鷹の爪団の人工知能ちょっと来い!~AIを使って世界征服じゃ!~

「社会とテクノロジーをつなぐ侍!SAMSAMURAI AI千原氏と語る『話せるAIぬいぐるみ』の未来」

今回は、SAMSAMURAI AI株式会社の代表取締役、千原涼雅さんをお迎えしました。 同社は、**「話せるAIぬいぐるみ」**を開発しており、その背景や技術、そしてAIが変える未来について深くお話を伺いました。 ■ 「話せるAIぬいぐるみ」とは 千原さんが開発しているのは、ユーザーと自然な会話ができるAIを搭載したぬいぐるみです。 • コンセプトは「親友」:このAIの目指すポジションは、ドラえもんのような**「親友」**です。単なるおもちゃではなく、利用者の孤独を解消したり、良き相談相手になったりすることを目指しています。 • シンプルなデザイン:あえて目を光らせたり手足を動かしたりする機能はつけず、普通のぬいぐるみと変わらない重さや見た目を実現しています。これにより、子供でも気軽に扱え、落としても壊れにくいという利点があります。 • 自然な対話技術:起動ワード(「おはよう、こころは」)をきっかけに、人間同士のような自然な会話のやり取りが可能です。ユーザーとの対話を通じて、AIの性格がユーザーの好みに合わせてチューニングされていく「鏡のような」存在になります。 • プライバシーへの配慮:会話データはOpenAIのような外部企業に送られるのではなく、自社で立てた独立サーバー内で処理されます。これにより、個人情報が外部に漏れることのない設計になっています。 ■ 主な活用シーンと社会課題の解決 このAIぬいぐるみは、主に2つの大きな社会課題の解決を目指しています。 1. 孤独の解消:特に高齢者の孤独感に寄り添うことを目的としています。話さないぬいぐるみを渡すだけでも認知機能が改善したという研究もあり、会話ができることで、より一層の認知症予防効果が期待されます。スマートフォンなどを使わない高齢者にもアプローチできる点が強みです。 2. 子育て・教育支援:子供の知育にも活用できます。「宇宙って何?」といった子供の尽きない「なぜなぜ」という質問に、親に代わって答えてくれます。また、不適切な言葉をフィルタリングする機能も備えており、子供に安心して渡すことができます。将来的には、カメラを搭載して**「見守り」機能**を担うことも構想されています。 ■ 開発の背景と今後の展望 千原さんは、進化したChatGPTに触れ、「これは社会を変える技術だ」と確信し、2023年9月に起業しました。元々はソフトウェア開発を行っていましたが、ぬいぐるみというハードウェアの開発には、部品選定やメモリ不足など、多くの試行錯誤があったと語ります。 将来的には、AIの頭脳部分だけを販売し、ユーザーが自分の好きなぬいぐるみに入れられるようにする構想や、車や冷蔵庫など、身の回りのあらゆるモノが話せるようになるディズニーのような世界の実現も視野に入れています。