ラッキーもくもくチャンス

イノウエ・カワサキ

喫煙所でたまたま隣になった人の会話を、覗くようなポッドキャスト。
本の話、芸人の話、サーカスの話。
あるいは、煙のように消える会話。 テーマ未定、方向性未定、ただ楽しく会話したいだけ。 ●毎週火曜朝8時の基本週1回配信 ●気になるタイトルからチェックすべし/どこから聴いてもOKです ●ご感想は #ラキもくチャン #ラッキーもくもくチャンス でお願いします ●お頼り・ご依頼などはHPもしくはメールでお願いします ✉️lucky.mokumoku.chance@gmail.com 番組HP:https://luckymokumokuchance.github.io/podcast-graph/

  1. 2d ago

    024 理系ハラスメント

    映画『インターステラー』を巨大スクリーンで鑑賞してきました。物語の好きなシーンを語る中で、物語の背景にあるブラックホールへと話題が展開。そこから微分方程式がどういうものかということを伝えたいカワサキが、これでもかとイノウエにハラスメントをします。 [トピック] インターステラーの好きなところ / マン博士最高すぎる / ブラックホールのすごいとこ / 脱毛定理 / 微分方程式というのは / いや今理解してください / 人間関係の微分方程式を立てる / ブラックホール好きのフレーム人間 ●毎週火曜朝8時の基本週1回配信 ●気になるタイトルからチェックすべし/どこから聴いてもOKです ●ご感想は #ラキもくチャン #ラッキーもくもくチャンス でお願いします ●お頼り・ご依頼などはHPもしくはメールでお願いします ✉️lucky.mokumoku.chance@gmail.com   番組HP [参考文献] 話題に出た作品・サービス 🎬Interstellar 監督 クリストファー・ノーラン 家族のいる地球を守るため、元ロケット操縦士の主人公が有人惑星間航行を行う物語。 🎬アントマン 蟻サイズまで小型化できるマーベルヒーロー。 ピム粒子という物質によって体のサイズを変えられるらしい。 ピクシブ百科事典によるとコミック版・MCU版共にサイズが変わっても質量は変わらないとのこと。 概念・補助資料 ブラックホール脱毛定理 ブラックホールの観測できる特徴量は、質量・電荷・角運動量の3つのみであるという定理。 微分方程式 動画の中で説明してた通り、言葉で表すのが意外と難しい概念です。 wikiによると”未知関数とその導関数の関係式として書かれている関数方程式”とのこと...。 形式でいうと積分を使うことで解ける方程式。 物理の関係式を、自分の興味のある関数に作り変えることを微分方程式を解くといいます。 アインシュタイン方程式 ある質量の周りの時空がどのように歪み、その中を物質はどう動くのかを計算する微分方程式。 むずすぎる。

  2. Aug 10

    023 青空文庫めっちゃ素敵

    青空文庫に魅せられたイノウエ。ただ、たくさんのアーカイブの中からタイトルと著者名だけでは、セレンディピティ的発見ができず悩んで、勝手に味噌づくり始めました、という回。 #味噌づくり #ゆる継承 [トピック] 「青空文庫をさぁ」 / 専ブラ文化 / 表紙と帯文のない本 / 「雲間(Kumoma)」/ 案内文による自分事化 / なぜ青空文庫には紹介文がないのか / 誰でも使える青空文庫の思想 / 記法と視認性のトレードオフ / Public Domain Locked / 太宰治と川端康成のレスバ / 日本語のアイデンティティとしての青空文庫 / 遠くの人のために作る利他性 / デジタルデータでもセレンディピティは生み出せるか / システム構築の楽しみ / 青空文庫のボトルネック / 紙と楽器と原付 / デジタルとアナログ / デジタルネイティブ /所有感とアナログの独自性 / 手垢がつくことで生まれる関係性 / 本が感じる経験に想いを馳せるロマン / 自分事化と落書き / 嗜好品としての紙の本 / 青空文庫耕作員への道 ●毎週火曜朝8時の基本週1回配信 ●気になるタイトルからチェックすべし/どこから聴いてもOKです ●ご感想は #ラキもくチャン #ラッキーもくもくチャンス でお願いします ●お頼り・ご依頼などはHPもしくはメールでお願いします ✉️lucky.mokumoku.chance@gmail.com 番組HP:https://luckymokumokuchance.github.io/podcast-graph/ イノウエ味噌づくりwebアプリ ・[雲間] こちらはどなたでもお使いいただけるセレンディピティ的青空文庫発見アプリです。 ・雲間Instagram [参考文献] 書籍 📚[川端康成へ]/太宰治 ・引用文 ”私はいま、あなたと智慧くらべをしようとしているのではありません。私は、あなたのあの文章の中に「世間」を感じ、「金銭関係」のせつなさを嗅いだ。(中略)ただ私は残念なのだ。川端康成の、さりげなさそうに装って、装い切れなかった嘘が、残念でならないのだ。こんな筈ではなかった。たしかに、こんな筈ではなかったのだ。あなたは、作家というものは「間抜け」の中で生きているものだということを、もっとはっきり意識してかからなければいけない。” 出典『[もの思う葦]』/太宰治(新潮社) ・雲間案内文 文藝春秋に書かれた酷評に憤慨した書き手は、盲腸炎や肺の病で苦しんだ入院生活の顛末を明かしながら、友人檀一雄の勧めで「道化の華」という作品が川端康成のもとへ持ち込まれた経緯をたどり返す。 話題に出た作品・サービス [青空文庫の使い方とおすすめのスマホアプリまとめサイト] イノウエが使用したことがあるアプリ ​ [ソラリ]​ [Yom!青空文庫] 概念・補助資料 ・青空文庫 [現HP] [新館HP] [青空耕作員入口ページ] まず、「耕作員を志願される皆さんへ」に目を通してください。 ここに示された約束事を、受け入れられると思われた方は、reception@aozora.gr.jp宛に、以下のような内容のメールを送ってください。 ✉タイトル:同意します。 ✉文面:「耕作員を志願される皆さんへ」に示された文書に目を通しました。そこに示された、作業の進め方、ファイルの取り扱いなどに関する約束事に、同意します。(署名) (署名)の部分には、必ず「工作員(耕作員)として使う名前」を書いてください。あとで申し込みをするときも、この名前を使います。これには、本名を用いていただいても、仮名・ハンドルネームでも、かまいません。 メールを送付したら、続いて「入力受付システム」「校正受付システム」に進んで、作業を申し込んでください。 受け入れられないと思われた方は、申し込まないでください。 [耕作員マニュアル] 0.[著作権とはなんだろう] 1.[青空文庫が求めている作品] 2.[入力する作品を選ぶ] 2-1.[著作権が消滅した作家一覧] 3.[底本を選ぶ] 4.[本という財産を分かち合うために] ・青空文庫についてもっと知る ・[青空文庫ものがたり インターネット図書館の開設から今日まで] ・[直面した課題] ・[青空文庫のしくみ] [著作権保護期間の在り方について] 2018年12月30日、TPP11に関連する法改正で、著作権の保護期間が作者の死後50年から70年に延びました。保護期間を70年に延ばすかどうかの議論自体は、2018年に急に始まったものではなく、国際的には死後70年を採る国がすでに多く、2000年代から国内の審議会でも繰り返し取り上げられてきました。日本が実際に70年へ改めたのは、環太平洋の貿易協定(TPP11)にともなう法改正としてです。 [Public Domain Locked] 2019年の元日、青空文庫は毎年恒例の「Happy Public Domain Day!」のバナーを「Public Domain Locked」に差し替えました。 [番組内概念メモ] ##自分事 この回では、途方もないデジタルデータである青空文庫の中から、案内文によって読む動機(自分事化)がセレンディピティ的に起きるように語っている

  3. Aug 3

    022 非平衡状態で生きてんねん

    非平衡というものについて語りたいカワサキが、まずは生物と非生物の境目という話題から遠回りに会話を始めます。生物から散逸構造まで、生物学の話をベースに個体を作り出す外殻問題やAI倫理、自分ごとに捉えることがどういうことかなど、身の回りの生活に比喩を広げます。 [トピック] 生物非生物の境目 / 先人が作った生物の要件 / ウイルスとトランスポゾン / AIへどんなふうに語り掛けるか / シュレディンガーの定義 / 散逸構造 / そもそも熱力学っていうのは / 会社も一つの散逸構造 / 自分ごとにすることが全て / #自由研究 ●毎週火曜朝8時の基本週1回配信 ●気になるタイトルからチェックすべし/どこから聴いてもOKです ●ご感想は #ラキもくチャン #ラッキーもくもくチャンス でお願いします ●お頼り・ご依頼などはHPもしくはメールでお願いします ✉️lucky.mokumoku.chance@gmail.com   番組HP [参考文献] 書籍 📚電気羊はアンドロイドの夢を見るか?/フィリップ・K・ディック アンドロイドが人間と見分けがつかなくなった世界を描いたSF。 EP007でも登場。 📚生命とは何か/エルヴィン・シュレーディンガー 1944年に刊行。 物理学者シュレーディンガーが生物学を科学するような内容。 生物の中の秩序に着目する。 📚利己的な遺伝子/リチャード・ドーキンス 1976年刊行。 進化の主役は生物個体ではなく「遺伝子」であるという視点から、生物の行動や進化を説明する。 📚プロジェクト・ヘイル・メアリー/アンディー・ウィアー 2021年刊行。 太陽の死が近い宇宙を舞台に、科学的方法と知性、そして異なる存在同士が理解し協力する力こそが、人類最大の希望であることを描いたSF作品。 話題に出た作品・サービス 📺Sonny Boy マッドハウス制作によるテレビアニメ作品。2021年7~10月の間で放送。 世界を漂流する少年少女のモラトリアムを描く。 🎵サニーボーイ・ラプソディ/toe Sonny Boyの第12話挿入曲。おすすめ。 🎬羅生門/黒澤明⁠ 1950年公開。原作は芥川龍之介。 芥川龍之介の『藪の中』を物語の骨格とし、『羅生門』の舞台・世界観を組み合わせ、さらに黒澤明と橋本忍がオリジナルの結末を加えることで、「真実とは何か」「人間は信じられるのか」という普遍的なテーマへ昇華した作品 概念・補助資料 ウイルスとトランスポゾンの関係 ウイルスとトランスポゾンの類似性やウイルス由来の生物の身体機能がわかりやすくまとめられています。 ヤクルトが運営するメディアに載っているのが面白い。 カントにおける動物への間接的義務 カントの動物倫理に対する立場がわかりやすくまとめられています。 散逸構造 熱力学的に平衡でない状態にある開放系構造を指す。 イリヤ・プリゴジンが提唱し、1977年にノーベル化学賞を受賞した。 非平衡状態 平衡状態でない状態のこと。 A→Bというふうに状態が変化する間の状態。 熱力学・統計力学において、非平衡状態について考えることは難易度が上がります。会話で話しきれませんでしたが、比喩として自分の生活について考えることも、これに似ているように思います。生活が平衡状態であることをいつでも望んでしまいますが、実は常にゆっくりと変化する非平衡状態。留まることはできず変化し続けているのが今の自分であることに意識的でありたいと感じています。それを意識させてくれるものの一つが味噌づくりなのかもしれません。(カワサキ) [番組内概念メモ] ##自分事

  4. Jul 27

    021 アンパンマンが世界を救ってるんじゃないジャムおじさんが世界を救ってるんだ説/団体行動と単独行動

    集団行動における特有の違和感と、個人での裁量が大きい配達業務に見出した充足感について語り合いました。二人とも共通して「団体行動が苦手」という認識を持ちつつ、他人といることで思考リソースが削られ、知能が低下したように感じる(プスンとなる)感覚や、周囲の空気を読みすぎて「ピエロ」を演じてしまう心理的な葛藤が議論されます。 #ピエロ #ハンドリング [トピック] ワールドカップ日本代表と個の力/集団移動のペースと位置取り/カラオケの初手入れの責任感/人といるとリソースが奪われるプスン現象/脆弱な処理能力/ピエロ的仮面による精神安定/マッサージ店での我慢/器用貧乏偏差値53/配達業のゲーム性/ラストワンマイル問題/配送インセンティブ設計/Amazon配送システムと労働の未来/ジャムおじさんとアンパンマンに例える組織論 ●毎週火曜朝8時の基本週1回配信 ●気になるタイトルからチェックすべし/どこから聴いてもOKです ●ご感想は #ラキもくチャン #ラッキーもくもくチャンス でお願いします ●お頼り・ご依頼などはHPもしくはメールでお願いします ✉️lucky.mokumoku.chance@gmail.com 番組HP:https://luckymokumokuchance.github.io/podcast-graph/ [参考文献] 概念・補助資料 Windows Vista すぐに処理が追いつかなくなったりフリーズしたりしてしまうカワサキの脳の脆弱さを、動作が重いことで知られたOS”Windows Vista”に例えて自虐的に説明しています 生しらす丼 人間味のある交流や、自由な裁量を持って働いていた配送員時代の充実感の象徴 大変お世話になった江の島の[海花亭](https://www.fujisawa-foodies.jp/search/detail.php?shop_id=1600060) [郵政民営化](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%B5%E6%94%BF%E6%B0%91%E5%96%B6%E5%8C%96) 郵政民営化(ゆうせいみんえいか)は、従来国営で行われてきた郵政事業の組織構成を組み換えて、民間企業に改編することである。郵政民営化においては郵便事業の民営化と郵便局の金融業の民営化が存在している。 ラストワンマイル問題 ラストワンマイル問題とは、物流センターや店舗から消費者の自宅へ商品を届ける最終配送区間において、ドライバー不足、再配達の増加、積載効率の低下などが原因で配送効率が著しく悪化する課題です。EC市場の急拡大により深刻さを増しています。 [番組内概念メモ] 根性論的駆け引き 「後ろから抜かれそうなら抜かれないようにする」「前の背中が見えたら追い越す」など、相手との純粋なパワー勝負や根比べで完結するシンプルな競い合い単純な勝負 ##コミュニケーションにおける自転車操業 自分の弱みを開示せず、精神的な借金をするように無理な気遣いを重ねてその場を凌ぎ続ける状態/本当の自分を隠して小手先の対応でコミュニケーションを維持し、精神的に余裕がないまま走り続けている状況 頑張んない方がいいっていうインセンティブ設計 出来高制ではなく日給制が採用されている場合、どれだけ効率を上げても報酬が変わらないため、一生懸命働く動機(インセンティブ)が構造的に欠如している状態 労働者の意欲よりも、管理のしやすさやコストカットが優先されている現状を批判的に捉えた言葉 ##アンパンマンが世界を救ってるんじゃないジャムおじさんが世界を救ってるんだ説 最前線で戦うアンパンマン(フロントマン)を支え、後方で装備や環境を整えるジャムおじさんのような立ち位置こそが、組織におけるカワサキのバリューであり生存戦略であるという持論

  5. Jul 20

    020 コンセプトってなんなん?

    クリエイションツールとしてのコンセプトはどうあるべきか。都市計画やコンテンツ制作におけるコンセプト文鑑賞を経て、評価をするための軸を作ります。カワサキがもんもん考えて持ってきたメンドクサ回です。#自由研究 [トピック] 二人の住所のコンセプト文 / コンセプト文の事例収集 / 直感的コンセプト文のよしあし / ポジティブ項目とネガティブ項目 / コンセプト文における世界定め / 反証可能性との類似性 / 誠実さと射程の長さ / ラッキーもくもくチャンスのコンセプト批評 ●毎週火曜朝8時の基本週1回配信 ●気になるタイトルからチェックすべし/どこから聴いてもOKです ●ご感想は #ラキもくチャン #ラッキーもくもくチャンス でお願いします ●お頼り・ご依頼などはHPもしくはメールでお願いします ✉️lucky.mokumoku.chance@gmail.com   →番組HP [参考文献] 話題に出た作品・サービス 世田谷区のコンセプト文 「持続可能な未来を確保し、あらゆる世代が安心して住み続けられる世田谷をともにつくる」 世田谷区基本計画(令和6年度~令和13年度)の第3章 基本方針から抜粋 中野区のコンセプト文 「つながる はじまる なかの」 中野区基本構想(令和3年3月23日改定)の2.10年後に目指すまちの姿から抜粋 🎬Alian 1979年 大型宇宙船の薄暗い閉鎖空間の中で、そこに入り込んだ得体の知れないものに乗組員たちが次々と襲われる恐怖を描いたSFホラーの古典 リドリー・スコット監督・ダン・オバノン脚本 オバノンがプロットを持ち込む際、"Jaws in space"として売り込んだ。 概念・補助資料 反証可能性 「誤りをチェックできるということ」または「科学的理論は自らが誤っていることを確認するテストを考案し、実行することができる」という科学哲学の用語 科学の必要事項として科学哲学者カールポパーが2002年ごろに提唱。 世界定め 江戸歌舞伎には「世界定め」という重要な約束事があった。「何の世界の物語で行こうか」という約束。 この「世界」は、おおざっぱには時代・お家・世話・男伊達といった大分類にもとづいていて、これがさらに細分化され、たとえば時代でいえば曾我物・六歌仙物・太平記物など、いくつもに分かれる。 一説では二代桜田治助が書きのこしたといわれる「世界網目」では、時代で四十七の世界が、お家で十八、世話で五十二が、男伊達で九つの世界があがっている。 一座はこのうちのどれで興行をするのか、まずは「世界」というワールド・モデルを定めた。 📚知の編集工学 / 松岡正剛 より 砂場型ものづくり ゴールがなく、作っては壊すプロセス自体を楽しむスタイル 他者への価値説明は難しいが、個人の探求に適している。 📚つくるをほぐす/山内佑輔 より [番組内概念メモ] コンセプト文 何かを複数人で時間をかけて作る際、事前に文章化しておく方針のこと。 キャッチコピーとは、決めることと作ることの順序において区別される。 誠実さと射程の長さ コンセプト文の良し悪しを測るためにカワサキが設定した評価軸。 誠実さは、コンセプト文を決めた人以外が独立していかに行動判断できるか。 射程の長さは、実現できたときの世界に与える影響がいかに大きいか。

  6. Jul 13

    019 作家性はどこに宿るのか/AIとスティグマ

    アニメ『サマータイムレンダ』をみて、物語の普遍的な構造と生成AI時代の創作の在り方について話しました。物語における一定のテンプレートが存在する一方で、AIが生成する文章や画像に宿る「無難さ」や、作家性の欠如に対する違和感が議論されます。 どれだけテクノロジーが進化しても、特定の個人との対話や、矛盾を孕んだ個性が生む「作家性」こそが、AIには代替しきれない価値として宿るのではないかという洞察が示されています。 #デジタル民藝 [トピック] サマータイムレンダと鬼滅の刃の共通点/物語の普遍的構造とスティグマ(傷跡)/AI使用小説のニュース/「限界突破」というテンプレート/カーボベルデ対アルゼンチン戦の感動(アンダードッグ効果)/人間とAIの境界線/AIメールの「無難さ」と人間らしい雑みの価値/生成AIの学習プロセスと著作権/AIによる仕事の効率化と労働の未来/Claudeの最新モデル(Fable 5)と米国の輸出規制/AIあるいは無機物への命名と愛着/昔の知人とするAIについての会話/カワサキとイノウエの収録時のスタンスの違い ●毎週火曜朝8時の基本週1回配信 ●気になるタイトルからチェックすべし/どこから聴いてもOKです ●ご感想は #ラキもくチャン #ラッキーもくもくチャンス でお願いします ●お頼り・ご依頼などはHPもしくはメールでお願いします ✉️lucky.mokumoku.chance@gmail.com 番組HP:https://lucky-mokumoku-chance.studio.site/1-1 [参考文献] 書籍 ・フラジャイル(松岡正剛) 英雄譚における「弱さ」や「傷」の象徴性についての言及があります ・夢水清志郎事件ノートシリーズ(はやみねかおる) 探偵物のエッセンスや、児童文学におけるミステリーの魅力について語られています ・怪盗クイーンシリーズ(はやみねかおる) AIに名前(RD)をつけて相棒にするという設定が、AIへの愛着の原点として紹介されています 話題に出た作品・サービス ・サマータイムレンダ 和歌山の島を舞台にしたSFホラー。タイムリープを通じて世界を救う物語の構造が議論の起点となりました 島の名前は『日都島』 ・ツインピークス アメリカのテレビドラマ デイヴィッド・リンチ監督作品 都会から遠く離れたツインピークスという別天地で行われるミステリー群像劇。女子高生の変死体が見つかり、その真相を主人公のデイル・クーパー特別捜査官が追っていく。捜査が進むにつれ、事件の真相と共に、ツインピークスという場所の不可解な点が次々と判明していく。 クーパー捜査官は捜査内容を小型のテープレコーダーに逐次記録をするが、そのときはまるでダイアンという女性に電話をするように録音をする。 概念・補助資料 ・物語におけるスティグマ(聖痕・象徴的な傷跡) 例:『鬼滅の刃』/『ハリー・ポッター』/『るろうに剣心』など スティグマとは、英雄が境界(生と死・日常と非日常・子供と大人など)を越えた証として身体に刻まれる傷や印である。単なる怪我ではなく、過去の悲劇や宿命、力、罪、使命を一つに象徴する記号として機能する。 人は傷を見ると、その人物の「語られていない過去」を自然と想像するため、読者は英雄を普通の人間ではない存在として直感的に認識する。また、その傷は多くの場合、恩恵(力・選ばれた証)と代償(痛み・呪い・喪失)の両方を表し、「代償なくして英雄にはなれない」という神話的な構造を示している。 さらに、英雄が傷を抱えながら生き続ける姿は、読者自身の消えない傷や挫折、喪失体験を投影する対象となり、「傷があるからこそ前へ進める」という共感や憧れを生み出している。 ・物語における死に戻り(死を代償としたタイムリープ) 例:『サマータイムレンダ』/『All You Need Is Kill』/『Thisコミュニケーション』など 死に戻りとは、主人公が死を代償に時間を巻き戻し、悲劇を回避しようとする物語構造であり、「やり直し」の力ではなく死を受け入れる覚悟が英雄性として描かれる。主人公だけが死や失敗の記憶を積み重ねるため、その能力は恩恵であると同時に**誰にも共有されない精神的な傷(トラウマ)**という代償を伴う。読者は「人生をやり直したい」という普遍的な願望を重ねながらも、何度絶望しても大切なもののために立ち上がる意志に共感し、主人公へ自己を投影する。 ・物語におけるアンダードッグ効果(弱者への共感) 例:ワールドカップのカーボベルデ対アルゼンチン戦を例に、弱者が強者に立ち向かう姿に人が感動する心理が語られています アンダードッグ効果とは、才能や地位、環境などで圧倒的に不利な主人公を描くことで、読者の共感や応援したいという感情を引き出す物語構造である。不利な状況だからこそ、小さな成長や努力、一つひとつの勝利に大きな価値が生まれ、主人公の成功が強いカタルシスにつながる。読者は主人公に自分自身の不安や挫折、理想を投影し、「弱い自分でも努力や信念によって運命を切り開けるかもしれない」という希望を感じる。 会話の中でカワサキが「カンガンシュギ」という謎の言葉を発していますが、同様の意味の「判官贔屓」の間違いです。   スティグマ … 「傷」を抱えた英雄 死に戻り … 「トラウマ」を抱えた英雄 アンダードッグ … 「弱さ」を抱えた英雄 ・AI小説、星新一賞を席巻 人間と区別つかず「人力小説部門」も議論 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD0684S0W6A400C2000000/ AI作品の急増に対し、人間のみが執筆した作品を区別しようとする新しい出版の試みです ・コモンウェルス短編小説賞 https://gigazine.net/news/20260622-prize-ai-story/ 2026年度受賞者発表において、受賞した5作品中3作品が「生成AIで書かれた可能性が高い」と指摘される事態が発生しました。騒動を受け、コモンウェルス短編小説賞の受賞作をオンラインで公開している文芸誌のグランタは「今後編集権がない状態で作品を掲載しない」と発表し、10年以上続いたコモンウェルス短編小説賞受賞作の掲載をやめることを表明しました。 ・カーボベルデ(人口全然間違えてました) カーボベルデ共和国は、西アフリカの沖合の大西洋上に浮かぶ10の島々からなる島国。滋賀県とほぼ同じ面積(約4,000平方キロメートル)に国民は約60万人 ・生成AIの著作権と学習プロセス 絵画における画風の学習が「パクリ」に当たるかどうかの倫理的議論です ・江崎貴裕氏 生成AIが変える世界を紐解くINFRA MECHANISM -時代を生き残るための7つの戦略- ・米国の対外輸出規制 AIモデルの利用を米国籍者に限定しようとした政府と、それに反発したAI企業のやり取りについてです [番組内概念メモ] ・AIメールの「無難さ」と「雑み」 AIが生成する完璧すぎる文章よりも、人間らしい矛盾や崩れた表現に価値を見出す視点 ・作家性/その人性 AIという道具を使っても、最終的にその人の人性やこだわりが滲み出ているかどうかが重要であるという考え ・デジタル民藝 特定の個人が作った機能やこだわりに愛着を感じる、AI時代の新しい創作物の捉え方 ・味噌づくり Claude Codeの開発者のBoris Chernyが、「将来AIに仕事を奪われた後何がしたいか?」という質問に「味噌づくり」と答えたことから生まれた概念。 急いで結果を求めることができず、日々習慣的に蓄積していくような行いのこと。前提として人類の行いがどんどん短期プロジェクト化していることがあり、それにより相対的に重要度が増しているように感じる。 砂場型のものづくりと隣接概念。 提唱回がボツになったため、今回がおそらく初出。 ・無機物への命名欲求 怪盗クイーンのRDやクーパー捜査官のダイアンのように、機械に名前を付けて呼びかけることに小さなころから憧れがある。根本で機械と生物を区別不可能だと思っているのかも。(カワサキ) ・自己矛盾の肯定 一貫性に縛られず、自分の中にある矛盾を抱えたまま対話することの人間らしさ

  7. Jul 6

    018 タグ爆発とブリコラージュ/松岡正剛と読書メモ

    読書メモのタグ付けから始まった話が、気づけば「人はどう世界を分類するのか」「編集とは何か」という問いへ。 タグを増やしすぎて破綻する問題、AIに分類を任せきれない理由、自分だけの思考マップを育てる楽しさについて語ります。 さらに、松岡正剛の「ブリコラージュ」や『つくるをほぐす』の「砂場型」という考え方から、完成を目指すのではなく、変化し続けるプロセスそのものを楽しむ創作スタイルを考えます。 自作読書メモアプリは、整理するための道具ではなく、過去の自分と現在の自分が出会い直すための「思考のアーカイブ」なのかもしれません。 [トピック] 松岡正剛の展示で見た「多重なマーキング」と知の編集工学/タグが増殖して破綻する「分類の限界」/タグではなく「マップ」/個々人で違う切り口的編集/過去の自分と再会する「編集履歴」/ブリコラージュという創作スタイル/完成を目指す「折り紙型」と、過程を楽しむ「砂場型」/人生に「完成した状態」は存在するのか/料理だけは完成できる編集だった/自作読書メモアプリはデジタル民藝になれるか/思考を2次元で繋ぐ「概念マップ」/ジョグ型編集とスプリント型編集 ●毎週火曜朝8時の基本週1回配信 ●気になるタイトルからチェックすべし/どこから聴いてもOKです ●ご感想は #ラキもくチャン #ラッキーもくもくチャンス でお願いします ●お頼り・ご依頼などはHPもしくはメールでお願いします ✉️lucky.mokumoku.chance@gmail.com   番組HP:https://luckymokumokuchance.github.io/podcast-graph/ [参考文献] [書籍] ・編集力 千夜千冊エディション /松岡正剛(角川ソフィア文庫) 管理しきれない読書メモを扱うヒントとして購入。独自の繋げ方や「ブリコラージュ」という概念に自身の活動との接点を見出している ・フラジャイル/松岡正剛(筑摩書房) 日本では夕暮をもっぱら「たそがれ」という。 これは「誰そ彼」(Who is he?)である。文明本節用集にはそのほか「誰別」という綴りもあったとしるしている。これにたいして明方は「かはたれ」で、「彼は誰」(He is who?)と綴る。いずれも人の様子が見分けにくい刻限をいう。夕暮には辻や巷を行きかう人々の姿はなかばシルエットになり、それぞれの分別がつきにくく、表情や輪郭がぼけてくる。そこで「あれは誰だろう」という微妙な気配だけが行きかうことになる。そのタ暮を万葉人はタマフリ(魂振り)のひとときとみなし、江戸の町人は夕涼みにあてた。フラジャイルな仄暗い光が人々をどこかにいざなったのである。 P143より ・つくるをほぐす/山内佑輔(英治出版) 図工の先生だった著書が造形対話という取り組みを提案する本。ものづくりを「折り紙型」と「砂場型」に分ける視点が、自身の創作スタンスを理解する助けとなった ・<ほんもの>という倫理/チャールズ・テイラー(ちくま学芸文庫) 本物っぽさ問題から手に取った本。面白すぎていろんな本と紐づけてしまっている。 リンク:011 月が綺麗ですねとVOGUE ・知の編集工学/松岡正剛(朝日新聞出版) アプリ作りに活かすため、これから読んで吸収したいと考えている、今まさに「旬」な一冊 [話題に出た作品・サービス] ・松岡正剛 憧れの対象。展示会で見せた「多重なマーキング」や独自の繋げ方に刺激を受け、自作アプリの開発やタグ管理の思想に影響を与えている ・千夜千冊 松岡氏による膨大な書評アーカイブ。 ・バーセル(vercel) 自作読書アプリのフロントエンド移行先。GASやスプレッドシートをバックエンドに組み合わせたトリッキーな構成で使用 ・ミロ(Miro) オンラインホワイトボード。自作アプリに追加した「2次元的にカードを配置し、自由に繋ぎ合わせる機能」のイメージとして引き合いに出された ・自作読書メモアプリ デモ版はこちら  ・繋がりマップ画像(HPで見れます) 本同士の接続を2次元のグラフビューで可視化する機能。なぜ繋がっているかの理由も記録でき、見返すのが楽しいマップとなる ・折り紙型 手順とゴールが明確で、結果の良し悪しが評価に直結するスタイル。教育現場で絵が嫌いな子を生む原因としても語られた ・砂場型(プロセス型) ゴールがなく、作っては壊すプロセス自体を楽しむスタイル。他者への価値説明は難しいが、個人の探求に適している ・長谷川あかり( X ) 長谷川氏のXで定期的にあげられるレシピが美味しそうすぎて料理をする機会が増えた。「完成」を定義するのが苦手な話者が、料理を通じて手順と完成の喜びを味わっている ・鶏ひき肉の薬味たっぷり出汁カレー [概念・補助資料] ・編集 ゴールのある作業か、終わりなきプロセスか。 ・ブリコラージュ 引用:編集力/松岡正剛より 中村はずっと以前から、一冊の著作のなかでさえ自身の思索の変遷変化を粘り強く追跡するという、特異な記述方法を貫いてきた。(中略) 「気づき→訂正→拡充→飛躍→確認→新しい拠点の提示」という、いわばスパイラルに進んでいく記述の仕方をかたくなに守ってきた。(中略) レヴィ=ストロースはそれをブリコラージュ(修繕と設計)と名付けたけれど、そのブリコラージュの意図と痕跡を消さないでおくという方法 [個人メモ] ・ガントチャート式ヒストリー(切り口の履歴) タグの変遷や、特定の時期にどの概念が強かったかを時系列で可視化したいという、タグ管理のアップデート案 [番組内概念メモ] ・タグ管理問題 「タグって切り口だから。俺の切り口でやっとく意味があるだけで、AIにやってもらったりするのは何の意味もない」 ・ジョグ型編集 編集するために走るのではなく、走り続けた結果として編集が起きる  ≒砂場型 ・スプリント型編集  締切や目的を設定する/短期間で形にする/完成形を目指す/評価可能なアウトプットを作る ≒折り紙型

  8. Jun 29

    017 録ってみてわかる自分の話し方

    自分の声が洞窟の中にいるようにこもって聴こえるカワサキと、日常生活から喉を酷使して声を張り上げているイノウエ。正反対の声質を持つ二人が、自身の「話し方」や「思考のルート」の個人差について話します。 [トピック] お互いの声質の対比 / ”黒子のバスケ”的会話のパス回し / オンライン収録の難しさと編集の魔術 / さむわんへるつの感想 / 恋愛リアリティショーにみる「記号」の出会い / 転職後の「どの記号を出すか」問題 / 憧れの不在について / 最近気に入ってるアニメと音楽 ●毎週火曜朝8時の基本週1回配信 ●気になるタイトルからチェックすべし/どこから聴いてもOKです ●ご感想は #ラキもくチャン #ラッキーもくもくチャンス でお願いします ●お頼り・ご依頼などはHPもしくはメールでお願いします ✉️lucky.mokumoku.chance@gmail.com   →番組HP [参考文献] 書籍・作品・サービス 藤巻忠俊『黒子のバスケ』 2009年2号 - 2014年40号 高校バスケットボールを題材とした漫画作品。 影の薄い主人公・黒子テツヤさ、存在感のなさを逆手に取った見えないパス回しを武器に戦う。 水野太貴『会話の0.2秒を言語学する』 新潮社、2025年。 会話の順番交代(ターンテイキング)の間には平均0.2秒の時間があり、その間に起きる様々な駆け引きについて、言語学内の分野を横断しながら語る本。今回のエピソードではポッドキャストの編集作業中での話と関わった。ポッドキャストでは会話の間を後から削ることで、ターンテイキングにかかった時間を調節できる。その調節によって、会話の内容は変わらなくても、会話が持つ雰囲気が大きく変わることに気づいた。 ヤマノエイ『さむわんへるつ』 週刊少年ジャンプ2025年42号から連載開始 リスナー仲間でライバル関係にある2人の真夜中に紡がれる青春模様を描いたラジオラブコメディ。 主人公ミメイくんの優しいツッコミに夢中になってそうなヒロインくらげちゃんがかわいい。 EP015でも話題に挙がっている。 時計仕掛けのマリッジ 3名の女性が総勢30名の"ハイスペック男性"の中から30日間の期限付き婚活に挑む、ABEMAの恋愛リアリティーショー。 記号・属性のみで選んだ相手とどう関係性を作っていくのかという視点からイノウエがハマっている。 異国日記 ヤマシタトモコ 『FEEL YOUNG』(祥伝社)にて、2017年7月号~2023年7月号まで連載。 一人で生きていける35歳の小説家の女性と、両親が亡くなり小説家に引き取られた15歳の姪の物語。なかなか理解し合えない思いを抱えながらも、二人がお互い真っ直ぐに向き合い、変化していく姿が描かれる。 カワサキは2026年に放送されたアニメで知った。後述のBialystocksの音楽が随所で流れる。 Bialystocks 日本のオルタナティヴ・ロックバンド/ポップ・デュオ(?) 映画監督でもある甫木元空の作品である映画『はるねこ』の生演奏上映会をきっかけに菊池剛が集めた同世代ミュージシャンら4人により2019年結成。 2021年、甫木元と菊池の2人編成となり、2022年、アルバム『Quicksand』でメジャーデビュー。 カワサキの今一番好きな曲は『Upon you』。 MoveMic One Shure社のワイヤレスピンマイク。 今回イノウエが収録に使用。 概念・補助資料 書簡体小説 登場人物の手紙を連ねることによって間接的にストーリーが展開していく小説の形式。 カワサキの念頭には書簡体小説である森見登美彦「恋文の技術」があり、あとがきで森見は夏目漱石の書簡集への憧れを語っている。 [番組内概念メモ] 電話体ラジオ ラジオ収録を電話で行えば、オンラインで行え、より聴き手と近い感覚で会話できるのではという仮説。前述の書簡体小説を意識して命名。

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喫煙所でたまたま隣になった人の会話を、覗くようなポッドキャスト。
本の話、芸人の話、サーカスの話。
あるいは、煙のように消える会話。 テーマ未定、方向性未定、ただ楽しく会話したいだけ。 ●毎週火曜朝8時の基本週1回配信 ●気になるタイトルからチェックすべし/どこから聴いてもOKです ●ご感想は #ラキもくチャン #ラッキーもくもくチャンス でお願いします ●お頼り・ご依頼などはHPもしくはメールでお願いします ✉️lucky.mokumoku.chance@gmail.com 番組HP:https://luckymokumokuchance.github.io/podcast-graph/

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