エンタメビジネス実況中継

朝日けけ。

エンタメ業界で15年、漫画・アニメ・ゲーム・キャラクターIPの新規事業を立ち上げてきた朝日けけが、いまそこで起きているビジネスの動きを毎回1つピックアップ。ひとりで、ときにはゲストとともに30分語り続けます。分析でも解説でもない、「実況中継」です。 asahikeke.substack.com

  1. 1d ago

    Netflix『俺のこと、なんか言ってた?』感想。「忘れられた大物俳優おじさんの人生の棚卸し」が面白い。

    「忘れられた大物俳優は、人生の何を数え直すのか。」 Netflix『俺のこと、なんか言ってた?』を完走しました。役所広司さん演じる大物俳優・高瀬川玄は、2年ぶりに帰国すると世間からも家族からも忘れられていました。最初は承認欲求の強い男のコメディとして観ていたのに、途中から別の面白さが見えてきました。 仕事で出会う「あれは俺がやったんだよ」と過去を語る人たち。高瀬川は、その極端な姿にも見えます。ところが彼には、過去の栄光を確かめてくれる人が誰もいません。肩書きや評判は、実は他人の記憶に預けてあるだけだった。その設定が、人生の棚卸しにつながります。 資産だと思っていたものは強がりで、借り物だと思っていた進路には父親の愛情がありました。さらに、家族に払ってこなかったものは、彼の中に残っています。仕事だけでなく、親、妻、子供との関係まで並べ直す姿に、笑いながら元気をもらえる作品だと思いました。 今回は10月26日公開の無料記事をもとに、宮藤官九郎さんと磯山晶さんのシリーズを、人生の棚卸しという見方から話します。物語の展開と『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の結末に触れます。本作の結末には触れませんが、鑑賞後に聴くことをおすすめします。 ▼話したこと ・役所広司主演の全8話。世間と家族から忘れられた俳優が再起を目指す ・過去の仕事を自慢するおじさんと、承認欲求の強い主人公が重なる ・スパイダーマンと逆向きの忘却が、自分の過去を証明する手段を奪う ・栄光、父親の愛情、家族への借りを、3つの棚卸しから見つめ直す ・転生せずに周囲の記憶がリセットされ、同じ体で人生をやり直していく ▼note記事 Netflix『俺のこと、なんか言ってた?』感想。「忘れられた大物俳優おじさんの人生の棚卸し」が面白い。 https://note.com/keke_ent/n/n942612f1497f ▼朝日けけ。 note:https://note.com/keke_ent メンバーシップ:https://note.com/keke_ent/membership Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe

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  2. 3d ago

    KiiiKiiiのMVが古く見えない理由。大人には懐かしく、彼女たちには新しいから。

    「懐かしい画面なのに、KiiiKiiiのMVは古く見えない。」 KiiiKiiiのMVには、大草原、昔のゲーム画面、ガラケー、旅行サイトの予約画面が登場します。使われる素材の時代は2000年代後半から2010年代なのに、見せ方は作品ごとに変わる。その変化を、デビュー曲から4本の映像をたどって考えました。 気になったのは、大人には懐かしいはずの画面が、不思議なくらい新しく見えることでした。当時の服や小道具を並べるだけではなく、写真を飾ったり、画面を操作したりする遊び方まで作品になっています。映像を見ていない方にも、その場面が伝わるように話します。 5人のメンバーは2005年から2010年生まれ。大人にとっての思い出のネット文化を、彼女たちは知らない時代の新しいおもちゃとして使っています。その世代の違いが、懐かしさを再現するだけでは終わらない、身軽な表現につながっているとわたしは見ています。 今回は日本初ワンマンに合わせて書いた10月25日の無料記事から、実写、ネットの記憶、平成のデコ文化、ウェブ画面へと広がる世界観をたどります。NewJeans以降のK-POPで求められる完成度も踏まえながら、KiiiKiiiならではの映像の作り方を考えました。 ▼話したこと ・ティザーなしで公開したデビューMVは、大自然と5人の存在感が主役 ・「404」は行き止まりのエラーコードを、座標のない自由に読み替えた ・ガラケーのコマ撮り映像は、小道具だけでなく当時の遊び方も映す ・旅行予約の画面を操作することが、MVの物語を前に進めていく ・2005〜2010年生まれのメンバーが、知らない時代のネットで遊ぶ ▼note記事 KiiiKiiiのMVが古く見えない理由。大人には懐かしく、彼女たちには新しいから。 https://note.com/keke_ent/n/n374ecfa06b45 ▼朝日けけ。 note:https://note.com/keke_ent メンバーシップ:https://note.com/keke_ent/membership Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe

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  3. 5d ago

    ILLITは初動最下位でもSpotify1位。10/26同日カムバックのIVE・ILLIT・RIIZEは、勝っている場所が違った。

    「初動で負けているILLITが、Spotifyでは1位。」 2026年10月26日、IVE・ILLIT・RIIZEが同じ日にカムバック。発売から7日間のアルバム売上、Spotifyの月間リスナー、日本のドーム公演の動員を並べると、3組の1位はすべて違いました。同じ日の新作でも、比べる数字によって見える姿が変わります。 気になったのは、アルバムの初動がいちばん少ないILLITに、Spotifyでは圧倒的に多くのリスナーがいることです。売れた枚数だけで人気を判断すると、毎月曲に出会っている人たちの広がりが見えなくなります。数字の中身を1組ずつ確かめてみました。 RIIZEはアルバムが出る週に売上が集まり、ILLITは世界で聴かれる人数に強みがあります。IVEは韓国の初動が減る一方で、日本のドーム動員を伸ばしていました。3組が勝っている場所を分けると、今回のリリースで注目したい点も、それぞれ変わってきます。 今回は10月23日の無料記事をもとに、初動、ストリーミング、日本のライブという3つの数字から、グループごとの勝ち方を考えます。Spotifyの月間リスナーは10月21日時点の記録です。発売後の結果を予想する前に、比べる数字の意味を整理しました。 ▼話したこと ・RIIZEとILLITは2回目の同日リリース。今回は新作の形式も違う ・平均約105万枚のRIIZEは、アルバム発売週の売上に強さが集まる ・ILLITの月間リスナーは約1,932万人。初動と逆の順位になる ・韓国の初動が減ったIVEは、日本のドームで約12.7万人を集めた ・初動・Spotify・ライブで勝者が変わる、3組の数字の見方 ▼note記事 ILLITは初動最下位でもSpotify1位。10/26同日カムバックのIVE・ILLIT・RIIZEは、勝っている場所が違った。 https://note.com/keke_ent/n/naa0ad0d59485 ▼朝日けけ。 note:https://note.com/keke_ent メンバーシップ:https://note.com/keke_ent/membership Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe

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  4. Sep 25

    ミン・ヒジンは「自分が欲しいもの」しか作らない。

    「表紙の依頼を断ってきた人が、なぜ今回は受けたのか?」 2026年9月発売の『Casa BRUTUS』に、ミン・ヒジンさんが登場しました。韓国の雑誌からの表紙依頼は断ってきたと話す彼女が、今回は自宅を公開し、26ページの特集にも参加しています。その理由を、編集長と出演したラジオ番組で語っていました。 わたしはNewJeansが大好きです。曲やダンスだけでなく、全体を貫くクリエイティブにも惹かれてきました。だから今回の話を聞いて、ミン・ヒジンさんが何を基準に仕事を選び、仲間へ意図を伝えているのか、改めて考えました。 表紙を引き受ける判断、ooak recordsの名前、コラボグッズ、東京ドーム公演でのスタッフへの任せ方。別々に見える行動の根には、「自分が欲しいもの、自分がお客さんなら体験したいものを作る」という同じ基準があります。 今回は記事で挙げた10の選択を、耳で追える順番で話します。なぜ表紙を受け、どんな相手と組み、なぜ計画を決め切らないのか。本人の発言と具体的な仕事をたどりながら、この基準がビジネスの中でどう働いているかを考えます。 ▼話したこと ・韓国誌の表紙を断ってきたミン・ヒジンが、Casa BRUTUSの取材を受けた理由 ・ooak recordsの名前に込めた「誰でもOK」と、直感で決める命名の基準 ・古いレコードとMF DOOMを同じ棚に置く、ジャンルに縛られない好み ・everyone okのグッズを、売上より記憶に残る記念品として作る考え方 ・東京ドーム公演で細部を指示せず、全体の意図をスタッフに渡した結果 ・組む相手も計画も決め切らず、欲しいものに出会う余白を残す理由 ・自分が欲しくないものは売らないという、本人が語ったビジネスの哲学 ▼note記事 ミン・ヒジンは「欲しいもの」しか作らない。 https://note.com/keke_ent/n/nb9eb3e1fa65e ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe

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  5. Sep 23

    Netflix『ダウンタイム』完走レビュー 患者8人に見る「仕事」のための美容整形。感想・考察・ネタバレ

    「患者8人の半分は、仕事のために顔を変えた。」 Netflixシリーズ『ダウンタイム』では、患者が1人ずつ美容外科を訪れ、手術を受け、去っていきます。美容整形の闇を暴く業界ドラマに見えましたが、1話の声優志望・田中善子のエピソードから、わたしの見方が変わりました。 声の仕事なのに、顔で落とされる。顔を変えるお金を作るため、彼女はパパ活をする。痛々しい手術よりも、その構造のほうが見ていられませんでした。そこで手術の内容ではなく、患者がなぜ整形するのかを数えてみました。 公式相関図に載る患者8人のうち、4人の理由は仕事でした。声優、インフルエンサー、キッズYouTuber、東京都知事。顔が商品になる人にとって整形は体への設備投資であり、仕事を失うことは生きる場所を失うことと同じです。 一方で、尊厳のための美と、病としての美も登場します。同じ手術が投資にも、救いにも、害にもなる。今回は患者8人の理由を手がかりに、美容整形を肯定も否定もしない本作の構造と、後半で医師自身が患者になっていく仕掛けを考えます。 ▼話したこと ・声優志望の田中善子が、声の仕事のために顔を買おうとする苦しさ ・患者8人を理由で分類すると、4人が仕事、1人が尊厳、1人が病だった ・顔が商品になる人にとって、美容整形は自分の体への設備投資になる ・同じ手術が投資、救い、害に分かれ、肯定か否定かでは切れなくなる ・前半の患者の物語が、後半では親に縛られた2人の医師へ返ってくる ・『アンメット』の医療ドラマ文法と『孤狼の血』の脚本が重なる設計 ・血と名前が分かれた最終話から考える、シリーズ・ツーの始まり方 ▼note記事 Netflix『ダウンタイム』完走レビュー 患者8人に見る「生きるため」の美容整形。感想・考察・ネタバレ https://note.com/keke_ent/n/n14ab824a2756 ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe

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  6. Season 1, Episode 56 Trailer

    2026年の新作アニメ、原作の半分以上はWeb発。アニメ原作マップを更新。

    「新作アニメの原作、半分以上はWeb発でした。」 2026年に初めてアニメ化される作品は、もともとどこで生まれたのか。紙の漫画誌、漫画アプリ、小説投稿サイトなど、原作が最初に世に出た場所をたどる「アニメ原作マップ」を、秋の放送予定まで加えて更新しました。 前回の8月8日版では146作品を調べましたが、秋アニメはまだ出そろっていませんでした。そこで今回は、新たに25作品を追加。年間171作品に広げるとともに、秋開始58作品の中身も別の角度から整理しています。 更新後も、Web漫画・アプリと小説投稿サイトを合わせたWeb発は54.4%。作品が25本増えても、前回の54.1%からほぼ動きませんでした。一方、秋の58作品には新規33本と既存系25本が混在しています。 今回は、原作がどこから来たのかと、今回のアニメが新規・続編・リメイクのどの段階にあるのかを分けて見ます。分類に迷った3作品の事例も通して、いまのアニメ原作が紙とWebをどう行き来しているのかを話します。 ▼話したこと ・年間マップを146本から171本へ更新し、新たに25作品を追加 ・Web発は79本・54.1%から93本・54.4%へ、構成比はほぼ不変 ・秋開始58作品の84.5%を、漫画28本と小説21本が占める ・秋アニメは新規33本に対して、続編などの既存系が25本 ・複雑な原作経路は「最初にどこで始まったか」で分類する ・2026年9月18日時点の固定版を使い、同じ条件で変化を比較 ▼note記事 2026年の新作アニメ、原作の半分以上はWeb発。2026年アニメ原作マップを更新。 https://note.com/keke_ent/n/n0f17fb6fc1e8 ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe

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  7. Sep 18

    任天堂は11年前に「40年続くIP」の作り方を言っていた。ゼルダ40周年で見えたこと。

    「40年前のゼルダが、なぜいま、ここまで大きなニュースになるのか。」 2026年9月8日と9日。任天堂が、初めて2日続けてNintendo Directを配信しました。『ゼルダの伝説 時のオカリナ』のSwitch 2版、実写映画、ゼルダ柄の本体、40周年コンサート、ニンテンドーミュージアム、スマホアプリ。ゼルダに触れる場所が、一気に並びました。 ニュースとしては、ここまででお腹いっぱいです。でもわたしには、ひとつ引っかかった問いが残りました。40年前に生まれたゼルダが、なぜ2026年に、ここまで大きなニュースになるのか。なぜ新作が出るたびに、ファンの期待を越え続けられるのか。 2日間を続けて見ると、これはお祝いではないとわかります。9月8日は、ゼルダという一つのIPを縦に深く掘る日。9月9日は、遊び場のほうを横に広げる日。新作もリメイクも昔のゲームも、同じ番組に並ぶ。縦と横が交わるところに、いまの任天堂の商売があります。 しかも任天堂は11年前、2015年の決算説明会でこの考え方をすでに口にしていて、2025年には一枚の図にもしていました。今回はニンダイの中身を追いながら、10年以上かけて組み立てられた「40年続くIP」の作り方を、5つの示唆に整理しました。 ▼話したこと ・2日間のニンダイで並んだもの。ゲーム、映画、ハード、スマホ、音楽、施設、グッズ ・9月8日は「縦」、9月9日は「横」。2日間が一つの発表だった理由 ・周年を「祝う日」ではなく「再入場口を増やす日」として設計するという考え方 ・岩田聡さんが2015年の決算説明会で語っていた、IPの価値の積み上げ方 ・『時のオカリナ』を選んだ理由。旧作は記録ではなく未来の商品候補になる ・実写映画で制作費の50%以上を出資。世界という市場のプロデューサーに回った ・40年続くブランドは、守るものを減らして、戻れる場所だけを残している ▼note記事 【ニンダイ2026まとめ】ゼルダ40周年で見えた、任天堂の「40年続くIP」の作り方 https://note.com/keke_ent/n/n79be75e214a8 ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe

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  8. Sep 14

    『オデュッセイア』が10倍面白くなる。「掟」で全部つながる10問10答 | 解説・考察

    「なぜ、見ず知らずの旅人をあそこまでもてなすのか。」 クリストファー・ノーラン監督の『オデュッセイア』を、9月10日のアイマックス先行で観てきました。上映時間は172分。観終わって2日たっても、頭のなかは映画のことでいっぱいのままです。引っかかった場面が、いくつも残っていました。 冒頭でポリュペモスが父に告げ口する、あの父は誰なのか。なぜ見ず知らずの旅人を、あんなに手厚くもてなすのか。なぜ死者を弔わないことが、あそこまで責められるのか。アテナが味方なのに、なぜほかの神には苦しめられるのか。 観終わってから原作と神話の資料を読み直したら、引っかかりのほとんどが、たったひとつの前提で説明がつきました。神々は人間と同じ世界に住んでいて、直接口を出してくる。そして、その世界には人間が守るべきルールがある。 今回は、その前提を10個にまとめました。はじめの3つで神々とルールの話を、残りの7つで、そのルールが場面にどう出てくるかを見ていきます。観る前でも観たあとでも、登場人物の判断が違って見えてくるはずです。 ▼話したこと ・クセニア。迎える側と客が互いに守る、ゼウスが見張っている約束 ・神々は旅人の姿に化けて人を見て回るから、確かめる前にもてなす ・葬られない死者は死者の国の門をくぐれない。遺体を置いていく重さ ・兄弟が姉妹と結婚している。ニョンゴが姉妹を一人で演じる理由の推測 ・アガメムノンが自分の娘イピゲネイアを生贄にした、恨みの前史 ・映画のカリュプソはハスの花で7年。原作では別だった二つの重なり ・求婚者が責められるのは、客の側からクセニアを破っているから ▼note記事 『オデュッセイア』が10倍面白くなる。「掟」で全部つながる10問10答 https://note.com/keke_ent/n/n82ea6a4d5040 ▼朝日けけ。SNS note:https://note.com/keke_ent X:https://x.com/keke_ent substack:https://substack.com/@asahikeke Get full access to エンタメビジネス実況中継 at asahikeke.substack.com/subscribe

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