BOOK 沼 RADIO

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「BOOK 沼 RADIO」は、オカ・コン・カフカの3人が、毎回、1冊の書籍を取り上げ、そこから生まれた問いに対して、具体と抽象を行き来しながら、答えを出そうとする。そんな対話番組です。3人で思考の沼を楽しんでいきます。 Notionページ→ https://tricky-wallaby-04e.notion.site/BOOK-RADIO-1ec73bca327f4adca851a40ab543134a?pvs=4 毎月第二、第四日曜日に更新予定。

  1. FEB 7

    #67 『戦略的暇』(森下彰大著)

    今回は、カフカの選書。 森下彰大さんの著書『戦略的暇 人生を変える新しい休み方』を取り上げます。 スマホの登場以来、私たちは常に何かに接続し、隙間時間を埋めることに躍起になっている。 しかし本書は、デジタルデバイスへの「依存」から「共存」へとシフトし、意識的に「暇」を作り出すことこそが、脳のパフォーマンスを高め、人生を豊かにすると説いています。 今回は「良質な暇」をキーワードに、3つのトピックを中心に展開しました。 第一に、「良質な暇」と「悪質な暇」の違い。単なるうさ晴らしやSNSによるドーパミン消費(悪質)ではなく、軽い運動や瞑想、創作活動など、脳のデフォルト・モード・ネットワークを整える活動(良質)の重要性について。 第二に、現代を覆う「ナウイズム(今至上主義)」の弊害。SNSのタイムラインや即時的な成果に追われ、過去に学び未来を構想する「長い時間軸」での思考が失われている現状への警鐘。 第三に、反射から内省への転換。情報は「反射」的に消費させるように設計されています。そこから距離を置き、五感や身体感覚(内受容感覚)に耳を澄ませる時間の必要性を話しています。 最終的に、私たちは「空白の時間を恐れず、いかにして自分自身との対話を取り戻すか」という、デジタル社会におけるウェルビーイングの問いに立ち返ります。

    37 min
  2. JAN 27

    #66『思春期センサー 子どもの感度、大人の感度』(岩宮恵子著)

    今回は、conの選書。 岩宮恵子さんの著書『思春期センサー 子どもの感度・大人の感度』(岩波書店)を取り上げます。 大人にとって、かつての自分の記憶を頼りに語ってしまいがちな「思春期」。しかし本書は、時代や環境の変化に伴い、現代の思春期の子どもたちが感じている世界は、大人の想像とは大きく異なることを示唆しています。 「思春期センサー」という独特な感性をキーワードに、現代の思春期を取り巻く環境の変化として、主に3つのトピックが挙がりました。 ・SNSの普及により「逃げ場がない」状況が生まれていること。 ・「いつメン(いつものメンバー)」という独特な人間関係の在り方。 ・自分の感情や状況を説明するための「言葉」をまだ持たない子どもたちと、自身の経験則で「分かった気になってしまう」大人との間にある決定的なズレ。 今回は、これから思春期の子どもに向き合うことになるconの実感と、自身の高校時代を振り返りながら「センサー」の働きを議論します。 「悪いことだと分かっていないのではなく、断るための言葉を持っていないだけ」という視点や、大人が自身の過去の経験をそのまま当てはめることの危うさについて深く語り合います。 最終的に、私たちは「大人になる過程で弱まっていく『センサー』の存在を認め、いかにして『分かった気にならず』に他者の痛みを想像するか」という、世代を超えた対話の問いに立ち返ります。

    38 min
  3. JAN 10

    #65 『人生にコンセプトを』(澤田智洋著)

    今回は、オカの選書。 澤田智洋さんの著書『人生にコンセプトを』(ちくまプリマー新書)を取り上げます。 一般的に「コンセプト」といえば、ビジネスにおいて競合と差別化し、市場でポジションを獲得するための「戦略」を指す言葉として使われます。 しかし本書は、そうした「勝つための戦略」ではなく、社会から「浮いてしまっている」状態を肯定し、その違和感に名前を与えることで自分を支えるための「コンセプト」の重要性を説いています。 著者の澤田さんは、自身の「運動音痴」という弱さを逆手に取り、誰もが楽しめる「ゆるスポーツ」を生み出した経験などを背景に、コンセプトを持つことの意義を語ります。 本書によると、夢は「目的地」であり、コンセプトは武士道や茶道のような「道(スタンス)」。 子育てなどを経て、ポジティブな生き方が難しいと感じているオカの個人的な葛藤と、モヤモヤから始める本書のアプローチを重ね合わせながら議論を展開します。 特に、社会的に評価される「A面(表題曲)」のような自分だけでなく、悩みや弱さを含んだ「B面(カップリング曲)」のような自分こそが、その人のアイデンティティや深みを作るという「人生のB面」論について語り合います。 最終的に、私たちは「解決できない悩みや弱さを否定せず、いかにして人生の味わい深さに変えていくか」という、成熟した生き方の問いに立ち返ります。

    38 min
  4. 12/20/2025

    #64 『物欲なき世界』(菅付雅信著)

    今回は、カフカの選書。 2015年に初版が刊行された『物欲なき世界』を取り上げます。 かつての日本では、良い家、良い車、ブランド品といった「物」を持つことが豊かさの象徴でした。 しかし本書は、物を持つことが幸せの条件ではない社会の構造を描き出し、若者を中心にもはや物を所有することが幸せの条件ではない社会が到来しつつあることを予言しています。 社会構造の変化の背景として、著者の菅付さんは主に3つの理由を挙げています。 第一に、情報が多すぎることによりブランド品のような分かりやすいステータスの価値が相対的に下がったこと。第二に、SNSやゲームなど、お金をほとんど使わずに満足できる別の快楽が増えたこと。そして第三に、物よりも物語、体験、関係性(例:推し活やオンラインコミュニティ)といった、別のものに人々が価値を見い出すようになったこと。 これは、現代社会が「定常型社会」(脱成長に近い)にあり、成長に代わる価値や目的を見つける必要性を示唆しています。 この回では、資本主義の中で働きながらも「それでいいのか」という問いを持つカフカの個人的な葛藤と、脱資本主義の理想像として描かれたポートランドが現実には困難な状況にあるという考察を対比させながら、「物欲なき世界」の実現が資本主義との共存という点でいかに難しいかという問題を深く議論します。 最終的に、私たちは「時間とお金とリソースを何に投資すれば幸せになれるのか」という、極めて抽象的で普遍的な問いに立ち返ります。

    37 min

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