人をつなぐ、未来をつなぐ。 トレードオンの交渉学

NPO法人日本交渉協会,安藤雅旺,星野良太

交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。 ◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版 ◎聞く人:星野良太/NPO法人日本交渉協会 理事/人まず株式会社代表/声メディアWorkTeller主催/著書:「コロナ時代にオンラインでコーチングをはじめてみた。」 【運営】 日本交渉協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。 【関連資格】 交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。

  1. 2d ago

    #154 現状打破の交渉学③ 「現状打破の交渉者になる5つの方法」 安藤雅旺

    日本交渉協会代表理事の安藤による「現状打破の交渉学」シリーズ第3回は、全3回の完結編として「現状打破の交渉者になる5つの方法」をお届けします。前回・前々回に続き、ハーバードのマイケル・ワトキンス著『ビジネス交渉術』(原題:Breakthrough Business Negotiation)より、「誰もが学習によって優れた交渉者になれる」という前提のもと、個人および組織が交渉力を飛躍的に高めるための実践原則を解説します。 後半では、日本交渉学の父・藤田忠先生が自ら実践された「弱者を救う交渉」の実話エピソードもご紹介します。 【TODAY’S TOPICS】 ◎現状打破の交渉者になる「5つの方法」【個人の視点】 1.個人の専門能力を開発する ・パターン認識:煩雑な情報から不要なノイズを取り除き、「脅威」と「機会」を整然と見分ける力。 ・並行管理(二重能力):交渉の内容を追いながら、同時にプロセスの展開を形づくる力。 ・行為内反省:緊迫した局面でも客観的に自分を見つめる「バルコニーに出る」視点。木(細部)にとらわれず森(全体)と戦略を同時に捉える。 2.専門知識を伸ばす ・シミュレーションの活用:実戦経験だけでなく、難度の高い事例やリアルなシナリオを用いたロールプレイング訓練が、正確で迅速な判断力を養う。 【組織の視点】 3. 組織能力を開発する ・チーム交渉の相乗効果:個人の属人性に頼らず、異なるスキルを持つメンバーが知見を共有し合うことで組織全体の交渉力を最大化する。 4.組織的な学習を理解する ・知識の流出防止とプール:新入社員への育成や、熟練者の持つ知見を組織内に共有・蓄積(プール)する仕組みづくり。 5.学習する組織の構築・共通言語の浸透:BATNA、ZOPA、アンカリングなどの共通概念で対話できる土壌を作る。 ・徒弟制度(OJT)と定型書式の整備:熟練者との同行や、交渉の落とし穴・暗黙知を文書化してルール化する。 ・事後分析(レビュー)の徹底:  →失敗した時:「諦めることは会社にプラスかマイナスか」「どうすれば早期に撤退・修正できたか」  →成功した時:「何がうまくいったのか」「見落としていたリスクはなかったか」「当初の想定と結果のギャップは何か」 ◎藤田忠先生が遺した「弱者を救う交渉道」の実話 ・学費困窮で中退・帰国を選択する瀬戸際まで追い詰められたトルコ人留学生のために、トルコでもビジネスを展開している大手企業のトップに直談判し、200万円の学費援助を引き出した藤田先生の交渉。 ・その留学生は後に駐日トルコ大使となり、両国の架け橋として大きな恩返しを果たす「善の循環」を生み出した。 ・交渉とは、単なる駆け引きの技術ではなく、困っている弱者を救い、社会を良くするために使われてこそ真の価値を発揮する。 ------ お聞きいただきありがとうございました。交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、『⁠⁠交渉アナリスト⁠⁠』のサイトをご覧ください。

  2. Sep 10

    #153 非言語の説得力「声のトーンと間の支配」 加藤有祐

    今回は、日本交渉協会理事の加藤氏をゲストにお迎えし、交渉やプレゼンテーションの現場で成否を左右する「非言語の説得力(声のトーンと間の支配)」をテーマにお届けします。「内容は素晴らしいのに、伝え方で損をしている」「沈黙の気まずさに耐えかねて、つい余計な値引きをしてしまう」——そんな経験はありませんか?本エピソードでは、メラビアンの法則から読み解く非言語の重要性をはじめ、交渉で最も恐れられる「沈黙」を味方につけるマインドセット転換(ゴールデンサイレンス)、本気度とワクワク感を伝える「声のトーンの使い分け」、そして相手が自然と話しやすくなる「場の空気のデザイン術」について徹底解説します。 ◎加藤有祐氏のご経歴 日本交渉協会理事/一部上場企業 子会社 代表取締役社長 兼 CEO 【TODAY’S TOPICS】 ◎「内容」ではなく「伝え方」で損をしていませんか? ・非言語がもたらす圧倒的な影響力 メラビアンの法則が示す通り、言語情報はわずか7%。視線のおよぎや声の上ずりなど、非言語の乱れが提案の説得力を奪ってしまう。 ・交渉現場で最も恐ろしい「沈黙の数秒間」 条件提示後の沈黙に耐えきれず、頼まれてもいないのに自ら口を開いて条件を譲歩してしまう「沈黙負け」の罠。 ◎沈黙は気まずい空白ではなく「相手へのプレゼント(ギフト)」 ・「思考のプロセス」を邪魔しない優しさ 重要な決断ほど静かにじっくり考えたいもの。沈黙を恐れず見守ることは、相手に思考の時間をプレゼントする「ギバーとしての気配り」。 ・ゴールデンサイレンス(沈黙の活用) あえて口にチャックをして間を取ることで、相手がプレッシャーに耐えかねて「実は予算が……」と本音や潜在ニーズを明かしてくれる効果も。 ◎説得力を高める「声のトーン」の使い分け ・数字や条件提示は「低めのトーン」で本気度と信頼感を伝える ・未来のビジョンや共創を語る際は「高めのトーン」でワクワク感を演出する ・一本調子を避け、内容に応じて音程を切り替えることが場の空気を作る ◎主導権を握るとは「場の空気をデザインすること」 ・まくしたてて相手を圧倒するのではなく、相手が「話しやすい」「考えやすい」環境を整えることこそが真の主導権。 ◎明日からできる実践アクション ・価格提示や指示のあと、心の中で「あえて3秒間」数えて黙ってみる。 次回は、相手のNOをYESに変える「リフレーミングの技術」をお届けします。 ------ 交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、「⁠交渉アナリスト⁠」のサイトをご覧ください。

  3. Sep 3

    #152 孫子の兵法で読む交渉学㉑「行軍篇」その1 窪田恭史

    日本交渉協会常務理事でありナカノ株式会社代表取締役の窪田氏をゲストにお迎えし、「行軍篇」その1をお届けします。本エピソードでは、敵地においてどのように軍を展開・運用すべきかを説いた孫子第九「行軍篇」を解説します。山・河・沼沢地・平地という4つの地形における配置の原則をはじめ、自然現象や鳥獣の動きから危険を察知する観察術(源義家の「雁行の乱れ」やキューバ危機の事例)、そして敵の言動や断片的な情報から真意や内部統制の乱れを見抜く要諦を紐解きます。 ◎窪田恭史氏のご経歴 日本交渉協会 常務理事/燮(やわらぎ)会 幹事 ナカノ株式会社 代表取締役 日本古着リサイクル輸出組合理事長 表情分析、FACS認定コーダー 日本筆跡心理学協会 筆跡アドバイザーマスター 早稲田大学政治経済学部卒アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)でのコンサル業務を経てナカノ株式会社に入社、2024年より現職。「交渉分析」理論の日本への導入にも尽力。 【TODAY’S TOPICS】 ◎地形ごとの行軍・布陣の4原則 ・山:谷沿いに進み、見晴らしの良い高地に陣を構える(上から攻め下る優位性の確保) ・河:渡河後は速やかに岸から離れる(岸を背負う不利を避ける)。敵の渡河時は半分ほど渡らせて部隊を分断して攻撃し、河岸で迎え撃たない ・沼沢地:長居は厳禁(衛生悪化や軍馬の消耗)。やむを得ず戦う際は草や葦を前にして身を隠し、森林を背にして背後を守る ・平地:見晴らしが良く足場が安定した場所を選び、前方が低く後方が高くなる地形を確保する ◎周囲の現象から「危険の兆候」を読み取る ・自然のサイン:川の水が泡立っているのは上流の大雨・増水の前兆。視界の悪い狭隘地は伏兵や罠の危険(誘い込む際は出口側を押さえる) ・鳥獣の動き:鳥の群れの突然の飛び立ちや獣の逃走から奇襲・伏兵を察知する  →事例①:後三年の役で源義家が雁の隊列の乱れから伏兵を見抜いた逸話  →事例②:1962年のキューバ危機において偵察写真のサッカー場からソ連技術者の滞在と核ミサイル配備を見抜いた実例 ◎敵の言動・状況の矛盾から「真意」を見抜く ・状況と態度のギャップ:不利な平地への布陣は別の有利な条件を疑う。使者がへりくだりつつ軍備を固めるのは奇襲のサイン、使者の強気な発言の繰り返しは撤退準備の可能性 ・断片的な情報からの推測:武器を杖代わりにする(飢えや疲労の極限)、水汲み兵が我先に飲む(深刻な渇き)、敵陣上空に鳥が集まる(撤退の兆候)、鍋釜を壊し幕舎に戻らない(退路を断ち決戦を覚悟) ◎組織の統制状態の観察とリーダーシップ ・統制の乱れ(虚)を突く:軍の異様な騒がしさ、指揮官の怒声・叱責、必要以上の丁寧さ、恩賞や懲罰の急増は組織の疲弊・信頼喪失の兆候 ・「虚に見せかけた実」への警戒:使者のへりくだった態度(時間稼ぎ・戦力回復の策略)や、急接近後に直前で静止する敵軍の罠を見極める ・指揮官の戒め:最初は乱暴に扱い後から急に腫れ物に触るような態度は未熟な統率。平時からの信賞必罰と積み重ねこそが組織を一つにまとめる 次回は、これらの観察眼を交渉へ応用し、「断片的な情報から相手の置かれた状況を推測する方法」をお届けします。 交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。

  4. Aug 27

    #151 普段着の交渉学⑦「『一度のミス』で関係を切らない。弱者のための柔軟な関係構築術」   星野良太 

    仕事や日常で、相手が納期を守れなかったり、期待通りのものが上がってこなかった時、思わず関係を切ったり、正論で問い詰めたくなってしまうことはないでしょうか。かつて大企業で「選ぶ側」にいた頃に教わった強者の交渉術は、独立してスモールビジネスを営む今、まったく通用しなくなりました。看板や体力のない弱者が大手の真似をしてドライに人を切り捨てていたら、あっという間に「周りに誰もいなくなってしまう」からです。 今回は、協業先やクライアントとのリアルな失敗・停滞エピソードを振り返りながら、経営学の「エフェクチュエーション(起業家理論)」をヒントに、ミスや期待外れを「新しい関係への扉」に変える等身大のサバイバル戦略をお届けします。 ◎星野良太の経歴 ・日本交渉協会 理事/人まず株式会社 代表取締役/コピーライター 【TODAY’S TOPICS】 ◎大企業時代の「強者の交渉術」が通用しなくなった日 ・大手のやり方を真似すると「周りに関係者が誰もいなくなる」という現実 ・相手を「スペックや機能」として見る取引型アプローチの限界 ・弱者だからこそ掴んだ、身の丈に合った手探りの交渉スタンス ◎リアルな失敗直面エピソード ・発注先のミスに対し、「どういう基準で進めたか」を聞いて理想の仕上がりに化けた話 ・専門外で断られた仕事から、かけがえのないブレーン関係へと育った話 ・顧問契約がストップしても相談に乗り続けたら、決算期に大きな仕事として返ってきた話 ◎経営学の「エフェクチュエーション」をつまみ食い ・大企業のようにゴールから逆算せず、「いま目の前にいる人」から関係を編み直す ・酸っぱいレモン(想定外のトラブル)が降ってきたら、美味しいレモネードに変える ・効率化やスケールには向かないけれど、孤独にならずに楽しく仕事を続けるための知恵 ------ お聞きいただきありがとうございました。交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、『⁠⁠⁠交渉アナリスト⁠⁠⁠』のサイトをご覧ください。

  5. Aug 20

    #150 現状打破の交渉学② 「弱者のための交渉」後編 安藤雅旺

    日本交渉協会代表理事の安藤による「現状打破の交渉学」シリーズ第2回は、「弱者のための交渉」後編をお届けします。前回に続き、ハーバードのマイケル・ワトキンス著『ビジネス交渉術』(原題:Breakthrough Business Negotiation)より、資金や資源に乏しい「弱者(ネズミ)」が、巨大な「強者(象)」と対等に渡り合い、成果を上げるための実践的な原理を解説します。29歳で起業し、大企業との提携を成し遂げてきた安藤自身の体験談も交え、ビジネス現場で生き残るための具体的な戦略を紐解きます。 【TODAY’S TOPICS】 ◎強者と対等に渡り合うための実践原理 相手を「縮小化」する:巨大企業と交渉する際は、特定の部門やキーパーソンに絞ってアプローチする。自分自身を「増大」させる:組織外も含めて味方を増やし連合を形成し、交渉力を強化する。一連の取引で「弾み」をつける:初期の適切な交渉成果を足がかりにし、その後の取引をスムーズに進める。「競争力」を有効活用する:複数の大企業同士を競わせる状況を作り出し、弱者の立場から交渉力を引き出す。「自制」し、安易な言いなりにならない:相手の無理難題に対して、他社との協定等を理由に毅然と断る選択肢(BATNA)を保持する。「情報」で優位に立つ:相手組織の意思決定プロセスやキーパーソンの関心、動機を徹底的に把握して臨む。「交渉プロセスの主導権」を握る:力で劣る立場であっても、交渉の手順やアジェンダの設定など主導権は譲らない。「実施(履行)」を念頭に交渉する:合意後も相手が合意内容を実施するまで代替案(BATNA)を保持し続ける。「学習する組織」を構築する:過去の交渉から迅速に学び、ノウハウを共有して組織全体の交渉力を引き上げる。「優れた組織能力」を構築する:適切な交渉チームと調整機構を整え、交渉力を総合的に高める。 ◎安藤の実体験から学ぶ「弱者の交渉道」 ・1社への過度な依存を避け、常に複数の大手クライアントとの提携を水面下で維持する重要性。 ・「弱者だからこそ」徹底的な準備と情報収集、そして退路(BATNA)の確保がビジネスの成否を分ける。 ------ お聞きいただきありがとうございました。交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、『⁠⁠交渉アナリスト⁠⁠』のサイトをご覧ください。

  6. Aug 13

    #149 プレゼンで解決!「準備」のフレームワーク   加藤有祐

    今回は、日本交渉協会理事の加藤氏をゲストにお迎えし、交渉やプレゼンテーションの成否を決定づける「準備のフレームワーク」をテーマにお届けします。「現場に行けばなんとかなる」と丸腰で臨んで返り討ちにあった経験は誰にでもあるもの。「交渉の8〜9割は準備で決まる」と言っても過言ではありません。本エピソードでは、陥りがちな「自分本位の準備」から脱却し、プレゼンを相手への「ギフト(贈り物)」と捉えるマインドセット、そして現場で即実践できる「4つの準備リスト」について詳しく解説します。 ◎加藤有祐氏のご経歴 日本交渉協会理事/一部上場企業 子会社 代表取締役社長 兼 CEO 【TODAY’S TOPICS】 ◎勝敗はテーブルにつく前に決まっている ・名プレゼンターほど本番の何倍もの時間を準備に費やす ・「準備の差」が本番での心の余裕と信頼を生み出す ・「自分視点の準備」から脱却し、相手目線で準備を進める ◎プレゼン・交渉は相手への「ギフト(贈り物)」というスタンス ・オーディエンス・アナリシス(聴衆分析)  相手の知識量、データ派かストーリー派か、何を期待しているのかを事前に徹底分析する。 ・相手への敬意がギブの姿勢を生む  相手の貴重な時間をいただいているという意識が、相手視点に立った質の高い準備へと繋がる。 ◎現場で使える「4つの準備リスト」 ①ゴール(Goal) 自分たちの目標だけでなく「相手が今回何を得たいのか」というゴールを明確にする。 ②ニーズ(Needs) 相手が具体的に何を、どれくらい、どんな優先順位で求めているかを整理する。 ③提供できる価値(Value) 自分の裁量や知識はもちろん、チームや組織全体で「相手の課題にどう貢献(ギブ)できるか」を幅広く洗い出す。④BATNA(ベストな代替案) 交渉が不成立だった場合の次の一手や具体的な条件の幅(妥協点)を決めておき、本番での動揺を防ぐ。 ◎目の前の相手だけでなく「背後のステークホルダー」を意識する ・担当者の後ろにいる上司や組織のニーズまで想像を巡らせることで、より深い信頼関係と提案の幅が広がる。 次回は、交渉現場で絶大な効果を発揮する「沈黙の技術」をお届けします。 ------ 交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、「⁠交渉アナリスト⁠」のサイトをご覧ください。

  7. Aug 6

    #148_孫子の兵法で読む交渉学⑳「九地篇」その4 窪田恭史

    日本交渉協会常務理事でありナカノ株式会社代表取締役の窪田氏をゲストにお迎えし、「九地篇」その4をお届けします。本エピソードでは、9つの地形(九地)を文字通り「交渉の場」と捉え、空間や環境が交渉者の心理にどのような影響を与えるのかを紐解きます。韓国ドラマの買収交渉シーンを切り口に、対人距離(パーソナルスペース)やテーブル・椅子の配置、空間のレイアウト、そして飲み物や軽食の活用など、交渉空間を戦略的にデザインするための4つの要素を詳しく解説します。 ◎窪田恭史氏のご経歴 日本交渉協会 常務理事/燮(やわらぎ)会 幹事 ナカノ株式会社 代表取締役 日本古着リサイクル輸出組合 理事長 表情分析、FACS認定コーダー 日本筆跡心理学協会 筆跡アドバイザーマスター 早稲田大学政治経済学部卒 アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)でのコンサル業務を経てナカノ株式会社に入社、2024年より現職。「交渉分析」理論の日本への導入にも尽力。 【TODAY’S TOPICS】 ◎韓国ドラマ「交渉の技術」に見る交渉を有利に進めるための場の工夫 1.厳重なセキュリティ体制により訪問の機会を限定し、交渉機会の貴重性を示す 2.自分たちは窓側(日光を背)に座り、相手に威圧感を与える 3.相手の座る椅子をこちらより低く設定し、こちらが優位にあることを示す ◎交渉空間が及ぼす4つの心理効果 (1)近接性(パーソナルスペースの心理学) 初対面での警戒感を防ぐ適切な距離感と、関係構築後にあえて距離を縮める(身を乗り出す・資料を一緒に覗き込む)心理アプローチ (2)テーブルや椅子の配置(座席が語る無言のメッセージ) 上座・中央が与える主導権の印象、対立を避ける「横並び・斜め配置」、四角いテーブル(競争的・協力的でない印象)が及ぼす影響 (3)空間利用(テリトリー意識と家具の効果) PCや書類を机上に広げることによる心理的境界線と、役員デスク・打ち合わせ机・ソファの使い分け (4)飲み物や軽食の利用(飲食がもたらす合意形成の力) 交渉冒頭のコーヒー・お茶が雑談を促し緊張をほぐす効果と、「飲食を共にする交渉」が相互利益を高め関係構築を加速させる心理的背景  ------- 交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、「交渉アナリスト」のサイトをご覧ください。

  8. Jul 30

    #147 普段着の交渉学⑥「新人向けの打席のつかみ取り方」  星野良太 

    「もっと面白い仕事を任せてほしい」「でも、実績も権限もない……」。そんな悩みを抱える若手社員の方は多いのではないでしょうか。日本交渉協会理事の星野は、先日26歳の友人・Jくんと飲みに行きました。新卒で入社した会社で泥臭い営業を地道にやり抜き、圧倒的な実績を出して次のステップへジャンプアップを決めた彼の生き方には、若手が自ら「打席」を勝ち取り、キャリアを切り拓くための強力なヒントが詰まっていました。今回は、Jくんの実話ストーリーを紐解きながら、実績のない「弱者」がビジネスや交渉の現場でサバイブし、仕事の主導権を握るための「3つの交渉学の論拠(ZOPA・3D Setup・社どーおぶざフューチャー)」を分かりやすく解説します。 ◎星野良太の経歴 ・日本交渉協会 理事/人まず株式会社 代表取締役/コピーライター 【TODAY’S TOPICS】  ◎26歳Jくんのストーリー・同期が気乗りしない「泥臭い営業」にあえて飛び込んだ理由 ・上司とそりが合わなくても、周りを味方にして「自分の筋」を通す ・転職が決まった後も手を抜かず、次のプロジェクトで成果を追い求める姿 ◎交渉理論で読み解く「Jくん流・サバイバル術」 ・ZOPAと主導権:期待値(留保点)が低い場所を選ぶことで、仕事の主導権が手に入る ・3D Setup:周りの先輩とのアライアンスで上司との1対1のパワーゲームを回避する  ・シャドー・オブ・ザ・フューチャー:目の前の損得ではなく「長期的な味方」を残す ◎小さな「打席」の積み重ねが、大きなジャンプアップを生む ・一見リスクに見える選択が、実は失敗ダメージの少ない最強の選択肢になる ・「自分オリジナルの価値」を作り、将来の味方を増やしていく生き方 ------ お聞きいただきありがとうございました。交渉学についてより詳しい内容をお知りになりたい方は、『⁠⁠⁠交渉アナリスト⁠⁠⁠』のサイトをご覧ください。

About

交渉とは、ズルいものでも怖いものでもありません。限られた資源を奪い合うのではなく、むしろ大きく育てていく創造的なスキルです。自分と交渉相手、社会とをつなぎゆたかにする、これからの時代の交渉学を知ってみませんか。この番組では、対談形式で身近な事例から交渉の真の価値を皆さまにお伝えしていきます。 ◎伝える人:安藤雅旺(あんどうまさあき)・株式会社トランスエージェント代表取締役。NPO法人日本交渉協会代表理事。「仁の循環・合一の実現」を理念に、交渉力協働力向上支援事業、BtoB営業マーケティング支援事業などを展開している。著書:『心理戦に負けない極意(共著)』PHP出版・『中国に入っては中国式交渉術に従え!(共著)』日刊工業新聞社・『交渉学ノススメ(監修)』生産性出版・『論語営業のすすめ』生産性出版 ◎聞く人:星野良太/NPO法人日本交渉協会 理事/人まず株式会社代表/声メディアWorkTeller主催/著書:「コロナ時代にオンラインでコーチングをはじめてみた。」 【運営】 日本交渉協会/高い交渉力を持ち社会に貢献できる人物を「交渉アナリスト」資格として認定する活動や、交渉力向上に役立つ情報発信、企業や大学、行政機関での交渉力普及のための研修コンテンツの提供などを実施。 【関連資格】 交渉アナリスト/MBAレベルの交渉学の知識と交渉技術を兼ね備えた、交渉の実践者を認定する資格。

You Might Also Like