朗読のアナ 寺島尚正

菊池寛 「身投げ救助業」

 明治に入り琵琶湖から京都へ水を引くために、疎水工事が行われました。そして岡崎公園近くの疎水にかかった古い橋が、いつしか京都の自殺の名所となります。たまたまその近くに住んだ老婆が、川に身投げした自殺者に竿を突き出して救い、報奨金を得たのをきっかけに、いつしか身投げを救うことが生業になったのです。