GLOBIS学び放題×知見録Podcast

成功する農業DX:「経験と勘」から「予測アルゴリズムとマニュアル化」へ

あすか会議2025 第5部 分科会S(社会・文化)

「令和の米騒動に見る日本の食と農 ~どうする?日本の農業~」生駒祐一×佐々木伸一×岩佐大輝

(2025年7月5日開催/水戸市民会館)

突如巻き起こった「令和の米騒動」によって、食料価格高騰や担い手不足、低自給率など、日本の食と農の脆弱性が見事に露呈した。こうした日本の農業に内在する複合的な課題に対し、テクノロジーやスタートアップはどこまで対応できるのか。持続可能な農業を実現する経営戦略を議論し、未来を拓く変革の道筋を探る。

【登壇者】

生駒祐一(テラスマイル株式会社 代表取締役)

佐々木伸一(株式会社ルートレック・ネットワークス 代表取締役社長)

岩佐大輝(株式会社GRA 代表取締役 CEO)

※肩書は登壇当時のもの

【タイムスタンプ】

※タイムスタンプは生成AIで作成しているため、一部誤りがある可能性があります。あらかじめご了承ください。

00:01 議論の前提:農業基本法とスマート農業

改正農業基本法のフレームワーク(スマート農業、農地集積)を議論の軸に設定。

02:02 10年間の総括:成果を出せないアグリテック

農業を革新できず、海外製品に席巻されるアグリテックの現状を指摘。

04:20 アグリテックの成功要件

データ活用の要件は「自動」「安価」「価値ある予測」の3点と分析。

06:12 データ活用の核心:「分析」から「予測」へ

事後「分析」は無意味。リアルタイムの収穫・リスク「予測」に活路あり。

07:30 データ提供のジレンマ:「How」だけ知りたい農家

生産者の多くはプロセス(Why)より結果(How)のみを求める傾向。

08:12 ブラックボックス化の懸念とPDCA

AIが万能でない限り、農家自身のPDCAが必須。システムのブラックボックス化は危険。

10:46 データ化の最大の壁:「経験と勘」の操作

数値管理の未経験者にデータを見せても判断不可。アグリテック最大の浸透障壁。

13:21 気候変動と「経験と勘」の終焉

気候変動により過去の経験則(勘)が通用せず。生産者も変化の必要性を認識。

22:24 規模拡大より「技術の集約」と「標準化」

施設園芸は規模拡大より、制御やハウスの「標準化」と「技術集約」が合理的。

24:10 データ分析の具体的な需要:「作業平準化」

データ分析の最多需要は「作業効率の最適化」。労働生産性向上のため平準化が急務。

25:02 データ活用のゴール:「マニュアル化」

優良農家のノウハウを「安定して高品質な作物を作るマニュアル」へ落とし込む需要増。

25:48 気候変動が「特栽農家の勘」を無効化する

気候や病害虫の変化で、従来の「特栽農家の勘」が機能不全に。データ移行が必須。

27:40 データと教育による成果:新規就農者の収量倍増

データに基づく教育(アカデミー)の結果、新規就農者が平均収量の倍を達成した事例。

52:14 参入障壁の解決策:監督経験の「デジタル継承」

高額な設備投資に対し、「監督経験(ノウハウ)」のデジタル化とセットでの継承を提案。

#農業DX #アグリテック #スマート農業 #データ活用