南風舎  - Japanese Classical Literature Podcast

“ The Gate ” by Soseki NATSUME #10/23 夏目漱石『門』

十 佐伯の叔母も安之助もその後とんと宗助の宅へは見えなかった。宗助は固より麹町へ行く余暇を有たなかった。またそれだけの興味もなかった。親類とは云いながら、別々の日が二人の家を照らしていた。 ただ小六だけが時々話しに出かける様子であったが、これとても、そう繁々足を運ぶ訳でもないらしかった。それに彼は帰って来て、(...)