StopCodon.fm

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"StopCodon.fm" は生物系のポスドクと大学院生の2人によるポッドキャスト番組です。 専門分野にとらわれず面白いと思ったことをゆるく話します。 *

  1. 2023/07/27

    22. A time(-dependent) travel

    Summary 生物時計に関わる分子の核内局在に関する論文を紹介しました Starring イシ、エビ Show notes Xiao et al., 2021, Clock proteins regulate spatiotemporal organization of clock genes to control circadian rhythms. PNAS: 今回紹介した論文。 Bhat et at., 2021, Nat. Rev. Mol. Cell Biol.: Phase separationによるnuclear compartmentalisationに関する総説 Buchwalter et al., 2019, Nat. Rev. Genet.: Nuclear peripheryに関する総説 Chromosome territories Rabl orientation: 1885 年にCarl Rablが著書 “Über Zelltheilung” (直訳: 細胞分裂について) において初めて報告した染色体の核内配向性で、全ての染色体のセントロメア領域が核膜近傍の一箇所で束ねられる一方で、テロメア領域が対極に位置する。Rabl orientation の歴史的な背景はScherthan, 2001, Nat. Rev. Mol. Cell Biol.の総説論文が詳しい。 Drosophila の染色体の配向性: 多種多様な真核生物のゲノム構造を調べた論文 Hoencamp et al. (2021) を見ると、どうやら Drosophila の染色体は核内で chromosome territory ではなく Rabl orientation をとるようだ。 HP1 droplet Double actogram Menet et al., 2010, Genes Dev.: DrosophilaのPER, CLKの量とinteraction, DNAとの結合を見た論文で、エビがGFPの安定性の話をしたときと最後にDNAがどうやって移動しているのかの話題のときにイシが言及していたもの。 Zeitgeber (同調因子) entrainment: 日本語では「同調」というらしい。生物時計の位相が環境サイクルに合わせることをいう。 PERのdegradation: PERがTIMにくっつかれていないときはPERによるCLKの抑制が強いがPERがDBTにリン酸化されてdegradeする、ということらしい(Price et al. (1998), Kloss et al. (2001)). “セミコロンがややこしい”: FlyBase nomenclature guidlinesに則っているだけのらしい(Allele symbols of genes on nonhomologous chromosomes are separated by semicolons and spaces (e.g., bw1; es; ey1).) 特定の微小管上に微小管結合タンパク質の condensate が形成される論文: Sandro et al. (2023). 同じ号に、異なる生物種で同様の現象を報告した論文が 2報掲載された。 Editorial notes 時間生物学と相分離生物学は同音異義語が複数あって大変 (“ピリオド”がper遺伝子、PERタンパク、周期を指し、“フェーズ”がcircadian rhythmの位相とLLPSの相を意味するので)(イシ) Zeit というドイツ語はネットフリックスのドラマ「ダーク」で覚えました (エビ) 収録日: 2023.07.15 編集: イシ

    1時間23分
  2. 2023/07/27

    21. Cooking pan-genomes

    Summary 原核生物の汎ゲノムを解析してコア遺伝子群とアクセサリ遺伝子群の組換え頻度を解析した論文を頑張って紹介しました。 Starring エビ、イシ Show notes Steinberg et al. (2022) eLife: 今回紹介した論文。オープンアクセス。2022/11/13 現在、eLife には論文のバージョンという概念があり、今回はバージョン2を紹介しました。 Kussell Lab Non-allelic homologous recombination 16SリボソームRNA Maiden et al. (2018) PNAS: Multilocus sequence typing のオリジナル論文 Pan-genome: なぜか日本語のページが存在しない… 昨年の 4 月には Human Pangenome Reference Consortium から ヒト汎ゲノムプロジェクトについての Perspective paper が公開されていました。 14:55 あたりの Pan-genome を説明する図: McInerney et al. (2017) Nature Microbiology の Figure 1 を参照しました。誰でもアクセスできる図だと PacBio 社のウェブサイト がわかりやすく、この場合 “Core” 以外の領域に含まれる遺伝子が Accessory genome に該当する。 17:40 あたりの Accessory chromosome: Episode 17 で Wasp の B 染色体に言及しました。 Ilya Mechnikov (イリヤ・メチニコフ): 当時ロシア帝国の領内であったハリコフ出身の微生物学者・動物学者。 23:50 あたりの germline-restricted chromosome: たとえば Torgasheva et al. (2019) PNAS Lin and Kussell (2019) Nature Methods: 今回紹介した論文で使われた mcorr という手法の原著論文。 Streptococcus pneumonia (肺炎球菌) Coalescent theory Fig 1B, 縦軸が揃ってないことに気づきました、見た目で比較するのが難しい… 効果量, Cohen’s d, 検出力, 検出限界: 三重大の奥村先生の記事。Cohen の d について解説されている。 Hill-Robertson interference Hitchhiking effect αサテライト配列 Reddit: Pasta on pizza, who asked for this?! Editorial notes Fashion changes, but style endures. - ココ・シャネル (イシ) スイスに来て、米食からパン食やスパゲッティ食に切り替わりました (エビ) 収録日: 2022.09.17 編集: エビ

    1時間26分
  3. 2022/11/14

    19. Colorless green ideas sweep flexibly

    Summary イノベーションが「隠れた変異」によって起きるしくみについて論文紹介しました Starring イシ、エビ Show notes Life finds a way: 映画ジュラシックパークの1シーン Hayden et al., 2011. Cryptic genetic variation promotes rapid evolutionary adaptation in an RNA enzyme. Nature: 1本目の論文 Zheng et al., 2019. Cryptic genetic variation accelerates evolution by opening access to diverse adaptive peaks. Nature: 2本目の論文 Andreas Wagner Wagner lab Arrival of the fittest Andreas Wagnerのトーク Cryptic genetic variation: e.g. Pabby & Rockman 2014 Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 同義置換 5:00 あたり: ゼロから新しい酵素を獲得することは実際とてつもなく難しく、その代わりに腸内細菌を新たに獲得することで酵素を得ることの方が多い (例、シロアリとセルロースを分解できるバクテリア) Waddington 1950 Evolution: ショウジョウバエのcrossveinless変異のgenetic assimilation リボザイム キナーゼの ATP 結合ポケットに変異を導入して ATP アナログを結合させる話は Bishop et al. 2000 Nature や Ubersax et al., 2003 Nature をどうぞ Arabidopsisのあの話: 14. All men are created at randomをどうぞ GFPからいろいろ作った: この仕事でRoger Tsienが2008年にノーベル化学賞を受賞 “The wikigame” FACS Editorial notes チェンソーマン良い(イシ) 刃渡り2億センチをフルで早く聴きたい(エビ) 収録日: 2022.09.17 編集: イシ

    1時間43分
  4. 2022/11/13

    18. Oh my HUSH!

    Summary HUSH 複合体がレトロエレメントをサイレンシングするメカニズムを調べた論文を紹介しました。 Starring エビ、イシ Show notes Seczynska et al. (2021) Nature: 今回紹介した論文。オープンアクセス。 Paul Lehner lab 5:05 あたりのウイルス由来のねじれた環状 DNA: cccDNA のこと。 自然免疫系 Vessoni et al. (2013) Cell Death & Differentiation: オートファジーがゲノムの品質維持に関わることを説明した総説論文。 cGAS-STING 経路: 興味深いことに、STING タンパク質は進化の過程でバクテリアから獲得されたことが報告されている (Morehouse et al. 2020) 11:20 あたりのクロマチンのサイレンシング: Allshire and Madhani (2018) を見ながら話をしました。 レトロエレメント: レトロウイルスがゲノムに取り込まれた DNA 配列 HUSH 複合体: 2015 年に Paul Lehner のグループによって報告された (Tchasovnikarova et al. 2015) ヒトのイントロンとエキソンの境界: 共通する配列の特徴としてイントロンの 5’ 末端に GT、3’ 末端に AG が知られているが、イントロンとエキソンの境界を 100% 予測できるわけではないらしい (Mishra et al. 2021) RNA Immunoprecipitation de novo 遺伝子: 「セントラルドグマの新常識」(羊土社) に収録されている日本語の総説がとても勉強になった エキソン・シャッフリング イントロンの起源について: Nick Lane の “The Vital Question. Why is life the way it is?” を参考にしました。邦訳はみすず書房から出版されている 生命。エネルギー、起源。 Eugene Koonin Babenko et al. (2004) Nuclei Acids Res.: 進化的に古いパラログと新しいパラログとの間でイントロンの保存性を比較した論文 Editorial notes 自己/非自己を区別する現象に強い興味があります (エビ) 最近ボイラーが壊れて暖房とシャワーが1週間使えなくなりました(イシ) 収録日: 2022.07.30 編集: エビ

    1時間11分
  5. 2022/10/29

    17. Caught before summer break, released on Halloween

    Summary ワークショップに参加した話や今年のノーベル医学・生理学賞を受賞した Pääbo 博士の著書の話をしました。 Starring エビ、イシ Show notes スイスのコロナ情報: 2022 年の 4/1 以降スイス政府はコロナに関する制限を全廃した。 The yin and yang of chromosomal and extrachromosomal DNA: エビが参加したワークショップ。ロカルノ国際映画祭で有名なスイスのアスコナ州で 6/17-20 の期間で開催された。 東邦大学の B 染色体を解説する記事: 閲覧注意!リンク先に虫の画像が出ます。 Aldrich et al. (2017) Sci Rep: Wasp (狩蜂) の B 染色体について発表した Patrich M. Ferree のグループの論文。オープンアクセス。 Speciation - Gordon Research Conference ネアンデルタール人は私たちと交配した: 度々この podcast で話題に上がる本。 Svante Pääbo: 2022 年のノーベル医学・生理学賞を受賞した。 Mora-Bermúdez et al. (2022) Sci Adv: ネアンデルタール本の著者である Pääbo 博士のグループによる最新の論文。 ABBA-BABA テスト Editorial notes (私が編集をさぼっていたので) 先に出た Episode 16 と順番が前後し、Pääbo 博士がノーベル賞を受賞されていました (エビ) 学会帰りに航空便で荷物が行方不明になることなど収録時には知る由もなかった… (イシ) 収録日: 2022.07.30 編集: エビ

    19分
  6. 2022/04/20

    15. The aster the better

    Summary マウス初期胚の 8-16 細胞期に特異的な紡錘体構造を発見した論文と「データ視覚化の人類史」という本を紹介しました。 Starring エビ、イシ Show notes Wordle バクマン。 DEATH NOTE ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド Pomp et al. (2022): 今回紹介した論文。残念ながらオープンアクセスではない。 紡錘体: エピソード7 Self-organising spathetti monster を参照。 Plachta Lab Plachta et al. (2011): マウス初期胚においてゲノム DNA に対する転写因子 Oct4 のアクセシビリティを測定し、細胞系譜を予測する論文。。今回紹介した論文のラストオーサーがポスドクの時の仕事。 Photo-activated GFP: 光変換型の GFP。Patterson and Lippincott-Schwartz (2002) を参照。。同じような蛍光タンパク質に Kaede、Dendra2 や EosFP などがある。Addgene の blog に詳しくまとめられている。 Zenker et al. (2017): 微小管論文 Zenker et al. (2018): アクチン論文 Lim et al. (2020): ケラチン論文 内部細胞塊 PLK1: Serine/threonine-protein kinase 1 CDK5RAP2: CDK5 regulatory subunit-associated protein 2 EB3: End binding protein 3 アセチル化微小管: 正確にはアセチル化されたチューブリンを含む微小管。微小管のダイナミクスを制御する方法の一つとして、チューブリンの翻訳後修飾がある。アセチル化はその一つで、微小管ダイナミクスの安定化に寄与する。abcam の記事 を参照。 Microtubule organising centre (MTOC): 微小管形成中心 1:04:30 あたり: siRNA 実験における「スクランブル」について少し誤った説明をしました。正しくは、標的遺伝子に特異的な siRNA 配列を基に、各ヌクレオチドの比率を変えずに配列だけをランダムに変更して、ゲノム上に存在しない配列にする操作です。 カタニン: 「微小管不安定化因子」の項目を参照。 1:30:00 あたり: 筆者らの先行研究 Plachta et al. (2011) と同じ Logic が採用される。 前回のランダムな話: エピソード14 All men are created at random を参照。 データ視覚化の人類史 ナイチンゲールと統計 1:56:30 あたりの忌み嫌われる棒グラフの話: Weissgerber et al. (2015) を参照。 Circular Manhattan plot: イシが嫌いなプロット方法。 イシが紹介する論文: 同日にイシによって紹介された論文。近日公開予定。 Editorial notes 明瞭な図はいつも美しいが、美しい図がいつも明瞭とは限らない (エビ) マンガを買っても読めない問題 (イシ) 収録日: 2022.02.26 編集: エビ

    2時間8分

番組について

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