アメリカ最高裁の基本的な考え方

東京にある大学のY教授の備忘録

ニュースでよく目にするアメリカの最高裁は、どのようにして憲法や法律を解釈しているのか。アメリカ憲法、行政法、刑事訴訟法や環境法の話を中心に紹介していく試み。学生たちとの対話で出てきた疑問などを扱っていきます。AIを実験的に用いているので、文字や読み方や内容で正確性が落ちるため、修正が必要なところが出てくるでしょう。実験版です。最初は、法学部の学生や院生の対話をもとにしていきます。

  1. 2D AGO

    1/6暴走する大統領と憲法の危機(大統領命令の乱発と憲法の危機その1/6)

    以下は、「大統領命令の乱発と憲法の危機 ―アンドリュー・ジャクソン、リンカーンと トランプ大統領、Trump v. J.G.G. と A.A.R.P v. Trump と関連する事件を中心に――」法律論叢98巻6号59頁(2026)の一章を簡単にまとめたもの。 1. 憲法の危機か。1000人の法学者が鳴らした警鐘 2025年2月26日、ケント・グリーンフィールド教授の呼びかけにより、1000人を超える憲法学者が連名で「憲法の危機声明」という未曾有の警鐘を鳴らした。第2次トランプ政権の発足から僅か1ヶ月。法学のエキスパートたちがこれほど迅速、かつ大規模な反発を示した背景には、建国以来の「法の支配」が内部から瓦解しつつあるという、根源的な絶望感がある。 2. 「憲法の危機」の真の定義とは何か この論文が定義する「憲法の危機」とは、最高裁の憲法解釈を大統領が「無視」することに他ならない。本来、大統領命令(Executive Order)は憲法と連邦法の下位にあり、矛盾は許されない。しかし現政権は「一元的行政権理論(Unitary Executive Theory)」を盾に、出生地主義の変更や連邦予算の恣意的停止など、行政権の限界を突き破る命令を乱発している。これは単なる政治的越権ではなく、憲法秩序の階層構造そのものへの挑戦である。

    14 min
  2. FEB 9

    カリフォルニア州の特別扱いDiamond Alternative Energy, LLC v. EPA 規制の「常識」を問い直す

    目に見えない「壁」と、ある逆転劇 法廷という土俵で、対立する当事者が闘う。対立当事者間の本格的な取組み(審理)が始まる前に立ちはだかる、(目に見えない壁が「原告適格(スタンディング)」と呼ばれる概念である。 分かりやすく言うと「法廷という土俵」にのぼるための資格(髷、廻し)である。これは、訴えを起こした当事者が裁判を戦う正当な利害関係を有しているかを問う憲法上の要件である。もし、自分たちのビジネスを根底から脅かす規制が存在するにもかかわらず、「あなたは規制の直接の対象ではないから、裁判を起こす権利すらない」と門前払いを食らわされたらどう感じるだろうか。 2025年6月、合衆国最高裁(Diamond Alternative Energy, LLC v. EPA)は、カリフォルニア州州の規制を争うエタノール燃料事業者のスタンディングを認めた。 この背景については、「カリフォルニア州の大気浄化法の独自規制と連邦との対立」を参照のこと。また『アメリカ気候変動法と政策: カリフォルニア州を中心に』(勁草書房)も参照のこと。 またLoper Bright判決の「行政機関の判断に縛られない。尊重ではない、専門性を有し、現場で、問題に精通する行政機関の説明に納得するかである。(ただ最高裁の表現方法(言い方)が変わっただけという指摘もあるだろう」という点については、「司法審査の正統性と裁判官の法解釈 -ローパー判決を素材にして-」を参照のこと)

    12 min

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ニュースでよく目にするアメリカの最高裁は、どのようにして憲法や法律を解釈しているのか。アメリカ憲法、行政法、刑事訴訟法や環境法の話を中心に紹介していく試み。学生たちとの対話で出てきた疑問などを扱っていきます。AIを実験的に用いているので、文字や読み方や内容で正確性が落ちるため、修正が必要なところが出てくるでしょう。実験版です。最初は、法学部の学生や院生の対話をもとにしていきます。