いなか医師の勉強ノート

どうする手術前のACP?電子カルテと人的サポートの効果を検証!

年間約2000万人の高齢者が待機的な大手術を受けていますが、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)を行っているのは10%未満です。ACPは、患者さんの価値観に沿った医療を提供するために不可欠ですが、特に手術前には実施が限られているのが現状です。

そこで、エビデンスのあるACPプログラム「PREPARE」を用いて、手術前の高齢患者さんに対するACP実施率を高めるための介入研究が計画されました。

この研究は、米国の3つの大学病院で6000人の患者を対象に行われる多施設共同、単盲検、実用的ランダム化比較試験です。介入は、情報提供のみの群、リマインダーを追加する群、さらにヘルスケアナビゲーターによる人的サポートを追加する群の3つに分け、介入の強度を高めることでACP関連文書の電子カルテへの記録率がどう変化するかを比較します。

この研究は、手術という重要な局面で、患者さんの意思を尊重した医療を実現するための、効果的で拡大可能なアプローチを明らかにすることを目指しています

Welton L, Colley A, Sudore RL, et al. I CAN DO Surgical ACP (Improving Completion, Accuracy and Dissemination of Surgical Advanced Care Planning): a protocol for a multisite, single-blinded, pragmatic randomised controlled trial to improve ACP completion in older adults in the presurgical setting. BMJ Open 2025;15:e108850.

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