カカオのディープすぎる世界

江沢コータロー|ママノチョコレート/NGOママノアマゾニア

【毎週水曜日更新】 ママノチョコレート&NGOママノアマゾニアの江沢コータローが、南米エクアドルアマゾンのカカオの秘密や、チョコレートにまつわることをお話しします!

エピソード

  1. 5日前

    #7 味わって理解する野生カカオ 講義「チョコレートの起源をめぐる旅」より

    今回のテーマ 野生カカオを味わって理解する。チャクラで育つアリバと、白い種のクラレイ。生産性の低さの向こう側にある香りと、森を残す理由を話します。 2026年8月18日、港区立産業振興センターで開催した講演会より。佐藤清隆先生のあと、江沢コータローが野生クラレイとアリバカカオを会場で食べ比べながら、チャクラ、発酵、原生林への植樹までを話した回です。 その日の会は「チョコレートの起源をめぐる旅。野生カカオ探索と5500年前の遺跡を訪ねて」です。広島大学名誉教授の佐藤清隆先生を迎え、アマゾンの野生カカオ探索と、サンタアナ・ラ・フロリダ遺跡の話を聞き、アリバカカオと野生クラレイの食べ比べも行いました。詳細は⁠Peatix⁠と、⁠告知記事⁠にあります。 今回の音声は、その会の後半、江沢が担当したテイスティングのパートです。来年4月のエクアドル旅の案内から始まり、会場で食べた2種を紹介します。ひとつは野生のホワイトクラレイ。もうひとつは、ナポ県の在来種系アリバカカオです。 単一栽培の改良品種CCN51は、エクアドル平均でヘクタールあたり乾燥豆1320キロほど。チャクラのナショナル種は300〜500キロ。野生カカオは今年30キロ、去年100キロ、0キロの年もあり、生産性はおよそ500倍違います。それでもチャクラは、キチュア族の農家が裏庭で食べるものを確保する仕組みです。イシュピンゴ、エクアドルシナモンの香りが、チャクラのアリバに移っていると感じ始めたのは、毎年食べ比べて7、8年目でした。 クラレイは商業栽培にもハイブリッドにも使われていません。ウィナク組合が集めた豆は、遺伝子分析でクラレイ100%と記載されています。乾燥豆はアリバ約1.2グラム、野生クラレイ約1.7グラム。どちらも発酵は4日と短め。揮発しやすい繊細な香りを、焙煎で飛ばさないためです。アリバはスパイスやハーバル、軽やかな印象。クラレイは標高900メートル付近。種が白いので、カカオ70%にしても明るい茶色が残ります。果肉の時点でラベンダーやバラの香りがしたので、発酵で足すより、果肉と種が持っている香りを残す作り方にしています。 NGOママノアマゾニアでは、おととしと去年で野生クラレイを約3000本、原生林に植え直しました。今年はナポ県とオレリャナ県で、月に4回ほどコミュニティを訪ねて探索しています。すぐ近くでは金の採掘で森がえぐられています。世帯年収が10万円ほどの家にとって、採掘は1日40〜100ドルになる仕事です。森を切りたくないという価値観と、収入を両立できたら、というのが今の取り組みです。 00:00 来年4月のエクアドル旅 00:56 今日の2種(野生ホワイトクラレイ/アリバカカオ) 01:22 生産性の差 03:18 チャクラという農園 03:57 イシュピンゴとテロワール 05:42 クラレイの分布と遺伝子 07:13 種のサイズと4日発酵 08:50 アリバカカオの香り 10:04 クラレイの標高・色・味わい 12:39 果肉の香りと短い発酵 14:40 原生林への植樹と探索 15:38 なぜ野生カカオを増やすか

  2. 8月11日

    #6【世界農業遺産】カカオで森と暮らしを守る。「アマゾン・チャクラ」とは?? ゲスト:八木信行さん(東京大学特任教授・NGOママノアマゾニア理事)

    2026年8月4日、東京大学の研究室で収録しました。今回のゲストは、東京大学特任教授で、NGOママノアマゾニア理事の八木信行さんです。八木さんは国際水産・環境経済を専門とし、2019年から2023年までFAO世界農業遺産(GIAHS)プログラムの科学アドバイザリー会合委員を務めました。今回のテーマは、エクアドル・アマゾンの先住民が受け継いできた伝統的な農業システム「アマゾン・チャクラ」です。森の中でカカオ、バナナ、薬草、果樹、在来樹木など多様な植物を育てるチャクラは、なぜ世界農業遺産として評価されたのでしょうか。モノカルチャーとの違い、生物多様性、農薬を使わない農業、農家との安定的な取引、違法な金採掘との所得格差、認証制度の可能性と限界について話しました。伝統を守ることは、昔の形をそのまま残すことなのか。それとも、現地の人々が暮らし続けられるよう、必要に応じて変化させることなのか。カカオを通じて、森と先住民の暮らしを守る方法を考えます。【目次】00:00 オープニング・八木信行教授の紹介01:21 水産学から世界農業遺産へ02:10 世界遺産と世界農業遺産の違い08:48 八木教授とアマゾン・チャクラとの出会い11:36 チャクラが世界農業遺産として評価された理由17:16 変化しながら伝統を守る「動的保全」21:32 安定したカカオ取引が伝統を守る23:53 機械の導入と伝統農業の両立25:28 違法な金採掘と森林破壊27:42 NGOママノアマゾニアの取り組み31:25 チャクラの価値をどう伝えるか36:09 チャクラ認証の可能性と課題39:10 「おいしい」からチャクラの価値を伝える40:50 高校生からの質問・アグロフォレストリー認証46:35 小規模農家が伝統農業を続けるために48:26 約120種類の植物を育てるチャクラ51:21 まとめNGOママノアマゾニア公式サイトhttps://mamano-amazonia.org/#アマゾンチャクラ #世界農業遺産 #アグロフォレストリー #カカオ #ママノアマゾニア

    #6【世界農業遺産】カカオで森と暮らしを守る。「アマゾン・チャクラ」とは?? ゲスト:八木信行さん(東京大学特任教授・NGOママノアマゾニア理事)
  3. 8月4日

    #5 世界初!?カカオ焙煎大会がはじまる!ゲスト:Japan Cacao Roasting Championship・日本ビーントゥバー協会代表 中野さん

    日本で初めて開催されるカカオ焙煎の競技会「Japan Cacao Roasting Championship」について、日本ビーントゥバー協会、カカオごとの中野由香理さんに伺いました。 同じカカオ豆でも、焙煎によって香りや味わいは大きく変わります。 予選・決勝の流れ、評価基準、決勝で使う焙煎機、そしてこの大会が目指すカカオ焙煎文化について話します。 カカオの個性をどう引き出すか。 焙煎に向き合う方、ビーントゥバーチョコレートに関心のある方に聴いていただきたい回です。 Japan Cacao Roasting Championship https://www.cacaoroasting.com/ 日本ビーントゥバー協会 https://www.beantobarjapan.com/ カカオごと https://www.cacaogoto.com/ 00:00 オープニング 00:40 中野由佳里さんと大会の紹介 02:06 予選と決勝の流れ 03:01 日本ビーントゥバー協会について 04:01 大会公式サイトと参加ガイド 05:58 大会のコンセプト 06:31 大会立ち上げの背景 09:55 参加できる人と焙煎環境 13:07 決勝30分の時間制限 15:16 決勝の参加人数と進行 16:02 予選と決勝で異なる条件 17:54 ライブ焙煎で問われる技術 18:25 決勝で使うカカオ豆と選別 19:17 審査方法と評価基準 21:02 焙煎がチョコレートにもたらす違い 24:26 焙煎の総合完成度とは 26:30 生豆、発酵、品種の理解 27:29 同じ焙煎機でも生まれる差 30:08 参加者へのメッセージ

    #5 世界初!?カカオ焙煎大会がはじまる!ゲスト:Japan Cacao Roasting Championship・日本ビーントゥバー協会代表 中野さん
  4. 7月28日

    #4「野生のカカオ」がアマゾンを守る武器になるのか??

    エクアドル・アマゾンの熱帯雨林で進む金の違法採掘。その背景には、先住民コミュニティの深刻な貧困と、十分な現金収入を得られない現実があります。 今回のエピソードでは、NPO法人ママノアマゾニアが実施した、野生カカオ3,000本と在来樹木チュンチョ3,000本、合計6,000本の植樹プロジェクトについて紹介します。 標高約900メートルのキチュア族の村で、苗床づくり、野生カカオの調査、DNA分析、植樹までを現地の人々と進めました。調査では、樹高30メートル級の古い野生カカオや、CCN51との交雑が確認されない貴重な遺伝資源も見つかっています。 森を守ることと、先住民コミュニティの収入を増やすことを、野生カカオによって同時に実現できるのか。初年度の活動と、次の野生カカオ探索プロジェクトについてお話しします。 NPO法人ママノアマゾニア 寄付も募集しております。 https://mamano-amazonia.org/ エクアドル・アマゾンの熱帯雨林で進む金の違法採掘。その背景には、先住民コミュニティの深刻な貧困と、十分な現金収入を得られない現実があります。 今回のエピソードでは、NPO法人ママノアマゾニアが実施した、野生カカオ3,000本と在来樹木チュンチョ3,000本、合計6,000本の植樹プロジェクトについて紹介します。 標高約900メートルのキチュア族の村で、苗床づくり、野生カカオの調査、DNA分析、植樹までを現地の人々と進めました。調査では、樹高30メートル級の古い野生カカオや、CCN51との交雑が確認されない貴重な遺伝資源も見つかっています。 森を守ることと、先住民コミュニティの収入を増やすことを、野生カカオによって同時に実現できるのか。初年度の活動と、次の野生カカオ探索プロジェクトについてお話しします。 YouTubeタイムスタンプ目次 00:00 はじめに 00:27 エクアドル・アマゾンで進む金の違法採掘 01:31 生物多様性の宝庫ナポ州で起きていること 02:20 標高900メートルのキチュア族の村との出会い 03:12 森で発見した香り豊かな野生カカオ 04:17 合計6,000本の植樹プロジェクト始動 05:01 苗床づくりと現地リーダーとの協働 06:05 ミンガで共有したプロジェクトの目的 07:31 マチェテの配布と苗木育成の苦労 08:56 NGOヤクームによる野生カカオ調査 09:48 崖と深い日陰を好む野生カカオ 10:25 DNA分析で分かったこと 10:47 CCN51との交雑が確認されなかった意味 11:19 クラレイ系統、またはナポ系統の可能性 12:15 原生林への植樹開始 13:07 野生カカオとチュンチョを一緒に植える理由 13:32 28家族が参加した植樹活動 14:20 植樹後の生育状況 14:54 村のリーダーが語った「森を売らない」という決意 15:45 違法採掘に向かわせる経済格差 16:29 次の野生カカオ探索プロジェクト 17:43 まとめ 野生カカオで違法採掘を止める挑戦

    #4「野生のカカオ」がアマゾンを守る武器になるのか??
  5. 7月21日

    #3 古代のカカオ

    前回ご紹介した5000年前の遺跡「サンタアナ・ラ・フロリダ」。その周辺の森には、誰も植えていないのに何千年も前から自生し続けるカカオの巨木が残っています。地元では「古代カカオ(アンセストラルカカオ)」と呼ばれるこの野生種は、高さ20m・太さ1m超にもなり、最終氷河期を生き延びたアマゾン固有の遺伝資源です。今回は、サモラ・チンチペ州の3つの産地(コンドル・チンチペ・パランダ)それぞれの古代カカオをテイスティングし、地域ごとの風味の違いをご紹介します。種が白い「ホワイトカカオ」の秘密、ナショナル種(アリバカカオ)の大元を探す遺伝子研究、そして発酵日数の調整で引き出すポテンシャル。カカオ屋として、この野生種にしかない味わいの可能性をお伝えします。▼目次00:00 オープニング・今回のテーマ紹介00:24 古代カカオ(アンセストラルカカオ)とは何か00:39 遺跡周辺からアマゾン一帯に広がる野生カカオの分布01:01 ナショナル種アリバカカオの大元を探す研究01:33 地図で見る3つの古代カカオ産地02:05 古代カカオの巨木 高さ20m超・太さ1m超02:21 INIAP研究所による遺伝子調査 6000本中300本を分析02:45 野生カカオとナショナル種の違い 葉と花の色03:44 ホワイトカカオ 種が白い理由とポリフェノールの関係04:47 3地域のテイスティング概要05:02 コンドル地域:赤いフルーツ・アンズ・穏やかな味06:00 チンチペ地域:メロン・白い花・軽やかな香り06:30 パランダ地域(遺跡周辺):キノコ・柚子の風味06:50 発酵日数の調整でポテンシャルを引き出す07:25 2026年秋ロットへの期待07:50 アソプロマス組合・ヤチャクブランドの取り組み08:04 まとめ 古代カカオの価値 遺伝資源・地域の宝・テロワール09:05 エンディングカカオのディープすぎる世界|ママノチョコレート/NGOママノアマゾニア古代カカオ紹介https://mamano-chocolate.com/pages/cacaoancestralエクアドル視察https://mamano-chocolate.com/blogs/news/ecuadortour2027ママノチョコレートhttps://mamano-chocolate.com/東京都港区赤坂3-8-8 赤坂フローラルプラザ一階オンラインショップhttps://mamano-chocolate.com/collections/refrigeratedインスタhttps://www.instagram.com/mamano_official/NPO法人ママノアマゾニアhttps://mamano-amazonia.org/

  6. 7月14日

    #2 新常識!カカオの起源はどこ?

    「カカオの歴史はメソアメリカから始まった」――教科書ではそう教わってきました。しかし2018年、その歴史が塗り替えられます。人類が初めてカカオを食べ、栽培化した場所は、エクアドル・アマゾンだったのです。 今回は、2026年5月にエクアドルを訪れた江沢孝太朗が、カカオ発祥の地とされる遺跡「サンタアナ・ラ・フロリダ」(サモラ・チンチペ州パランダ)を、論文主筆者バルデス博士の案内で巡った体験をお話しします。 5000年以上前のキッチンから見つかったカカオの痕跡、王や神へだけでなく一般の人々も口にしていたという発見、シャーマンとジャガーが刻まれた土器とあの世への手土産「カカオ酒」、デンプン・テオブロミン・古代DNAという3つの証拠、そして現代のナポ州のシャーマンにまで続くカカオと人の物語。マヨ・チンチペ・マラニョン文明の奥深い世界へご案内します。 ▼目次 00:00 オープニング・今回のテーマ紹介 00:23 カカオの起源はメソアメリカからエクアドル・アマゾンへ 01:26 遺跡の全容 神殿と住居跡 01:59 今回の2つのテーマ 02:14 マヨ・チンチペ・マラニョン文明とは 02:54 2018年に歴史が変わるまでの経緯 03:56 バルデス博士による遺跡案内 04:20 5000年前のキッチンから出土したカカオの証拠 04:57 カカオは神への捧げ物だけではなかった 05:43 シャーマンとジャガーの土器 カカオ酒とあの世への手土産 06:59 土器のかたちとカカオ酒の飲み方 07:25 ジャガーに変身するシャーマン 08:29 貝殻装飾が示す海岸地域との交易 09:02 カカオ酒を裏づけた3つの証拠 09:38 ナショナル種アリバカカオ発祥の地の可能性 10:06 現代のシャーマン ナポ州マルコの父の話 11:37 5000年前と現代をつなぐシャーマンの重要性 13:13 まとめ サンタアナ・ラ・フロリダ遺跡が示すもの 14:01 次回予告・エンディング カカオのディープすぎる世界|ママノチョコレート/NGOママノアマゾニア

番組について

【毎週水曜日更新】 ママノチョコレート&NGOママノアマゾニアの江沢コータローが、南米エクアドルアマゾンのカカオの秘密や、チョコレートにまつわることをお話しします!