ジャズ喫茶のLONG BLACK RADIO

THEE COFFEE

福井県若狭町熊川宿のジャズ喫茶THEE COFFEEのマスターNGが贈る長くて黒いラジオです。 黒くて長い。若狭の山あい、熊川宿の築百五十年の母屋から流れる、夜の電波。 ジャズ喫茶「THEE COFFEE」の店主が、閉店後の誰もいない時間に、一杯淹れて、スピーカーの前に座る。音を鳴らしながら、コーヒーのこと、豆のこと、店に来た人のこと、それから答えの出ない問いのことを、ぽつぽつと話します。 急がない番組です。深い焙煎のマンデリンのように、苦くて、重くて、後から残る。眠れない夜の、遅い時間にどうぞ。

  1. 9月17日

    #4-9 Buddha BrandのD.L.はBarber Beatsの先駆者?! /Barber BeatsとFusion④

    ▶ このエピソードで話していること 🎙️ 日本語ラップの金字塔からD.L a.k.a DEV LARGE Barber Beats と Fusion今回は、日本語ラップの金字塔から、ひとつの補助線を引いてみる。 Barber Beats とは何だったか。ヴェイパーウェイヴから派生した、比較的新しいスタイル。古い Smooth Jazz や Lounge、Fusion のレコードを、ピッチを落として遅回しにして、ベースを効かせ、ほとんど編集せずにループにする。曲を「作る」というより、掘って、選んで、並べ直す。キュレーションそのものを表現とする音楽。 ……この身振り、どこかで聞いた話ではないか。 ── D.L a.k.a DEV LARGE という、ディガー Buddha Brand の D.L(DEV LARGE)。1995年「人間発電所」を生んだ、日本トップクラスのサンプリング・センスを持つトラックメーカー。少年時代をニューヨーク・クイーンズで過ごし、ヒップホップの本場で耳を作った男。 彼のすごみは、その頭の中にあった。当時サンプラーすら持っていなかったにもかかわらず、「このレコードのこのブレイクに、このドラムとベースを足して、ピッチをこう変えれば、こうなる」という完成形を、頭の中だけで組み立てられた。そのイメージを DJ に渡し、指示通りに組ませると、ぴたりとハマった。 膨大なレコードを掘り、アメリカ産だけでなく日本の音源まで漁り、断片を選び、ピッチを変え、並べ替えて、一枚の強度に変える。──サンプリングとは、そもそも「選ぶ」ことの芸術だった。 ── 先駆者?! Barber Beats を「他人の曲を並べただけ」と批判する声がある。だが、古い音を掘り、ピッチを落とし、文脈を組み替えて新しい意味を与える営みは、ヒップホップが、DJ文化が、ずっとやってきたことだ。D.L が90年代にやっていたことの、純度を上げた延長線上に、Barber Beats はいる──とも言える。 もちろん、D.L のディグは、Barber Beats の何十年も前。だから「先駆者」というのは、半分は冗談で、半分は本気の問いかけ。選ぶこと、掘ること、並べ直すこと。その一本の糸は、確かに繋がっている。 喋り手 ・マスターNG(THEE COFFEE) ・池松りょうぴー焙煎士/バリスタ(THEE COFFEE) 黒くて長い。若狭の山あい、熊川宿のジャズ喫茶「THEE COFFEE」から流れる、夜の電波。 第四回のゲストは、店の右腕であり焙煎士の池松(りょーぴー)です。 九月に入りました。夏の盛りが過ぎて、夜は山から涼しい風が下りてくる——そんな季節の入り口から、今回はゲストを迎えてお届けします。 新メニュー、コーヒーゼリーの話。それに合わせる一杯。池松が選ぶジャズの一曲。リスナーからのお便り。そして、九月のプレイリストのテーマ「Barber BeatsとFusion」について——待合室のBGMのようなヴェイパーウェイヴが、なぜ70〜80年代のフュージョンと地続きなのか。ゆるいと言われた音楽が、時間を経て意味が変わる話です。 番組へのお便りは thee.coffee のContactページから、ラジオネームをつけてお送りください。ややこしいのも、大歓迎です。 ⁠⁠⁠⁠⁠https://linktr.ee/longblackradio?lt_utm_source=lt_share_link#585531511⁠⁠⁠⁠⁠ THEE COFFEE|ジャズ喫茶・自家焙煎・レコード福井県若狭町 熊川宿 菱屋(築150年)⁠⁠⁠⁠⁠https://www.thee.coffee⁠⁠⁠⁠⁠ #LONGBLACKRADIO #THEECOFFEE #ジャズ喫茶 #熊川宿 #若狭町 #福井 #自家焙煎コーヒー #BarberBeats #Vaporwave #Fusion #ポッドキャスト #jazzkissa

  2. 9月17日

    #4-7 作られたノスタルジー/清水靖晃 & サキソフォネッツ/Re:野獣mix2.5/Barber BeatsとFusion③

    ▶ このエピソードで話していること 🎙️作られたノスタルジー 🎵Re:野獣mix2.5 - 20代の頃のNGが作った楽曲 ── 清水靖晃 & サキソフォネッツ「北京の秋」(1983) 清水靖晃は、実験的なバンド「マライア(Mariah)」のサックス奏者。そのマライアが、近年、世界的に再評価されている。 「北京の秋」は、その先鋭的な音から一転したアルバム。1930〜40年代のジャズ・スタンダード──コール・ポーターの「Just One of Those Things」「Night and Day」、「As Time Goes By」など──を、ストリングスをバックに、ワン・ホーンのテナーサックスで、どこまでもムーディーに吹いている。タイトルはボリス・ヴィアンの小説から。ハリウッド全盛期への、皮肉と讃辞を織り交ぜたアプローチ。参加は坂本龍一、山木秀夫ほか。 古いスタンダードを、あえて上品に、標本のように再構成する感覚。これはBarber Beats が古い音をキュレーションして並べ直す身振りと、どこか通じている。40年を経て、この盤もいま、クラブミュージックとして海外から再評価され始めている。 ── 大野雄二 ── 日本フュージョンの先駆け ジャズ・ピアニスト出身。1977年「ルパン三世のテーマ」で、アニメ主題歌に本格的なジャズとフュージョンを持ち込んだ。ホーンセクションと弦を、ジャズ的な和声と融合させたスケールの大きなサウンドは、「日本フュージョン全盛の先駆け」と称される。演奏は You & Explosion Band。 1950年代の映画界の“シネジャズ”の手法を発展させ、『ルパン三世』『犬神家の一族』『人間の証明』『大追跡』など、数多くの映像を音楽で彩った。フュージョンが「軽い」「ただのBGM」と軽んじられた時代に、映像音楽という応用の場から、最も強度のあるフュージョンが生まれた。BGM扱いされた音楽の、静かな逆襲。 大野雄二は2026年5月に逝去(享年84)。追悼の意味も込めて。 喋り手 ・マスターNG(THEE COFFEE) ・池松りょうぴー焙煎士/バリスタ(THEE COFFEE) 黒くて長い。若狭の山あい、熊川宿のジャズ喫茶「THEE COFFEE」から流れる、夜の電波。 第四回のゲストは、店の右腕であり焙煎士の池松(りょーぴー)です。 番組へのお便りは thee.coffee のContactページから、ラジオネームをつけてお送りください。ややこしいのも、大歓迎です。 ⁠⁠⁠⁠⁠https://linktr.ee/longblackradio?lt_utm_source=lt_share_link#585531511⁠⁠⁠⁠⁠ THEE COFFEE|ジャズ喫茶・自家焙煎・レコード福井県若狭町 熊川宿 菱屋(築150年)⁠⁠⁠⁠⁠https://www.thee.coffee⁠⁠⁠⁠⁠ #LONGBLACKRADIO #THEECOFFEE #ジャズ喫茶 #熊川宿 #若狭町 #福井 #自家焙煎コーヒー #BarberBeats #Vaporwave #Fusion #ポッドキャスト #jazzkissa

  3. 9月17日

    #4-6 歴史と学び。ジャズは盗まれてPlunderd/Barber BeatsとFusion②

    ▶ このエピソードで話していること 🎙️インターネット時代の作家性とフージョン時代の巨匠たち Barber Beats(バーバー・ビーツ)概要 Barber Beatsは、ヴェイパーウェイヴから派生したサブジャンル。2010年代後半に現れ、2020年〜2022年頃にかけて広まった、比較的新しいスタイル。 起点になったのは、匿名アーティスト「Haircuts for Men(ヘアカッツ・フォー・メン)」。2010年代半ばから作品を出していた彼の独特のダウンテンポ制作スタイルに対して、レーベルの Aloe City Wrld(Aloe City Records)が「Barber Beats」という半ば冗談めいたジャンル名をつけた。それが、そのまま定着した。理髪店(barber)の待合室で流れていそうな音、という語感と、音の雰囲気が結びついている。 昔のヴェイパーウェイヴは、80〜90年代の Smooth Jazz や muzak、City Pop を、ピッチを落として遅回しにして、さらにリバーブでぐにゃぐにゃに歪ませて、皮肉として提示するものだった。 Barber Beatsは、そこから方向を変えた。ピッチダウンで遅くはするけれど、リバーブは抑えて、歪ませすぎない。ベースを効かせて、メロディックに。皮肉を抜いて、もっと素直で、上品で、メランコリック。suave(洗練されて滑らか)で、ラグジュアリーで、物憂げ。高級ラウンジのBGMや、深夜のドライブの音、とよく形容される。 音の下敷きになっているのは、Smooth Jazz、Fusion、Lounge、Trip Hop、Nu Jazz、IDM、Instrumental Hip Hop など、幅広い。サンプルは、ピッチを落として遅回しにされてはいるが、他のヴェイパーウェイヴほど激しくは歪ませない。だから、より自然で、聴きやすい音になっている。 ビジュアルにも、はっきりした様式がある。ネオンやグリッチでごちゃごちゃした従来のヴェイパーウェイヴと違って、ミニマルで上品。加工した古典彫刻や神話の像を、単色の背景に置いた、いわゆる「Acid Graphics」スタイル。エレガントなタイポグラフィ。曲名やアルバム名に、Google翻訳っぽい、少しぎこちない日本語が使われることも多い。 主なアーティストは、起点の Haircuts for Men のほか、Macroblank、Modest by Default など。YouTubeやBandcampを中心に、2020年代前半に一気に広がった。 ◇ 論争 Barber Beatsには、批判もつきまとう。他人の楽曲を、長く、ほとんど編集せずにサンプリングする——ときには過去のヴェイパーウェイヴ作品を丸ごと再ミックスすることもある——その作り方が、「低努力だ」「他人の音楽を並べただけのミックステープを、レコードやカセットにして売るのは倫理的にどうなのか」と問われている。著作権上の争いになる作品も、他のヴェイパーウェイヴより多い。 擁護する側は、こう言う。サンプルを選び、文脈を組み替えること(キュレーションとリコンテクスト)自体が、ひとつの表現であり、それは元々ヴェイパーウェイヴやDJ文化が、ずっとやってきたことの延長にすぎない、と。 喋り手 ・マスターNG(THEE COFFEE) ・池松りょうぴー焙煎士/バリスタ(THEE COFFEE) 黒くて長い。若狭の山あい、熊川宿のジャズ喫茶「THEE COFFEE」から流れる、夜の電波。 第四回のゲストは、店の右腕であり焙煎士の池松(りょーぴー)です。 番組へのお便りは thee.coffee のContactページから、ラジオネームをつけてお送りください。ややこしいのも、大歓迎です。 ⁠⁠⁠⁠https://linktr.ee/longblackradio?lt_utm_source=lt_share_link#585531511⁠⁠⁠⁠ THEE COFFEE|ジャズ喫茶・自家焙煎・レコード福井県若狭町 熊川宿 菱屋(築150年)⁠⁠⁠⁠https://www.thee.coffee⁠⁠⁠⁠ #LONGBLACKRADIO #THEECOFFEE #ジャズ喫茶 #熊川宿 #若狭町 #福井 #自家焙煎コーヒー #BarberBeats #Vaporwave #Fusion #ポッドキャスト #jazzkissa

  4. 9月17日

    #4-3 池松焙煎士のおたより返しハイウェイオアシス刈谷さん

    ▶ このエピソードで話していること 📞ラジオネームハイウェイオアシス刈谷さん 🎙️THEE COFFEE裏話 喋り手 ・マスターNG(THEE COFFEE) ・池松りょうぴー焙煎士/バリスタ(THEE COFFEE) 黒くて長い。若狭の山あい、熊川宿のジャズ喫茶「THEE COFFEE」から流れる、夜の電波。 第四回のゲストは、店の右腕であり焙煎士の池松(りょーぴー)です。 九月に入りました。夏の盛りが過ぎて、夜は山から涼しい風が下りてくる——そんな季節の入り口から、今回はゲストを迎えてお届けします。 新メニュー、コーヒーゼリーの話。それに合わせる一杯。池松が選ぶジャズの一曲。リスナーからのお便り。そして、九月のプレイリストのテーマ「Barber BeatsとFusion」について——待合室のBGMのようなBarber Beatsが、なぜ70〜80年代のフュージョンと地続きなのか。音楽が、時間を経て意味が変わる話です。 番組へのお便りは thee.coffee のContactページから、ラジオネームをつけてお送りください。ややこしいのも、大歓迎です。 ⁠https://linktr.ee/longblackradio?lt_utm_source=lt_share_link#585531511⁠ THEE COFFEE|ジャズ喫茶・自家焙煎・レコード福井県若狭町 熊川宿 菱屋(築150年)⁠https://www.thee.coffee⁠ #LONGBLACKRADIO #THEECOFFEE #ジャズ喫茶 #熊川宿 #若狭町 #福井 #自家焙煎コーヒー #BarberBeats #Vaporwave #Fusion #ポッドキャスト #jazzkissa

  5. 9月17日

    #4-2 Great Jazz Trio/ラジオネーム恋するうさぎちゃん/貴殿の楽隊装置

    ▶ このエピソードで話していること 📞おたよりコーナー ラジオネーム恋するうさぎちゃん 📞貴殿自慢の楽隊装置 喋り手 ・マスターNG(THEE COFFEE) ・池松りょうぴー焙煎士/バリスタ(THEE COFFEE) 黒くて長い。若狭の山あい、熊川宿のジャズ喫茶「THEE COFFEE」から流れる、夜の電波。 第四回のゲストは、店の右腕であり焙煎士の池松(りょーぴー)です。 九月に入りました。夏の盛りが過ぎて、夜は山から涼しい風が下りてくる——そんな季節の入り口から、今回はゲストを迎えてお届けします。 新メニュー、コーヒーゼリーの話。それに合わせる一杯。池松が選ぶジャズの一曲。リスナーからのお便り。そして、九月のプレイリストのテーマ「Barber BeatsとFusion」について——待合室のBGMのようなBarber Beatsが、なぜ70〜80年代のフュージョンと地続きなのか。音楽が、時間を経て意味が変わる話です。 番組へのお便りは thee.coffee のContactページから、ラジオネームをつけてお送りください。ややこしいのも、大歓迎です。 ⁠https://linktr.ee/longblackradio?lt_utm_source=lt_share_link#585531511⁠ THEE COFFEE|ジャズ喫茶・自家焙煎・レコード福井県若狭町 熊川宿 菱屋(築150年)⁠https://www.thee.coffee⁠ #LONGBLACKRADIO #THEECOFFEE #ジャズ喫茶 #熊川宿 #若狭町 #福井 #自家焙煎コーヒー #BarberBeats #Vaporwave #Fusion #ポッドキャスト #jazzkissa

番組について

福井県若狭町熊川宿のジャズ喫茶THEE COFFEEのマスターNGが贈る長くて黒いラジオです。 黒くて長い。若狭の山あい、熊川宿の築百五十年の母屋から流れる、夜の電波。 ジャズ喫茶「THEE COFFEE」の店主が、閉店後の誰もいない時間に、一杯淹れて、スピーカーの前に座る。音を鳴らしながら、コーヒーのこと、豆のこと、店に来た人のこと、それから答えの出ない問いのことを、ぽつぽつと話します。 急がない番組です。深い焙煎のマンデリンのように、苦くて、重くて、後から残る。眠れない夜の、遅い時間にどうぞ。