 ①なぜ接点を持ったのか ②何に課題を感じているのか ③温度感はどこまで上がっているのか ④社内で誰が関わりそうか ⑤次にいつ・何をするのか これだけ残っていれば、2週間後でも3か月後でも、前回の文脈から会話を再開できます。 顧客から見て「この会社は、前に話したことをちゃんと覚えてくれている」という安心感は、小さい会社が大手に勝てる武器になります。 プロセス設計【全部を同じ優先度で回している】 小さいチームがつらくなる一番の原因は、すべてのリードを同じ優先度で追っていることです。 ここでやるべきなのは、リードを「今すぐ案件」と「将来案件」の2種類に分けることです。 導入時期が近く、課題がはっきりしていて、決裁者も見えている。 これは今すぐ案件です。人の時間をしっかり使い、アポ取得から商談まで最短でつなげていきます。 一方で、課題はあるけれど優先度が低い、情報収集の段階にある。 これは将来案件です。 ここに毎月架電していたら、3人のチームでは絶対に回りません。 将来案件は、メールやコンテンツといった仕組みで関係を維持し、反応があったときだけ人が動くようにします。 もう1つ効果があるのが、時間のブロック分けです。 午前はマーケ、午後の早い時間はIS、というように、役割ごとの時間を決めてしまいます。 そして、役割が変わる前に、先ほどの5項目だけは必ず記録に残す。 これで、切り替えのたびに文脈がこぼれ落ちるのを防げます。 ▼小さいチームの3つの設計|まとめ図解 ここで、よくある打ち手についても触れておきます。 リソースが足りないとき、多くの会社が「どこかを外注しよう」と考えます。 架電は営業代行に、広告は代理店に、という発想です。 外注そのものは悪いことではありません。 ただ、小さいチームがやってはいけないのは、作業と一緒に「顧客理解」まで外に出してしまうことです。 架電を外に出しても、どの業界が反応したのか、どの課題に関心を示したのか、どこで温度感が落ちたのか。 この学びが自分たちに戻ってこなければ、アポ取得数は増えても、事業には何も蓄積されません。 また、最近はAIもかなり実務で使えるようになりました。 企業調査、議事録、CRMへの入力、メールの下書き。 こうした作業は、どんどんAIに任せていいと思います。 小さいチームこそ、AIの恩恵

  2. 9月27日

    「良いリードが来ない」と言う前に確認すること|ターゲット設計とスコアリングの見直し

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 資料請求やウェビナーの申込みは増えているのに、営業からは「最近のリード、質が悪いですよ」と言われてしまう。 マーケは「営業が追客してくれない」と感じ、営業は「リードの質が悪い」と感じている。同じリードを見ているはずなのに、話が噛み合わない。 そんなモヤモヤを抱えている方は、少なくないのではないでしょうか。 この記事では、「良いリードが来ない」と感じたときに、獲得施策を変える前に確認したいことを、ターゲット設計とスコアリングの見直しという切り口で整理します。 3つのステップ、判断の軸を整理した図解カード、自己診断チェックリストまでまとめました。 なぜ、これで問題が解消に向かうのか。それは、多くの場合、原因がリードの数や広告の出来ではなく、「良いリード」の定義がそもそも決まっていない、あるいは部門ごとにズレているという構造の問題だからです。 定義を見直せば、営業と同じ言葉でリードを語れるようになります。 こちらの記事をご覧いただくことで、自社のどこから手をつければよいかが見えて、明日の打ち合わせで「うちの良いリードって何ですか」と切り出せるようになっているはずです。 ぜひ、末尾のチェックリストまで読み進めてみてください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 「良いリードが来ない」の正体はリードの質ではないかもしれません 前回は、コンテンツマーケティングと営業をつなぐ設計として、ホワイトペーパーや事例記事を営業のどのタイミングで使うのか、というお話をしました。 ただ、読んでくださった方の中には、こう感じた方もいらっしゃると思います。 「そもそも、うちに届いているリードがあまり良くないんだよな」と。 コンテンツをどれだけ上手に使っても、届いている相手が違っていれば、成果には繋がりません。 そこで今回は、少し手前に戻って、入口の話をさせてください。 先に、私の結論をお伝えします。 「良いリードが来ない」と感じたとき、最初に疑うべきなのは、リード獲得の施策ではありません。 「良いリード」の定義そのものです。 多くの会社で、この定義が決まっていないか、部門ごとにバラバラになっています。 マーケの言う「良いリード」と、営業の言う「良いリード」が違う。 だからマーケは「良いリードを渡している」と思い、営業は「良いリードが来ない」と思う。 たとえば、こんな状況です。 * マーケのダッシュボードでは、リード数もMQL数も右肩上がり * 営業が追いかけると、担当者には会えるが「情報収集で見ていただけです」で終わる * アポ取得の数字は達成しているのに、商談に行くと決裁に関われる方ではなく、予算の話も出てこない * 結果として受注に繋がらず、マーケは「追客が足りない」、営業は「質が悪い」と言い合う 私は、これをどちらかが悪い話だとは考えていません。 責任の押し付け合いが起きること自体が、構造に問題があるサインだと思っています。 なぜマーケと営業で「良いリード」の認識がズレるのか では、なぜ認識がズレるのか。 私は、判断の軸が根本的に違うからだと考えています。 マーケは、基本的に「測れる指標」でリードの良し悪しを決めます。 役職、企業規模、業種、どの資料をダウンロードしたか、サイトを何回訪問したか、メールを開封したか。 これらを組み合わせて点数をつけるのがスコアリングです。 マーケの仕事としては、とても合理的です。 一方、営業が受注を決めるときに見ているのは、点数には出てこない情報です。 * その会社の中で誰が本当に困っているのか。 * 決裁者の関心はどのくらいあるのか。 * 予算はいつ動くのか。競合とはどういう関係なのか。 こうした「文脈」です。 つまり、マーケは「平均的に効くもの」を基準にし、営業は「目の前の一社に効くもの」を基準にしています。 だから、スコアが高いリードほどよく反応してくれるのに、その方が意思決定者ではなかったり、実は本当の課題がなかったり、予算がなかったりする。 スコア上位のリードと、実際に受注に繋がるお客様がズレてしまうのです。 私はこれを、マーケと営業の間の「翻訳のズレ」と呼んでいます。 しかも、このズレは追客の場面で起きるのではなく、その手前のターゲットとスコアを決める段階で、すでに始まっています。 見直しの3ステップ|三本柱で整理します このメルマガでは、KPI設計・情報設計・プロセス設計という3つの柱で売上構造を整理してきました。 ターゲット設計とスコアリングの見直しも、この3つに沿うと分かりやすくなります。 ステップ1【KPI設計】受注から逆算して「良いリード」を決める まずターゲット設計です。 ここで大切なのは、順番です。 多くの会社は「うちのサービスに合いそうな業種と規模」からターゲットを決めます。 でも、それはあくまで仮説です。見るべきなのは、実際に受注したお客様です。 直近で受注した10社、20社で構いません。 書き出してみてください。 そして、商談まで進んだものの失注した会社、アポには繋がったけれど進まなかった会社と並べて比べてみます。 すると、「受注する会社には共通点がある」と見えてきます。これが理想の顧客像、いわゆるICP(理想顧客像)です。 ※理想顧客像(Ideal Customer Profile) BtoBマーケティングや営業において、自社にとって最も価値を提供でき、大きな成果(売上やロイヤルティ)をもたらしてくれる「理想的な顧客企業像」を指します。 【図解カード①】受注顧客の共通点 書き出しカード そして、KPIもこれに合わせて変えます。 リード数やMQL数だけを追うのではなく、「ICPに合致したリードの数」と「そのリードの受注率」を見る。獲得経路ごとの受注率を並べてみるのもおすすめです。 リード数が多い経路が、良い経路とは限らないからです。 もうひとつ、私が大事だと思っているのが「追わない」という判断ができることです。 ICPから外れているリードには、営業の時間を使わない。 短期的なアポ取得の数字が減っても、営業の時間を守るほうが、組織全体の生産性は上がります。 ステップ2【情報設計】スコアリングは「誰か×いつか×なぜか」で組み立てる 2つ目は、スコアリングの中身です。 スコアリングというと、行動に点数をつけるイメージを持たれる方が多いのですが、私は3つの軸に分けて考えたほうがよいと思っています。 【図解カード②】良いリードを見極める3つの軸 なぜか どんな課題で反応しているか 情報収集の段階か、予算化前の課題整理か ここで注意したいのは、行動のスコアはあくまで「熱量のヒント」だということです。 ウェビナーに参加した、資料をダウンロードしたというだけで、購買意欲が高いとは限りません。 行動だけで点数をつけると、「よく反応するけれど買わない人」が上位に来てしまいます。 だから、行動スコアは「誰か」と掛け合わせて見ます。 ICPに合致していて、なおかつ熱量が高い。 この掛け算で優先順位をつけます。 そして、ISにリードを渡すときは、点数だけでなく「何を見て、どんな課題で反応したのか」も一緒に渡します。 「資料のダウンロードありがとうございます」で終わる架電と、「御社のフェーズだと、今の論点はリード不足より商談化率ではないですか」と仮説を持って入る架電では、その後の会話の質がまるで変わります。 ステップ3【プロセス設計】スコアは仮説として更新し続ける 3つ目はプロセスです。 ここが、一番忘れられがちだと感じています。 ターゲットもスコアも、作った時点ではただの仮説です。 一度決めて終わりにせず、運用しながら見直す仕組みが要ります。 たとえば月に1回、IS・営業・マーケが一緒に、次の2点を確認します。 * スコア上位のリードの受注率はどうだったか * 営業が「これは違った」と判断したリードには、どんな特徴があったか 営業が持っている「測れない文脈」を、少しずつ「測れる項目」に翻訳して、スコアの設計に戻していくイメージです。 このとき、ISが間に立つ「翻

    「良いリードが来ない」と言う前に確認すること|ターゲット設計とスコアリングの見直し
  3. 9月23日

    ホワイトペーパーと事例記事は「作ること」がゴールになっていませんか?

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 ホワイトペーパーのダウンロード数は増えているのに、商談はなかなか増えない。 事例記事も公開したのに、営業が使っている気配がない。 コンテンツマーケティングに取り組む中で、そんなもどかしさを感じている方は多いのではないでしょうか。 今回は、コンテンツマーケティングと営業をつなぐために、ホワイトペーパーと事例記事を「どの場面で、どう使うのか」という視点で整理してお届けします。 売上につながるコンテンツには共通点があります。 作る前に「営業のどの場面の、どんな不安を越えさせるのか」が決まっていることです。 KPI・情報・プロセスという三本柱で分解すると、その理由がはっきり見えてきます。 こちらの記事をご覧いただくことで、自社のコンテンツがどこで途切れているのかが分かり、営業が使える武器に変えるための最初の一歩が見えてきます。 後半には自社の状況を確認できるセルフチェックリストも用意していますので、ぜひ最後までお読みください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 コンテンツの役割は「集客」ではなく「商談の質を上げること」 結論からお伝えします。 ホワイトペーパーも事例記事も、「作ること」がゴールになっていると、売上にはつながりません。 売上につながるコンテンツというのは、営業のどの場面の、どんな不安を越えさせるための役割なのかが、作る前に決まっています。 つまり、コンテンツの役割は「集客」ではなく、「商談の質を上げること」だと私は考えています。 営業が使う道具として設計する。 これが今回、いちばんお伝えしたいことです。 前回は、ウェビナーから商談化までの設計についてお届けしました。ウェビナーに参加したという「行動」と、買いたいという「意思」は別物で、そこを混同すると商談化が進まなくなる、というお話でした。今回は、ウェビナーと同じくらい多くの会社が取り組んでいる「コンテンツ」を取り上げます。 記事は読まれているのに商談が増えない【三本柱で分解する】 こんな状況になったことはないでしょうか。 記事はそこそこ読まれていて、ホワイトペーパーのダウンロード数も毎月増えている。 マーケティングの会議では「今月のダウンロードは〇件でした」と報告が上がる。 ところが営業現場に聞くと、「商談が増えた実感はないんです」と言われる。 マーケは成果を出しているつもりでも、営業は何も変わっていないと感じている。 ここには、目に見えない溝があります。 私は、これは担当者の努力不足ではなく、構造の問題だと考えています。 これまでお伝えしてきた三本柱であるKPI設計・情報設計・プロセス設計で整理すると、きれいに分解できます。 KPI設計|見るべきは「商談前の顧客理解」 マーケが見ているのは、PVやダウンロード数であることが多いと思います。 ここで見ないといけないのは、「商談の前に、お客様の理解がどれだけ進んだか」です。 数は増えているのに商談が増えない会社は、PVやダウンロード数だけに捉われていることが多いのです。 情報設計|ダウンロードの「背景」が渡っていない ダウンロードした人が、なぜそのホワイトペーパーを選んだのか。 その背景が、インサイドセールスにも、フィールドセールスにも渡っていないことがあります。 「資料DL=見込み顧客」としてリスト化しているだけで、背景情報が引き継がれていないのです。 プロセス設計|「読まれたあと」まで一本の線で描く 記事を書く、読まれる、資料をダウンロードされる。 ここで終わっている会社が本当に多いと感じます。 売上が伸びる会社は、その先、つまりインサイドセールスの架電、課題のヒアリング、商談までが、最初から一本の線として設計されています。 コンテンツと営業が分断されず、シームレスにつながっているのです。 この3つの設計を踏まえて、ホワイトペーパーと事例記事、それぞれの使いどころを見ていきましょう。 ホワイトペーパーの使いどころ【2つの役割とその後の動き方】 多くの会社は、ホワイトペーパーを「リードを集めるためのマグネット」として作ります。 すると、自社サービスの紹介を薄めたような資料か、業界トレンドをまとめただけの資料になりがちです。 ダウンロードはされても、大半は「今すぐ買いたい人」ではなく、情報収集の段階です。 ここで大事なのは、ホワイトペーパーには役割が2つあると捉えることです。 役割①|検討初期は「課題整理」を助ける まだ予算化もされていない、課題もぼんやりしている。 そういう段階の人に渡すのは、売り込みではなく、判断材料です。 たとえば、失敗しない導入の進め方や、自社の課題を整理するためのチェックリストなどです。 この段階の人に、すぐ商談を求めてはいけません。 ここは「ギブが先、テイクは後」だと思っています。 温度が上がりきっていないのに商談に持っていこうとすると、かえって離れていってしまう可能性があるからです。 役割②|比較検討期は「社内に説明する材料」になる たとえば、比較検討時のチェックポイントや、社内稟議で使える判断軸です。 こうしたホワイトペーパーをダウンロードする人は、すでに他社と天秤にかけている可能性が高いです。 つまり、熱量が高まったサインなのです。 料金ページを何度も見ている。 比較資料をダウンロードしている。 こうした行動は、検討ステージが一段上がった合図と見て大丈夫です。 この合図が出た瞬間にインサイドセールスが動くと、商談化率が大きく変わります。 ISの入り方|資料の内容から仮説を持つ インサイドセールスの入り方も、見直したいところです。 「資料をダウンロードいただきありがとうございます。ご状況いかがですか?」。 このようなアプローチをしていないでしょうか。 よくあるアプローチなので、お客様からすると「また営業が来たな」で終わってしまいます。 そうではなく、たとえば次のように、ダウンロードした資料の内容から仮説を持って入ります。 「『コンテンツマーケティングと営業をつなぐホワイトペーパー活用術』の資料をご覧になったのは、リード数は増えているのに、商談数が増えないからでしょうか?」 これができると、見込み客は「自分たちの状況を理解してくれている」と感じますので、会話の質がまったく変わってきます。 ホワイトペーパーは、インサイドセールスが仮説を立てるための材料でもあるのです。 FSへのバトンパス|ダウンロードの背景は商談へのバトン もう一つ大切なのが、どのホワイトペーパーを、なぜダウンロードしたのか。 この背景まで含めてフィールドセールスに渡すことです。 ISの田中さんに話したのに、FSの鈴木さんがその話を知らない。 こうなると、お客様は「この会社は連携が取れていないな」と感じて、離脱してしまいます。 ダウンロードの背景は、商談へのバトンとして捉えていきましょう。 事例記事の使いどころ【書くべきは「導入前」です】 次に、事例記事です。 事例記事で一番よくある失敗は、成果の数字だけを並べてしまうことだと思います。 「売上が200%になりました」 「商談数が3倍になりました」 もちろん成果は大事です。 しかし、成果だけを見た見込み客は、「その会社だから成功したんでしょう」「うちとは規模も体制も違う」と感じてしまいます。 事例は、成果発表ではなく、購入前の不安を解消するための材料です。 導入前の迷いを書く|読み手は「スタート地点」に自分を重ねる だから、事例で書くべきなのは、成功したあとの綺麗な話ではなく、導入前の状況です。 何に困っていたのか。 何を怖がっていたのか。 どこで迷ったのか。 何が決め手になったのか。 読み手は、ゴールではなくスタート地点に自分を重ねます。 たとえばインサイドセールス支援の事例なら、「商談数が2倍になった」の前に、次のような迷いが書いてあるとどうでしょうか。 * 問い合わせは増えたけれど、誰を優先して商談すべきか分からなかった * 社長は必要性を感

    ホワイトペーパーと事例記事は「作ること」がゴールになっていませんか?
  4. 9月14日

    MQLとSQLの定義合ってますか?

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「リードの数は目標を達成しているのに、なぜか商談化率が上がらない」 「営業とマーケで、リードの質をめぐる議論を毎月繰り返している」 そんな状態に、心当たりはないでしょうか。 今回は、MQL(Marketing Qualified Lead)とSQL(Sales Qualified Lead)という、マーケティングと営業の現場で日常的に使われている言葉を改めて整理しながら、この二つの定義が組織の中でどうズレていくのかを解説します。 多くのBtoB企業のマーケティング・インサイドセールス・営業支援に携わってきた中で見えてきた、「測れる行動」と「測れない文脈」という構造の違いを軸に、実際にあった改善例も交えてお伝えします。 こちらの記事をご覧いただくことで、リードの質をめぐる水掛け論が起きる根本原因と改善策が見えてくるはずです。 ぜひ最後まで読み進めてみてください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 MQLとSQLとは|二つのリードの違いを整理する 本題に入る前に、言葉の意味を簡単に整理しておきます。 MQL|マーケティングが定義する「見込み」 MQLとは、Marketing Qualified Leadの略です。資料をダウンロードした、セミナーに参加した、料金ページを何度も見た。こうした行動データをもとに、マーケティング側が「見込みがありそうだ」と判断したリードのことを指します。 SQL|営業が定義する「商談化してよい相手」 SQLとは、Sales Qualified Leadの略です。 * 決裁権がある * 予算がある * 検討時期が近い 実際に商談を進めても大丈夫だと、営業側が判断したリードのことを指します。 一般的な流れとしては、マーケがMQLを見つけて営業に渡し、営業がその中から本当に商談化すべき相手をSQLとして選び出します。 このMQLからSQLへの「バトンタッチ」がうまくいっているかどうかは、マーケと営業の関係性を測るうえで、かなり重要な指標になります。 今回お伝えしたいのは、まさにこの二つの言葉の「中身」が、会社によってどれだけズレているか、という話です。 あるある失敗|数字は達成しているのになぜか噛み合わない よくあるパターンから紹介します。 マーケティング側は、月次のMQL目標を達成しています。 * 役職 * 企業規模 * 資料ダウンロード履歴 * サイト訪問回数 * メールの開封率 こうした「測れる指標」でスコアリングして、基準を超えたリードをMQLとして営業に渡しています。 数字の上では、ちゃんと機能しているように見えます。 一方、営業側では商談化率が上がりません。 渡されたリードに架電しても、決裁権がなかったり、予算がなかったり、そもそも本気で検討していなかったりする。 そうすると、営業からは「マーケが渡してくるリードの質が悪い」という声が上がります。 マーケからは「MQLの基準は満たしているから、営業の追客の問題では」という声が返ってきます。 この水掛け論、聞き覚えのある方も多いのではないでしょうか。 定義がズレる本当の理由|「良いリード」の基準が部門ごとに別々に存在している この水掛け論が起きる根本原因は、コミュニケーション不足でも、運用ルールが整備されていないことでもありません。 もっと手前の話として、「MQL」と「SQL」という言葉が指しているものが、マーケと営業でそもそも違うのです。 マーケティングにとってのMQLは、「測れる行動」の組み合わせで定義されます。 * 資料をダウンロードした * 料金ページを見た * セミナーに参加した こうした行動データをスコア化して、一定の点数を超えたら「マーケティング的に見込みがある」と判断する。 これはマーケティングという仕事の性質上、合理的なやり方です。 多数のリードを効率よく処理するには、標準化されたスコアリングが欠かせません。 一方、営業にとってのSQLは、もっと文脈的なものです。 * 決裁権を持っているか * 予算があるか * 検討のタイミングが近いか * 社内で本当に課題として認識されているか これはスコアには現れない情報で、営業が一対一の会話の中で読み取っていくものです。 つまり、マーケは「一対多」の論理で良いリードを定義し、営業は「一対一」の論理で良いリードを定義しています。 この二つの定義は本来別ものなのに、多くの会社では「MQL」という同じ言葉を使って、両者が同じものを指しているつもりで会話してしまう。 ここに、そもそものズレの出発点があります。 部分最適の限界|スコアの高いリードが、受注に一番近いとは限らない このズレを放置すると、何が起きるでしょうか。 マーケのスコアリングで上位のリードは、資料請求もするし、商談にも応じてくれます。 ただ、意思決定者ではなかったり、本当の課題を抱えていなかったり、予算がなかったりすることも少なくありません。 本当に受注につながるのは、スコアには現れない要素を持っている相手だったりします。 組織内の力関係、検討している役員の温度感、競合との関係、社内の意思決定タイミング。 こうした「測れない文脈」こそが、最終的に受注を決めます。 営業はこの文脈を読む力で成果を出しているのですが、マーケのスコアリングは、この能力を前提にしていません。 そして厄介なのは、MQLの数やSQLへの遷移率という数字は、経営会議で報告しやすいということです。 ダッシュボードに並んで、可視化されます。 一方で「このリードは決裁権はないけれど、半年後に部署異動で決裁側に回る可能性が高い」というような文脈情報は、数字にしにくいのです。 結果として、経営陣は「見えるマーケの数字」を評価しやすくなり、「見えにくい営業の文脈判断」が軽視されがちになります。 マーケのKPIが組織全体の評価軸になっていき、営業は与えられたリードに対して、決められたやり方で対応するだけの立場に押されていきます。 これが続くと、営業からは「アポには繋がるけど、受注に繋がらない商談ばかり回ってくる」という不満が積み重なっていきます。 そしてこの不満は、営業のモチベーションだけでなく、組織としての受注力そのものを削っていくのです。 定義を共通言語にする|一気通貫で見直す3つのポイント ではどうすればいいのか。 ポイントは、MQLとSQLの定義を、マーケだけで決めない、営業だけで決めない、ということです。 両方の部門が、同じテーブルで、同じ言葉の中身をすり合わせていきます。 ①MQLの基準を、営業の結果から逆算する マーケ側のスコアリング指標を、営業側が実際に架電・商談してきた結果とセットで見直します。 「スコアが高かったのに受注に至らなかったリード」に共通するパターンは何か。 「スコアは低かったけれど受注できたリード」にはどんな文脈があったか。 これを定期的に突き合わせることで、MQLの基準自体を、受注に近づける方向に調整していきます。 ②SQLの基準を、感覚ではなく言葉にする 営業側がSQLと判断する基準も言語化します。 「決裁権がある」「予算感がある」「検討時期が3ヶ月以内」といった条件を、感覚ではなく共通の言葉にする。 そうすることで、マーケが渡すリードの温度感と、営業が求めている基準の間にあるギャップが、初めて可視化されます。 ③スコアだけで動かず、文脈確認のワンクッションを置く 料金ページを何度も見ている、事例動画を最後まで見た、というアクションは確かに強いシグナルです。 ですが、そこにインサイドセールスが実際に架電して、決裁権や予算、検討タイミングといった文脈を一言二言確認する。 このワンクッションがあるだけで、商談化の精度はまったく変わってきます。 これは以前の号でお伝えした架電設計やトスアップ設計にもつながる話ですが、結局のところ、KPI設計・情報設計・プロセス設計の三本柱は、この「定義のすり合わせ」がベースになければ、どれだけ精緻に作っても機能しません。 実際にあった改善例 ある企業で、マーケが定義していたMQLの基準は「資料ダウンロード+役職が課長以上」でした。 これを満たしたリードは、そのまま自動的に営業に渡っていました。 ところが実際に営業が架電してみ

    MQLとSQLの定義合ってますか?
  5. 9月6日

    ウェビナーは「集客」で終わっていませんか|商談化までの設計

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「ウェビナーを毎月開催しているのに、なぜかアポに繋がらない」 そんな悩みを抱えているマーケティング担当者、インサイドセールス担当者は少なくないはずです。 今回は、ウェビナーが「集客イベント」で終わってしまう構造と、参加者の熱量を商談化まで運ぶための設計をお伝えします。 KPI設計・情報設計・プロセス設計という三つの視点で分解すると、なぜ同じ参加者数でも成果に何倍もの差が出るのかが見えてきます。 こちらの記事をご覧いただければ、自社のウェビナー運用のどこにボトルネックがあるのか、具体的にチェックできる状態になっているはずです。 ぜひ最後までお読みください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 ウェビナーが「集客」で終わってしまう問題 BtoB企業でよくあるのが、 「毎回100人前後の参加者を集められているのに、アポ取得率がずっと2〜3%で伸び悩んでいる」 という状態です。 多くの場合、原因はウェビナーのコンテンツの質だけではありません。 本当の問題は、ウェビナーのゴールが「開催すること」、「参加者を集めること」で止まってしまい、その先の商談化までが設計されていないことにあります。 参加者数や申込数だけをKPIに置いている会社は、実はかなり多いです。 しかし、これはあくまで「入口の数」でしかありません。 参加した人のうち、自社の課題として真剣に聞いていた人が何人いたのか、最後まで視聴した人が何人いたのか、質問した人が何人いたのか。 ここを見なければ、ウェビナーが本当に機能しているかどうかは分からないのです。 三つの設計で見えてくるウェビナーが機能しない理由 KPI設計|参加者数ではなく参加の質を見る マーケティングの評価軸が「参加者数」に置かれていると、現場は「とにかく数を集める」方向に動きます。 その結果、ターゲットからズレた層まで巻き込んで母数だけが膨らみ、後工程のインサイドセールスは「アポに繋がりにくい母数」を渡されて疲弊することになります。 見るべきところは、参加者数そのものではなく、最後まで視聴した「有効参加率」や、質問・アンケートへの反応率です。 ここを追うだけで、ウェビナーの評価軸は大きく変わります。 情報設計|参加中の行動データを架電前に届ける ウェビナー中に参加者がどのスライドで離脱したか、どんな質問を投げてきたか、チャットやアンケートでどう反応していたか。 これらは、実は非常に濃い「顧客の温度感」の証拠です。 しかし、多くの会社では、この情報がマーケティング側の管理画面に留まったままで、インサイドセールスには参加者リストだけが渡されます。 そうすると架電は「先日はウェビナーにご参加いただきありがとうございました」という当たり障りのない一言から始まるしかありません。 逆に、「先日のウェビナーで料金体系について質問いただいていたと思うのですが」と文脈を踏まえて話しかけられれば、相手の反応はまったく違うものになります。 プロセス設計|熱量が高いうちに優先順位をつけて動く ウェビナー後、いつ、誰が、どんな順番でフォローするか。 ここが設計されていない会社は非常に多いです。 終了後にお礼メールを一斉送信して、数日後に思い出したように架電する。 この「間」が空くほど、参加者の温度感は冷めていきます。 理想は、参加度合いに応じてフォローの優先順位を分けることです。 最後まで聞いていた人、質問をした人、アンケートで導入検討中と答えた人には当日か翌日中にインサイドセールスから連絡する。 一方で、途中離脱していて情報収集段階の人には、いきなり架電するのではなく、関連コンテンツを送ってナーチャリングに回す。 この振り分けがなければ、熱量の高い参加者を放置し、まだ検討段階に入っていない人に無理に架電するという、双方にとって不毛な時間が生まれてしまいます。 実務への落とし込み|三段階のフォロー設計 実際にあった事例では、ウェビナー後のフォローを次の三段階に振り分けたことで、アポ取得率が2〜3%から半年後には8%まで上がりました。 参加者数はそれほど変わっていません。 同じ母数から、これだけの差が出るのです。 * 最後まで視聴・質問ありの参加者 → 当日中にインサイドセールスが架電 * 一定時間視聴・アンケート反応ありの参加者 → 翌日中に架電 * 早期離脱・反応の薄い参加者 → 架電ではなくナーチャリングへ このように、参加中の行動データを事前にインサイドセールスへ共有し、優先順位に応じて接触速度を変えることが、商談化の分かれ目になります。 まとめ ウェビナーは、開催して終わりの集客施策ではありません。 参加者の行動データという、営業にとって最も価値のある一次情報が眠っている場所です。 ここを拾い上げて、インサイドセールスやフィールドセールスに正しく繋げられるかどうかで、同じ参加者数でも成果は何倍にも変わります。 もし今、自社のウェビナーが「開催すること」がゴールになっていないか、参加者の温度感がインサイドセールスに伝わっているか気になった方は、BtoB売上構造診断シートを使って一度可視化してみてください。 個別にご相談したい方は、フュージョンバリューまでお気軽にどうぞ。 自己診断チェックリスト 自社の状況が気になった方は、次の項目を確認してみてください。 * ウェビナーのKPIは「参加者数」だけでなく「有効参加率」「反応率」まで含まれているか * 参加中の行動データ(離脱ポイント・質問・アンケート回答)はインサイドセールスに共有されているか * フォローのタイミングは、参加度合いに応じて優先順位が分かれているか * 温度感が低い参加者を、無理に架電せずナーチャリングに回す導線があるか * ウェビナー後のフォロー速度は、当日〜翌日中を基準にできているか 『BtoB売上構造診断シート』プレゼント もし今、御社が受注した後の情報がどこかで途切れていないか、CSにアップセル・クロスセルの攻めの役割まで背負わせてしまっていないか、気になった方は、BtoB売上構造診断シートを使って一度可視化してみてください。 5段階スコアを入力するだけで、ボトルネックが可視化されます。 Substackの購読登録いただいた方にお渡ししておりますので、登録後(購読ボタンから)に届くメールからお受け取りください。 🎙Podcast でも配信中 「マーケと営業をつなぐISレター」は、Podcast(番組名は「マーケと営業をつなぐISラジオ」)でも配信しています。移動中や作業中に聞きたい方はぜひお聴きください。 * Spotify * Apple Podcasts ℹ️自社の売上プロセスを一緒に整理しませんか? リード獲得から商談化・受注・継続まで、どこで詰まっているかを無料相談で整理できます。お気軽にご連絡ください。 ✉お問い合わせはこちら This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit fusionvalue.substack.com

  6. 8月30日

    CSに攻めを背負わせないアップセル・クロスセル設計

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 受注が決まった瞬間に、マーケも営業もそこでふっと手を離してしまい、「あとはCS(カスタマーサクセス)さんお願いします」という空気になっていないでしょうか。 実はこれ、既存顧客の中に眠っている売上の機会を、そのまま取りこぼしている状態かもしれません。 今回は、受注後にマーケがどこまで数字を追うべきか、そしてCSとの連携でアップセル・クロスセルを再現性高く生み出すための設計についてお話しします。 弊社の支援先でも、この情報設計とプロセス設計を整えたことで、既存顧客からの商談化率が新規リードを上回るケースが出てきています。 本記事をご覧いただければ、自社の受注後の情報がどこで途切れているのか、CSにどこまでの役割を求めるべきなのかが、きっと整理できているはずです。 ぜひ最後までお付き合いください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 受注はゴールではなく、次のプロセスの入口 前回は、失注後のナーチャリング設計についてお話ししました。 失注は終わりではなく、育成の入口として捉え直すという内容でした。 今回はその逆側、受注した後の話です。 受注は、案件としては一区切りかもしれません。 ですが、顧客との関係で見れば、そこはまだスタート地点です。 本来追うべきKPIは、アポ数や受注数だけではなく、その先の継続とLTV(顧客生涯価値)のはずです。 ここを一気通貫で見られていない組織ほど、既存顧客からの売上を取りこぼしやすくなります。 なぜこうしたことが起きるのか。今回も「KPI設計」「情報設計」「プロセス設計」という三つの軸で分解していきます。 CS任せのアップセルが機能しにくい理由【KPI設計】 CSがどんな指標を持っているか、想像がつくでしょうか。 多くの場合、チャーン防止(解約防止)、利用率向上、NPS向上といった指標です。 ※NPS(Net Promoter Score)とは、企業やブランド、商品、サービスに対して顧客がどれくらいの愛着や信頼を持っているか表す指標。 これらはすべて、いわば「守りの指標」です。 顧客との関係性を壊さないこと、離脱させないことが第一義になっています。 一方で、アップセルやクロスセルは、営業活動のど真ん中にある動きです。 別部署の探索、課題のヒアリング、価格や機能のネゴシエーション。 守りの指標を持っている人に、そのまま攻めの指標を乗せるとどうなるでしょうか。 無理に提案すれば関係性が悪化するリスクがありますし、攻めれば攻めるほど本来のKPIとトレードオフになってしまいます。 結果として、どっちつかずになりやすいのです。 これはCSの能力の問題ではなく、役割設計そのものの問題です。 関係性を維持することと、売りに行くことを同時に成立させるには設計が必要で、役割としては分けたほうが機能しやすいケースが多いと感じています。 顧客の文脈は、受注の瞬間にどこへ消えるのか【情報設計】 ここが今回いちばんお伝えしたいところです。 受注した瞬間、マーケが積み上げてきた顧客の文脈は、どこへ行くと思いますか? 実は、ほとんど消えてしまうことが多いのです。 どんな課題感でリードになったのか、どんな比較軸で検討していたのか、どんな期待値を持って契約したのか。 この情報は、マーケとインサイドセールスの間では引き継がれても、受注した瞬間にCSへは渡らないケースがよくあります。 CSが初回のキックオフからまた一からヒアリングし直すと、顧客からすれば「それ、最初にお伝えしましたよね」という体験になってしまいます。 顧客の文脈が、最初の接点から受注後まで途切れず流れる設計になっているかどうか。 これが一つ目の分かれ目です。 そして、逆方向の情報の流れも同じくらい大切です。 CSが現場で拾っている顧客の声、活用が進まない理由、追加で欲しい機能。 こうした情報が、マーケや事業側にきちんと戻っているでしょうか? ここが途切れていると、マーケは新規リード獲得ばかりに意識が向き、既存顧客の中に眠っている機会に気づけなくなります。 カスタマーインサイドセールスという第三の役割【プロセス設計】 では、実際にどうすればアップセルやクロスセルを再現性高く生み出せるのか。 ここで、私が支援先でも実際に取り入れている考え方をご紹介します。 「カスタマーインサイドセールス(CIS)」という役割です。 CSとCISの役割分担 役割を分けるとすると、次のようなイメージです。 CSは、関係性構築・活用支援・継続利用に専念します。 その横で、CISが別部署や他拠点、子会社のリストアップ、仮説ベースでのアプローチ設計、必要に応じたアウトバウンド活動を担い、営業につなぐための商談の芽をつくっていきます。 既存顧客起点の新規開拓 この動きは、既存顧客を起点にした新規開拓に近いものです。 CSが持っている顧客情報をインプットしながら、営業として攻める役割を別に立てる。 この分業によって、CSは本来の役割に集中でき、アップセル側は攻めの動きに専念できます。 結果として、両方の再現性が上がっていきます。 実際、支援先の事例でも、このCISの動きを取り入れてから、グループ企業や他拠点のリストアップから商談を生み出す動きが回り始め、既存顧客だけあって商談化率も受注率も新規リードよりずっと高い数字が出ています。 関係性の土台がある分、当然といえば当然かもしれません。 まとめ 受注はゴールではなく、そこから先の継続とLTVに向けたプロセスのスタート地点です。 CSに関係性維持とアップセル・クロスセルの攻めまで背負わせないこと。 情報設計とプロセス設計で役割を分業し、マーケ側でも受注後の数字まできちんと追うこと。 この三つが揃って初めて、既存顧客からの売上が仕組みとして再現できるようになります。 自己診断チェックリスト 自社の状況が気になった方は、次の項目を確認してみてください。 * 受注時の顧客の文脈(課題感・比較軸・期待値)は、CSに引き継がれているか * CSが拾った顧客の声は、マーケや事業側にフィードバックされる仕組みがあるか * アップセル・クロスセルの役割は、CSの関係性維持と分けて設計されているか * マーケが追うKPIは、アポ・受注だけでなく継続やLTVまで含まれているか * 既存顧客からの商談創出を、新規開拓と同じように仕組みとして捉えられているか 『BtoB売上構造診断シート』プレゼント もし今、御社が受注した後の情報がどこかで途切れていないか、CSにアップセル・クロスセルの攻めの役割まで背負わせてしまっていないか、気になった方は、BtoB売上構造診断シートを使って一度可視化してみてください。 5段階スコアを入力するだけで、ボトルネックが可視化されます。 Substackの購読登録いただいた方にお渡ししておりますので、登録後(購読ボタンから)に届くメールからお受け取りください。 🎙Podcast でも配信中 「マーケと営業をつなぐISレター」は、Podcast(番組名は「マーケと営業をつなぐISラジオ」)でも配信しています。移動中や作業中に聞きたい方はぜひお聴きください。 * Spotify * Apple Podcasts ℹ️自社の売上プロセスを一緒に整理しませんか? リード獲得から商談化・受注・継続まで、どこで詰まっているかを無料相談で整理できます。お気軽にご連絡ください。 ✉お問い合わせはこちら This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit fusionvalue.substack.com

    CSに攻めを背負わせないアップセル・クロスセル設計
  7. 8月23日

    失注を資産に変えるナーチャリング設計

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「失注した案件、そのままCRMに眠らせていませんか?」 営業を続けていると、こういう瞬間って誰にでもあると思うんです。 「今回は予算が厳しくて」 「今は体制が整っていなくて」 と言われて商談が流れる。 ステータスを「失注」に変えて、そのまま案件は動かなくなる。 でも実はその失注リストの中に、まだ使える情報と、まだつながっている関係性が眠っているとしたらどうでしょうか。 この記事では、失注を「終わり」ではなく「育成の入口」として扱うための考え方と、実際に何を記録し、どう再アプローチすればいいのかを、具体的なチェックリストつきで整理します。 理由はシンプルで、見込み客の多くは「今すぐ客」ではなく、今はまだ検討タイミングではないだけの相手だからです。 この視点を持てるかどうかで、同じ失注リストが「損失」にも「資産」にもなります。 こちらの記事をご覧いただければ、自社の失注案件をどう仕組みで拾い直せばいいか、その設計図がイメージできているはずです。 ぜひ最後まで読んでみてください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 失注は終わりではなく入口である 多くの会社は、失注した瞬間にその商談を「終わったもの」として扱います。 CRMのステータスを「失注」にして、それで完結です。 でも、これはとてももったいないことをしています。 実際にお客様が話している内容をよく聞いてみると、「今回は予算が厳しくて」「今は体制が整っていなくて」というのは、要するに「今じゃない」だけであって、永遠に「ノー」と言っているわけではないケースがほとんどなんです。 失注は、案件の終わりではありません。 むしろ、中長期的な関係づくりの入口だと捉え直す必要があります。 なぜ多くの会社は失注で思考を止めてしまうのか ここを構造で分解してみます。原因は大きく3つあると考えています。 「失注」という言葉が思考を止めさせる 「失注」と記録した瞬間、頭の中で「この案件はもう終わり」というスイッチが入ってしまいます。 言葉が持つ力は大きく、この一言が次のアクションの芽を摘んでしまうのです。 KPIが「今月の受注」に寄りすぎている 営業もインサイドセールスも、目の前の数字を追いかけるので精一杯になりがちです。 3ヶ月後、半年後にもう一度連絡するという発想自体が、評価制度の中に組み込まれていない会社がほとんどです。 だから誰も悪気なく、失注リストをそのまま眠らせてしまいます。 失注理由を次のアクションにつなげる仕組みがない 「なぜ失注したのか」を営業担当者の頭の中だけに残し、CRMには「タイミング悪し」程度しか記録していない。 これでは、いざ再アプローチしようと思っても、何を手がかりにすればいいのか分かりません。 失注後に記録すべきことはたった2つ 私が大事にしている考え方はとてもシンプルです。 失注した時に記録するのは、次の2つだけです。 * なぜ今回は決まらなかったのか、という理由 * その理由に基づいて、いつ頃また連絡するのが適切か、というタイミング たったこれだけです。 そして実際にそのタイミングで連絡すると、お客様の反応は大きく変わります。 「え、覚えていてくれたんですか」という一言が返ってくることが多いのです。 この一言が出るかどうかが、実はものすごく大きな意味を持ちます。 単なる売り込みの電話ではなく、「あなたが話してくれたことを、私はちゃんと覚えています」というメッセージとして届くからです。 ここで、お客様との関係性は大きく変わります。 見込み客の8割は「今すぐ客」ではない 視点をもう少し広げてみます。 そもそも見込み客の8割ほどは「今すぐ客」ではないと言われています。 イノベーター理論でいうところの、まだ課題を自覚しきっていない、あるいは検討の優先順位がまだ高くないマジョリティ層です。 この層に対して、いきなり「今すぐ買ってください」というアプローチをしても響きません。 だからこそ、失注した相手を「もう終わった人」ではなく「まだ今じゃないだけの、育てるべき見込み客」として扱う視点が欠かせないのです。 失注ナーチャリングを支える3つの設計 ここで、このメルマガで繰り返しお伝えしている「KPI設計・情報設計・プロセス設計」の3本柱につなげていきます。 この3つが噛み合って初めて、失注は「損失」から「資産」に変わります。 KPI設計 KPI設計では、失注を「失注」の一言で終わらせず、「保留」「ナーチャリング戻し」というステータスをきちんと用意します。 インサイドセールスの評価指標にも「再商談化率」や「育成案件の案件化数」を組み込む必要があります。アポ取得数だけを追わせている限り、この動きは生まれません。 情報設計 情報設計では、失注理由をただの一言メモにせず、「タイミング未到来」「予算なし」「競合優位」「担当者の温度感が低い」といった形で分類します。 理由が分類されていれば、いつ、どんな切り口で再アプローチすべきかが見えてきます。 ここが曖昧なままだと、せっかく記録しても活用できません。 プロセス設計 プロセス設計では、フィールドセールスが「今は難しい」と判断した案件を、失注で終わらせずインサイドセールスに戻します。 そしてインサイドセールスが30日後、60日後、90日後といった節目で再接触し、温度感が上がったタイミングで再びフィールドセールスに戻す。 この往復の流れを、感覚ではなく仕組みとして設計しておくことが重要です。 まとめ 失注は案件の終わりではなく、育成の入口です。そしてそれを資産に変えるためには、KPI・情報・プロセスという3つの設計が欠かせません。 もし今、自社の失注リストがCRMの中で眠ったままになっているとしたら、それはまだ活用されていない宝が眠っている状態かもしれません。 自社診断チェックリスト 自社の失注フォローがどこまで仕組み化できているか、以下でチェックしてみてください。 * 失注案件を「失注」以外のステータス(保留・ナーチャリング戻しなど)で管理できているか * 失注理由をカテゴリ別に分類して記録しているか * 再アプローチの目安時期を、案件ごとに記録しているか * インサイドセールスの評価指標に「再商談化率」などの中長期指標が含まれているか * フィールドセールスからインサイドセールスへ案件を戻す運用ルールがあるか 当てはまらない項目が多いほど、失注リストの中に眠ったままの機会が多いということになります。 『BtoB売上構造診断シート』プレゼント 自分たちのどこでつまずいているのか構造的に把握したいという方には、『BtoB売上構造診断シート』をご用意しています。 5段階スコアを入力するだけで、ボトルネックが可視化されます。 Substackの購読登録いただいた方にお渡ししておりますので、登録後(購読ボタンから)に届くメールからお受け取りください。 🎙Podcast でも配信中 「マーケと営業をつなぐISレター」は、Podcast(番組名は「マーケと営業をつなぐISラジオ」)でも配信しています。移動中や作業中に聞きたい方はぜひお聴きください。 * Spotify * Apple Podcasts ℹ️自社の売上プロセスを一緒に整理しませんか? リード獲得から商談化・受注・継続まで、どこで詰まっているかを無料相談で整理できます。お気軽にご連絡ください。 ✉お問い合わせはこちら This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit fusionvalue.substack.com

    失注を資産に変えるナーチャリング設計
  8. 8月16日

    商談化率を上げるトスアップ設計

    こんにちは。「マーケと営業をつなぐISレター」の目木です。 「アポは取れているのに、なぜか商談化しない」 「フィールドセールスから“このリード、温まってないですよね”と言われる」 インサイドセールスを運用している会社なら、一度はぶつかったことのある悩みではないでしょうか。 今回は、この商談化率が伸び悩む本当の原因を、インサイドセールスとフィールドセールスの「受け渡し」という切り口から整理します。 実は多くの場合、原因はアポ取得の質そのものではなく、その後ろにある情報設計にあります。ここを見直すだけで、同じアポ数でも商談化率は変わってきます。 ぜひ最後まで読んでいただき、自社のトスアップの現状を振り返るきっかけにしてください。 営業責任者・経営者・事業責任者の方向けに、BtoB営業・マーケティング支援の現場から、売上プロセスの設計と改善を実務目線で発信しています。 ご登録いただきますと情報を受け取ることができます。 商談化率が伸びない、本当の原因 BtoB企業でよくあるのが、「アポは取れているのに、商談化しない」「商談化しても受注につながらない」という状態です。 こういう相談を受けると、多くの経営者や営業責任者は「アポ取得の質が低いのではないか」「インサイドセールスのトーク力に問題があるのではないか」と考えます。 もちろんそれが原因のこともあります。ですが、現場を見ていくと、実はもっと構造的なところに原因があるケースが少なくありません。 それが、インサイドセールスからフィールドセールスへの「トスアップ」、つまり情報の受け渡しの設計です。 よくある誤解|「アポが取れた」で終わっていないか CRMを見ると、「架電済み」「アポ取得」といったステータスはきちんと更新されている。 数字上は、インサイドセールスの仕事は完了しているように見えます。 しかし、その顧客が何を考えていたのか、何に困っていたのか、どういう温度感だったのか。 ここがフィールドセールスに伝わっていないことが、実はとても多いのです。 その結果、商談に入ったフィールドセールスは、また一からヒアリングをやり直すことになります。 顧客からすれば「さっき電話でも話したのに」という体験になり、印象を損ねてしまいます。 つまり、情報の受け渡しが「事実の羅列」で止まっていて、「文脈の共有」まで進んでいない。これが、商談化率が伸び悩む本当の原因なのです。 本質の解説|なぜ「事実」だけになってしまうのか なぜ、多くの現場でこうしたことが起きるのでしょうか。 一番の原因は、KPIの設計にあります。 マーケティングはリード数を、インサイドセールスはアポ数を、フィールドセールスは受注数を追う。 それぞれが自分の数字さえ達成すればよいという設計になっていると、インサイドセールスにとっては「アポの数さえ確保できれば評価される」状態になります。 これは担当者個人の意識の問題ではなく、評価される指標がそうなっているために自然と起きる、組織設計の問題です。 質より量に寄っていくのは、ある意味で合理的な行動なのです。 その結果、フィールドセールスに渡るのは「アポが取れました」という事実だけになります。 なぜ資料をダウンロードしたのか、今どのフェーズにいるのか、社内でどういう立場の人なのか。 こうした文脈が抜け落ちたまま、商談だけが積みがっていきます。 「事実の羅列」と「文脈の共有」の違い 渡し方:事実の羅列内容:資料DLあり/架電済み/アポ取得商談での起き方:「今どんな状況ですか」から再ヒアリング 渡し方:文脈の共有内容:資料DLの背景にある意図・検討フェーズ・社内の立場商談での起き方:冒頭から文脈を踏まえた商談ができる 実務への落とし込み|資料DL後の一本の電話で何を聞くか 具体例で考えてみましょう。 ある見込み顧客が「SNS攻略資料」をダウンロードしたとします。 ここでインサイドセールスがよくやってしまうのが、「資料ダウンロードありがとうございます。何かお困りごとはありますか」と聞くだけの、受け身の対応です。 これでは顧客側もふわっとした答えしか返せず、「特にないです」で終わってしまいがちです。 一方で、「この資料を読まれたということは、これから新しくSNSを始めようとされている段階でしょうか、それとも既存アカウントの運用で課題にぶつかっているのでしょうか」と聞けたらどうでしょうか。 前者はただの確認、後者は顧客の行動の裏にある意図を引き出そうとする質問です。 この「これから始めたい段階なのか、それとも課題にぶつかっている段階なのか」という情報がフィールドセールスに渡っているかどうかで、商談の入り方はまったく変わってきます。 また、この構造をさらに難しくしているのが、AIによって接触量をいくらでも増やせる今の時代です。 文脈を無視した量だけのアプローチは、顧客体験を悪化させ、結果的にブランドの価値を下げてしまいます。 同じような架電やメールが何度も続けば、顧客側にネガティブな印象が残り、それが口コミやSNSでのマイナスな発信につながるリスクさえあります。 だからこそ、リストの作成や優先順位づけ、定型的な連絡といった部分はAIに任せながら、顧客自身も言語化できていない課題を整理すること、社内の意思決定構造を把握することといった非定型な部分は、人が担うべきなのです。 この「文脈を引き出して、渡す」という役割こそが、これからのインサイドセールスの価値になっていくと考えています。 まとめ 商談化率が上がらない原因は、アポ取得の質の問題に見えて、実はその奥にある情報の受け渡し、つまりトスアップの設計に問題があることが多いです。 事実だけを渡すのではなく、顧客の行動の裏にある文脈まで渡す。 これができているかどうかで、商談の入り方も、受注率も変わってきます。 もし今の自社のトスアップが、CRMのステータス更新だけで止まっていないか、一度振り返ってみてください。 自己診断チェックリスト * CRMには「架電済み」「アポ取得」以上の情報が記録されているか * 引き継ぎ項目はテンプレート化されているか(検討フェーズ、課題の顕在度、社内の意思決定構造など) * インサイドセールスの評価は、アポ数だけでなく商談化率・受注率まで含んでいるか * フィールドセールスからインサイドセールスへ、リードの質をフィードバックする場があるか * 資料DL後の架電で、行動の裏にある意図(インテント)まで確認できているか 『BtoB売上構造診断シート』プレゼント 自分たちのどこでつまずいているのか構造的に把握したいという方には、『BtoB売上構造診断シート』をご用意しています。 5段階スコアを入力するだけで、ボトルネックが可視化されます。 Substackの購読登録いただいた方にお渡ししておりますので、登録後(購読ボタンから)に届くメールからお受け取りください。 🎙Podcast でも配信中 「マーケと営業をつなぐISレター」は、Podcast(番組名は「マーケと営業をつなぐISラジオ」)でも配信しています。移動中や作業中に聞きたい方はぜひお聴きください。 * Spotify * Apple Podcasts ℹ️自社の売上プロセスを一緒に整理しませんか? リード獲得から商談化・受注・継続まで、どこで詰まっているかを無料相談で整理できます。お気軽にご連絡ください。 ✉お問い合わせはこちら This is a public episode. If you would like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit fusionvalue.substack.com

    商談化率を上げるトスアップ設計

番組について

BtoBマーケティングと営業の分断をなくし、リード獲得から商談・受注・継続までの売上プロセスを設計しています。 BtoB企業が売上を伸ばすために必要な、マーケティング・インサイドセールス・営業のつなぎ方を、実務目線でお届けします。 リード獲得、ナーチャリング、架電、商談化、営業プロセス設計、ウェビナー活用、失注フォロー、受注後の継続まで、売上を“点”ではなく“線”で設計するための考え方を発信していきます。 fusionvalue.substack.com