🦉 オリオン図書館とは 心理学、脳科学、哲学、歴史、そしてスピリチュアル。 さまざまな視点から、一つのテーマを一緒に考えるポッドキャストです。 「これが正解です」と答えを出すのではなく、 異なる知恵を並べながら、新しい見方や気づきを探していきます。 ──────────────────── 📝 今日の方法(思い出すときの、立ち位置を変えるだけです) 1. 腹が立った出来事を、ひとつ思い出す 2. その場面に入り込まず、少し離れた場所から、そのときの自分を眺める (「その人の身に、それが起きているところを」) 3. そのうえで「どうして、そう感じたのか」を考える 研究で効いたのは、この組み合わせだけでした。 離れずに「なぜ」を考えても、下がりません。 離れて「どんな気持ちだったか」を見るだけでも、下がりません。 もうひとつ、別の研究から。 考えるとき、自分を「私」と呼ばず、自分の名前で呼ぶと、離れやすくなります。 ──────────────────── 💬 今日の問い 今日、うまくできなくて、腹が立ったこと。 あなたは、どこから、それを思い返していますか。 あのときの中に、もう一度、入り込んでいますか。 それとも、少し離れて、その自分を、眺めていますか。 自分の名前で、呼んでみてください。いそぐ必要は、ありません。 正解はありません。皆さんの「自分に腹が立ったこと」も、ぜひコメント欄で聞かせてください。 いただいたコメントは、番組内でご紹介させていただくことがあります。 ──────────────────── 📩 公式LINE 「予祝ジャーナル(7日間)」を無料でお受け取りいただけます。 https://lin.ee/Y1nN6jf ──────────────────── ⏱️ 目次 00:00 オープニング 00:26 へこんでる自分に、腹が立つ 01:28 どこから、それを見ているか 01:47 四つの組み合わせ 04:03 効いたのは、ひとつだけ 06:12 一週間後 08:42 抱きしめたあとに 10:33 今日の問い 11:07 エンディング ──────────────────── 📖 この回の出典 この回で使った研究は3本です。原文を読んで、そこに書いてあることだけをお話ししています。 ▼ 「なぜ」と聞いても、傷つかないとき(本編の中心) Kross, E., Ayduk, O., & Mischel, W. (2005). When asking "why" does not hurt: Distinguishing rumination from reflective processing of negative emotions. Psychological Science, 16(9), 709-715. https://rascl.studentorg.berkeley.edu/assets/files/kross_etal_2005_ps.pdf ・実験1は、大学生155人。強い怒りを感じた、相手のいる出来事を思い出してもらいます。 ・録音の指示で、四つに分かれます。どこから見るか(その場面に入り込む/少し離れて眺める)と、何を見るか(どんな気持ちだったか/どうしてそう感じたのか)の組み合わせです。 ・怒りは、本人に聞くだけでなく、穴の空いた文章を埋めてもらう形でも測ります。怒っている人ほど、怒りの言葉で埋めるためです。 ・結果:怒りも、全体の気分の落ち込みも下がったのは、「離れて、なぜを考えた」グループだけでした。離れずに「なぜ」を考えた人は下がりません。「どんな気持ちだったか」を見た人は、離れていても下がりませんでした。 ・学生が書いたものを読むと、入り込んだ人は「あいつがひどいことを言ったから」のような具体的な責めに、離れた人は「意見が違っただけだった」のような大きな捉え方になっていました。 ・実験2は、別の大学生133人で再現しています。効いた理由も調べていて、離れて考えた人ほど出来事をざっくりと捉え直しており、それが怒りを下げていました。 ・その出来事が、もう片づいているかどうかは、結果に関係ありませんでした。 ▼ 気を逸らすのと、どう違うのか(一週間後の話) Ayduk, O., & Kross, E. (2010). Analyzing negative experiences without ruminating: The role of self-distancing in enabling adaptive self-reflection. Social and Personality Psychology Compass, 4(10), 841-854.(Kross & Ayduk, 2008 の結果を含みます) https://rascl.studentorg.berkeley.edu/assets/files/ayduk_kross_compass_2010.pdf ・「何も考えない」グループを作ります。関係のない話を聞かせて、気を逸らすやり方です。 ・その場で測ると、気を逸らしたグループは、離れて考えたグループと同じくらい気分が良くなりました。差はありません。 ・一日後と一週間後に、全員をもう一度呼びます。同じ出来事を思い出してもらい、今度はどこから見なさいという指示を一切しません。その出来事について、いちばん深いところで何を思っているかを考えてもらいます。 ・そこで差が出ました。離れて考えたグループだけが、気分が落ち着いたままでした。気を逸らしたグループは、その場面に入り込んだグループと変わりませんでした。 ▼ 自分を、名前で呼ぶ Kross, E., Bruehlman-Senecal, E., Park, J., Burson, A., Dougherty, A., Shablack, H., Bremner, R., Moser, J., & Ayduk, O. (2014). Self-talk as a regulatory mechanism: How you do it matters. Journal of Personality and Social Psychology, 106(2), 304-324. ・自分のことを考えるとき、「私」ではなく、自分の名前や「あなた」を使うと、距離が取りやすくなる、と報告されています。 ・※この一本だけは、本編の実験とは別のものです。組み合わせて試した研究ではありません。 ▼ 番組で言わなかったこと(正直に書きます) ・確かめたのは、アメリカの大学生です(155人と133人)。日本の話ではありません。 ・思い出してもらったのは、相手のいる怒りの出来事です。自分自身に腹が立った場合は、調べていません。 ・見たのは一週間後までです。その先のことは分かりません。 ・効きめは、中くらいです。はっきり大きいとは書かれていません。 ・傷ついた自分を目の前にイメージして抱きしめること、「大丈夫だよ」と声をかけることは、この研究は調べていません。調べたのは「離れて眺めたあとに、なぜを考えたとき、何が起きるか」だけです。 ・離れて眺めても、「どんな気持ちだったか」を見るだけでは下がりませんでした。離れることと、なぜを考えること。この両方が揃ったときだけ効いています。 ・これは怒りの実験です。不安や心配については調べていません。 この番組では、確かめられたことと、まだ確かめられていないことを、分けてお話ししています。 ──────────────────── 🎙️ 出演 まき 27年間のニューヨーク生活を経て、日本に移住。 カウンセラーとコーチを養成するSC協会の代表理事。 サトシ オリオン図書館の司書 ──────────────────── 🔗 リンク 📝 note https://note.com/maqui_716 🌿 SC®コーチング https://sc-coaching.vercel.app/ ──────────────────── #オリオン図書館 #反芻思考 #嫌なことを思い出す #俯瞰 #内省 #心理学 #自己肯定感 #スピリチュアル #ポッドキャスト