今回は2025年に慶応義塾大学出版会より出版された『植民地朝鮮と「出産の場」〜産婆と胎教の衛生史』の著者である扈素妍さんにお話を伺いました。インタビュアーは長澤裕子さんです。
【著作概要】日本統治下にあった20世紀前半の朝鮮における「出産の場」、とくに産婆や胎教がどのように機能していたか、言説分析を通して明らかにする。「出産」をめぐって日本人の役人、医師、朝鮮人産婆、優生学者などが、新聞・雑誌でさまざまな言説を展開した。「近代の知」が旧弊の「風習」とときに対立し、ときに協力関係を結ぶといった複雑なせめぎあいがあったことを実証的に論じ、出産する女性をとりまく様相を起点に「歴史叙述を女性へ取り戻す」ことを試みる。
【ゲスト:扈素妍プロフィール】京都大学大学文書館特定助教。2011年ソウル市立大学人文学部国史学科卒業。2016年京都大学大学院文学研究科歴史文化学専攻日本史専修修了。2021年京都大学大学院文学研究科歴史文化学専攻日本史専修研究指導認定退学。2023年同大学院同研究科博士号(文学)取得。奈良文化財研究所企画調整部アソシエイトフェローを経て、現在に至る。主要論文に、「植民地朝鮮の出産風習としての胎教と生政治〜『優生学』言説を中心に」(『朝鮮学報』第260巻、2022年)、「植民地朝鮮における出産風習と産婆養成政策」(『史林』第103巻第5号、2020年)など。
【インタビュアー:長澤裕子プロフィール】高麗大学校政治外交学科博士課程終了、博士(政治学)。東京大学大学院総合文化研究科、特任准教授を経て、現在、ソウル大学校アジア研究所、訪問研究員フェロー兼早稲田大学国際和解学研究所、招聘研究員。専門は日米韓外交史。朝鮮半島の分断と政治・文化政策、日韓・日朝国交正常化交渉を研究している。著作に外村大・長澤裕子『<負の遺産>を架け橋に〜文化財から問う日本社会と韓国・朝鮮』(ころから、2024年)など。近刊に、編著『ようこそ韓国・朝鮮世界へ』(昭和堂)、単著『朝鮮の南北分断と日本の主権〜太平洋戦争から対日講和条約締結まで』(ソウル:高麗大学校出版文化院、ハーバードイェンチン研究所出版助成)。
المعلومات
- البرنامج
- معدل البثمرتان في الشهر
- تاريخ النشر١٢ أغسطس ٢٠٢٥ في ١١:٣٠ م UTC
- مدة الحلقة٢٦ من الدقائق
- الموسم١
- الحلقة٩١
- التقييمملائم