本おたくとよもやま話

えなり&たかしお

今日のテーマとなる本は──という切り出しから始めるPodcast。 1冊の本をテーマによもやま話。「考えながら延々と話すことが好き」な、えなりとたかしおの雑談から、ちょっとした気づきが得られたり、本との向き合い方を考えるきっかけになれば。 ※毎週(だいたい)金曜日更新 【パーソナリティ】 📕えなり / ライター 年120冊以上の読書量を活かした記事執筆。求人広告営業および求人ライティング、採用担当を経てライターに。採用広報記事のほか、イベントレポートを執筆。独自に取材記事の執筆も行う。読書と観劇とフランス語学習が趣味。 ▼X https://x.com/enari_fr ▼ポートフォリオ(本に関係するお仕事募集中です!) https://waiting-jumbo-6c9.notion.site/Enari-Kanna-e578dea6fb2f45a28a6aa9a444de34f7 ▼選書サービスはじめました(2025年7月追記) https://note.com/enari_fr/n/n835b702081ec 🐱たかしお / ライター・コーチ・Podcast・コミュニティ 記事コンテンツ制作支援|コーチング|Podcast(3番組)をしている人。メイン事業はライター業。ITmedia・FastGrowなど主にメディアで執筆、他企業の広報・マーケ支援など。フリーランスコミュニティ『湖はんリトリート』主宰🏡猫とアニメとお酒が好き。 ▼X https://x.com/takashi_okb313 ▼活動内容まとめ https://my.prairie.cards/u/takashio ▼たかしお主宰コミュニティ『湖はんリトリート』 https://aboard-stock-fd7.notion.site/9da643665c36438ba2b88968d647dee2

  1. HÁ 2 H

    #099 『はみだしの人類学』(再)

    今回の本は『はみだしの人類学』。 著者:松村 圭一郎 https://www.nhk-book.co.jp/detail/000064072542020.html 約1年前にえなりが紹介した本を、たかしおが読んで再び取り上げる回。 NHK出版「学びのきほん」シリーズの一冊で、人類学の入門書として最適な本です。 ▼前回 https://stand.fm/episodes/66ed7e5a476b68f1adec76b7 【話すこと】 ・1年前にえなりが紹介した本。たかしおが最近読んで語りたくなった ・日本文化(着物、華道、わびさび)をイメージするが実際やってる人は少ない矛盾 ・人類学は主観の学問って感じがする。同じ対象でも人によって描き方が違うから自分がやる意味がある ・「つながり」、関係性の意識。相手を通じて自分を捉え直すこと ・「はみだし」、相手の領域に積極的に入り込むこと。習うより慣れろの精神 ・境界線の引き方でつながり方が変わる。男女、国籍、地域など様々な軸 ・一緒のカテゴリーにいたはずなのに、境界線を引いたことで対立している ・近いもの同士ほど敵対心を持ちやすいのが人間の性質 ・「地球人vs宇宙人」という究極の境界線で考えると人類は一つ ・改めて、たかしおが理解した人類学とは ・なぜ異文化に興味を持つ?極端な話、自己理解のため ・昔の人類学は西洋文化のフィルターを通した異文化理解だった ・同じ本でも切り取り方や引っかかる部分が違う面白さ (今後もまた、過去に取り上げた本を取り上げることがあると思います) 一言 他者を知ることは、自分を知ること。境界線の引き方を変えれば、世界の見え方が変わる #よもやま話 #本 #おすすめの本 #気づき #学び #ライター #podcast #NHK出版 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/652baa46bcd1491cab83f630

    35min
  2. 20 DE SET.

    #098 『YABUNONAKAーヤブノナカー』と『イン・ザ・メガチャーチ』

    今回取り上げる本は2冊。 『YABUNONAKAーヤブノナカー』 著者:金原ひとみ https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163919683 『イン・ザ・メガチャーチ』 著者:朝井リョウ https://info.nikkeibp.co.jp/books/campaign/121045/ 本オタクとよもやま話、初の2冊同時紹介回。芥川龍之介「藪の中」のオマージュとして複数視点で現代社会を描いた金原ひとみの小説と、推し活をテーマにした朝井リョウの最新作。 えなりが続けて読んで感じた「繋がり」から見える現代人の生き方について。 【話すこと】 ・なぜ2冊同時紹介?続けて読んで感じた「繋がり」とは ・現代社会の病理と複雑さ。人と分かり合うことの難しさ ・エコーチェンバーが強化する現代の分断 ・視野を狭くする。視野を“広く”するのは“いいこと”ではあるかもしれないが“幸せ”なのか ・社会のことを考えると鬱々とするが、推し活で視野を狭めると楽しくなる現象 ・分かり合えなさと孤独。人間は本当に分かり合えるのか? ・「分かり合いたい」という言葉に込められた祈りのような気持ち ・完全に分かり合ったらつまらなくなる?究極、自分のコピー人間は最も興味のない他人 ・知ってしまったら興味がなくなる人間の性質。旅行も買い物も「行くまで」「買うまで」が一番楽しい ・結果主義と過程重視。人生はゆっくり死んでいくプロセス 一言 分かり合えないからこそ分かり合いたい。その矛盾こそが人間らしさなのかもしれない #よもやま話 #本 #おすすめの本 #気づき #学び #ライター #podcast #文藝春秋 #日経BP再試行 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/652baa46bcd1491cab83f630

    33min
  3. 13 DE SET.

    #097 書店怪談

    今回取り上げる本は『書店怪談』です。 https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000416469 著者:岡崎 隼人 モキュメンタリー形式で描かれるホラー小説。 著者自身が登場人物として、全国の書店で起こる怪談を100話集めようとするが、次第に同じ幽霊が原因らしき現象に巻き込まれていく。 書店員さんの手書きコメントが装丁に散りばめられた、見た目から素敵な一冊。 【話すこと】 ・幽霊っていると思いますか?という根本的な問い ・たかしおの幼少期の鏡での不思議体験。のっぺらぼうの人影が見えた記憶 ・幽霊という概念は一人一人の中に存在する?「いる/いない」で論ずるよりもロマンを大切にしたい ・えなりの高校時代の金縛り体験。枕元に塩を置くようになったエピソード ・金縛りの体験談。頭は起きてるけど体が起きてない状態 ・ちょっと話題は変わって“本の特別視”について。なぜ「本を読む人は偉い」という空気があるのか ・書店のルーツは宗教施設。僧侶や修道院での知識管理が起源(という話題がこの本の中でも出てくる) ・聖書やコーランなど宗教的テキストとしての本の神聖性 ・ビジネス界隈での本ヒエラルキーについて。読書量や読む本のジャンルでの序列 ・自己啓発書は「お腹いっぱい」になるが、小説は繰り返し楽しめる不思議 ・本好き同士なら読書量に関係なく同じ目線で話せる ・純文学好きとビジネス書好きの対談は見てみたいが噛み合わなそう 一言 幽霊も本の特別性も、すべては人の心が作り出したもの。証明より想像を楽しもう #よもやま話 #本 #おすすめの本 #気づき #学び #ライター #podcast #講談社 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/652baa46bcd1491cab83f630

    38min
  4. 5 DE SET.

    #096 文化が違えば、心も違う?

    今回取り上げる本は『文化が違えば、心も違う?』です。 https://www.iwanami.co.jp/book/b10140107.html 著者:北山 忍 文化心理学の冒険と副題にある通り、人間の心理を文化や地域の違いから読み解く学問を研究する著者による一冊。 アメリカで研究活動をする日本人研究者が、日本・アメリカ・アフリカを軸に文化と心理の関係を探る。 【話すこと】 ・日本人がお酒に弱いのは稲作の影響?8000年前の遺伝子変異と文化的背景 ・遺伝子の突然変異体が中国の稲作地域で生まれ、東アジアに広がった説 ・アフリカ系アメリカ人の肥満率の高さと奴隷船時代の生存競争の関係性 ・環境が文化を作り、文化が遺伝子の進化に影響するサイクル ・ボブ・ディランの歌詞「Let others do for you」の翻訳による意味の違い ・使役動詞が示すアメリカ的な主体性と日本的な受動性 ・今の日本は民主主義に向いていない?主体性と議論文化の欠如 ・東アジアと欧米は文化心理学的に両極端。議論への捉え方の違い ・韓国にとってのキリスト教、台湾の中国への意識と民主主義 ・日本人の安定志向と協調性重視が民主主義実践の障壁? ・今回の話は、案外、自分たちの日常生活に活かせることもあるかも 一言 文化の違いを知ることで、自分たちの「当たり前」が当たり前じゃないと気づける #よもやま話 #本 #おすすめの本 #気づき #学び #ライター #podcast #岩波書店 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/652baa46bcd1491cab83f630

    41min
  5. 30 DE AGO.

    #095 スナック キズツキ

    今回取り上げる本は『スナック キズツキ』です。 https://magazineworld.jp/books/paper/7112/ 著者:益田ミリ 本おたくとよもやま話、初のコミック回!2021年にドラマ化もされた作品。 アルコールを置かない不思議なスナックを舞台に、傷ついた人だけがたどり着ける癒しの空間を描いた心温まる漫画文庫です。 【話すこと】 ・アルコールを置いていないスナック「キズツキ」。傷ついた人だけがたどり着ける不思議な場所 ・マスターの独特な接客方法。エアギター始めたり、踊りながら話したり非日常的な空間作り ・えなりは悩みを自己解決する派。言語化して客観視、SNSの身内アカウントでのつぶやき ・利害関係のない他者に悩みを話すことの難しさ。気を使ってしまって本題に集中できない ・実際、急にエアギターを渡されたらどうする?フィクションと現実のギャップ ・「人生の成功って何だ?商売みたいじゃねえか」というおじさんの言葉 ・成功と幸福の違い。幸福な人生で終われればそれでいいのでは?と思う、たかしお ・登場人物たちが実は全員つながっている、という構成の巧さ ・クレームを言う客とコールセンターの女性、それぞれに事情がある ・反射的に人を判断せず、背景を考える大切さ ・心の中にスナック・キズツキのような場所を持っておこう 一言 みんなそれぞれ傷ついている。背景を想像すれば、もっと優しくなれる #よもやま話 #本 #おすすめの本 #気づき #学び #ライター #podcast #マガジンハウス --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/652baa46bcd1491cab83f630

    24min
  6. 23 DE AGO.

    #094 エリート過剰生産が国家を滅ぼす

    今回取り上げる本は『エリート過剰生産が国家を滅ぼす』です。 https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000614648/ 著者:ピーター・ターチン(訳:濱野 大道) クリオダイナミクス(歴史動力学)の第一人者による、国家危機の法則を解明した一冊。 タイトル通りの内容だけれど、数式は一切出てこず文系にもわかりやすく書かれた興味深い本。 【話すこと】 ・国家危機は約200年周期で発生。背景にエリート過剰生産がある ・エリート志望者が増加するが椅子(ポジション)は限られている。エリートになれなかった人々が反エリート勢力となる ・大衆の貧困化と組み合わさることで国家が不安定化。フランス革命が典型例 ・ブルジョワ=貴族ではないがお金を持つ平民。彼らが貴族を倒そうとした ・アメリカ系著者の書き方の巧さ、具体例の豊富さ、世界史の様々な事例 ・一夫多妻制の国は一夫一妻制より危機サイクルが短い(100年程度) ・日本も同じ状況では?大学卒業者増加(エリート過剰生産)、大衆の貧困化、AIによる椅子の減少 ・1800年代の危機から200年が経過している現在、新たな危機が来る可能性 ・社会の脆弱性を過小評価してはいけない。フランス貴族も革命を予想していなかった ・「大事にはならないだろう」は通用しない時代。トランプ現象なども予測不能 ・エリートに対する日本人のイメージ。ドラマやアニメで嫌な役として描かれがち(主観です) ・フランスでもマクロン大統領など、エリートは嫌われている傾向あるかも ・AIなど新技術をうまく活用しながら、これからの時代に対応していこうね 一言 エリート過剰生産と大衆の貧困化が生む国家危機の法則。今まさに200年周期の転換点?って思うとちょっとこわい #よもやま話 #本 #おすすめの本 #気づき #学び #ライター #podcast #早川書房 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/652baa46bcd1491cab83f630

    31min
  7. 15 DE AGO.

    #093 日本語という外国語

    今回取り上げる本は『日本語という外国語』です。 https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000210499 著者:荒川 洋平 日本語教育の専門家による、外国人の視点から日本語を捉え直す一冊。 「日本人のための日本語再入門」として、普段当たり前に使っている日本語の特徴や難しさを再発見できると思います。 【話すこと】 ・えなりがユーロ圏で日本語教師をやるために読んだ実用的な一冊 ・日本語教師に大事なこと:当たり前を説明可能にする。私たちは文法を意識せずに使っている ・外国人向けの文法は日本人が習う文法と違う:形容動詞→な形容詞、連体形→ます形など覚えやすい名前に ・日本語は語彙が圧倒的に多い:理解語彙4-5万語、使用語彙1万語。フランス語の使用語彙は5000語以下 ・1000語覚えた時の日常会話カバー率:英語80%、フランス語83%、日本語60% ・語彙の少ない言語は比喩で補う。海外の人の表現力の豊かさはそのため ・雨の表現だけでも「にわか雨」「豪雨」など専用の語彙がたくさんある日本語 ・日本語の正書法の緩さ:句点の位置、表記揺れ、ひらく/とじるの判断など決まりが曖昧 ・フランス語は正書法が厳格。発音しないけど絶対つけなければならない活用など ・ライターとして表記が揃っていると気持ちいい。でも決めてほしいと思う複雑さ ・志賀直哉が「日本語は不完全だからフランス語を国語にしよう」と言った話 ・曖昧だからこその豊かさもある。リズムや身体性を重視する日本語 ・「私はスミス」と「私がスミス」の違い。新情報がどこにあるかで使い分ける 一言 当たり前に使っている日本語の奥深さ。語彙の多さと正書法の緩さが生む豊かさと煩わしさ #よもやま話 #本 #おすすめの本 #気づき #学び #ライター #podcast #講談社現代新書 --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/652baa46bcd1491cab83f630

    33min
  8. 9 DE AGO.

    #092 PLURALITY

    今回取り上げる本は『PLURALITY』です。 https://cybozushiki.cybozu.co.jp/books/plurality/ 著者:オードリー・タン、E・グレン・ワイル、 ⿻コミュニティ 訳:山形 浩生 解説:鈴木 健 【話すこと】 ・PLURALITYとは「多元性」。多様な人々が関係性を通じて価値を生成するエコシステム ・えなり的には「ブロックチェーンっぽい」って思った ・テクノロジーと政治の大きな可能性。0か1の投票ではなく、0~5点で全候補を評価する選挙システム ・より細かく民意を反映でき、投票モチベーションも向上しそう。ネット投票なら技術的にも実現可能では? ・既存の民主主義国家はシステムが出来上がっているため変更コストが高い。むしろ新しく民主化する国の方が導入しやすいかも ・SNSの普及で政治情報の見え方が激変したよね。最適化により偏った情報ばかり見てしまう問題 ・「進化がすごすぎて扱う人間がついていっていない」。8~9割の人が使われている状態 ・世界共通のフラットなSNSプラットフォームがあればいいのに ・理想的には一企業が運営する民間サービスではなく、Wikipediaのようなみんなでつくるイメージ ・出版の新しい可能性。この本の内容はネットで公開され、常に更新されている ・そもそも紙の本を買う理由って?装丁や質感などの身体体験、作り手の性格を感じ取れるからかな ・えなりはGPTと一緒に本を読んだ。新しい読み方、面白い体験ができた 一言 テクノロジーで民主主義をアップデート。本の形も進化していく。そんな未来への可能性を感じる一冊 #よもやま話 #本 #おすすめの本 #気づき #学び #ライター #podcast #サイボウズ --- stand.fmでは、この放送にいいね・コメント・レター送信ができます。 https://stand.fm/channels/652baa46bcd1491cab83f630

    28min

Sobre

今日のテーマとなる本は──という切り出しから始めるPodcast。 1冊の本をテーマによもやま話。「考えながら延々と話すことが好き」な、えなりとたかしおの雑談から、ちょっとした気づきが得られたり、本との向き合い方を考えるきっかけになれば。 ※毎週(だいたい)金曜日更新 【パーソナリティ】 📕えなり / ライター 年120冊以上の読書量を活かした記事執筆。求人広告営業および求人ライティング、採用担当を経てライターに。採用広報記事のほか、イベントレポートを執筆。独自に取材記事の執筆も行う。読書と観劇とフランス語学習が趣味。 ▼X https://x.com/enari_fr ▼ポートフォリオ(本に関係するお仕事募集中です!) https://waiting-jumbo-6c9.notion.site/Enari-Kanna-e578dea6fb2f45a28a6aa9a444de34f7 ▼選書サービスはじめました(2025年7月追記) https://note.com/enari_fr/n/n835b702081ec 🐱たかしお / ライター・コーチ・Podcast・コミュニティ 記事コンテンツ制作支援|コーチング|Podcast(3番組)をしている人。メイン事業はライター業。ITmedia・FastGrowなど主にメディアで執筆、他企業の広報・マーケ支援など。フリーランスコミュニティ『湖はんリトリート』主宰🏡猫とアニメとお酒が好き。 ▼X https://x.com/takashi_okb313 ▼活動内容まとめ https://my.prairie.cards/u/takashio ▼たかしお主宰コミュニティ『湖はんリトリート』 https://aboard-stock-fd7.notion.site/9da643665c36438ba2b88968d647dee2