漫画家ためになるラジオ

大事件の連続より、日常の丁寧な描写を。読者に「次を読みたい!」と思わせる“引き”を生むための要素 #272

漫画連載において「引き」がますます重要な時代になりました。特にアプリのような課金制モデルでは、読者に「次が読みたい」と思わせられなければ、商業として成立しないからです。

引きとは、本来は次の話で描かれる「これはどうなってしまうのか?」感が、少しフライングして本話の終わりに現れている構造とも捉えられます。

ただし、引きとなる要素は、必ずしも大事件である必要はありません。

それよりも、作品内における「日常」や「普通」をしっかりと丁寧に描くことのほうが遥かに重要です。

その描写がしっかりあるからこそ、日常から少し外れた些細な出来事や感情を描くだけで、大きな違和感を生むことができるからです。

引きを意識しすぎて大事件をインフレさせることは、むしろ引きを弱くしてしまう落とし穴。小さな出来事で、読者に「どうなるの?」と思わせるスキルを、ぜひ意識して鍛えていきましょう!