いなか医師の勉強ノート

つばさ

医学知識をアップデートしたい!でも面倒!という同志のため、地域医療、家庭医療、総合診療、プライマリ・ケア、総合内科に関する論文やレビュー、ガイドラインを、Notebook LMに解説してもらうだけの、「くつ王レディオ」リスペクト番組です。

  1. -25 MIN

    2025年版!糖尿病標準診療マニュアルを読み解く〜かかりつけ医のギモンに答えます〜

    一般診療所やクリニックでの2型糖尿病の包括的管理と、地域診療連携の推進を目指して作成された「糖尿病標準診療マニュアル2025」は、Evidence-Based Medicine(EBM)に基づき、学会のガイドラインを実地診療に導入するための実用書です。本マニュアルは、臨床アウトカムを評価したエビデンスを重視し、エビデンスがない分野では専門家のコンセンサスを基に作成されています。 糖尿病の診断基準から、初診時・再診時の必須聴取項目、検査、そして治療目標までが網羅されています。治療法については、食事療法、運動療法、薬物療法が詳述されており、特に薬物療法では、血管合併症や低血糖に関するエビデンスに基づいて薬剤選択のステップが具体的に示されています。 本マニュアルの有用性はランダム化比較試験によっても検証されています。 Noto H, Goto A, Onda M, Asakura T, Sakamoto M, Abe M, et al. Cluster-randomized trial to improve the quality of diabetes management: the Study for the Efficacy Assessment of the Standard Diabetes Manual (SEAS-DM). J Diabetes Investig. 2016;7(4):539-43. #地域医療 #プライマリ・ケア #いなか医師の勉強ノート #糖尿病 #生活習慣病 #マニュアル

    22 min
  2. -12 H

    気管支拡張症に去痰薬は本当に効く?~高張食塩水とカルボシステインの効果を検証~

    気管支拡張症の患者さんに対して、去痰薬である高張食塩水やカルボシステインが処方されることがあります。しかし、その有効性についてはガイドラインでも見解が一致しておらず、エビデンスも限定的でした。 そこでイギリスで行われた本研究(CLEAR試験)では、非嚢胞性線維症の気管支拡張症患者288名を対象に、高張食塩水とカルボシステインの有効性と安全性を検証しました。参加者は、標準治療に加えて高張食塩水、カルボシステイン、両剤併用、または標準治療のみの4群に無作為に割り付けられました。 主要評価項目である52週間の肺の増悪回数について、高張食塩水もカルボシステインも、標準治療単独と比較して有意な減少を示しませんでした。QOLや次の増悪までの期間などの副次評価項目においても、群間での明確な差は見られませんでした。 本研究の結果は、気管支拡張症に対するこれら去痰薬の臨床的有用性が見いだせない可能性を示唆しています。 Bradley JM, O'Neill B, McAuley DF, Chalmers JD, De Soyza A, Hill AT, et al. Hypertonic Saline or Carbocisteine in Bronchiectasis. N Engl J Med. 2025 Sep 28. DOI: 10.1056/NEJMoa2510095. #地域医療 #プライマリ・ケア #いなか医師の勉強ノート #気管支拡張症 #去痰薬 #呼吸器内科

    7 min
  3. -3 J

    高血圧治療の新アプローチ〜降圧薬の強度3段階法〜

    高血圧は心血管疾患の主要なリスク因子であり、血圧を1mmHg下げるごとにリスクが約2%減少することが知られています。しかし、数多くある降圧薬の組み合わせの中から、どの程度の降圧効果が期待できるかを具体的に示す包括的なエビデンスはこれまでありませんでした。今回の論文は、主要5系統の降圧薬に関する484件のランダム化比較試験を対象としたシステマティックレビューとメタアナリシスです。 この研究では、薬剤の種類、用量、治療前の血圧値に基づいて降圧効果を定量化し、降圧薬レジメンを低強度・中強度・高強度の3段階に分類する新しいアプローチを提案しています。単剤療法では用量を倍増しても降圧効果の増強はわずかですが、2剤併用療法ではより大きな効果が得られることなどが示されました。これらの結果は、よりエビデンスに基づいた降圧薬の選択を可能にし、臨床現場での意思決定を助けるものと期待されます。 Wang N, Salam A, Pant R, Kumar A, Dhurjati R, Haghdoost F, et al. Blood pressure-lowering efficacy of antihypertensive drugs and their combinations: a systematic review and meta-analysis of randomised, double-blind, placebo-controlled trials. Lancet. 2025;406:915-25. #地域医療 #プライマリ・ケア #いなか医師の勉強ノート #高血圧 #降圧薬 #メタアナリシス #システマティックレビュー

    20 min
  4. -5 J

    「腎不全の緩和ケア、いつから始める?」3学会合同ガイダンスを読み解く

    腎不全患者さんへの緩和ケアは、がん患者さんと同様に重要ですが、日本ではその整備が遅れていました。この状況を受け、日本緩和医療学会、日本腎臓学会、日本透析医学会の3学会が協働し、2025年9月に「腎不全患者のための緩和ケアガイダンス」が発表されました。 このガイダンスは、腎代替療法の有無にかかわらず、全ての腎不全患者さんを対象としており、診断時から人生の最終段階まで、各病期に応じた緩和ケアの実践方法を網羅しています。 具体的には、痛み、倦怠感、掻痒感などの身体的苦痛、抑うつや不安といった精神的苦痛の緩和、意思決定支援、多職種連携による医療提供体制の構築 など、日常診療で直面する課題に対する実践的な内容が盛り込まれています。 本ガイダンスは、腎臓内科医や透析医をはじめ、腎不全診療に関わる全ての医療者が緩和ケアの理念を理解し、日々の診療に取り入れることを目的としています。 日本緩和医療学会, 日本腎臓学会, 日本透析医学会. 腎不全患者のための緩和ケアガイダンス. 2025. #地域医療 #プライマリ・ケア #いなか医師の勉強ノート #腎不全 #緩和ケア #意思決定支援 #透析 #腎代替療法

    16 min
  5. -6 J

    10年ぶりの改定!骨粗鬆症ガイドライン2025年版を読み解く

    今回のエピソードでは、10年ぶりに改訂された「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2025年版」を楽しく学びます!日常診療で遭遇する機会の多い骨粗鬆症ですが、高齢化が進む日本では患者数が1,590万人にのぼると推定されています。このエピソードを聴けば、最新の知識をアップデートできます。 --------- 高齢者のQOLを著しく低下させる骨粗鬆症。今回のテーマは、10年ぶりに改訂された「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2025年版」です。高齢化に伴い患者数が増加する中、骨粗鬆症対策は医療のみならず社会的な課題となっています。 新しいガイドラインでは、『Minds診療ガイドライン作成マニュアル 2020 ver.3.0』に準拠し、臨床上の課題(CQ)を設定してシステマティックレビューを行う方式が採用されました。 薬物療法ではゾレドロン酸、アバロパラチド、ロモソズマブが追加されています。 番組では、最新の診断基準や薬物治療の考え方、そして一次・二次骨折予防のための「骨粗鬆症リエゾンサービス®(OLS)」の重要性まで、多岐にわたる内容を分かりやすく解説します。 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会, editor. 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2025年版. ライフサイエンス出版; 2025. #骨粗鬆症 #ガイドライン #地域医療 #プライマリ・ケア #いなか医師の勉強ノート

    28 min
  6. -6 J

    専門医任せでいい?アルツハイマー病診療、総合診療医のホンネ

    専門医任せでいい?アルツハイマー病診療、総合診療医のホンネ 「認知症、専門医に紹介した後のフォロー、どこまで関わればいいんだろう?」「新しい薬の情報をどうやってキャッチアップすれば…」そんな日常診療の悩みに、この論文がヒントをくれるかもしれません。専門医への紹介の遅れや連携の難しさ、そして何より家庭医ならではの「ホリスティックなケア」の重要性など、共感できるポイントがたくさん見つかるはずです。 --- この研究は、英国の総合診療医(GP)を対象に、中等度から重度のアルツハイマー病(AD)患者に対する現在のケアパスについての経験と考えを質的インタビューを通じて調査したものです。 GPは、AD患者のケアに関する知識、スキル、自信にギャップを感じており、特に疾患の進行段階を評価し、メマンチンなどの追加治療を開始することに不安を抱えています。 また多くのGPは、患者や家族との継続的な関係性の中でホリスティックなケアを提供することが自らの重要な役割だと認識している一方で、専門医への紹介の遅れや連携不足といった現在のケアパスの問題点も指摘しています。新たなケアパスの導入やGPの役割拡大には、追加の研修や資金、リソースの提供が不可欠であると結論付けています。 Carter M, Butterworth JE, Fox C, et al. Evaluating care pathways in Alzheimer’s disease: a qualitative interview study with GPs in England. BMJ Open 2025;15:e105978. #総合診療 #家庭医療 #プライマリ・ケア #いなか家庭医の勉強ノート #認知症 #アルツハイマー型認知症 #質的研究

    7 min

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医学知識をアップデートしたい!でも面倒!という同志のため、地域医療、家庭医療、総合診療、プライマリ・ケア、総合内科に関する論文やレビュー、ガイドラインを、Notebook LMに解説してもらうだけの、「くつ王レディオ」リスペクト番組です。

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