AMEDプレスリリース
慢性便秘治療薬ルビプロストンの腎保護作用を世界で初めて臨床試験で確認―腸内細菌叢の改善でミトコンドリア機能が向上―
https://www.amed.go.jp/news/release_20250901.html
原著
Lubiprostone in chronic kidney disease: Insights into mitochondrial function and polyamines from a randomized phase 2 clinical trial
https://www.science.org/doi/10.1126/sciadv.adw3934
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■AI要約(誤字はご勘弁ください)
内科医たけお氏が、リスナーからのリクエストに基づき、医療ニュースを解説するラジオ配信です。今回は、自身も専門とする腎臓病に関する注目ニュースを取り上げました。
### **テーマ:慢性便秘治療薬は腎臓病に効くのか?**
今回解説されたのは、「慢性便秘治療薬のルビプロストン(商品名:アミティーザ)が、慢性腎臓病(CKD)の悪化を抑制する効果がある」という研究成果です。腎臓専門医であるたけお氏は、このニュースについて、最初に聞いた時は「虚構ニュースかと思った」と驚いたそうですが、実際にはしっかりとした研究であったと述べています。
### **研究の概要とポイント**
この研究は、日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けて行われ、科学雑誌「Science Advances」に掲載されました。発表された主なポイントは以下の3つです。
1. **世界初の確認**:ルビプロストンが、CKD患者の腎機能悪化を抑制することを、人を対象とした臨床試験で世界で初めて確認しました。
2. **作用メカニズムの解明**:ルビプロストンが腸内細菌叢を変化させ、「スペルミジン」という物質の産生を促進。これにより、腎臓の細胞内にあるエネルギー工場「ミトコンドリア」の機能が改善されることが、腎臓保護効果につながると考えられました。
3. **新たな治療戦略の可能性**:腸内環境に働きかけることで腎機能を守るという、新しい治療法の開発につながる可能性を示しました。
研究は、9つの医療機関で118人のCKD患者を対象に行われた第2相臨床試験です。ルビプロストンを投与したグループでは、偽薬(プラセボ)を投与したグループと比較して、腎機能の指標であるeGFRの低下が、薬の量に応じて抑制されるという結果でした。
### **専門家としての考察と注意点**
たけお氏は、この結果に一定の期待を示しつつも、「ものすごく期待できるとまでは言えない」と慎重な見解を述べています。その大きな理由として、研究の「主要評価項目」との乖離を指摘しました。
この研究では、本来最も重要な指標(主要評価項目)として、尿毒症物質である「インドキシル硫酸」の血中濃度が設定されていました。しかし、この数値はルビプロストンを投与しても変化しませんでした。
一方で、腎機能低下の抑制効果は、副次的な指標(副次評価項目)として確認されたものです。これは、研究者が当初想定していた作用メカニズムとは異なる形で効果が現れた可能性を示唆しており、結果の解釈には注意が必要だということです。
### **まとめと今後の展望**
今回の研究は、まだ少人数の患者を対象とした初期段階の臨床試験です。理論的には理にかなっている部分もあるものの、この結果をもって直ちに「便秘薬が腎臓に効く」と結論づけることはできません。
今後、より多くの患者を対象とした大規模な臨床試験で、同様の効果が再現されるかどうかが重要になります。たけお氏は、今後の研究の進展に期待しつつ、冷静に見守る姿勢が大切だと締めくくりました。
Informations
- Émission
- FréquenceTous les jours
- Publiée27 septembre 2025 à 20:53 UTC
- Durée9 min
- ClassificationTous publics